インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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お待たせしました。今回は日常回です。そして、あの男が再び登場です!

それでは、どうぞ!


53話 復活のコンビ、再来の男

 俺、復活! 飯食って、ぐっすり寝て、今の俺のテンションは最高だぜ!

 

「ふっ、ふっ……! よし」

 

 相棒も、腕やら足やらを軽く伸ばして、調子がいいことを実感してるようだ。

 

「相棒も絶好調のようだな!」

「えぇ! どうやら、私はジッとしてるのが苦手のようです」

「へっ、それは俺もだぜ」

 

 しかし、と俺は時計を見る。時計の針は午前10時過ぎをさしていた。

 そう。傷を癒すために体が求めていたのか、俺たちは普段よりも爆睡していた。ついさっき軽めの朝食(大盛りご飯とみそ汁)を済ませて、歯を磨いて服装を整えたばかりだ。

 

「一夏たち、どうしてるかな?」

「勉強会をするって聞きましたが……」

 

 ひとまず保健室を出て、よく皆で喋っていた場所へ向かった。要するに食堂だ。

 

 

 

 

 

「おーっす!」

「真! それにミツル!」

 

 俺が声をかけると、一夏たちがこっちを振り向いて嬉しそうな表情になる。それを見て、本当に心配させてしまったんだなと、後悔した。

 

「二人とも、もう大丈夫なの!?」

「えぇ。心配をおかけしました」

「まったくよ! でも、本当に元気になったみたいで安心したわ」

「言っただろう、鈴。二人は絶対に明日には起きてこっちへ来るとな」

 

 ラウラが少し自慢気に胸を張る。多分、文字で表現するなら『ドヤァ』が合うかもしれない。

 

「本当にすまなかった。もう、二度とあんな事はしない」

「当たり前だ! もしまたやりそうになったら、今度は思いっ切り殴るからな!」

「はははっ、そいつは勘弁だぜ」

 

 俺も一夏たちに頭を下げた。最悪な結末になっていたかもしれなかったんだ。二度とやってたまるかよ。

 

 謝罪を終えてから一夏たちの机を見ると、少し古めかしい本が沢山積まれていた。

 

「モンスター図鑑ですか。よく読んでましたねぇ」

「凄いな。飛竜種に鳥竜種、牙獣種……。全部ナナシ先生が書いた奴じゃねえか」

「ほう、東風谷たちの恩師か?」

「まぁ、師匠みたいな人でもありますよ」

 

 モンスター図鑑を読んでいた織斑先生が、顔を上げて尋ねる。正確には、人じゃなくて妖怪だけどな。でも見た目は人間だから、あながち間違ってないのか?

 すると、相棒がある本を見つけて頬を引きつらせていた。

 

「ま、真さん。これ……」

「これは……! 紫さんめ……」

「これ、知ってるの?」

 

 簪が読んでいたのは、『幻想郷竜人伝』と書かれた本だ。

 これは、言ってしまえば父さん達の武勇伝だ。ヒーロー好きの簪らしいと言えば、簪らしいけどよ……。作者は誰か分からないけど、所々盛られてるんだよなぁ。例えば、父さんが雷を操る男と戦うシーンなんか、一度は死んでしまうものの復活するなんて感じに書かれてる。読んでいた父さんは苦笑してたっけ……。

 

「あー、これは伝記のようなもんだから、鵜呑みにするのは止めとけ」

「そうなの? 結構気に入ってたんだけど……」

 

 危ねぇ! 簪のやつ、マジで信じてそうな感じだった! 下手したら父さんにサイン求めてたんじゃねえか?

 

「そう言えば、父さん達の姿が見えないな?」

「護さんなら、『協力してくれる奴を迎えに行ってくる』と言って、白斗さんと一緒に外へ行ったわ」

 

 俺の疑問に答えてくれたのは、ヴァレッタとの戦いで協力してくれた、生徒会長こと楯無先輩だ。『飛竜種の書』を読んでいたらしいが、まだ捲ったページは少ない。

 それにしても、父さんに協力してくれる人って誰だ? 心当たりが多すぎて逆に分からないぞ。

 

 

「全く。能力に目覚めたばかりの子に貴方の修行をさせるとは、何を考えてるのですか」

「へーへー俺が悪うございました! 外の世界に来たってのにお説教かよ」

「もう良いだろう二人とも。今は目の前の事態に集中すべきだ」

 

 

「……え?」

「お、おい相棒……。まさかとは思うが……」

 

 遠くから聞こえてくるのは、聞き慣れた声。一夏たちも気付いたのか、声のした方へ顔を向ける。

 ん? シャルロットとラウラが驚いたような顔をしてるが……。

 

「よう、お前ら! 頼もしい助っ人連れてきたぜ!」

「俺が知る限り、おそらく天狗といい勝負になるほどの速さを持つ男だ」

 

「初めまして、皆さん。私の名前は十六夜影夜。ミツルの父でございます」

 

 丁寧な口調で、これまた丁寧に頭を下げる人。俺の師匠の一人……影夜さんだ。

 すると、影夜さんがシャルロットとラウラを見て、意外そうな顔になった。

 

「おや? そちらのお二人は確か、喫茶店で働いていた……」

「シャ、シャルロット・デュノアです! あの時は助かりました!」

「ラウラ・ボーデヴィッヒです! まさかあの時の方が……」

 

 二人は、まるで有名人に会ったかのようにパニックになっている。一方の影夜さんは苦笑気味だ。

 

「なぁ、相棒。影夜さん何やったんだ? 二人とも知ってるらしいが」

「簡単に言えば、父さんと母さんのデート先でトラブルがあって、その時に父さんが少し暴れたんですよ」

「影夜さんが暴れるって、どんな事態だよ!?」

「あの様子からして、父さん達のデート先で二人はアルバイトか何かをしていたんでしょうね」

 

 普段はおっとりしてる影夜さんが暴れるって、本当に何があったんだよ!?

 

 

 

 

 

 

 シャルロット達が落ち着いてから、一夏たちは休憩に入った。本音は頭から煙出して机に突っ伏している。

 

「お勉強疲れた~……」

「でも、結構いい感じにノートにまとめてるじゃねぇか」

 

 本音って、のんびりとした雰囲気とは裏腹に、ノートを取るのが上手い。チラッと見てみたが、分かりやすく書かれていて読みやすかった。

 すると、影夜さんがお盆を持ってきた。

 

「2人ともどうぞ、紅茶になります」

「ありがとうございます、影夜さん。ほら本音。これ飲んでリフレッシュしな」

「ありがとう~……」

 

 紅茶を受け取った本音が一口飲むと、一瞬だけ目が見開いた。そして勢い良く立ち上がる。

 

「うーまーいーぞー!!」

「それは何よりです」

 

 本音の反応に、嬉しそうに微笑む影夜さん。よく見るとセシリアや虚先輩、会長も驚いたような顔をしていた。

 

「こ、これは……虚ちゃんと良い勝負……!」

「うぅ、駄目です! チェルシーを裏切ることは……でも……!」

「…………負けました」

 

 俺も何回か飲んだことがあるけど、影夜さんや咲夜さんが淹れる紅茶って、香りが良いんだよなぁ。相棒の淹れるお茶も美味いけど、本人曰わく『私はまだ2人に及ばない』とのことだ。

 

「それにしても、まさかミツルの父親が来るとはな」

「確か、あの人って能力が原因で……」

 

 一夏と箒が影夜さんを見る。たぶん、普段から笑みを絶やさないあの人に、白斗さんから聞いた過去があるとは思えないんだろう。

 すると、父さんが来て2人の肩に手をおいた。

 

「そんな顔をするな。あいつは今、幸せな毎日を送ってる。過去を乗り越えてるんだ」

「過去を……乗り越える……」

 

 ん? 一夏が何か呟いたが、よく聞こえなかったな。

 

「そうだ真。休憩終わったらミツル君とアリーナに来てくれ。抉れた土とかを元に戻すぞ」

「…………え?」

 

 冗談だろ、父さん?

 




後始末をする事になった真たち。果たして無事に終わるでしょうか……?

それでは、次回もお楽しみに!
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