コープスパーティー しあわせのサチコさんをした結果 作:雨宮陽花
皆様の気のせいだと思いますよ。
小安家の台所にて。
夢「…私の火使うのそろそろやめない?私、その為にいるんじゃないんだよ?ね?それに現代にはガスって言う燃料があるよね!?」
苦笑いしながらなんとか普通にガスを使ってもらおうと頑張っている赤髪の少女―――見た目は人間―――が、右手の人差し指だけ立てた状態で、その人差し指の先端から火を出しながら一緒に料理を作っている零花・泰代・遥季・実花を一瞥する。
零「いいように使われてるねぇ…。まぁ、でもその姿ならちゃーんと魔法にしか見えないから大丈夫だよ。私が保障する」
夢「いや、貌を知り尽くしてる人に言われたくないよ!?」
賑やかな様子を見聞きして、お泊り会を開いて正解だったと思う。
だが、さすがにやりたいことがあるので手を動かしながらも、零花・夢羽を一瞥してからうなずいて、
実「寝る前にお呪いするんだからね。それまでちゃんと元気ぐらいは残しててよー?」
とだけ言った。
夢「…私のこの手の火はスルーなんだ」
零「いや、お泊り会に参加する皆に驚かれないようにって伝えるようにメールで教えたの私だし」
夢「…あぁ、通りで皆冷静なわけだ」
納得したかのように夢羽(赤髪の少女)が、うなずく。
杏「吸血鬼とかもいるって知った時は驚いただろうけどね。そうでしょ?」
思いついたかのように、リビングにいる残りの皆―――結奈・真叶・蜜柑―――に向けて話す。
どこか興味ありげな表情を浮かべて。
蜜「そりゃあ、最初は驚いたよ。吸血鬼、ニャルラトホテプ、クトゥグアがいるからって。…でも会ってみたらそんな恐れるような相手じゃないってのが分かったかな。友好的なのしかいないし。むしろ拍子抜けした」
結「それには同意するけども…あんたもあんたでおかしいんじゃないかしら?」
蜜「あー、そんなことないよ?あたしは人間だってー」
杏「私を見てもそんな驚かなかった人がよく言う」
こちらもこちらで賑やかに話している。
たった数時間自己紹介しあっただけで普通はここまで仲良くなったりはしないだろう。
社交的な人間が少しいたのも、もう仲良くなった要因なのだろう。
夢「本当、酷いよ…扱いが…。せめて見た目通りの扱いをしてほしかったな」
テレビの前にあるソファーに背を預けて座り、疲れたかのような表情で8人の方を見る。
あはは、と笑いながら茶髪の少女が夢羽に顔を向ける。
実「ごめんごめん。なんだか使えそうだったからなんとなくやってもらっちゃった」
夢「実花。あなたには”好奇心は猫をも殺す”ってことわざでも送ろうかな?」
実「分かってるって。ちゃんと気をつけるよ」
茶髪の少女はクスクスと笑いながら、赤髪の少女はどこか苦笑しながら話し合っていた。
結「んで、誰かさんはいつになったらやる気出すのよ」
だらけたように椅子に座り、机に突っ伏したまま前を皆のことをただただ眺めている黒髪の青年を左腕が上になるように腕を組みながら見下ろしながら銀髪の少女が言った。
真「あー…?別にそのときになるまでじっとしていても悪くないんだろ?お前もあの中に入って仲良くなって来いよ」
結「そう言って面倒くさいだけでしょう?混じるのが」
ジト目で見つめながら腕を解いた。
真「あぁ、そうだよ。面倒くせぇ。だからお前だけ行って来いよ」
結「…はいはい、あんたも一緒ね」
先にソファーに集まっている人達のところに向かう。
真叶は「おい、なんで俺もなんだよ」と面倒くさそうに頭をかきながらものそのそとついていった。
おおよそ寝る数時間前。
する事をした後に実花は皆を広い接客室に集め、用意していた人型の紙を皆に見せる。
実「皆…これがやることに使う物。皆に着替えとかしか持ってこさせなかったのはそういう意味だよ。それで名前は”幸せのサチコさん”。なんだかやるとその場にいた人達がずっと一緒にいられるらしいよ」
口元を緩め、どこか楽しそうに言っている。
零(なんだろう…ああいう紙、どこかで?)
右手を少し握り、あごにそえて首をかしげるワンピースを着た銀髪の少女。
蜜「なるほどね。それは確かによさそう。…だからやろうとしてるんだね」
ジト目で見つめながら、左手を腰にあてている。
蜜「ま、でもいいんじゃないかな。そういう夢があっても。あたしは嫌いじゃないよ」
実「でしょでしょ!?だから他の人もやろうよ。やっても損はないから、さ」
ため息をつく黒髪の青年。しかしながら、なんとなくやってもいいか、と思った。
…でも全員、わかっていなかったことがある。
それはこの幸せのサチコさんをすると後悔するはめになるということに。
次回から入らせていこうと思います。
メンバーは恐らくなりゆきになるかもしれませんが、こういう感じにしたい、はあるので大丈夫だと思います。