色々あったけどまさかまさかの10年ぶりに更新です。
この作品始めたの10年前ってマジかよ…。勢いで書けたのでどうぞ。
あと普通にカード性能記入するの面倒になったので、省略できるところは省略します。
映画である『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』で行われるデュエル進行をイメージしてくださるとわかりやすいかも。
《
ランク8という一つの魔境で生まれたエクシーズモンスター。
名が示している通り、海上に
「アイガイオン」という名には「エーゲ海の男」という意味があり、アイガイオンはエーゲ海の海底を支配しているという所から、それに因んで名づけられたと考えられ*1、レアリティも高くない為に決闘者達の手元へ行き届きやすい配慮が行き届いている。
最もそれは俗に言うOCG次元と呼んでも良いあの世界だからこそ言えるものであり、ARC-V世界の、それもスタンダード次元と呼ばれ、最近になって漸くシンクロやエクシーズが普及し始めたこの環境下でそれを求めるのは酷というものだろう。
Wikip〇diaのようなツールも無い現環境では出された瞬間に効果を把握し切ることは困難だ。
「守備力3000…!でも攻撃力は…」
「なにかあるぞ遊矢!」
「アイガイオンの効果を発動。相手のエクストラデッキから裏側表示のモンスターをランダムに一枚除外する」
「えっ!俺のエクストラデッキを!?」
アイガイオンの効果宣言と共に中央部の紋章が輝き、眩い光を遊矢のデッキ目掛けて照射する。
効果処理によってそのままランダムにモンスターが除外されていった。
「除外されたのは…ルーンアイズか」
アイガイオンの攻撃力が変動し、攻撃力が?から3000へと修正される。
これがアイガイオンが持つ独自の効果であり、相手ターンでも除外効果を発動すれば15枚中2枚をランダムで除外する事が出来るのだ。
デッキ確認や即時に影響を盤面に与える効果ではないが、それでもエクストラから相手の初動カードを狙い撃ちにできればそれだけで相当な負担を相手にかける事が出来るのだ。
イラストも含め、
「俺のルーンアイズが…!」
「攻撃力が3000にまで上がった…。厄介な…!」
「ちなみにこの除外効果はターン一回の制約があるが、相手ターンでも使用できる。カードをセットしてターンエンドだ」
そうして聡の盤面に残ったのは《森羅の姫芽宮 スプラウト》と《魔海城アイガイオン》にセットが一枚。
手札は遊矢が2枚に対して聡は4枚となる。
現時点での遊矢が持つエクストラモンスターの中でもフィニッシャー性能が高い《ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》が除外されたことで、彼の戦略を大分制限させることが出来ただろう。
流石に3000の3回攻撃はまともに受けるとやられてしまう。
「くっ、俺の…ターンッ!!」
こうして一枚増えたことで遊矢の手札は3枚になった。
場には《EMシルバー・クロウ》と《EMウィップ・バイパー》にセット一枚。ペンデュラムゾーンに置かれたカードによって2から5までのモンスターを同時に召喚が可能となっている。
《
「スタンバイフェイズ。俺は《魔海城アイガイオン》の効果を発動。遊矢のエクストラを一枚除外する。…ふむ。《ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》か」
「ッ!!」
「ビーストアイズも攻撃力は3000。アイガイオンの攻撃力は変動せずそのままだ」
聡は淡々と効果処理を行っているが、忘れてはいけない。
この世界ではバーンデッキやデッキ破壊は好まれていない。むしろ嫌われる側の戦法だ。
プロの世界でも極一部のデュエリストが使用しているが、ヒール役として使用する場面が大きい。
相手の手段を根本から崩しに来る姿勢を見せていることに遊矢は怒りを滾らせる。
愛用のエースが間接的にとはいえ、相手によって利用される経験がこれまでの遊矢には無かったのだ。
「俺はシルバー・クロウとウィップ・バイパーでオーバーレイ!
漆黒の闇より愚鈍なる力に抗う反逆の牙!
今、降臨せよ!エクシーズ召喚!
現れろ!ランク4!《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!」」
『グォォオオオオオオオオ!』
遊矢の怒りに呼応する様に召喚されるユートが持っていたエクシーズモンスター。
アニメにおいてはレベル5以上のモンスターのみ対象に取れ、上昇値もそのターン中という制約はあったものの、効果使用時に必要なエクシーズ素材は一つだけで使用制限もなかった。
今遊矢が召喚したダーク・リベリオンはOCGに沿って上昇が永続で素材二つ使用。対象に取れる相手もレベル関係なく選べるようになっている。
現実でもフィニッシャーや露払いとして好まれていたドラゴンが高らかに雄叫びを挙げているが、それだけではこの盤面を崩す事は敵わない。
「アイガイオンが持つもう一つの効果は除外されているエクストラモンスターの種類をデッキに戻すことで戻した同じ種類の相手モンスターを選んで破壊できる効果があった。故にそのダーク・リベリオンには俺のアイガイオンは対応できない」
「そんな効果も持っていたのか!特定の召喚方法に対して無類の強さを発揮するではないか!」
遊矢を応援していた権現坂がアイガイオンの効果に驚くが、普通にアイガイオンには耐性が無いために簡単に突破される事が多い。
「俺は《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》のモンスター効果を発動!エクシーズ素材を二つ外す事により、《魔海城アイガイオン》の攻撃力を半分にし、その減らした数値分を自身の攻撃力に加える!“トリーズン・ディスチャージ”!!」
アイガイオンの攻撃力は3000だったが、ダーク・リベリオンによって攻撃力が吸収されていく。
心なしか巨城に輝く光量が減った様に感じるが、アイガイオンは守備表示。
戦闘破壊されてもダメージを受けることはない。
「更に俺は《
ハンサムライガーで《森羅の姫芽宮 スプラウト》に攻撃!」
「通す」
噛みつき攻撃をしたライガーの攻撃を守備力が100しかないスプラウトが防げるはずもなく、そのまま破壊される。
戦闘破壊に成功したライガーは己の成果を喜ぶように遠吠えを挙げた。
「
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・トラゴン》の代名詞ともいえる特徴的な牙を地面へ突き刺し、大地を抉りながらアイガイオンへと突進を行う。
いくら守備3000という頑強なアイガイオンと言えども、攻撃力を1500吸収されたことで攻撃力4000という大台に乗っている一撃は防ぎきる事は出来ずに盛大な爆発で演出しながら破壊された。
「よし!俺はこれでターンエンド!!」
「おぉ、遊矢が逆転したぞ!」
「…やはり駄目ね」
「何?」
遊矢がアイガイオンを破壊して盤面を更地にしたことで権現坂は喜ぶものの、その戦いを見ていた藤原 雪乃は遊矢のターン回しをそう切り捨てる。
権現坂は思わず聞き返してしまったが、共に見ていた赤馬零児も同じ感想を持っているのか、反応せずに淡々と二人の戦いを見ていた。
「むぅ…ご婦人。今の発言はどういう意味なのかお聞きしたい。この
「ボウヤもまだまだ成長すべき課題があるということよ。
…今の盤面を見れば榊ボウヤの盤面には攻撃力4000のエクシーズモンスターが居て、聡の盤面にはモンスターがいないわ。でもそれは聡が明らかに手加減した結果よ」
「なんと」
雪乃は明らかに聡が手加減をしているという。そしてそれを理解できていない為の発言だということ。遊矢が今自分が置かれている状況を把握し切れておらずに一喜一憂しているのがその証拠だという。
「先ほどの聡が用いた戦略は堅実よ。《魔海城アイガイオン》の効果で攻撃力を変動させられると言えども結果はランダム。下級モンスターに破壊される攻撃力になってしまえばされるがままに戦闘破壊されてしまう。故に守備表示で召喚した。ここまでは分かりやすいわね」
「うむ。それでカードをセットしてターンを渡したであろう?遊矢のエクシーズモンスターで破壊された結果は変わらぬのではないか?」
「いいえ。彼が《森羅の姫芽宮 スプラウト》で加えたカードが何か、覚えているかしら?」
「それは…《リビングデッドの呼び声》だろう」
聡がアイガイオンを特殊召喚する前に確かに《森羅の姫芽宮 スプラウト》の効果で加えていた永続罠。
ターンを渡す前にセットしたカードを考えれば一番可能性が高い一枚だろう。
「何故彼がリビングデッドを発動しなかったと思う?」
「それは《リビングデッドの呼び声》は攻撃表示で特殊召喚するカードである以上、遊矢の《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》で攻撃力を吸収される危険を考慮したからではないのか?」
「彼の墓地にはフィールドのカードを対象に取る効果を無効化できる《椿姫 ティタニアル》が存在しているのに?」
「あ!」
聡は《森羅の賢樹 シャーマン》の効果で《椿姫 ティタニアル》をデッキからさりげなく墓地に送っていた。
遊矢が《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を特殊召喚すると同時に蘇生をしていれば攻撃力を吸収する効果を無効にして破壊する事も可能だったはずだ。
それをせずに聡を護っていたモンスター達の破壊を許したのは聡の計画通りということ。
「更に言えば、彼は先ほどのターン…通常召喚を行っていないわ」
「ぬぅ!」
聡が初動として動いたのは《名推理》から。
【森羅】というカテゴリーが持つ怒涛の展開力で忘れていたが、確かに聡は通常召喚を行っていない。
手札を4枚も維持しながら、召喚できるモンスターを握っていないとは考えずらい。
「俺のターン、ドロー。何もなければメインフェイズに入る」
聡はアイガイオンが破壊され、自身を護るモンスターが居なくなっても全く動揺することなくデッキからカードを引いた。
「ライフを1000払い
「なっ、《聖なるバリア -ミラーフォース-》が!」
「いや、それよりもセットカードは《リビングデッドの呼び声》ではないのか!?」
聡が発動したセットカードが通常魔法であったことに驚愕する権現坂。
雪乃の話を聞いて完全にあのセットカードは《リビングデッドの呼び声》と思っていたのだろう。
勿論それでも問題なかったのだが、この戦いの意図は遊矢が如何に冷静さを維持できるかにかかっていると思う。
先程の攻撃も安直すぎる。
遊矢も自分のデュエルを何度か見ている。セットカードも多用する自分の戦い方を知っている筈なのだ。
それなのに先ほどの遊矢は全くセットカードを考慮せずに攻撃を仕掛けてきただけでなく、盤面を返しただけで喜んだのは余裕がない証拠だろう。
バック除去の為ライフが3000になってしまったが、0にならない限り問題はない。
「俺は《ローンファイア・ブロッサム》を通常召喚。何もなければリリースして効果を発動したい」
「何もない…」
「OK。俺はいつも通り《ローンファイア・ブロッサム》二体目を出して《シード・オブ・フレイム》を特殊召喚。そのまま速攻魔法《炎王炎環》を発動。炎属性の《シード・オブ・フレイム》を破壊して墓地のローンファイアを蘇生し、その後に効果で破壊された《シード・オブ・フレイム》の効果で2体目のローンファイアを蘇生し、相手の場に《シード・トークン》を守備表示で特殊召喚する」
流れる様に効果を発動させて場に並ぶのは2体の《ローンファイア・ブロッサム》。
このカードは古来のカードであるが故に名称ターン1の効果を持っていないのが非常に強力である。
「一体目のロンファ効果によって《
『漸く私の出番です!!』
これまでほとんど出番がなかった為に意気揚々と登場演出をかます《桜姫タレイア》ことサクラ。
普段よりも桜吹雪の量が1.5倍増しになっております。
「そして二体目の効果で三体目の《ローンファイア・ブロッサム》を特殊召喚した後に発動。《地獄の暴走召喚》!」
「ッ!そのカードは!!」
遊矢もこのカードを理解している様子。
しかしセットカードも持っておらず、ロンファの効果を手札誘発で止めなかった時点で妨害手段がない事は把握済み。素直に効果処理をさせてもらう。
「攻撃力1500以下のモンスター1体が特殊召喚された時に発動できるこのカードは自分の手札・デッキ・墓地から同名モンスターを可能な限り特殊召喚する。よって墓地から2体の《ローンファイア・ブロッサム》を特殊召喚するが…遊矢、お前はどうする?」
「俺は…《
悔し気にデッキからもう一枚のハンサムライガーを出すが、聡の盤面はすでに《桜姫タレイア》と3体の《ローンファイア・ブロッサム》が盤面を埋めていた。
「こ、こんな簡単に己の盤面を埋めるとは…!」
「流石ね」
「処理後に2体のロンファ効果を発動し、デッキから《姫葵マリーナ》と《秋姫チルビメ》を特殊召喚。そして三体目の効果で《
権現坂と雪乃の反応を他所にデュエルは続く。
しかしこの戦いにかかる時間がそこまで長くならない事を各々は察していた。
本日の最強カード
《魔海城アイガイオン》
エクシーズ・効果モンスターのランク8。
召喚条件はレベル8モンスター二体の守備3000というカッコイイモンスター。
相手のエクストラをランダムに1枚除外するという博打要素があるが、明確な効果無効などではない為、他に妨害モンスターが居れば相手目線で優先順位がそちらに映ることが多いが、放置すればEXデッキを好き勝手荒らされるという地味に鬱陶しい効果があるのが強み。
作者は良く銀河眼デッキ相手に出してエクストラ除外ガチャをしていたが、返しの一撃で大体やられるまでがデフォだった。
でもこういう有名どころではないけど、地味に活躍をしてくれるモンスターが好きなんですよね。
EXカードの入手経路が限られているアニメ次元ではかなりの極悪効果に早変わりするので、使いやすい。