ちなみに、途中でウォーロックがビーストブレス(本来は流星3内でウォーロックコピーが使っている、口から電撃状のビームを発する技)を使っていますが、コピーが使えるなら本物も使えるだろ! ってことで使わせてみました。
それと、「プレデーション」は本来アニメで使われている単語で「捕食」を意味し、ウォーロックにカードを捕食させる意味なのですが、ハンターVGにカードのデータを「取り込ませる」のを「捕食」と表現するのもいいかなと思い、採用しています。
(3454文字)
「ロックバスター!」
ロックマンは、青い銃に変形させた左腕をウィルスに突きだし緑の閃光を浴びせて行く。あくまでこれは牽制に過ぎない。ロックバスターは周囲の電波を自分の
『スバル、今だ!』
「分かってる!」
間髪を入れずに左腕に仕込まれたハンターVGにバトルカードを読みこみ、腕のバスターが一回り大きな銃に変更される。
「バトルカード、キャノン!」
ロックマンの腕の銃から電波エネルギーの砲弾が放出される。
これもバトルカードの中では弱い部類に入る攻撃だが扱いやすく、通常のメットリオのレベルなら十分な威力も見込めるだろう。
そう、
ロックマンに狙われたメットリオは、ヘルメットを盾にするように姿勢を低くして足で踏ん張り、キャノンの一撃を受け切った。
「『ッ!?』」
ロックマンもウォーロックも、いつもの通りの「試合運び」を想定しており、メットリオ程度ならキャノンであろうと一撃で葬り去ることができると踏んでいた。やはり、ノイズウェーブから出てきたウィルスである以上、格も違うらしい。
キャノンで狙われたメットリオの隙を埋めるように、他のメットリオたちがその場でつるはしを振るい、地面とつるはしの接触面から衝撃波が放たれた。
「くッ!!」
ロックマンはこれをシールドで防御する。いくら電波破壊系の攻撃――ブレイク性能を持った攻撃以外なら受け切れるシールドとはいえ、ここまで大量に集中砲火されては手を出せない。
『やっぱり普通のカードでチマチマなんてやってられねぇみたいだな!』
「うん……ッ! ロック、頼んだよ!」
『おうよ!』
頼んだよ、というそれだけでスバルの意図が分かったのか、ウォーロックはシールドで攻撃を受け続けているロックマンの前に進み出た。
『喰らいやがれッ! ビーストブレス!』
ウォーロックの口から閃光が
『ウォラァッ!』
ビーストスイングの風圧がそれをさせなかった。オックスの炎を一振りで吹き飛ばすビーストスイングのそれは、威力は無くとも効果は絶大だった。
「――バトルカード『キャノン』、トリプルプレデーション」
ウォーロックが首尾良く時間稼ぎをしているのを見て、ロックマンは落ちついてカードをハンターVGに読みこませる。ハンターVGの中でカードデータは融合し組み換わり、そのデータを別のそれへと昇華させていく。
「ロック、いくよ!」
ロックマンの掛け声にウォーロックは無言で反応し、立ち退いた。準備を完了させたロックマンが突き出した腕には、通常のキャノンとは比べ物にならないほどの力を秘めた、紫の銃が装備されていた。
対するメットリオは、ウォーロックのビーストスイングやらビーストブレスやらを浴びせられて、弱っている者もいた。それを補うようにまだダメージの無いメットリオが前に出て攻撃を開始しようとするが、攻撃準備をすでに済ませていたロックマンの方が早かった。
「ギャラクシーアドバンス、インパクトキャノンッ!!」
紫の銃口から凄まじいエネルギーが炸裂し、メットリオ軍団のうちの一匹にぶつかった瞬間、そこを起点として爆発が起きる。誘爆に巻き込まれた敵は、その
『うしっ! いいぞ、スバル!』
インパクトキャノンの巻き添えを喰らわないように回避していたウォーロックがロックマンの隣に戻りながら叫んだ。ロックマンは倒し切れなかったメットリオへの警戒を怠ることなく見据えながら、それに頷いた。
「ノイズチェンジも強いカードも使えないから、こうしてギャラクシーアドバンスの威力に頼るしかないね……」
ロックマンは悔しそうに、わずかに顔をゆがめた。
今、スバルのハンターVGは中のバトルカードやノイズ制御プログラムごと、WAXAの化学班に預けていた。死闘を繰り広げたディーラーとの戦い、その中でロックマンはノイズウェーブの中に何度も入り、最後にはノイズの塊とも言えるメテオGの中にすら侵入した。いくらロックマンがPGMと適合しノイズへの耐性があったとはいえ、ずっとノイズに
「スバルの奴、ちょっと苦戦してねーか?」
ゴン太がロックマンとウィルスとの戦闘を観戦しながら呟いた。ゴン太の眼の前ではオックスが「ブロロロ……」と唸り声を上げながらウイルスを警戒していた。
ウォーロックと合流する前の手はずではロックマンが闘っている隙に、ルナやゴン太が子供たちを安全な場所へと誘導する作戦であった。しかしウイルスの数が彼らの想定を超えており、ヘタに動くとバトルの流れ弾などに当たる可能性があったため、ロックマンの闘う後方十数メートルという比較的安全圏から動かず、ロックマンがウイルスを減らしてから避難することにしたのだ。それでもロックマンは1人で戦っている以上、複数相手では全ての攻撃を後ろに流れないようにとどめるのは困難なため、バトルウィザードのオックスがもしも攻撃がこちらに飛んできた場合に打ち消せるように待機させていた。ちなみに、ペディアとモードの非戦闘要員のウィザードはハンターVGを操作してヘルプシグナルを出しつつ逃走経路の捜索を続けていた。
「ロックマンさま、頑張ってーっ!」
と、急に聞こえてきた黄色い声。振り返るまでもなく、ルナの声である。ルナはロックマンの力を信用しているからなのか、あるいはいわゆる「恋は盲目」状態なのか、特に心配する様子も無く単にロックマンの
「ロックマンだぁ……」
「すげー、世界を守ったヒーローだぜ……」
守られる対象である子供たちまで目をキラキラと輝かせている。とりあえず、皆さん一律に逃げないといけないことを忘れていらっしゃる。モードはそんな一同をやや呆れたように見つめてから、ゴン太の問いに答えた。
『やっぱり、早く逃げた方が良かったですかね……?』
遠慮がちに問うモードに反論できる者はこの場には存在しなかった。
トリプルプレデーション、略して「ぷるぷれ」。
基本的に、この小説における流星3の時系列において、スバルがエースPGMとジョーカーPGMのどちらを使用していたのかは、具体的に定義するつもりはありません。どちらのバージョンで流星3に慣れ親しんだ人でもこの小説を楽しんでもらいたいし、どちらか片方のバージョンを優遇することにもなりそうなので。
ちなみに、僕は流星3のバージョンは、対戦システム的にはレッドジョーカー、シナリオ的にはブラックエースが良いと思っています。皆さんはどうでしょうか。
ブラックエースの方が、ラストシーンで暁さんに「俺の想いを引き継いで、戦ってくれるんじゃなかったのか?」と言われ「エース」の力を引き継いで闘う感じがして良いと思います。レッドジョーカーだとこの後、
スバル「この命、まだ、燃やし尽くしてない……! おおおおおおおおおおっ!!」
ピキーン!
……レッドジョーカー
暁さん「!?」
みたいなことになるかな~と。対戦ではレッドジョーカーの方が強いと思いますがね。
前書き・後書きが長くてすみません。