インフィニット・ストラトス~竜の血を継ぐ者~   作:G大佐

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そろそろテストも近いので、今月の投稿はこれが最後かもしれません。

それでは、どうぞ!


63話 それぞれの決戦! その2

 千冬が身に纏うは、専用機『暮桜』。かつて彼女を世界最強へと導いた相棒である。そして手にするは雪片弐型の前身である雪片。

 

「束からもらった解凍プログラムのおかげだな。今回ほど、あいつに感謝したことはない」

「千冬姉、暮桜はもう使えないんじゃ……」

「……詳しくは言えんが、学園に封印していただけだ。使えないわけでは無い。それよりも、来るぞ!」

「っ!」

 

 先ほどとは別の無人機が襲い掛かるが、二人が瞬時に反応し、上半身と下半身を真っ二つにする。

 

「ここを突破し、篠ノ之や山田先生と合流するぞ!」

「あぁ!」

 

 千冬がスラスターを噴かせて群れの中を突っ切る。彼女が通り過ぎた瞬間、無人機たちは胴体を切り裂かれていた。ISを纏ってない状態でもIS用のブレードを振り回せるのだ。パワーアシストが掛かってる状態になれば、千冬にとってブレードなど、下手すれば箸よりも軽いかもしれない。

 

「(は、速い! どうやって振ったのか見えなかった!)」

「どうした一夏! 早く来い!」

「分かってる!」

 

 一夏も、妨害してくる敵を切り捨てながら、姉を追った。

 

 

 

 

 

 

「(いかん、炎を放ち過ぎた……!)」

 

 箒は、あまりにも長い戦闘で疲弊しつつあった。元々体力は高いと自負していたが、倒しても蘇る無人機たちに、心身ともに疲れ始めていた。

 

「篠ノ之さん、大丈夫ですか!?」

「正直に言うと、そろそろキツいです……! 山田先生は?」

「こちらも、弾丸が……」

 

 学園が所有している量産機『ラファール・リヴァイブ』。その追加武装であるクアッド・ファランクスで戦っていた真耶も、消費が激しかった。4つのガトリングガンから放たれる弾丸の雨によって、無人機は次々とハチの巣にされていった。しかし、それに追いつくかのように第2波、第3波とやってくるのだ。膨大なパススロットを持つために、そこには大量の弾丸を入れていたはずだった。それなのに今は容量の空きを示すアイコンが目立つ。

 

「先ほどから、皆さんと連絡がつきません……。あの暗雲が通信をジャミングしてるのでしょうか」

「真、ミツル、頼む……! 敵のリーダーを……!」

 

 犬のような姿勢をとる無人機が飛びかかってきた。箒はすぐに反応し、手に炎を宿す。

 

「(炎が腕に巻き付くイメージ! 私の霊力で巻き付いた炎を操り、解き放つ!)」

 

 右手を前に突き出し、炎の渦を解き放つ。高温に耐えきれなくなったのか無人機は装甲をドロドロと溶かして爆発した。だが、それと同時に箒も片膝をついてしまう。

 

「(限界、なのか……!?)」」

「篠ノ之さん!」

 

 その隙を他の機体が見逃がすわけがない。別の機体が飛びかかってきた。そこを真耶がショットガンで撃ちぬく。

 

「(動きを統制している頭、次に手足!)」

 

 数発の銃声で敵をしとめると、ガトリングガンを外す。そしてスラスターで加速し、箒を抱きかかえて後退した。

 

「撤退しましょう!」

「申し訳ありません……」

「謝る必要はありません!」

 

 だが、撤退すると言ったものの、すでに周りは囲まれている。校舎へ逃げ込めば無人機もそれを追うだろう。そうすれば別の所で戦っている真たちに被害が及んでしまう。

 

「どうすれば……!」

 

 その瞬間、空から()()()()()()()()が降ってきた。

 

「……え?」

 

 突然の出来事に固まってしまう真耶。だが、その後に聞こえてきた声に驚いたのは、箒だった。

 

 

「箒ちゃんに手を出してんじゃねえよ、鉄くず共」

 

 

 不思議の国のアリスを思わせるドレス。機械仕掛けのウサ耳。そんな変わった服装をする人間をするのは、ただ一人。

 

「ね、姉さん……?」

「イエ~ス! 箒ちゃんの頼れるお姉さん、束さんだよー! 遅れてゴメンね~!」

 

 戦場に似つかしくないトーンの声と笑顔。篠ノ之 束の登場だった。

 

 

 

 

 

 

 護たちは、己の拳を振るって無人機を攻撃していた。そこには躊躇というものはない。

 

「この俺をなめんなぁ!」

 

 白斗が相手の頭部を掴んで、地面に叩きつける。その衝撃によって内部の部品が圧迫され、機能を停止した。

 

「影夜! さっきから体がおかしいぜ! 暴れているときは体が軽いが、止まってると怠く感じる! こいつはきっと……!」

「えぇ! 『奴』が放っている狂竜ウイルスによるものでしょう!」

 

 二人の声を聞きつつ、護は無人機の胴体に拳を撃ち込む。

 

「(……む?)」

 

 その時『何か』が触れたため、掴み取る。周りにコードのようなものが繋がってたため、ブチブチと乱暴に引きちぎった。

 

「どうしました護さん……って、これは!」

「どうやら、これが無人機のコアだったみたいだな」

「狂竜結晶……!」

 

 狂竜ウイルスの結晶体、狂竜結晶。これが無人機を動かしているようだ。突然の凶暴化も納得だ。

 

「確かに、ウイルスを操れる『奴』ならば、量産も簡単でしょうね」

「これほどの数を生み出せるとは……!」

「だが、こんなものが世界に流れれば……。ましてや軍事利用されれば、最悪なことになる!」

「ちくしょう! あいつを早くぶちのめさねぇといけないって事かよ!」

 

 その時だ。自分たちを呼ぶ声がした。

 

「護さん!」

「君たちは……更識さんだったか」

「すいません……。敵が多すぎて、こっちまで撤退してきたんです……」

 

 簪が申し訳なさそうに、自分の後ろへと視線を送る。そこには簪と楯無を追ってきた無人機たちがあった。

 

「私も簪ちゃんも、武器がいつ壊れてもおかしくない状態で……」

 

 疲労困憊といった様子の二人を見て、護はほんの一瞬だけ目をつむった。

 

「影夜、白斗。真たちの所へ向かう前に、ちょいと体を暖めるぞ」

「分かりました。少しは運動しないといけませんね」

「へへっ。まだ暴れ足りないところだったんだ」

 

 そんな三人を見て、楯無は驚きを隠せない。

 

「(さっきも無人機と戦っていたのに、まだ戦えるの!? 本当にこの人たちは人間なの!?)」

 

 彼女の驚きをよそに、三人は無人機へと突っ込んでいった。

 




読んでくださり、ありがとうございました。次回もお楽しみに!
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