「うっ、ここは?」
俺は目覚めると身体中が痛かった。それに頭もクラクラするし、視界もぼやけてる。
「一体何が起こったんだ?」
考えていると、少しずつだが視界と記憶が戻ってきた。
そうだ、エリーに突き飛ばされた後に爆発がおきて吹き飛ばされたんだ。
記憶が鮮明になってきた。
「なぜ爆発が起きたんだろう?確かエリーがフレイムボム・・・エリーは!」
俺は、身体が痛いのを我慢して起き上がった。
周りは砂埃が舞っている。
ヴォルフの姿が見えない。けど周りからは音が聞こえる。きっと奴らは探しているに違いない。
俺は急いでエリーを探すとすぐに横たわっているエリーを見つけた。
急いで駆け寄って、「エリー、エリー!」とこえを
掛けながら体を揺すった。
「んっ、うーん。」
と声が聞こえると、エリーはゆっくりと目を開けた。
「エリー、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。絢斗こそ怪我はないですか?」
「俺は大丈夫だ。急いでここを離れよう。あいつらがまだ側にいる。」
俺は弱々しいエリーの声を聞きながらそう提案した。
エリーは頷くと立ち上がろうとしたが、力が上手く入らないらしく立てない。
そしてこっちを見ると、
「すいません、上手く立てないらしいです。私のことはいいので貴方だけでも逃げて下さい。」っといってきた。
俺は少し考えてエリーの前に背中を向けて腰を下ろした。
「そんなことは、出来ない。逃げるなら一緒に逃げよう。」
「しかし、私がいると「いいから乗れって、絶対に置いてかねーぞ」
俺はエリーの言葉を遮って強めの口調で言った。なぜなら、その言葉の先が読めたからだ。申し訳ないと思いながら俺は待っている。
すると、背中に暖かい重みが加わった。
「ごめんなさい絢斗、こんなことになってしまって。」
俺は背中から聞こえる声を立ちながら聞いた。
「それは帰ってから聞きます。それより急ぎましょう。武器も無いですし、今襲われたら不味いです。」
と言うと俺は歩き始めた。
少し歩くと砂埃が収まってきて視界が広がってきた。
そして、目の前に遺跡みたいなものが見える。
「これは?」
するとエリーが
「これが風の神殿です。街とは逆に来てしまったらしいですね。」
と答えた。
「えっ、急いで戻らないと。」
俺は急いで引き返そうとすると、
「いえ、逆に好都合かもしれません。中に入れば精霊の力が働いているので、魔物は入って来れないはずです。」
エリーがそう言うと、急いで神殿に向かった。すると、後ろから<ヴァウ>声がして振り向くと4匹のヴォルフとヴォルフに似たようなのがいた。
「なんだあいつは?」
見た目はヴォルフにそっくりだが、角が2本生えている。そして、何よりもヴォルフと比べると大きい。普通のヴォルフは膝くらいの高さだが、あいつは俺の腰くらいまでの高さがあるんじゃないか?
そう考えていると、
「なんですかあの魔物は!」
とエリーが呟いた。
「見たこと無いんですか?」
俺は質問すると、
「はい、今まで目撃情報のない新種です。」
と答えた。
俺はマズイと思い急いで神殿に走った。すると、新種の前に炎の玉が出来てそれがこっちに飛んできた。俺はとっさに後ろに飛んだ。
すると、さっきまでい所に玉が落ちて爆発が起きて地面がえぐれた。
その時の爆風で、尻餅をついてしまいエリーを落としてしまった。
「今のはフレイムボール!じゃあさっきのフレイムボムもあいつが!何で魔物が精術を!」
エリーはそう言うと、ゆっくりとなんとか立ち上がった。
「絢斗、ここは私が囮になります。貴方は急いで神殿に!」
エリーが言ってきた。しかしエリーは立ったのがやっとのようで足が震えている。
俺は立ち上がると無意識にエリーの前に立った。
「何を!?早く逃げて下さい。」
「嫌だ、絶対にここを動かない。神殿に行くときはエリーも一緒だ!」
「しかし・・・」エリーが何か言おうとしたら、また新種の前に炎の玉が出来てこっちに飛んできた。またフレイムボールか、そう考えてると急にフレイムボールが遅く感じられた。それだけじゃない、周りの感覚が凄い繊細に感じられる。
そう感じてると、『貴方はその子を守りたいですか?』っと声が聞こえた。いや、聞こえたっていうより頭の中で響いてるような感じだ。
『貴方はその子を守りたいですか?』また同じことを聞かれた。
「もちろん守りたい。」
俺は答えた。
『それはなぜですか?貴方には関係のない人のはずです。』
また、質問された。
「そんなのわからねぇ。長い付き合いじゃない。しかし、命を助けてくれた。だから、今度は俺が助ける番だ。」
『本当にそれだけですか?』
答えたのに、また質問された。なんだか心そこを見透かされているようだ。
「ああ違うよ。エリーといるとドキドキすんだよ、それに気になってしょうがない。多分好きになっちまった。ただそれだけだ悪いか!」
俺はそう答えた。
『そんなに怒鳴らないで下さい。すいません、貴方の本心が聞きたかっただけなんです。いいでしょう、貴方に力を貸しましょう。』
そう声が響くと目の前に、俺が持ってきた刀が浮いている。確かさっきの爆風でどっかに飛ばされたはずだが?
『さぁ、刀を取りなさい。わかるはずです貴方の力の使い方が。』
俺はそう聞くと刀を取った。もうフレイムボールが目の前まで来てる。しかし、とても落ち着いている。そして頭の中で言葉が浮かんで声に出してみる。
「ウインドウォール」
すると、フレイムボールが爆発した。しかし、目の前に壁みたいのがあるらしく、変な形で爆発している。
俺は驚いた。
「絢斗それって!」
エリーの声が聞こえてきた。多分エリーも驚いてると思う。
「大丈夫、守るから。」
俺はそう言うと、一回深呼吸をした。その間に爆発は収まり新種が見える。
<ヴァウ>と新種が吠えると他のヴォルフ達が後ろに下がった。
「行くぜ!」と俺は駆け出した。もう怖くないし体も痛くない。今はエリーを守りたい一心で新種に立ち向かった。