インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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何とか書けましたが……正直言っちゃうと、リンチになってます。

「もっと熱い展開を期待してた……」「無双かよー……」と感じさせてしまうかもしれません。


36話 vs銀の福音(後編)

 目の前で獣のような叫び声をあげる福音。あまりにもおぞましい声に、俺たちはそれを見つめる事しかできなかった。

 

「チクショウ! しぶとい野郎だ!」

「最悪ですわ……。こんなタイミングで第二形態移行なんて……」

 

 バッドタイミングって奴だな。今の福音は、エネルギーで作られたであろう翼が頭から生えている。俺の勘が言ってやがるぜ……。あの翼はヤバいってな。

 

「今は避けることに……ぐうぅっ!?」

「相棒!?」

 

 相棒がいきなり攻撃を受けた。光弾が飛んできた方向を見ると、腕をかざしている福音がいた。なんつー攻撃速度だよ……。っていうか、近くにいる一夏がやべぇ!

 

「一夏ぁ! 避けろぉ!」

「分かってる!」

 

 福音からの猛攻を必死に避ける俺たち。だけど、仲間にぶつからず且つ高速で避けるというのは至難の業だ。俺も、撃たれた相棒を抱えながら飛び回ってるもんだから、何発かくらってしまった。シャルの方は『ガーデン・カーテン』によって守られてるが、彼女の表情は険しい。鈴は元々実力が良いからなのか、何とか避けてる。セシリアも高速機動で避けてるし、一夏も、被弾はしてるものの掠り傷程度で済んでいる。

 

「真……さん……」

「相棒、無理して喋るな!」

「真さん……。このままではジリ貧です……。日本からの増援が来るのも怪しいでしょう……」

「分かってるそんな事! だから何とかしようと考えてるんだろうが!」

「……能力を使いましょう。モンスター能力を」

「…………は?」

 

 何言ってるんだ、コイツは? モンスター能力を使う……? みんながいる前でか!?

 

「撃たれて気でも狂ったか!? 能力を使う? んな事したら……!」

「えぇ、分かってます。最悪、皆さんに()()()()()()がバレるでしょう。ですが、今はそんな躊躇いすら許してくれないんですよ……!」

 

 

「っ! キャアアア!」

「セシリア!? シャル、セシリアを……!」

「分かってるけど……攻撃が激しすぎて近づけない!」

「クソォ! 俺が気を引く! 鈴とシャルでセシリアを!」

「ちょ、一夏! バカやってんじゃないわよ!」

「が、ぐ、おぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 

 ……あぁもう! やるしか無いってのかよ! 上等だ! やってやる!

 

「しょうがねぇ! やってやるよ!」

「それでこそ真さんです。さて、もう大丈夫です。私も……全開で行きますから」

 

 相棒の目が赤く光る。それとともに、相棒の傷が音を立てて塞がり、気配も殺気に似たような物に変わる。相棒がそこまでやる気なら、俺もやらないとなぁ!

 

「グラビオス。ちぃとばかし付き合ってくれよ? 能力を開放する」

《分かった!》

 

 俺の体や頭がピキピキと音を立てる。俺の能力、それは……「岩竜になる程度の能力」。鎧竜グラビモスの幼体であるバサルモスの力を、俺は扱うことが出来る。そして今俺がやっているのは、体を岩竜の甲殻で覆う『鎧化』というやつだ。

 

「防御は俺の能力で……飛行能力はISのエネルギーで……!」

 

 腕や足の装甲も解除し、代わりに岩のような甲殻が手足を覆う。一夏たちから見たら、前に襲ってきた無人機のような全身装甲(フルスキン)に見えるだろうな。

 体中を熱湯が駆け巡っているような感覚が、俺に襲い掛かる。能力を使うのは久しぶりだからな……!

 

「行く……ぜ。相棒……!」

「あぁ……。ぶちかましてやるぜ……!」

 

 

 

「「グルアァァァァァァァァ!!」」

 

 

 

 俺たちは雄たけびを上げると、瞬時加速で一気に福音との距離を詰める。驚いている雰囲気を出しているのを無視して殴りつける。

 

「ダラァ!」 

《っ、熱源反応を確に――――――》

「遅いんだよアホンダラぁ!」

 

 後ろから相棒が斬りかかる。福音は大きく仰け反るが、まだ止まる気配がない。なら……止まるまで殴り続けるだけだ! 俺は拳に炎を纏わせてラッシュをかます。

 

「ドラドラドラドラドラドラァ!」

《ガッ……ギッ……》

 

 銀色の装甲がどんどん焼け焦げていく。苦しそうな声も上げているが知ったこっちゃねえ。敵ならばぶちのめす……それだけだ!

 俺がヤクザキックで蹴り飛ばすと、追い打ちをかけるように青いレーザーが福音に着弾する。その方を見ると、狙撃の体勢に入っていたセシリアがいた。

 

「なぜ真さんが全身装甲になってるのか、ミツルさんの赤い目は何だとか聞きたいことは沢山ありますわ。ですが……!」

「終わったらたっぷり聞かせてもらうからね!」

 

 鈴が炎の衝撃砲をぶちかます。俺の拳の跡もあって、かなり痛々しい姿になった。そこへ赤い残光が空を駆ける。相棒だ。

 

「ずぇりゃああああああ!」

「僕がいることも忘れないでよ!」

 

 相棒のブレードが福音の装甲を削り、手を付けてないところをシャルのマシンガンが襲う。それはまるで、福音を中心に二人が回ってるような動きだ。そしてシャルが離れると、相棒が腕からブレードを生やす。

 

「食らいやがれぇぇぇぇ!」

 

 ズガンッ!という音が聞こえそうな勢いで切り裂くと、今度は一夏の番だ。手の平からエネルギーの弾丸を浴びせる。俺たちの隙を与えねぇ攻撃に、福音はただ攻撃を受けてるだけだった。しかし……

 

《キィィィィィアアァァァァァァァァ!》

 

 いい加減にしろよ!って感じの咆哮を上げる。すると相棒が、一夏の肩を引っ張った。

 

「うあ!?」

「ヤバい予感がする! 真の後ろに行きなぁ!」

「どわぁぁぁ!?」

「あぶねぇ!?」

 

 相棒の奴、俺に向かって一夏を投げ飛ばしやがった! それと同時に、福音から物凄い数の光弾が放たれる。俺やシャルがシールドを展開して防ぐ。近くに盾となるものが無いセシリアが不安だったが、相棒が弾幕を潜り抜けて彼女の手を掴み、退避させる。にしても、すごい威力だ。シールドに着弾したときの衝撃が伝わってくる……!

 

「ぐっ、おぉぉぉ……!」

「このままじゃヤバい……。こうなったら俺の『雪羅』をシールドモードにして……!」

「心配すんな一夏。これぐらいでぶち破られるんじゃあ……要塞になんかなれねぇ!」

 

 『グラビド・ヘッド』は、ただ攻撃を防ぐだけじゃないんだぜ。福音の光弾が当たってからしばらくして、目の前に文字が浮かぶ。

 

―――――熱エネルギー、チャージ完了。

 

「一夏。ちょいと熱くなるぜ。火傷するなよ?」

「え? それってどういう……」

「お前ら避けろぉ! ぶちかますぞぉぉ!」

 

 『グラビド・ヘッド』は、鎧竜グラビモスの頭のような形をしてる。口にあたる部分が開くとそこに見えるのは……砲門だ。そこが発光を始める。そう。これこそ、俺の能力をグラビオスが読み取ることで得た新機能。シールドに着弾した熱を吸収して、熱線として放つ!

 

『真、よく見てろよ? これが、いつしかお前も使えるようになる技だ!』

 

 父さんが見せてくれた技を、俺は……強化してぶっ放す!

 

「ツイン……ファイアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 二つの砲門から放たれる極太の熱線。それは福音の装甲を焼き、さらにエネルギーで作られた翼を焼き落とした。

 熱線が出し尽くされた頃には、福音は光を放っていた。やがて機体が完全に解除されると、金髪のパイロットが海へ向かって落ちていく。だが俺たちが行くよりも速く、セシリアと鈴が保護してくれた。

 

 

 

 

 

「ぐっ……フゥゥゥ……」

 

 俺はゆっくりと、鎧化を解除していく。いくら溶岩にも耐えられる甲殻をしていたって、殴った時の痛みとかも来てしまう。それに、長時間の緊張のせいか疲労が尋常じゃない。

 

「真さん……」

「相棒か……」

 

 いつも通りの口調で相棒が話しかけてくる。どうやら相棒も、元に戻ったようだ。

 

「……帰りましょうか」

「帰ったら、面倒くさいことになりそうだけどな」

 

 明らかに非常識な部分を見せちまったからな。最悪の場合、幻想郷のことも話さないといけないかもしれない。だけど今は……ゆっくりと休みたい気分だった。




後もう1話書けば、臨海学校は一段落ってところですかね。

では、次回もお楽しみに。
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