遊戯王 就活生の現実逃避録(物理)   作:〇坊主

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はい。2ターン目になります。
今回はデュエル描写はありません。申し訳ないです。

ARC-VのOPがまたワクワクするOPになりましたね。
ワクワクを思い出すぜぇ!俺ぇ!!。


2ターン目『昨日を振り返って』

 目が覚めると至極普通の天井が見えた。

 当然だ。普通に学生生活を過ごしていれば外で一夜を過ごす機会はほとんどないだろう。

 近くに置いてある時計を確認。時計の針は7時を刺していた。

 

 青年はそのまま布団から這い出てカーテンを開ける。

 そこは青年にとって見慣れた光景―――――――ではなかった。

 

「そういやぁ、そうだったなぁ・・・。」

 

 見慣れない光景を眺めつつ、九条 聡は呟いた。

 今自分は遊勝塾の一室を借りていた。

 この理由はあとで話すとしてまずは昨日起こった出来事を放そう。

 昨日だけでもいつもの日常を崩壊させるには十分すぎたのだ。なので振り返ってみよう――――。

 

 

 

      ◇◆◇◆

 

 

 

 散歩をしていたら遊戯王の世界に――それもARC-Vの世界に入りこんでしまい、そのまま何故か持っていたディスクでデュエルを行う。

 あのデュエルの時に助けた少女も俺の名前を聞いたあと「御礼は後ほどする」といってどこかへ行ってしまった。

 俺は彼女の名前すら知らないんだけど・・・。

 

 来た道もなくなっていたし、お金もこっちの世界では使えないと考えていていいだろう。

 お金もなく、土地勘もない。更には自分の戸籍もないため、どうしようもない。

 うん。詰んでるね。

 

 いい案がないだろうかとベンチに座って試行錯誤していたら、黒服着たあやしいおっさん達に囲まれるときた。

 デュエルがものを言う時代とはいえ、知らないおっさん達に囲まれてカバディされたこちらとしては堪ったもんじゃない。

 

 とりあえず何しに囲んでいるのか聞いたら「同行してもらおうか」の一点ばり。

 やっぱり人の話を聞いてくれないのがこの世界の民度なのだろうか?

 まぁ一人で今の現状をどうすることもできないので素直についていかざるを得なかったけど、これかなり危ないことやっているよね。良い子は真似をしないようにしよう。

 

 そして着いた所はLDS本社。うん、この人達は間違いなくあの人の命令できたね。

 でもなんで俺なんだ?確かに異世界から来たけどエクシーズや融合は使ってないよね?

 

 そんなことを考えていると社長室に通され、初対面ですよ。

 いや、実際に見るとすごいね。

 あれほんとに今16歳なの?貫禄とか威圧感とかすごいものだったよ。年下とは到底思えない。

 

「突然連行じみた事をしてすまない。そして、来てくれたことに感謝する。私はこのレオ・デュエル・スクール、通称LDSの社長である赤馬 零児だ。」

「九条 聡です。よろしくお願いします。」

「無理に敬語を使わなくていい。連絡もなく、連れてきたのはこちらだ。不満もあるだろう。」

 

 無理に敬語を使っていたわけではないが、社長――赤馬 零児は自分の非を謝罪した。

 カリスマすごいなぁ。流石主人公のライバルポジションだ。

 

「だがこちらも時間が限られてきているので単刀直入に聞かせてもらう。九条 聡。君はどこ所属だ?」

「は、はぁ。所属・・・ですか?」

 

 所属―――つまりデュエル塾のことを聞いているのかな?

 といっても自分はこの世界の住人ではないので、まったくわからない。

 異世界から来ましたなんていうといろいろ面倒なことになるのは目に見えているので下手なことも言えない。

 何と答えようか悩んでいると赤馬 零児が口を開く。

 

「答えづらいならそれでも構わない。君のデュエルが終わった後、これまでのデュエル記録を見ても君の情報が全く出てこないものでね。我々としては今まで君ほどの実力者がどこで何をしていたのかを知りたくなっただけでね。」

「自分が実力者?流石にそれは言いすぎなのでは?」

 

 素直に聞き返す。

 実際友達とデュエルするときも結構プレイミスもある。

 デッキも安定型ではなく、回れば強いデッキを好んで使っているのだ。

 そのため事故るときは普通に事故る。

 チェーン処理の仕方などの多少の知識はあっても実力者と言われるのは納得するわけにはいかないのだ。大会なんて出たことないし。

 

「君がデュエルしている最中、あの公園付近で膨大な召喚反応エネルギーが感知され、周囲のカメラも制御不能になった。そのデュエルを行っていた張本人である君が無関係だとはとても考えがたい。」

「・・・・・・それは確かに怪しまれますね。ですが、それだけで実力者扱いはどうかと思いますが?」

「・・・君が対戦していた相手の実力。どう思った?」

「どう・・・ですか?悪くはないとは思いましたけど、脳筋でしたね。攻撃力が低いだけで効果には気もかけてなかった。」

 

 遊戯王特有の会話でもあるが攻撃力が低いだけで馬鹿にする傾向があるのは知っていた。

 一部を除いてテンプレのようなものだと思っていたのだが違うのだろうか?

 

「そうだ。この舞網市だけでなく、この世界の一般デュエリスト達はステータス至上主義だ。効果には気にも留めていない。しかし君は違う。ステータスに縛られることがなく、カード効果の強さを理解していると私は見ている。その柔軟な思考を持っている君は十分な実力者だ。」

「そういうものなんですかね?」

「そういうものだ。」

 

 なんとなくだが納得した。

 そんなにすごいことではないとは思うが、ステータスが全てな考えが遊戯王世界にはあることは過去作等から知っている。

 「そんな攻撃力で何が出来る?」からの「それはどうかな?」に続いて「なにぃ!?」までの一連の流れは有名なものだ。

 

「まぁ連れてこられた理由や目をつけた理由は大体理解しましたけど、それだけが理由で連れてきたんですか?」

「いや、今聞いたことは社交辞令のようなものだ。本来の目的は他にある。さて、突然だが君のデッキを見させてくれないだろうか?」

「嫌です。」

 

 即答した。

 だって怪しさ満点だもん。

 一度貸したら海に投げ捨てられるとかが起こってもおかしくない世界だからね。

 警戒するのも仕方ないね。

 

「ふむ。何故だ?」

「初対面の人に自分のデッキを渡せるほどお人よしではないもので。」

「そうか。当然の反応だ。私も自分のデッキを信用しきれない者に渡すのは考えられないからな。ただ聞いてみただけで、他意はない。」

 

 はっきりと答えるとすぐに身を引いてくれた。

 良識がある人は貴重だから助かるぜ。

 

「最後に一つ質問だ。君は、このスタンダードの出身かね?」

 

 社長の目つきが鋭くなる。こちらを見極めてやろうとする目だ。

 すこしからかってみたくなった。

 多少問題発言になるであろうが、まぁ問題ないでしょ。

 

「どうでしょう?どの次元でもない。とでも答えておきます。では、失礼しました。」

 

 そういって社長室から出る。

 この言葉をどう捉えるかは社長次第だからね。

 でも意味深な発言すぎる気もしなくもないがまぁ何とかなるでしょう。

 さて、これからどうしようかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

「社長、行かせてしまってもよろしかったのですか?」

 

 九条 聡が部屋から出たのを確認するや否や側近の男が聞いてくる。

 この男――中島は私を支えてくれる貴重な人材だ。固い性格がたまに傷なのだが。

 

「問題はない。あのまま押し込んでいても彼は抜け出しただろう。下手に刺激するよりも今は様子を見るほうが妥当だ。」

「しかし、奴は侵略者の可能性が否めません。監視の者をつけて置く事を進言します。」

 

 中島が言うことはもっともだ。しかしあの言い方は引っ掛かる。

 あの様子だとこちらの事情もある程度知っているのだろうか。

 

  『どの次元でもない。とでも答えておきます。』

 

 あんな言い方をしたということは他の次元が存在していることを彼は知っているということだ。

 融合次元の者でないのならば敵対する可能性は比較的低いはずだ。

 しかし―――

 

「断言できる材料がない今、監視の者をつけるのは妥当な判断だ。」

「では――「だが、」――!」

「先ほども言ったが下手に刺激するのはまずい。そのため却下だ。」

 

 やはり判断材料が圧倒的に足りない。

 結論を決め付けていては真実には到底たどり着けない。

 

「ですが社長!」

「私がなんの策もなく、見過ごすと思うか?」

「―――――!!」

 

 そう伝えると中島に1枚の用紙を見せる。

 中島は用紙に書かれている内容を理解すると納得したようだ。

 

「社長が考えていることは理解しました。つまり奴をこの大会に出場させるということですね。」

「そのとおりだ。頼んだぞ中島。だが色々と弊害も出てくるだろう。そこは私自らが説明する。」

「・・・了解しました。」

 

 中島はそういうと社長室から出た。

 それを見届けた後、用紙に目を移す。

 

「九条 聡。デュエルの実力がどれほどのものか。見させてもらうか。」

 

 

 【舞網チャンピオンシップ】

 

 

 用紙には大体的にそう書かれていた。

 

 

      ◇◆◇◆

 

 

 で、LDSを出た後にぶらぶらと舞網市を歩いていたんだよね。

 カードショップ回ってみたりして、カードの単価に変な笑いが出たりしてさ。

 貴重なカードはマジで高いな。有名なレッドアイズや攻撃力が高いカード類の値段の高さよ。数十万ってレベルじゃないぞ。どういうことなんですか。回ってる数も少ないのかもしれないから仕方ないのかもしれないが・・・

 

 帰り方もわからないし、その後泊まれる場所がないかと人に聞きながら探していたら出会ったのさ。遊勝塾の塾長、柊 修造さんに。

 

 熱血な人だとは知っていたけどまさか泊めてくださるとは思ってもみなかった。

 初対面でこちらはただ宿はないかって聞いただけだよ?

 まさか「ならここの部屋を使ってもいいよ」とか言われるとは予想外すぎた。

 色々ありすぎて疲れてたから、厚意を受け取ってそのまますぐに寝てしまったんだがこの厚意がなければ今頃野宿だっただろう。

 本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。暖かいって、いいね。

 

 さて、塾長が来る時間はもう少しあるので今のうちに自分のバックに何があるのかを確認しておこう。

 意外な掘り出し物ものが出てくるかもしれないな―――。

 

 




Q,ところで精霊はいつになったら出てくるの?
A,調整中

ではなく、ちゃんと出す予定ではあります。
もうしばらくお待ちください。
早く出さないと嘘つきタグになっちまうよ・・・。


そしてあまり話が進んでいないぞ。大丈夫かい自分。
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