遊戯王 就活生の現実逃避録(物理)   作:〇坊主

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 レモンの漢字を追加しますた


12ターン目『デッキのエース』

『舞網チャンピオンシップ4日目、ただいまから第一試合二戦目を開始致します!』

 

 先程の試合の熱が抜けきれていない観客達はその宣言に一層声を高めた。その熱気を受け、幽香自身緊張しながらも興奮していた。

 相手の情報はほぼ収集済。そのためどのような戦略でくるのかもある程度の予測は立てれている。だからこそ、この戦いに負けることは許されない。赤馬 零児にあんなに大きな口を叩いたのだ。初戦敗退などになれば精神的に死んでしまう。それに――

 

「聡様に泥を被せる訳にもいきません。私が出来ることを全力で・・・ですね」

 

 頭に思い浮かべるのは自分が親愛する異性であり、師匠の男。

 正直な所自分がもし一回戦で負けてしまったとしても師である聡は責めることは絶対にないとわかっている。期待していないのではない。自分を責めることはあっても他人を責めないのが彼だからだ。

 それがわかっていたとしても負ける理由には成りえない。周りの人達に無理を通して貰っているのだから、それに答えなければならないのだ。

 

『ではではお互いに準備が出来たようです。ご入場していただきましょう!まずは―――』

 

 先程のように互いの選手の名前をあげ、選手の情報を流れるように口から流していく。

 これから戦う相手は阿導 正義(あどう まさよし)。今大会でももっとも多くの選手を輩出しているLDSの生徒だが、主に性格のせいで塾内でも浮いているようだ。

 そんな人物に負ける気はない。当然負けようとも思わないが。

 誘導する声に従い、幽香は歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『対する遊勝塾は数ある決闘者を瞬時に倒し、最短6連勝で今大会に殴りこみ!麗しき容姿から一体どのような戦術を繰り出すのか!?藤原一族の御令嬢、藤原 幽香選手の入場です!』

 

 その説明に周りの観客に一瞬驚きの反応が浮かび、その後すぐに彼女のデュエルに興味を示したようだ。

 そんなことよりも藤原一族の御令嬢って初めて聞いたんだけど。遊勝塾関係者もかなり驚いているような反応であったが柊塾長はなにか納得したような表情だった。彼女が塾生になると言い出した時からある程度感づいていたのだろう。

 

「やはり幽香さんは藤原一族の関係者だったか」

 

「藤原一族ってそんなに有名なんですか?」

 

「藤原一族はLDSと提携している一派だよ。はっきり言えば富豪に近い存在と思っていればいい」

 

「幽香さんが藤原一族の娘さんだったなんて・・・今更だけど聡はどうやって幽香さんと知り合ったのよ?」

 

「えっ?絡まれているところを助けたときに知り合ったんだけど」

 

 柚子の疑問に瞬時に答えると何とも言えない顔になった。

 

「絡まれてる所をって・・・そんなことありえるの?」

 

「ありえたから今こうして知り合っているんだけどね」

 

 そう考えると彼女はその藤原一族とどうなっているのだろうか?ここ最近は自分が付きっきりでデュエルを教えていたし、遊勝塾にもよく通っていた。家にいる時間はそんなにないはずだ。もしそんな大きい組織の娘さんが長時間素性がわからない男にデュエルを習っていると知ったらどんな反応になるだろうか?もしかしたら・・・いやこれ以上は止めておこう。今は彼女の応援が優先だ。

 選手が所属する塾関係者ということもあり、最前席での観戦が出来るこの場所は選手が良く見えるため応援するのにとても助かる場所である。

 各自が応援に精を出すなか、聡は弟子がどのような戦いをするかを静かに眺めることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アクションフィールドオン!

 

 フィールド魔法!最古島の祭壇!!』

 

 フィールド魔法が展開され、その場に限りなく本物に近い映像が現れる。

 構築が終わったのを見終え、対戦相手の男が声をかける。

 

「まさかあの藤原一族の令嬢と戦うことになるとは思わなかった・・・が、アンタを倒せばオレの名は一気に鰻上りってわけだ」

 

「勝てたら、の話ですけどね。無駄話はこの辺りにして早く始めましょう」

 

「まぁそう言うなよ。アンタ、なかなかの上玉だ。オレのもんに「お言葉ですが」・・・!」

 

 言葉を遮り幽香ははっきりとわかり易く、そして簡潔に言葉を言い放つ。

 

「私よりも弱い人に、この身を預けるつもりなど微塵もありませんわ」

 

「そうかい。なら今オレがぶったおしてやるよ」

 

 眼中にないとでも言う雰囲気を幽香から感じ取ったのか正義の表情が怒りに変わる。

 早く始めたい幽香としてはこの流れは良いものだった。

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

正義:4000LP

   VS

幽香:4000LP

 

 

「オレのターン!オレは手札から《切り込み隊長》を召喚!召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚することが出来る。来い!チューナーモンスター《ゾンビキャリア》!」

 

正義:手札5→3

 

《切り込み隊長》

星3 効果

ATK:1200

 

《ゾンビキャリア》

星2 チューナー/効果

DEF:200

 

「行くぜ、オレはレベル3の《切り込み隊長》にレベル2の《ゾンビキャリア》をチューニング!

 

 眩き光に抗う機械、今ここに解き放たん!

 

 シンクロ召喚!レベル5《A・O・J(アーリー・オブ・ジャスティス)カタストル》!!」

 

《A・O・Jカタストル》

星5 シンクロ/効果

ATK:2200

 

「カードを3枚セット!オレはこれでターンエンドだ」

 

正義:手札3→0

   モンスター:A・O・J カタストル

   魔法・罠 :セット3

 

「(予測どうり・・・ですね)私のターン、ドロー!」

 

幽香:手札5→6

 

「私は魔法カード《おろかな埋葬》を発動。このカードの効果でデッキから1体モンスターを墓地に送ります。私は《ブンボーグ001(ゼロゼロワン)》を墓地に送ります。そして私は《ブンボーグ003(ゼロゼロスリー)》を召喚します。このカードの召喚に成功した時デッキから《ブンボーグ003》以外の[ブンボーグ]モンスター1体を特殊召喚することが出来ます。私は《ブンボーグ002(ゼロゼロツー)》を特殊召喚。特殊召喚に成功した《ブンボーグ002》の効果、デッキから[ブンボーグ]カードを1枚手札に加えることができます。私はこれで《ブンボーグ004(ゼロゼロフォー)》を手札に加えます。そしてこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外の自分フィールド上の機械族モンスターの攻撃力・守備力共に500アップします」

 

《ブンボーグ003》

星3 地 効果

ATK:500

 

《ブンボーグ002》

星2 地 効果

ATK:500

 

「そして私は魔法カード《機械複製術》を002を対象に発動します。このカードは自分フィールドに存在する攻撃力500以下の機械族モンスターを選択し、同名モンスターをデッキから2体まで特殊召喚することができるカードです。これで私はデッキから2体の《ブンボーグ002》を特殊召喚し、2体とも効果を発動。《ブンボーグ003》と《ブンボーグ005》を手札に加えます」

 

幽香:手札6→4→5→4→6

   公開札(ブンボーグ003、004、005)

 

「こんだけ展開しているのに手札が減っていないだと!?」

 

「まだですよ。《ブンボーグ001》はこのカード墓地に存在し、フィールドに機械族モンスターが2体以上同時に特殊召喚された場合に発動できます。墓地から特殊召喚です。」

 

《ブンボーグ001》

星1 地 チューナー/効果

ATK:500

 

「《ブンボーグ001》は自分フィールド上の機械族の数×500ポイント攻撃力・守備力共に上昇します。更に先程説明した《ブンボーグ002》の効果は重複します。私の場の002は3体。つまり002は各自1000ポイント、001と003は1500ポイント攻撃力・守備力共に上昇します」

 

 ブンボーグ001 ATK500→4500

 ブンボーグ002 ATK500→1500

 ブンボーグ002 ATK500→1500

 ブンボーグ002 ATK500→1500

 ブンボーグ003 ATK500→2000

 

『藤原選手!自分のフィールドを実質手札消費なしで埋めてしまうだけでなく、攻撃力2200の《A・O・Jカタストル》を軽く越えてしまいました!阿導選手、この状況をどう乗り越えるのでしょうか!』

 

 先程の試合で聡が出した《超銀河眼の光子龍》に匹敵する攻撃力を実質手札消費無しで場に並べたことで観客は一層驚愕する。実際は003の効果を使うことでより殺意に満ちた攻撃力になるのだがカタスロトル相手にこのまま特攻するほど自惚れていなかった。

 

(へっ、どんなに攻撃力が高くともオレの前には無力だ・・・なんて思っているのでしょうね)

 

 表情が明らかに笑っているにも関らずそれに気づいていない様子の対戦相手を見ながらそう判断する。

 《A・O・Jカタストル》は闇属性以外のモンスターと戦闘を行なう場合にダメージ計算を無視して破壊することが出来る非常に優秀なシンクロモンスターだ。そのためいかに高い攻撃力を生み出せるブンボーグであっても地属性である以上あのモンスターに敵う道理はない。無論このままターンを渡すつもりなどないのだが。

 

「私はレベル2の《ブンボーグ002》2体にレベル1の《ブンボーグ001》をチューニング!

 

 リミッター解放、レベル5!レギュレーターオープン!スラスターウォームアップ、OK!

 

 アップリンク、オールクリアー!GO、シンクロ召喚!

 

 カモン、《TG ハイパー・ライブラリアン》!!」

 

《TG ハイパー・ライブラリアン》

星5 闇 シンクロ/効果 

ATK:2400

 

『なんと藤原選手。攻撃力が高いブンボーグたちを攻撃に用いず、シンクロ召喚を行ないました!これは一体どういうことでしょうか!』

 

(チィ、よりにもよって闇属性か・・・だが問題ない俺がセットしているカードは《DNA移植手術》。こいつがある限りオレのカタストルは戦闘で負けねぇ。何も恐れる必要はねぇ)

 

「・・・・・・私は魔法カード《アイアンコール》を墓地の《ブンボーグ001》を対象に発動します。このカードは自分フィールド上に機械族モンスターがいる場合墓地のレベル4以下の機械族モンスターを選択し、効果を無効にして特殊召喚するカードです。しかしこのターンのエンドフェイズで破壊されてしまいますが」

 

「墓地のチューナーを・・・まだシンクロ召喚を行なう気か!」

 

「勿論です。私はレベル3の《ブンボーグ003》とレベル2の《ブンボーグ002》にレベル1《ブンボーグ001》をチューニング!

 

 神星樹を護りし龍よ。守護の身を持って災害を祓え!

 

 シンクロ召喚!《ナチュル・パルキオン》!」

 

《ナチュル・パルキオン》

星6 地 シンクロ/効果

ATK:2500

 

「《TG ハイパーライブラリアン》の効果!このカードがフィールドに存在し、自分または相手がシンクロ召喚に成功した場合に発動に発動します。この効果で私はカードを1枚ドローします」

 

幽香:手札6→5→6

   モンスター:TG ハイパーライブラリアン

         ナチュル・パルキオン

 

「このままバトルです。《TG ハイパーライブラリアン》で《A・O・Jカタストル》に攻撃!“スラスターカノン”!!」

 

「無駄無駄ァ!オレは永続トラップ《DNA移植手術》を発動!オレは光属性を宣言する!こいつがフィールドにある限り全ての表側表示のモンスターは光属性だ!このまま消えなぁ!」

 

「《ナチュル・パルキオン》の効果を発動!」

 

 幽香の掛け声にあわせてパルキオンが吼える。

 咆哮が響き渡り、今発動しようとしていた罠が砕け散った。

 

「この効果は罠カードが発動した時、自分の墓地のカード2枚を除外して発動できます。これで《アイアンコール》と《機械複製術》を除外。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、その発動を無効にし破壊しますね」

 

「なに!?ぐっ!」

 

阿導:LP4000→3800

 

 カウンター罠でなければ墓地がある限り封殺することが出来るこのカードは素材指定こそあれどそれに見合った効果を持つ。

 あまり妨害札を入れないこちらの世界では対処がしづらいだろう。

 

「続いて《ナチュル・パルキオン》でダイレクトアタック!」

 

「ぐあぁああ!」

 

阿導:LP3800→1300

 

「私はカードを2枚セットし、ターンエンドです」

 

幽香:手札6→4

   モンスター:TG ハイパーライブラリアン

         ナチュル・パルキオン

   魔法・罠 :セット2

 

「チィ。嘗めやがって・・・このアマァ・・・」

 

 己の必勝法が破られたことに憤慨した阿導は苦虫を噛み潰したような顔になる。

 

「オレのターン。ドロー!!」

 

阿導:手札0→1

 

「オレはマジックカード《ブラック・ホール》を発動!フィールド上の全てのモンスターカードを破壊するぜ!」

 

「!!」

 

 デッキトップはフィールドの場をリセットする力。

 これによって図書館マンとパルキオンは為す術もなく破壊された。

 

「そしてオレはトラップオープン《リビングデッドの呼び声》!こいつで《A・O・Jカタストル》を蘇生し、ダイレクトアタックゥ!」

 

「トラップカード《ガード・ブロック》発動!この戦闘で発生するダメージを0にし、私はカードを1枚ドローします!」

 

幽香:手札4→5

   魔法・罠:セット1

 

「クソがっ!オレはこれでターンエンドだ」

 

阿導:手札0

   モンスター:A・O・J カタストル

   魔法・罠 :リビングデッドの呼び声

         セット1

 

「私のターンドロー!」

 

幽香:手札5→6

 

「私は《ブンボーグ003》を召喚。効果は先程説明させてもらいましたのでこのままデッキから《ブンボーグ005》を特殊召喚します。」

 

《ブンボーグ005》

星5 地 効果/ペンデュラム

ATK:500

 

「ペンデュラムモンスター!?」

 

「幽香さんもペンデュラムを持っているのか!?」

 

 遊矢と零児そして沢渡が使用したペンデュラムモンスターを幽香が持っている事実に遊勝塾のメンバーは驚く。

 大会に出るまでの6連戦でも出したことがないカードであり、聡とのデュエルでしか使用したことがないためしょうがないだろう。

 

「特殊召喚に成功した《ブンボーグ005》のモンスター効果!フィールド上の魔法・罠カード1枚を対象にし、破壊します。私は《リビングデットの呼び声》を選択!」

 

「やらせるかよ!カウンタートラップ《ツバメ返し》!こいつは特殊召喚時に発動されるモンスター効果の発動を無効にして破壊する!消えな!」

 

 日本が生み出した剣豪の技を再現するように005が3つの斬撃に裂かれ、破壊される。

 折角の効果を防がれ、破壊されてしまったがこれで相手の妨害札はなくなった。

 

「・・・ようやくこれで心おきなく動くことが出来ますね。私は《二重召喚(デュアルサモン)》を発動!これによって私はこのターン通常召喚を2回まで行なうことが出来ます」

 

 シンクロ召喚を多用するデッキにとって召喚権が増えることはソリティアが捗るということだ。

 幽香との机上デュエルであるが何度かソリティアをされたことがある。まぁソリティアと言ってもこちらじゃ満足さんや蟹みたいなデッキが蔓延っているわけではない。そのためそんなに長い時間を要するものではないのだが本当に綺麗に動いていた。

 よく思っていたことだがこの世界の住人の引きはヤバイ。精霊憑きでもないのになんだあの引きの良さは・・・

 彼女のデッキのエースにも聡自身驚愕せざるを得なかったがデッキがすごく応えているんだよね。主人公かな?

 

「私は《ジャンク・シンクロン》を召喚!」

 

《ジャンク・シンクロン》

星3 闇 チューナー/効果

ATK:1300

 

「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在するレベル2以下のモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚します。私はレベル2の《ブンボーグ002》を特殊召喚です」

 

 幽香は一拍置く。これから生み出すのは彼女のエース。

 

 

「私はレベル3《ブンボーグ003》とレベル2《ブンボーグ002》にレベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング!!

 

 漆黒の闇を裂き、天地を焼き尽くす絶対王者よ

 

 万物を睥睨(へいげい)し、その猛威を振るえ!

 

 シンクロ召喚!《琰魔竜(えんまりゅう) レッド・デーモン》!!」

 

 

 絶対王者の決闘竜が召喚に応じるように轟咆を挙げた。

 




 機種依存文字であるフィールレモンの名前を投入しました。
 もし文字化けなどがあればご指摘お願いします!

 それしか出来ない非力な私を(ry

 というわけで閲覧していただきありがとうございます!
 筆者の〇坊主です。

 今回、ついにフィールを出してしまいました。後悔はしてません。
 かっこいいですよねキング。アニメでも活躍することは確定してますので楽しみです。

 それではそろそろこの辺で。
 次回も楽しみにしていただけたら嬉しく思います。

 
 お楽しみは、これからだ!
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