インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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お待たせしました、更新です。

今回は、4Gで(個人的に)苦戦したモンスターの登場です。


46話 砕ける鎧

 ビーッ! ビーッ! ビーッ!

 

 学園中に警報が鳴り響く。そのけたたましい音は、普通なら生徒達を不安にさせるものだろう。だが、今は不安になる生徒はいない。そもそも生徒達が、夏休みのために帰省しているからだ。

 では学園に残っている俺たちはどうか? 不安になる奴はいなかった。俺たちからモンスターの事をあらかじめ聞いていた一夏たちは、「とうとう来たか」と言いそうな顔つきだった。

 

「山田先生。敵は?」

「アリーナに、強力なエネルギー反応があります。さらに、学園周辺に複数のIS反応!」

「聞いたな? アリーナはモンスターが侵入した可能性がある。複数のISも恐らくモンスターが使用しているのだろう。学園周辺は織斑、更識姉妹、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰が迎撃に当たれ! 東風谷と十六夜はアリーナへ! 篠ノ之と布仏姉妹は山田先生を補佐しろ!」

「了解! 行くぞ相棒!」

「えぇ!」

 

 織斑先生の指示のもと、俺と相棒はアリーナへ走ろうとする。だが、そんな俺の服の裾を、本音が掴んだ。

 

「っとと……。どうした、本音?」

「東風やん……あのね……」

「ん?」

「…………頑張って!」

「……おう! お前も、サポート頑張れよ! だけど危なくなったら逃げるんだぞ!」

 

 本音の激励を受けて、俺は手を振りながら走っていった。

 

 

「ミツル……。死ぬな」

「分かっていますよ。ラウラさんこそ、お気をつけて」

 

 

 相棒も、ラウラから激励を受けて来たようだ。俺の後を追うように走ってくる。

 

「さてさて、敵さんも大胆に攻めて来たな」

「アリーナのシールドを破ってきましたか……。強大なモンスターか、それとも複数のモンスターか……」

「どちらにせよ、ぶちのめすだけだ!」

 

 飛び込むようにアリーナへ入ると、侵入者と思われる奴らが二人いた。一人は藍色の髪をリーゼントにしたような男だ。上半身は裸だが、下は学校の制服のズボンのような物を履いている。

 もう一人は、ボサボサした橙色の髪をしている男だ。額からはナイフのような角が、腕には金色のような鱗が生えている。既に戦う準備は出来てるってことか……。

 

「お出ましだぜ」

「迅竜の方をやる。……抜かるなよ」

「へっ、分かってらぁ」

 

 リーゼント男が肩をゴキゴキ鳴らしながら、ゆっくりと歩いてくる。

 

「よぉ、東風谷真さんよぉ。俺の名はティーレン。ブラキディオスって呼ばれてんだ。早速で申し訳ないが……死ねやオラァ!」

「あっぶねぇな、この野郎!」

 

 拳を緑色の粘液で覆うと、ジャンプしながら殴りかかってきやがった! 何とか避けれたが、地面に粘液が広がる。

 

「私はラム。千刃竜セルレギオス……。主の遺志のために!」

「くっ! こいつ、鱗が武器か!」

 

 橙髪の奴は相棒に攻撃を仕掛けたか……! 俺がティーレンの攻撃を避けていくうちに、相棒との距離を離されちまう。

 ティーレンの攻撃方法は、見た感じは俺と同じ、拳で戦うタイプか……。だが俺には、熱線って武器がある! まずは奴から距離を取って……

 

「オラァ!」

「っ!?」

 

 ば、馬鹿な!? 鎧化して腹を守ったってのに、殴られただけで凄い衝撃だ! こいつ……強い!

 

「だがこんなの、父さんの拳骨に比べりゃあ!」

「どうかねえ?」

「あ?」

 

 その瞬間、ボガン!という音と共に腹に衝撃が走り、遅れて痛みが襲ってくる。思わず腹を押さえてのたうち回る。

 

「ご、が、あぁぁぁぁぁぁ!?」

「へっへっへ……。流石の岩竜も、俺様の『爆破』には耐えきれねえか!」

「ばく……は……!?」

 

 奴の言葉が確かなら、俺の甲殻を爆発させたってことだ。だが俺に爆弾を仕掛ける様子なんて見せなかったぞ? まさか……あいつの能力は、触れたものを爆発させるのか!? なんだその、どっかの漫画に出てくる殺人鬼のスタンドみたいな能力はよぉ!?

 と、とにかく今の状況はヤバい! 俺は既に、ティーレンの得意な間合いに入っちまってる! 体は痛むが、気合いでどうにかなる。避けながら対策を考えねえと!

 

「ほれほれぇ! ジャブ、ジャブ、ジャブ、ジャブぅ!!」

「ふっ、クッ……ソがぁ!」

 

 チクショウ、完全に調子が狂っちまった! 今までの俺だったらお構いなしに相手を殴ってたってのに……。今は避けるので精いっぱいだ。

 完全に俺の油断だ。殴ってくるなら殴り返すだけだと、調子に乗ってたんだ。相手は、俺に対して強力な武器を拳に秘めてやがった。いくら頑丈な俺の甲殻でも、爆発を何発も受け続けたら……。

 

「右ストレートぉ!」

「ぐっ、はぁ……! なめんなよクソがぁ!」

 

 顔面に鋭いパンチを受けたが、腕を鎧化し、さらに炎を纏わせて殴りつける! ティーレンの右腕を殴ってやると、効いたのか少し顔をしかめた。

 

「っ、とと……。良いパンチしてんじゃん」

「爆発は厄介だがなぁ、俺だって伊達に傷だらけじゃねえんだよ!」

「だが、爆発無しでも俺の拳は痛いぜぇ!」

「ぶぐぅっ!?」

 

 お返しと言わんばかりに、顔面にパンチを受けた。物凄い衝撃で、グラグラするような感覚に陥る。だが、地面を転げまわることは無く、俺は頭をブルブルと振ってティーレンを睨みつける。

 奴は、そんな俺の様子に少しだけ驚くような表情をした。

 

「ふうん? 伊達に傷だらけじゃないってのは本当のようだなぁ。能力を使ってないのに、俺のパンチに耐えてるたぁな」

「ようやく認めやがったか」

「だなぁ。俺は自分勝手に奪うだけ奪ってく人間は大嫌いだが、テメェのようにしぶとく俺に挑もうとする人間は大好きだ」

 

 すると、ティーレンの奴は自分の手に唾を付け、手入れをするかのようにリーゼントに塗りたくる。

 

「敬意を表して、俺も本気出すとするか」

「っ!」

「らぁっ!」

「うおぉ!?……なんてなぁ!」

「ぐっ、ぬう!?」

 

 目つきが鋭くなった瞬間、拳が打ち込まれそうになる。何とか姿勢を低くすることで回避することが出来た。俺はその隙を逃さず、手の平に炎の塊を作って奴の腹に押し込む!

 その瞬間、爆発の音と共に炎が噴き出し、ティーレンの体を燃やす。霊力で炎を球状に作り、押し込むことで破裂させたんだ。爆発のお返しって奴だ。

 

「このまま……!」

 

 奴の腹に拳をめり込ませた瞬間……殴った場所が爆発する。

 

「がっ、ぐっ!? またか!?」

「へっへっへっ……。俺が殴っても爆発、お前が殴っても爆発。俺の全身が爆弾よ!」

 

 マ、マジかよ……。鎧化で攻撃しようにも、ティーレンの方がスピードは上。どうすりゃ良いんだよ……。

 

 俺が一瞬動揺したのが、奴に悟られた。

 

「吹き飛びやがれぇ! そしてぇ!」

「っ! しまっ――――――」

 

 ティーレンは地面を殴る。すると地面が一瞬光り……大きな爆発と共に俺は吹き飛ばされた。そして、そのまま地面へ叩きつけてくれれば良いものを、奴はアッパーカットで再び俺を打ち上げる。そのまま俺よりも高くジャンプし、俺の鳩尾に拳を叩き込んだ。

 

「そのまま死ねぇ!」

 

 感じたのは、吐くんじゃないかと思う程の腹への圧迫感と、ドゴォン!という凄まじい音。遅れて背中と腹の痛みがやって来た。

 

「ご……ほ……」

 

 起き上がろうにも起き上がれない。痛みで叫ぶことも出来ない。周りに少しだけ土が見えるってことはクレーターでも出来たのか。

 動くことのできない俺に、ティーレンは近づいてくる。当たり前だ。俺を殺しに来たんだから。

 

 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ!

 動け 動け 動け 動け 動け!

 

 体がぞわぞわとした感覚に包まれ、俺の本能は危険信号を送り続ける。だが現実は非情だ。俺がそう思っていても、体は動いてくれない。それどころか、ゆっくりと目の前の景色が暗くなる。

 

「クソっ……たれ……」

 

 そしてついに、目の前が真っ暗になった。

 




倒れてしまった真、一体どうなる!?

次回は、セルレギオスとミツルの戦いを予定しています。

それでは、次回もお楽しみに!
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