インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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 色々と忙しかったですが、何とか投稿できます。

 そろそろ完結が近いかもしれません。それでは、どうぞ!


59話 修行、そして胸騒ぎ

 俺と相棒と一夏が、自分の気持ちを確認しあってから、二日経った。今はアリーナで、父さん達と箒が能力の特訓をしている。

 箒が炎の渦を作り出して父さんに攻撃してくる。だけど、グラビモスの甲殻に全身を包んでいる父さんは、涼しげな顔をしている。

 

「一点集中はお前さんの長所であり、短所だぜ!」

 

 白斗さんが後ろから襲い掛かってきた。だが、箒は空いている左手で小さな炎を作って、迎撃する。どうやら、奇襲にもある程度は対応できているようだ。元々剣を使うことがあるためか、箒の直感はバカにできない鋭さを持っている。

 

「なら、次は己に霊力をかけてみろ!」

「くっ!?」

 

 父さんが鎧化を解除すると、今度は距離を一気に詰めて箒に殴り掛かってきた。反射神経も良いのか、父さんの拳をすぐに受け止める。自分自身に霊力をかけたお陰か、ダメージは小さいようだ。だけどそれだけ。力を受け止めることに精一杯なのか、拳を受け止める姿勢から次の動きに移すことが出来ない。

 

「なかなか良い反応だったがな。はい、おしまい」

「っ!? ~~~~~~っ!!」

 

 そこへ白斗さんが肩を叩き、箒が振り返ったところをデコピンで終わらせた。白斗さんのデコピンは洒落にならないくらいの痛さで、箒は額を押さえてうずくまってしまった。

 俺も小さい頃、白斗さんのデコピンを何度受けたことか……。後で相棒から聞いたが、その時の俺は顔を青くして、額を押さえながらガタガタ震えていたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 箒たちの修行が終わった後、入れ替わるように今度は俺たちが特訓をする。

 

「らぁぁぁぁ!」

「見え見えだぜ!」

「と、思うじゃん?」

「っ!? フェイント……!」

 

 一夏が雪片を振り下ろすと見せかけて、左手から荷電粒子砲が放たれる。しかも鈴が使う衝撃砲と同じように、威力は少ないが連射するタイプ。それを一発だけ撃ってきた。なるほど。その方法なら消費するエネルギーも少なくて済む。

 

「ふっ!」

「以前に比べて早くなりましたが、まだ近接武器の展開が遅い! ……っ!?」

「ほらほら、ミツル! セシリアにばかり気を取られるんじゃないわよ!」

 

 相棒の方も、セシリアたちと模擬戦をしている。

 セシリアは近接武器の展開が苦手だったが、モンスターとの戦いを経て、「苦手だからとか言ってられませんわ!」と思ったらしい。ブレードの展開が得意な相棒からの指導を受けて、近接武器『インターセプタ―』の展開がだいぶ早くなった。それでも、相棒から言わせれば遅いレベルらしく、それに関しては織斑先生も頷いていた。

 相棒がセシリアに連続攻撃を仕掛けようとしていたが、そこへ鈴が乱入。衝撃砲の攻撃を避けつつ、相棒は応戦していた。

 

「なら今度は……!」

「ボク達が相手だね!」

「ラウラにシャルロットもかよ! 『グラビオス』の防御力なめんな!」

 

 俺の方も、一夏と入れ替わるようにラウラとシャルロットが攻撃してきた。シャルロットはともかく、AICを持っているラウラは相性が悪すぎる!

 だけど、シャルロットの機体は実弾兵器が多い分、俺には有利なんだよなぁ!

 

「射撃の訓練を手伝ってくれよ!」

「っ! シャルロット、撃つな! あいつの機体は……!」

「しまった!? 確か、爆発や着弾の熱を吸収……!」

 

 二人は気付いたようだが、もう遅いぜ! 今回は肩のキャノン砲じゃなくて、手のひらの砲口だ!

 

「そらそらそらぁ!」

「熱線を連射!? 今まではチャージして一気に撃ってきてたのに!?」

「えぇい真! お前はどこまで私たちを驚かせる!?」

「知らねえよ、そんなもん!」

「二人に集中しすぎだぜ!」

「うおおっと!?」

 

 後ろから接近してきた一夏が、クロー部分にエネルギーを付与して襲ってきた。俺が避けると同時にすぐに付与状態を解除して、雪片で切りかかってくる。

 こいつの攻撃は、一つ一つが強力なである代わりに、消費するエネルギー量も尋常じゃない。だが一夏は、モンスター能力を持った無人機との戦いで、これから先の戦闘は長期戦になることを悟ったようだ。そこで彼は攻撃の回避とエネルギーの節約に専念することにしたそうだ。

 

「みんな、漁夫の利って言葉を知ってるかしら?」

「『山嵐』、全弾発射……!」

 

 別方向からの言葉に振り向くと、水のヴェールで簪を守っている会長と、小型誘導ミサイルである『山嵐』をロックオンし終わった簪の姿が。

 

「嘘だろオイ!?」

「真さんを盾にすれば……!」

「ナイスよミツル!」

「お前らふざけんな!」

 

 相棒の言葉に従って、鈴はおろかセシリアやラウラ達までもが俺の後ろに隠れた。

 

「残念、一か所に纏まったらお姉さんの餌食よん♪」

 

 その瞬間、水のヴェールが一気に俺たちを取り囲む……ってまさか!?

 

「ポチっとな♪」

「「「「ぎゃああああああああ!!」」」」

 

 水の中に含まれているナノマシンが起爆し、俺たちは爆風に包まれた。

 

「お姉ちゃん、その攻撃好きだよね」

「格好いいでしょう?」

「……ちょっとだけ」

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わって、整備室。エネルギーや弾丸の補充、破損個所の修理などを行うために、俺たちは集まっていた。

 

「……ねぇ」

「どうしました、会長?」

「私はあのとき確かに、ヴェールを起爆させたのよね?」

「いやぁ、あれは凄まじかったっスよ。鼓膜が破れるかと思いましたもん」

「なのに何で、ちょっと装甲が焦げてる程度で済んでるのかしら!?」

 

 扇子を開いて「理解不能」の文字を見せる会長。見ると、簪も頷いている。

 

「そう言われても、あの時は俺の能力を使っただけっスよ」

「確か、バサルモスの能力だったかしら?」

「そうっス。俺の機体のエネルギーは基本的に推進力とかに使ってて、防御の方は能力を使ってますから」

「確かモンスターの図鑑には、バサルモスは火山地帯に住んでいることがあるって書いてあったわね。溶岩にも耐えるほどの甲殻なら、納得だわ……」

 

 会長が「色々と常識が崩れるわね」と呟いている。

 すると、凄い遅い足取りで本音がやって来た。

 

「かんちゃ~ん。補給と修理、終わったよ~」

「ありがとう、本音。みんなは?」

「みんな自分で直したりしてた~。お姉ちゃんも居たから、そんなに大変じゃなかったよ~」

「それでも、お疲れ様」

「えへへ~」

 

 簪からの労いの言葉に、本音はホニャリと笑みを浮かべる。そんな笑顔に俺も癒される。

 

「およ~? 東風やんの機体は煤だらけだね~」

「会長の爆発と、簪のミサイルによる爆風を受けたからな」

「それでもピンピンしてるあたり、さすが東風やんだ~」

「へへっ、そう言われると照れるな」

 

 俺と本音の様子を、会長と簪は微笑ましいような目で見ていた。まるで無邪気に遊ぶ子供を見守る母親のように。

 

 たぶん気付かれてるんだろうな。俺が本音のことを好きだということに。

 

 だけど、まだ告白はしない。、告白したら、色々と気が緩んでしまいそうだから。俺は内心慌てつつ、話題を変える。

 

「簪。モンスター能力を相手にしてみてどうだった?」

「攻撃の一つ一つが重いから、やっぱり被弾を最小限にしないとって思った。ISの絶対防御がどれだけ恵まれてるかも実感できたよ」

「なら良かった。モンスターは手強いが、結局は生き物だ。弱点は必ずある。能力を持った無人機でもな」

「なるほど……。それなら希望を持てるかも」

 

 こうして俺たちが話をしていると、穏やかな空気をぶち壊すアナウンスとサイレンが響いた。

 

 

≪学園付近に、多数の不明機接近! 無人機のもよう!≫

 

 山田先生の、切羽詰まったような声が響く。つまり相当の数だということだろう。

 

「東風やん?」

「わずかなモンスターの気配を大量に感じる……。こりゃ、無人機の群れだな」

「モンスターの勘ってやつかしら?」

「はい。たぶん、相棒も感じていると思います」

「なら、早く行こう!」

 

 簪と会長が、一夏たちのもとへ走っていく。

 

 だが妙だ……。これだけ多くの無人機がいるなら、指揮してるモンスターも居る筈。なのに気配を感じない……。

 

「東風やん早く~! みんな行っちゃうよ~!」

「お、おう! すぐ行く!」

 

 グラビオスを待機形態に戻すと、会長たちの後を追う。ちなみに、本音の走りがあまりにも遅かったので、途中から俺が背負って走った。

 

 だけど気になる……。どうも嫌な予感がする……!

 




読んでいただき、ありがとうございました。

それにしても、ISの新刊まだですかね? ヒロインたちとの今後とか、束の目的だとかスコール達の正体だとか、色々と気になりますが……。

そ、それはともかく、次回もお楽しみに!
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