インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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43話 増えていく仲間たち

 ヴァレッタとの戦いを終えをた後、俺は会長によって保健室へ連れてこられた。俺は自力で動けるくらいピンピンしてるが、念の為に検査したいんだとか。別に大丈夫なんだけどよぉ……。

 

「……とか思ってた数分前の俺を殴りてぇ」

「あはは……。面目ないです……」

「ISの攻撃を受けていながら、会話ができるレベルなんて……」

 

 目の前には、体の所々を包帯で巻いている相棒の姿があった。二種類の毒を受けた上に、何とモンスターもISを使ってきたんだとか。今はベッドの上で、上半身を起こしている状態だ。

 ちなみに保健室には、会長と織斑先生、あと何故か山田先生まで保健室に来ていた。何でも、織斑先生が呼んだんだとか。俺たちの協力者は多い方が良いとか、そういう理由らしい。

 

「ミツル!」

 

 突然、保健室の扉が勢いよく開かれた。声の主は、相棒に恋しているラウラだ。傷だらけの相棒を見たとたん、顔が青くなる。

 

「あ、あぁ……。そんな包帯まみれで……」

「そ、そんなに泣かなくても……。私は頑丈ですし……」

「それでもだぁ……!」

 

 あーあー、泣き出したよ。突然の事に相棒もアタフタしてる。すると、開け放しの扉から一夏たちも入ってくる。

 

「真、ミツル、大丈夫か?」

「俺は大丈夫だけどよ、相棒がこの通りだ」

「……ラウラに泣かれて慌ててる姿しか見えないわね」

「あれだけ包帯だらけなのに動けてることに驚こうか、鈴!?」

「うーし、ちょいと真面目になろうか? 相棒も早く泣き止ませろって」

「私ですか!? 私が悪いんですか!?」

 

 ほら、会長とか先生たちが驚いてるもん。俺と相棒について一夏たちが知ってることに驚いてるもん。

 

 

 

 

 その後、自分たちの能力について、敵対しているモンスターの存在について、そして生まれ故郷の幻想郷について説明した。最初こそ「何言ってるんだコイツ」みたいな表情だったが、俺たちが能力を使ってるのを見たこともあって、すぐに納得してくれた。

 

「人間に恨みを持つモンスター、神や妖怪などが住まう幻想郷、そしてモンスター能力者か……」

「も、もう聞くだけでお腹一杯です……」

「山田先生、私もです」

 

 俺や相棒と共闘した織斑先生や会長はともかく、何も知らなかった山田先生は目がグルグル回ってる。それはもう漫画のように。

 

「一夏、シャル。あの時に部屋に現れた紫さんを覚えてるだろ? あの人が幻想郷の創設者なんだ」

「え、えぇ!? それは初耳だよ!」

「そんな凄い人と話したのかよ、俺たち……」

「……二人に聞きたい。また、モンスターは来るのか?」

 

 俺たちが説明するころには泣き止んでいたラウラが、尋ねてくる。この質問に対する答えは……

 

「あぁ。間違いなく来る」

「今回の騒動は、私たちをおびき寄せるために仕掛けたもの……。次も同じように攻めてくるかもしれませんし、正攻法で来る可能性もあります」

「一応聞きたいのですが、その正攻法というのは?」

「大量のモンスターを引き連れての、学園襲撃」

「っ!」

 

 どれだけの数がいるかは分からないが、間違いなく大規模な戦いになる。下手すれば学園の一部の施設が破壊されてもおかしくない。これがジャギィとかブナハブラのような小型モンスターなら、まだ何とかなる。ISのマシンガンとかガトリングガンとかぶっ放せば殲滅できるからな。

 問題は、今回のような人化モンスターが一気に攻めてきた場合だ。そうなると、勝つのは難しい。父さん達は外の世界では行方不明扱いされてるから、例え来れたとしても短時間だけだろう。

 

「となると、学園祭とかの延長・中止も視野に入れるしかないわね」

「申し訳ないっス、俺たちがこの世界に来なければ……」

「いや、例え東風谷たちがISを起動せず学園(ここ)に入学しなかったとしても、モンスター達は襲撃していただろう。ここには、訓練機とはいえISが何機もあるからな」

「私も副担任として、そして一人の人間として東風谷くんに協力します! 何かして欲しいことがあったら、いつでも言ってくださいね!」

「楯無さん、織斑先生、山田先生……ありがとうございます」

 

 

 

 

 その後、相棒を休ませるためということもあって、俺たちは解散した。だが、なぜか俺だけ会長に呼び止められた。今は会長の後ろを歩いている。

 

「会長? どこへ歩いてるんですか?」

「生徒会室よ。私の信頼できる幼馴染みにも、同じことを話してもらいたいの」

「協力者は多い方が良い、というやつっスか?」

「その通り♪」

「何度も言われりゃあ、そりゃ覚えますって」

 

 そんな会話をしてるうちに、生徒会室と書かれた扉が見えた。会長が開ける。

 

「ようこそ、生徒会へ」

「嘘だろオイ……」

 

 室内を見た瞬間、俺は驚きで目を見開いちまった。

 そこには、眼鏡をかけた三年生のリボンを着けてる人と……ルームメイトである本音がいたからだ。生徒会に所属してるなんて聞いてねえぞ!?

 

「東風やん~? どうしたの~?」

「あ、えっと……。会長、マジで話さないといけないんスか?」

「えぇ。あ、その前に虚ちゃんのことを紹介しないとね」

「初めまして、東風谷くん。私は布仏虚。妹がいつもお世話になってるわね」

 

 え? 布仏って……それに妹……まさか!?

 

「本音!? お前、姉さんがいたのかよ!?」

「そうだよ~?」

「何で教えてくれなかったんだよ!」

「聞かれなかったからさ~。てひひ~」

 

 ぐぅぅ! そんな可愛い笑顔で返されるとなにも言えねぇ!

 

「あー、えっと、布仏先輩って呼べばいいっスか?」

「虚で良いわ。本音とかぶるでしょう?」

「じゃ、じゃあ虚先輩で……」

「さて、自己紹介も終えたことだし、話してもらいましょうか。本音ちゃん、真面目なお話だからちょっとお菓子食べるのはストップよ~」

 

 ……話すしか、ないか。

 

 

 

 

「……と言うわけっス」

「「……………………」」

 

 会長たちに話したのと同じことを、本音たちにも話した。

 

「東風やんは……戦わないといけないの?」

「あぁ。連中は、俺や相棒が目障りらしいからな。いろんな手段を使って襲ってくるかもしれない」

「嫌だ……嫌だよぉ……東風やんが戦うなんて嫌だぁ……」

「……こればかりはどうしようも無いんだ、本音」

 

 くそ……。んな顔されたら、こっちまで悲しくなるだろうが……。

 すると、虚先輩が話しかけてきた。

 

「東風谷くん。私たちに出来ることはあるかしら?」

「そうっスね……。あんまり他の生徒に知られたくないんで、うまい具合に情報操作してくれればありがたいかと」

「それなら何とかなるわ。織斑先生も協力関係にあるなら、なおさらよ」

「モンスターの存在を知った以上、私も全力を尽くすわ」

 

 良かった。虚先輩と会長は協力してくれるみたいだ。でも問題は……

 

「………………」

 

 さっきから、しょんぼりと俯いている本音だ。本当は知らせたくなかった。巻き込みたくなかった。でももしかしたら、どれだけ先延ばしにしたって、結局は話さないといけない運命だったのかもしれない。

 

「本音」

「う~……」

「ごめんな。どうしても、俺は戦わないといけない」

「でも、それで東風やんが死んじゃうのは嫌だよぉ……」

「……おいおい。本音は、俺が死ぬとでも思ってるのかい?」

「……ほえ?」

 

 本音がキョトンとした顔で俺を見る。泣いていたのか、少しだけ目元が赤い。

 

「確かにモンスター共は強いさ。だがな、『勝てない』なんて一言も言ってないぜ? それにな……」

「それに?」

「俺は、『女にしかISを動かせない』って()()()()()()()()()一人なんだぜ? 俺がやられるなんて常識もぶち壊してやるさ!」

「東風やん……」

「だから、信じてくれ。俺がボロボロになって何日間も眠ってたなんてこと、あったか?」

「あっ!」

「……へへっ。明るい顔になったな。やっぱり本音には泣きっ面は似合わねえよ」

 

 本音の顔が、パァァッと明るくなる。そうそう。本音には明るい表情がベストってな。

 

「改めてよろしくな、本音」

「うん! でも、東風やんが超能力者でも、東風やんは東風やんだよ~。よろしくね~」

 

 本音の笑顔に、俺も思わず笑っちまう。

 だけどこの時、先輩二人が暖かい目をしていたことに気付かなかったんだ。

 

「あらあら、本音ったら……」

「東風谷くんもまんざらでは無さそうだし、くっ付くのも時間の問題かしらね~」

 




これで、教師2人と生徒会メンバーが仲間になりました。

次回は……臨海学校以来ほとんど出番が無かった、箒の話にしようかと思っています。臨海学校編の最後の部分で見せた、箒に起こった異常についての話にするつもりです。
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