LYRICAL TAIL 番外編   作:ZEROⅡ

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劇場版の鳳凰の巫女です。本編ではなく番外編でやる事にしました。

作者的には1ヶ月ほど久しぶりの投稿です。読者のみなさんにとてもご迷惑をおかけして申し訳ありません。

本家に負けないくらい盛り上げていくつもりですので、よろしくお願いします。

感想お待ちしております。


鳳凰の巫女
ルーシィの失敗


 

 

 

 

 

 

場所は……どこかの集落。

 

 

そこではその集落に住む一族が、何やら儀式のようなものを行っていた。

 

 

その儀式では一族の長と思われる老人が鳳凰を模った銅像の前で祈りを捧げ、仮面を被った少女が祈るように舞い、その中心ににある2つの台座には、それぞれ何かの破片のようなモノが埋め込まれていた。

 

 

そして儀式が終盤にへと差し掛かった瞬間……それは起こった。

 

 

突然儀式を眺めていた一族の男が何者かに殺されたのだ。それを見た一族の者たちが動揺していると、そこへ軍隊のような集団が襲撃を仕掛けてきたのだ。

 

 

軍隊の武器や魔法によって次々と殺されていく一族の者たち。一族の者たちも魔法で応戦するが、まるで歯が立たずにその命を奪い去られていく。それを見た少女は絶句し、長と思われる老人がそんな少女の手を引いてその場から駆け出し、2つのうちの1つの台座に埋め込まれていた欠片のような石を持って転移魔法で逃げようとする。

 

 

だがその瞬間に軍隊が放った何本もの槍が長老の背中に突き刺さり、同時に転移魔法でその場から姿を消した。

 

 

それから集落から少し離れた場所へと転移した長老は、持ち出した欠片の石を少女へと差し出しながら少女に言葉を告げる。そして少女はその言葉を聞き、震える手で石を受け取ると同時に、長老は息絶えたのだった。

 

 

それを見届けた少女は石を握り締め、命からがらにその場から逃げだしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LYRICAL TAIL~鳳凰の巫女~

 

 

第1話

『ルーシィの失敗』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永世中立国フィオーレ王国にある、とある大きな港町。そこには8人の少年少女と3匹のネコで構成された集団の姿があった。

 

 

「依頼書によれば、あのてっぺんの砦跡がねぐらよ!」

 

 

「やけに張り切ってんな」

 

 

「とーぜん! 最近妙に自信漲っちゃっててるのよね~!!」

 

 

「ま、その気合が空回りしなきゃいいけど」

 

 

「しゃあ!! 仕事だ!! 行くぞハッピー!!!」

 

 

「あいさー!!!」

 

 

その集団の名は妖精の尻尾(フェアリーテイル)。フィオーレ王国最強といわれる魔導士ギルドに所属する魔導士たちであった。彼らはギルドに送られた依頼を受けて、この港町にやって来たのである。

 

 

「そのなんたら団とかの……」

 

 

「バッカス盗賊団のリーダー、ギースの捕縛。町長からの依頼だから、報酬もおっきいわよ~♪」

 

 

盗賊団の根城である砦跡を目指して街の中を駆けながら、ルーシィは報酬の事を考えて目を輝かせていた。

 

 

「ルーシィ、欲に目がくらんで酷い目つきになってるよ」

 

 

「放っときなさいハッピー。ルーシィが欲深いのはいつもの事でしょ」

 

 

「失礼ね!」

 

 

「まあまあ、落ち着いてルーシィ。ハッピーとティアナも、あまりルーシィをからかっちゃダメだよ」

 

 

ハッピーとティアナの言葉に憤慨して頬を膨らませるルーシィを、ユーノが優しく宥めながら2人に注意を促す。

 

 

「エルザさん!」

 

 

「なんだ? ウェンディ」

 

 

「街が…静か過ぎませんか!?」

 

 

「!」

 

 

ウェンディにそう言われてエルザは気づく。この港町はとても大きな町なのだが、にも関わらず、先ほどから人っ子1人見当たらないのである。

 

 

「確かにおかしいですね」

 

 

「そうだね。こういう時は大抵……」

 

 

それにリニスが町を見回しながら同意し、エリオがそう言いかけた次の瞬間──突然周囲の民家の中から、武装したガラの悪い集団がゾロゾロとなだれ込み、あっという間にナツたちを取り囲んでしまったのである。その数は目測だけでも100人以上はいるだろう。

 

 

「思った通りだ」

 

 

「待ち伏せかよ」

 

 

まさかの相手側の待ち伏せという状況にエリオがやっぱりと言ったようにそう呟き、グレイが毒づく。

 

 

「テメェら!! こっから先は通さねえ!!!」

「海に蹴落として魚のエサにすんぞコラァ!!!」

 

 

「上等ォ!! 燃えてきたぞ!!!」

 

 

敵のその言葉を聞き、ナツは好戦的な笑みを浮かべた。

 

 

「標的はただ1人、リーダーのギース!! そいつを探して捕えなければ、報酬は出んぞ!!」

 

 

「報酬欲しい~♪ チョー欲しい~♪」

 

 

「もはや邪悪だ」

 

 

「さすがに引くわね」

 

 

「あははは……」

 

 

エルザが言い放った報酬という言葉を聞いてまたもや目を妖しく輝かせるルーシィに、ティアナとハッピーは呆れ、ユーノも苦笑を浮かべたのであった。

 

 

「やっちまえ!!!」

 

 

「散れェ!!!」

 

 

そして一斉に襲い掛かってくる盗賊団に対し、ナツたちはエルザの号令で散り散りに分かれて走り出したのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

追ってくる盗賊団を背にして、裏路地の狭い通路を駆け抜けるウェンディ・マーベルとその相棒であるシャルル。そして何故かハッピー。

 

 

「何でついて来るのよ!? アンタの相棒はナツでしょ!」

 

 

「オイラはシャルルを守らないといけないからね。魚食べる?」

 

 

「余計なお世話!!! ってか魚の話題に振らない!!」

 

 

そう言ってついて来たハッピーに怒鳴るシャルル。

 

 

「行くよシャルル!! ハッピー!!」

 

 

すると、他のメンバーとある程度散らばれた事を確認したウェンディはクルリと体を反転させて、追ってくる盗賊団に向き直る。

 

 

「天竜の…咆哮!!!!」

 

 

「「「うわぁぁぁぁああああ!!!!」」」

 

 

そして次の瞬間、天空の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)であるウェンディは口から竜巻のブレスを放ち、盗賊団を一気に吹きとばしたのであった。

 

 

「わぁぁぁあああっ!!!」

 

 

ハッピーも巻き込みながら……

 

 

「酷いよウェンディ~~~~!!!」

 

 

「あっ…ごめんなさい」

 

 

そのまま盗賊団と一緒に空の彼方へと飛んでいってしまったハッピーにウェンディは謝罪し、シャルルは「やれやれ」と呆れたように首を横に振ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「さて…リーダーのギースの居場所を教えてくれませんか?」

 

 

そう言って愛用の槍である雷槍ストラーダを片手に持ってギースの居場所を問い掛けるエリオ・モンディアル。その傍らでは彼の相棒であるリニスが見守っている。

 

 

「誰が教えるか!!」

「ガキだからって容赦しねーぞ!!!」

 

 

当然盗賊団が答える訳がなく、一斉にエリオへと襲い掛かる。

 

 

「ですよね。なら、こっちも容赦はしません」

 

 

予想通りの反応にエリオは苦笑しながら、静かにストラーダを構える。そして……

 

 

「ハァァッ!!!」

 

 

「「「ぐわぁぁぁあああああ!!!」」」

 

 

まさに一閃……エリオは持ち前の素早さを活かし、でほぼ一瞬のうちに盗賊団をストラーダで薙ぎ払ったのであった。

 

 

「おみごと」

 

 

その様子を見守っていたリニスは、エリオに賞賛の言葉を送った。

 

 

「怯むなァ!!」

 

 

しかし盗賊団はまだまだおり、さらなる大群がエリオへと向かって行く。

 

 

「雷竜の…咆哮ォ!!!!」

 

 

「「「ぎゃぁぁああああああ!!!!」」」

 

 

だが雷の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)であるエリオは口から凄まじい雷のブレスを放って、それらを一掃したのであった。

 

 

「うぎゃああーー!!!」

 

 

先ほどウェンディに飛ばされて偶然ここに落ちてきたハッピーも一緒に。

 

 

「エリオまで酷いよーーー!!!」

 

 

「あー…えっと……ゴメン」

 

 

「あらあら」

 

 

そのまま再び空の彼方へと飛んでいってしまったハッピーにエリオは戸惑いながら謝罪し、リニスは苦笑を浮かべたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「待ちやがれーーー!!!」

 

 

一方で民家の屋根の上を飛び回りながら、ナツ・ドラグニルは盗賊団の魔法や武器による追撃をかわす。

 

 

「魚のエサにするだぁ? お前らこそ焼き魚にしてやんよ!!!」

 

 

好戦的な笑みを浮かべながら盗賊団に対して強くそう言い放つナツ。

 

 

「火竜の…咆哮ォ!!!!」

 

 

「「「うわぁぁああああ!!!」」」

 

 

そして炎の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)であるナツの口から灼熱のブレスが放たれ、盗賊団を一瞬で黒コゲにしたのであった。

 

 

「ぎゃあーー!!!!」

 

 

またもや運悪く近くに落ちてきたハッピーも一緒に。

 

 

「酷過ぎるぅ……」

 

 

「悪ィ、ハッピー」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ギースを渡せ。貴様らに用はない」

 

 

「そう言われて親分を差し出す奴がいるかァ!!!」

 

 

鋭く煌めく剣を突き付けながらそう言い放つエルザ・スカーレットに対して、頑な譲らない盗賊団。それを聞いてエルザは不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「気に入った、漢気があるではないか。ならば──覚悟はできているな!!!!」

 

 

すると次の瞬間、エルザは換装魔法で自身の鎧を天輪の鎧へと換装したのであった。

 

 

「なんだありゃあ!?」

「ええい!! かかれェーーー!!!」

 

 

そんなエルザへと一斉に向かって行く盗賊集団だが……

 

 

「「「うわあぁぁぁぁぁ……!!!」」」

 

 

しかし相手は妖精女王(ティターニア)と謳われるエルザ。彼女が手にした剣の一閃が、一瞬で盗賊集団を斬り伏せたのだった。

 

 

「さて、ギースの居場所を……」

 

 

そう言って再びギースの居場所を吐かせようとしたエルザだったが、彼女に斬られた者たちは全員そのまま気絶して坂の道を転がって行ってしまっており、あとには彼女が攻撃の余波で破壊した民家しか残っていなかった。

 

 

「しまった……やり過ぎたか」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ギースの居場所を教えてくれないかな? あまりこういうのは得意じゃないんだ」

 

 

そう言って苦笑を浮かべながら盗賊団にギースの居場所を尋ねるユーノ・スクライア。

 

 

「ナヨナヨしてんじゃねーぞコラァ!!!」

 

 

当然答えてくれる訳がなく、盗賊団は一斉にユーノに襲い掛かる。それを見たユーノは小さく嘆息する。

 

 

「ハァ…やっぱりね。悪いけど僕はみんなと違ってケンカは得意じゃないんだ。だから──こうやって動きを封じさせてもらうよ」

 

 

そしてユーノがパチンッと指を鳴らした瞬間、ユーノの魔法である捕縛(バインド)によって発生した無数の翡翠色の鎖が盗賊団全員の体を縛り上げて拘束したのであった。

 

 

「この…放しやがれ!!」

 

 

「いいけど、その代わりギースの居場所を教えてくれるかい?」

 

 

「教える訳ねーだろ!!!」

 

 

「じゃあ仕方ない……チェーンブラスト」

 

 

「「「ぎゃああぁぁぁぁあ!!!!」」」

 

 

そう呟いて再びユーノが指を鳴らすと、盗賊団を拘束していた魔力の鎖が爆発を起こし、盗賊団全員を吹き飛ばしたのであった。

 

 

「さて、他のみんなは大丈夫かな?」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「こっちだー!! 逃がすなーー!!」

「追えーっ!!」

 

 

「あーもう、ウザったいわね!」

 

 

屋根伝いに走り回っているティアナ・ランスターを追いかけまわす盗賊集団。ティアナはそんな奴等を相手に忌々し気に毒づくと、二丁一対の双銃であるクロスミラージュを構える。

 

 

「シュートバレット!!!」

 

 

「ぐおっ!!」

「がはっ!!」

「ぎゃっ!!」

 

 

そしてそのまま引き金を引き、2つの銃口から放たれる魔法弾で盗賊たちを撃退していく。

 

 

「このアマァ!!!」

 

 

「!」

 

 

するとティアナの後ろに回り込んでいた1人の盗賊が、手にしている重厚な斧を彼女目掛けて勢いよく振り下ろしたのであった。

 

 

「へへっ、やったぜ!」

 

 

盗賊はやったと確信して得意気な笑みを浮かべている。しかし……

 

 

「あら? 何をやったのかしら?」

 

 

「なっ!?」

 

 

やったと思っていたティアナは無傷でその盗賊の横に立っていた。

 

 

「それは幻。幻影魔法(ミラージュマジック)…フェイク・シルエットよ。残念だったわ…ねっ!!!」

 

 

「ごふぅ!!!」

 

 

そう言うと同時にティアナはほぼゼロ距離でクロスミラージュから魔法弾を発射し、盗賊を吹き飛ばす。

 

 

「これで終わりよ」

 

 

残っている盗賊集団に対してそう言い放つと同時に、ティアナは大量の魔法弾を自身の周囲に出現させる。

 

 

「クロスファイアーシュート!!!!」

 

 

「「「ぎゃあああああ!!!!」」」

 

 

そして一斉に放たれた無数の魔法弾が、まるで雨のように盗賊団に降りかかったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「んで、頭目のギースはどこにいやがる?」

 

 

上半身の服を全て脱ぎ捨てながらそう問い掛けるグレイ・フルバスター。

 

 

「脱ぐなぁ!!!」

 

 

例にもれずその問いには答えずに、盗賊集団は一斉にグレイへと攻撃を仕掛ける。

 

 

槍騎兵(ランス)!!!!」

 

 

「「「うわぁぁああああ!!!」」」

 

 

だが氷の造形魔導士であるグレイは即座に無数の氷で造られた槍を放ち、盗賊団を薙ぎ払う。だが盗賊団も負けじと更なる集団でグレイへと向かって行く。

 

 

「ったくキリがねえ!!! アイスメイク〝(フロア)〟!!!!」

 

 

それに対してグレイは舌打ち混じりに毒づくと、今度は盗賊団の足元の坂道を凍らせた。

 

 

「うおっ!!?」

「あ…足が…!」

「滑っ…!!!」

 

 

すると盗賊団は凍った坂道にツルリと足を滑らせてしまい、その場で全員転んでしまった。

 

 

「んで、ギースはどこ──あっ」

 

 

そして再びギースの居場所を聞き出そうとしたグレイだが、盗賊団は全員凍った坂道を滑り落ちてしまっていたのであった。

 

 

「ぎゃああああ!!!」

 

 

「!」

 

 

するとその時、大きな爆音が鳴り響いたかと思ったら、1人の盗賊がグレイに向かって上から落ちてきた。

 

 

「チッ!!」

 

 

「カッチーーン!!」

 

 

それを見たグレイはすぐさまその盗賊を凍らせて、飛んできた方向へと飛ばし返すが、それを盗賊を飛ばした張本人であるナツが屋根の上で受け止める。

 

 

「何すんだよグレイ!!!」

 

 

「熱っ!!」

 

 

そう言ってグレイに憤慨しながら炎で盗賊を飛ばし返すナツ。

 

 

「テメェこそ!!」

 

 

「冷たっ!!」

 

 

「こっち飛ばすな!!」

 

 

「熱っ!!」

 

 

「邪魔だ!!!」

 

 

「冷たっ!!」

 

 

それからしばらく2人はそれぞれ炎と氷で盗賊を押し付け合っていたが……

 

 

「やめんかぁっ!!!!」

 

 

「「はいっ!!!!」」

 

 

そこへやって来たエルザの一喝により、2人はすぐさま姿勢を正したのであった。だがナツは直立不動のまま屋根の上から落っこちてしまい……

 

 

「あーーーーれーーーー……」

 

 

そのままグレイによって凍らされた坂道を滑り落ちて行ってしまった。

 

 

「ハァ…まったくあのバカナツは」

 

 

「オイラを黒コゲにしたバチが当たったんだ。しょうがないなぁ」

 

 

「頼んだわよハッピー」

 

 

「あいさー」

 

 

そんなナツにティアナは呆れたように嘆息し、ハッピーはやれやれといった態度でナツを助けに行ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「さあ!! ギースの居場所を教えなさい!! でないと痛い思いをするわよ!!!」

 

 

「MOーーー!!! 大ピンチなのに高飛車なルーシィさんもナイスバディ!!! 最高ですーーっ!!!」

 

 

ルーシィの黄道十二門の鍵と星霊魔法によって召喚され、興奮した様子で盗賊団を斧でハデに吹き飛ばすタウロス。

 

 

「ってタウロス、それじゃ話聞けないでしょーが。アンタもう戻りなさい」

 

 

「MOですか!?」

 

 

そう言ってタウロスを強制閉門によって星霊界へと送還し、ルーシィはまた新たな黄道十二門の鍵を取り出す。

 

 

「改めて…開け!! 獅子宮の扉!! ロキ!!!」

 

 

「やあルーシィ、僕に任せて」

 

 

ルーシィが召喚したのは、自身が持つ最強の星霊の1人であり、同時に妖精の尻尾(フェアリーテイル)の一員でもある獅子宮のレオこと、ロキであった。

 

 

「レグルス・ガトリング・インパクト!!!!」

 

 

「「「ぎゃあああああああ!!!!」」」

 

 

そしてロキの放った輝く光の連撃は、瞬く間に盗賊団を全員吹き飛ばしたのであった。

 

 

「アンタも一緒かい……」

 

 

ギースの居場所を聞く為の相手を全員倒してしまったロキにルーシィは呆れたようにそう言うが……

 

 

「やだなぁルーシィ。口を割らせるのに1人いれば十分……だろ?」

 

 

しかしそこはロキも抜かりはなく、ちゃんと情報を聞き出す為の盗賊は残していた。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そして1人の盗賊からギースの居場所を聞き出す事に成功したエルザたちは、そのギースが隠れているという民家の前にやって来る。

 

 

するとその民家から、1人の男が飛び出してくる。そのまま逃げる男の背中には、思いっきり『GEESE(ギース)』と書かれていた。

 

 

「「「いたっ!!! わかりやす!!!」」」

 

 

あまりの分かりやすさに、グレイたちは思わずそう叫んでしまった。

 

 

「任せて!!」

 

 

「ルーシィ!!」

 

 

すると、逃げるギースを率先してルーシィが追いかけて行った。

 

 

「今日のルーシィ、本当に張り切ってるね」

 

 

そんなルーシィにユーノが感心したようにそう言うと、エルザたちもその後に続いてギースを追って行った。

 

 

「へへへ」

 

 

「待ちなさいったら!!!」

 

 

一方で余裕そうな顔つきで狭い裏路地を逃げ回るギースと、それを必死に追いかけるルーシィ。するとギースの逃げる先には壁が建っており、行き止まりとなっていた。

 

 

「よし!! 行き止まり!! 報酬頂き!!!」

 

 

それを見たルーシィは勝ちを確信してそう言い放つ。しかし……

 

 

「よっと!!」

 

 

その瞬間ギースは魔法によって、まるでペラペラの紙の様子な姿に変わると、行き止まりの壁の僅かな隙間に入り込んだのであった。

 

 

「ええーーーっ!!? そんなぁ!!」

 

 

そしてルーシィは勢い余って壁に激突し、結果としてギースを取り逃がしてしまったのであった。

 

 

「ちょっと待ってーー!! 報酬ぅーーー!!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「なんたる事だ!!! 街を壊しまくったあげく、1番肝心なギースを逃がしただと!!?」

 

 

その後、ナツたち一行は依頼主である町長の家でお叱りを受けていた。彼らはギースを逃がしてしまっただけでなく、街中での戦闘で民家や色々なモノを破壊してしまったのである。

 

 

「はい…あたしの責任です……」

 

 

「申し訳ない、町長。だが盗賊団は……」

 

 

「言い訳はいらん!! 何が妖精の尻尾だ!! 気取った名前を名乗る前に、キッチリ仕事をしろ!!! 報酬は払わんっ!!!」

 

 

そう言うと町長は言いたい事を散々言ったあと、荒々しく扉を閉めて部屋から出て行ったのであった。

 

 

「「「べーー」」」

 

 

町長が出て行ったのと同時に、あまりにも態度のデカい町長に対してナツとティアナとグレイ、そしてハッピーとシャルルはべーっと舌を出したのであった。

 

 

「みんな、ゴメン……あたしのせいで」

 

 

自分のせいでギースを逃がしてしまった事に負い目を感じ、顔を俯かせながら謝罪するルーシィ。

 

 

「気にする事はないよルーシィ。失敗は誰にでもあるし、僕たちはチームなんだ。君1人のせいじゃないよ」

 

 

するとそんなルーシィを慰めるように、ユーノが彼女の肩に手を置きながらそう言い聞かせる。それに続いてナツも二カッと笑いながら口を開く。

 

 

「そーそー! オレたちがついてる!!」

 

 

「おー! ナツもユーノもいいコト言うね!!」

 

 

ナツとユーノの言葉に感心の声を上げるハッピー。

 

 

「ま、要は全員そろってマスターに怒られるって事でしょ」

 

 

「ティアナさん…」

 

 

「あはは……」

 

 

身も蓋もないティアナの言葉に、ウェンディとエリオは苦笑を漏らした。そしてその様子を見ていたエルザが、優しく笑いながら小さく言った。

 

 

「帰るか」

 

 

こうして、彼らの仕事は失敗に終わり……ナツたちは自分たちのギルド〝妖精の尻尾(フェアリーテイル)〟へと帰って行ったのであった。

 

 

 

 

 

つづく

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