流星のロックマン プレアデスの絆   作:UMA_SS

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 あれ? そういえばキザマロってどこ行ったんだっけ? ってこの話の執筆中に思ってしまった。ごめんよ、キザマロ。
 今回も、文字数的に二つに分けた後半です。短いです。

(2458文字)


5、人々を守る英雄

 後ろから浴びせられる声援や眼差しにも気付かず、ロックマンは再び左腕のハンターVGを操作してカードのデータを呼びだす。

 

「バトルカード『ミニグレネード』、トリプルプレデーション!」

 

 攻撃用意のスキをシールドやウォーロックの牽制でカバーしながら、再度ギャラクシーアドバンスの発動を準備させる。

 

『うっしゃぁああ13匹目ェエエ!』

「だ、だんだんバトルを楽しんできてるな、ロック……」

 

 ロックマンは、顔に不敵な笑みを浮かべたままウイルスを殺戮していくウォーロックをみつめながら、苦笑した。ディーラーとの戦いも終わりメテオGもなくなった今、電波変換をして闘う機会もなくなり、バトル好きのウォーロックとしては暇で仕方なかったのだろう。久々に大暴れできる状況が来て、水を得た(うお)のようである。

 それでも、ウォーロックが元気に暴れまわってくれるお陰で、陽動には十分すぎる働きであった。

 

「よし、もういっちょいくよ、ロック!」

『うぉら覚悟しやが……ちっ』

 

 ロックマンの声を聞いたウォーロックは、残念そうにその場から立ち退いた。そこは残念がるところじゃないだろ、と心でつっこみながらも次の大技を発動させる。

 

「ギャラクシーアドバンス、ビッググレネード!」

 

 ロックマンの腕から投げられたそれはわずかに放物線を描いて、ウォーロックに覚悟させられかけたメットリオの眼前に落ちた。刹那、ドゴン! という轟音とともに爆煙が一気に視界を塞いだ。

 

「バトルカード、ロングソード!」

 

 その爆発音が鎮まるより早く、ロックマンはバトルカードで腕を剣に切り替えた。

 

『うぉおおおっ!』

 

 ロックマンがバトルカードを使うのと同時に、ウォーロックが吠える。その次の瞬間、ロックマンが消えた。スバルとウォーロックのコンビネーション攻撃――ウォーロックアタックだ。

 ビッググレネードの爆煙でウイルスの視界を塞ぎ、その煙が晴れる前にウォーロックアタックで攻撃する。それが先ほどのギャラクシーアドバンスの意図であった。

 盲目状態になって敵が見えなくなろうともロックオンできるビジライズバイザー。ウォーロックアタックのスピードへの、スバルの適応力。それらがあってこそ成せる(わざ)であった。

 爆煙で見えはしないが、みるみるウイルスの数が減って行く。それを黙ってやられるメットリオではなく、あてずっぽうにつるはしを振るい衝撃波を放つが、ウォーロックアタックで動き回るロックマンに当てるのは至難の業であった。

 

「うわっ!?」

 

 ……と。急に、少年の叫び声が聞こえた。この状況で()()()声が聞こえた、という事実に嫌な予感を覚えて、ロックマンは素早く振り返った。

 メットリオが適当に放った衝撃波。そのうちの1つの行く手――本来誰もいなかったはずの方向に、赤茶色の髪の少年と赤い髪の少女がいるのが見えた。

 

「……くっ――!!」

 

 それ以上の情報は、ロックマンの頭の中には入ってこなかった。少年少女がなぜ、ロックマンやオックスが守る範囲に居なかったのか、とか。彼らが今どんな顔をしてどんな気持ちでいるのか、とか。衝撃波があとどれくらいで彼らの元へ届くのか、とか。そんな考えより先に頭に浮かぶのは守らなきゃ、というそれだけの感情。突然の事態に頭の中がフル回転し、外界がスローモーションのように感じる。ロックマン本人が気が付いた時にはもう、彼はウォーロックアタックの最大限のスピードを出して飛び出していた――!!

 

 ガキン! と、音が響く。

 恐怖にうずくまった少年少女の眼の前で、1人の青い少年が、緑色に輝く盾をかざして、敵の衝撃波を受け止めていた。

 

「……あ、う……」

 

 ロックマンの背後で、少年が言葉にならない声を上げる。そんな声に応えるようにロックマンは振り返り、

 

「大丈夫!?」

 

 と叫んだ。その顔は本人も図らず、人々を守る英雄としての顔になっていた。

 問われた赤茶の髪の少年は、おずおずと黙って頷いた。対して燃えるような紅い髪の少女は意外にも冷静で、身を乗り出して逆に聞きかえした。

 

「ろ、ロックマンこそ、大丈夫ですか? すごく無茶な動きだったような……」

 

 礼儀正しく聞く少女。この状況で自分の身ではなく自分を守る者の心配をする辺り、幼くして人間性の高さを感じさせた。

 

「大丈夫。それに、心配しないで。」

 

 ロックマンは言いながら左腕を、(くう)を切って振りおろす。その腕には、いつの間にか大振りの斧が装備されていた。

 ロックマンが前に向き直り見据えた先には、ビッググレネードの爆煙が晴れてウイルスが見えてきていた。大量にいたウイルスは、残りわずか6,7体という数になっていた。

 

「……もうすぐに、終わるから」

 

 言って、姿勢を低くする。ウイルスも煙が晴れて敵を再発見したのか、攻撃しようとつるはしを振り上げた。

 

「ギャラクシーアドバンス――」

 

 呟くような声と同時に、ロックマンが再び消える。

 その場にいた人間もウイルスも、次の瞬間知覚できたのは、斧を振るうその残像のみだった。

 

「ジャイアントアックス」

 

 巨大な一振りで、その斧は残りのウイルスのすべてを斬り裂き、消滅させていた。

 そして、ひと時の静寂が訪れる。子供たちがウイルスに襲われるという事件の幕引きであった。

 

 




 そういえば、「――」を多用しすぎですかね……。クセになっちゃってるかも。
 ちなみに、気になっている人もいるでしょうから言いますが、ミソラの初登場は2章からです。なぜかって? だって原作のミソラの登場ってたいてい2話か3話からじゃん?←
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