「おーい!誠ー!早く来いよー!」
放課後の校門の前で大きく手を振っている1人の男子生徒がいる。
コイツの名前は「清水(しみず)優樹(ゆうき)」。いつもハイテンションで、俺の数少ない友人だ。
そして俺が「神田 誠」。自分で言うのもアレだけど、「平凡」という言葉がそのまま具現化したような普通の高校生。
「誠、お前今日これから暇か?暇だよな!」
「え?ああ、暇だけど。」
ていうかなんで俺が暇だって決め付けてるんだ、コイツは。
しかし実際に暇だから何も言い返せないのが腹立たしい。
「いやー、ちょうどよかった!これからあの都市伝説を暴きに行こうと思うんだ!」
「あの都市伝説?もしかして『アビリティ』のことか?」
「そう、その通りだ!今、都市伝説といえばそれだからな!」
『アビリティ』
これは、今ネット上で有名な都市伝説だ。
その名の通り、漫画の世界のような「異能」のことらしく、『アビリティ』を持った人間が街をうろつき、そいつに遭遇すると誘拐されてしまう、という話らしい。
『アビリティ』にもいろいろあるらしく、片手でアスファルトにヒビを入れたり、常人ではありえないほど高く跳んだりと何でもアリで、そういう話に全く興味がない俺にとっては、到底信じられる話ではなかった。
そもそも、出会った人間が片っ端から誘拐されるんだったら、目撃者がいること自体おかしい、と思うのは、俺の心が汚れてるからだろうか。
「ていうか高校生にもなって都市伝説って・・・。」
「えー、いいじゃん!なんかこうさ・・・ロマンがあって!」
「ふーん・・・。俺には全然わからないけどな。」
結局そのまま帰っても特にすることもない俺は、優樹の話に乗ってやることにした。
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「で、その『アビリティ』を持った人間にはどうやって遭遇するつもりだ?」
優樹に連れ出されて街に出たが、なにか手がかりでもなければさすがに探し出すことはほぼ不可能だ。
まあ、優樹に言われたことを適当にやっていれば時間も経つし、適当に付き合って・・・。
「全く考えてない!」
俺の右の拳が優樹の腹部にクリーンヒットした。
「ぐふっ!ど、どうしたんだ急に・・・。」
「どうしたじゃねえよ!こんな人ばっかりの街で手がかりもなしに人探しなんてでき
るわけねえだろ!」
どうやらコイツは本当にバカなようだ。
「しょうがないじゃん、ネットで調べても顔どころか性別すら出てこないんだし。」
「なんだソレ。やっぱりただの噂話だったんじゃねえの?」
「いや、そんなことはない!外見がわからなくても『アビリティ』を持っていること
がわかればいいんだ!俺は絶対に見つけるぞ!ちょっと遠くを探してくるから、誠
はこの周辺を探してくれ!それじゃ、また連絡するから!」
「お、おい!ちょっと待て・・・。」
行ってしまった。頭の回転は遅いのに、足だけは早い。
もう面倒臭くなってきたし、帰ろうかと思ったが、友人を置いて一人で帰るのもさすがにかわいそうだ。どこかファストフード店にでも入って優樹の連絡を待とう。
いい店はないかと探していると、一人の男性に声をかけられた。
「すみません、猫を探しているんです。見かけたら捕まえてこの写真の裏にある連絡
先に連絡してください。」
男性はそういうと一枚の写真を俺に渡し、どこかに去っていった。
渡された写真を見ると、一匹の黒猫が写っていた。外見は普通の黒猫だが、首輪に小さな鍵が付いている。これなら見かければすぐ気づくだろう。
俺はその写真をポケットにしまうと、近くにあったハンバーガーショップに入り、優樹からの連絡を待つことにした。
読んでいただきありがとうございます。
まだストーリーのスタートラインにすら立ってませんが、これからも拙い文章力でなんとか頑張ろうと思います。