「オラァァァァァ!!」
「ウラァァァァァ!!」
雄叫びがアリーナに響き渡る。ドナーの拳と父さんの拳がぶつかり合い、一瞬遅れて衝撃波が発生する。土煙が俺たちに降りかかった。
「わっぷ!?」
「目に砂がぁ!?」
目に砂が入って見えないが、音からしてまだ殴り合ってる。急いで全身を鎧化し、いつドナーの注意がこちらに向いても良いようにする。
「まずはお前だ!」
「上等!」
どうやら、父さんを先に狙ったのは俺たちへのフェイントだったらしい。俺が土煙で動きが鈍っている所を襲いかかってきた。目がまだ開かないが、声のする方向へ腕を振るう。奴の拳とがぶつかり合い、ビリビリとした感覚が走る。
「ふっ!」
「どこ狙ってんだマヌケ!」
「そこかぁぁ!」
「んなっ!?」
俺の拳はいつもと比べてキレが悪く、ドナーもすぐに避けた。
これが狙いだ。
声を出して罵倒してくるが、そうしてくれたお陰でドナーが避けた方向が分かった。すぐに、その方向へ回し蹴りを決める。生身の人間の足を勢いよく回し、ドナーの肉体に届く寸前につま先を鎧化することで威力を高める。
それと同時に目の痛みもなくなり、やっと目を開けられる状態になった。
「くっそ……。テメェ俺と似てると思ったが、中々やるじゃねえか」
「それでも微動だにしねぇってのかよ……!」
ドナーは少し顔をしかめてるが、俺が蹴りつけたにもかかわらず、吹き飛んだり転倒するということは見せていなかった。
「こりゃあ舐めてかかると痛い目見るな」
「真ぉ!!」
相棒の声を耳にした瞬間、俺はその場から退避する。相棒はナルガクルガのブレードと尻尾を出しているが、どこか様子が違っている。
腕は確かにブレードが生えているが、その周りが金属に覆われていた。爪もラファールを装着した時のように装甲に覆われている。尻尾もどこか、ロボットのような金属質の印象があった。
「相棒……?」
俺はその異様ともとれる姿に驚いていたが、父さんは冷静に見ていた。そして鎧化している手を前に突き出し、いつでも熱線を撃てるようにしていた。
「まさか……。専用機に能力を反映……真と同じ状態にしているのか」
「はぁぁぁ!」
「危ねぇ! そんな恐ろしい鞭は振り回すもんじゃないぜ!」
「くっ、おぉぉぉ!?」
「相棒!」
「ミツル君!」
機械となった尻尾を打ちつけようとするが、ドナーはニヤリと笑いながら掴み、相棒ごと振り回す。
俺と父さんは急いで助けようとするが、それは不要だった。
アリーナの壁に投げつけられたかと思いきや、壁を蹴ってダメージを無効化し、さらに背中のブースターを噴かせてドナーへの距離を詰めた。
「動きが直線的すぎるぜ、もやし野郎!」
「それは百も承知!」
突っ込みながら展開したマシンガンを、近距離で発砲する。ドナーは手で銃口を抑えて暴発させた。
「そこを……」
「俺たちが……」
「「叩く!!」」
相棒に注意を向けていた隙を突いて、父さんと同時に右ストレートを打ち込んだ。モンスターの筋力による一撃だ。だが、それで奴が倒れるとは思えない。すぐに3人同時に退避した。
「あっはっはっは! 面白い! やっぱ面白いぜ人間はよぉ! 群れるとこんなに強くなりやがる!」
「よく言いますね。人間を滅ぼそうとするくせに」
「あー? 確かに人間が居なくなれば、俺たちモンスターは住みやすい。だが、俺にはそんな気は微塵もねぇよ」
「何ですって?」
「俺は戦いが大好きだ! 弱いやつをいたぶるのも、強いやつと血を流しながら戦うのもたまらねぇ! そこに人間とモンスターの区別なんかねぇんだよ!」
俺たちは衝撃を受けた。ここまで戦いに生きようとする奴を、俺は生まれて初めて見た。だからこそ、こいつが仲間だったらと思う。俺は拳を握るのを躊躇いそうになる。
だが、今のドナーは俺たちを殺しに来ている。チンピラのような口調ではあるが、放たれている殺気は本物だ。ここで躊躇しようものなら、ドナーにも失礼だし、何より本音たちが危機にさらされちまう。
再び拳を握った。
「さーてと、お前らの攻撃を受けまくったからなぁ。俺ももう少し動かねぇと釣り合わねえよなぁ」
ドナーは右腕を地面に突き刺す。すると、奴の周りがグラグラと揺れだした。
「ミツル君。俺と真の後ろにいなさい。真。迎え撃つぞ。これは嫌な予感がする……」」
すると、ドナーは地面を……いや、土の塊を持ち上げた。デカい。土とは言え、ダメージを与えるには過剰なほどの固さがあるだろう。急いで拳を構える。
すると、ドナーはそれを俺たちに向かって投げた!
「潰れやがれえぇぇぇぇぇ!」
「迎え撃つぞ、真!」
「おう!」
「「ダララララララララララララァ!」」
俺と父さんで、高速の拳のラッシュを打ち込んだ!
出来る限り更新を早く出来るように、頑張ります!
それでは、次回もお楽しみに!