IS - M・od   作:阪本葵

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第12話 あの神ェ…

 

 

おかしい

 

おかしいおかしい!

 

 

なんかとんでもない事になってるっぽい!?

僕は念話でイヅナちゃんに聞くことにした。

 

『イヅナちゃんイヅナちゃん!』

 

『ん?なんだガイ、念話で何か聞きたいことか?』

 

『終極因使って、イヅナちゃんがいた【神羅万象】っていう別次元世界での名称でしょ!?なんでこの世界でその通称がまかり通ってるの!?しかも何、未知の領域って!?恥ずかしい!僕恥ずかしい!』

 

『やかましいぞガイ。我もよく知らん!』

 

『え?』

 

『おそらくだが、あのエセ神様が言っていた【歪み】とやらが原因なのではいか?だから詳しくは知らん!』

 

『ぐぬぬ…あの自称神様め…たしかに命の危険はないかもしれないけど、こんなトンでも設定絡めてくるか普通…』

 

くっ…自称神様が余計な事をしたおかげで、僕のお気楽ライフはかなり遠退いたようだ。

 

 

 

 

その後、クラス代表決定戦を一週間後と決定すると授業を開始した。

そして丁度いいからと、終極因使という言葉を知らない生徒達に山田先生が説明していた。

 

まず、ISのコアについてだ。

ISとはパートナーであり、命を預ける大切な存在である。

そのISのコアは開発者である篠ノ之束博士以外には作れないものであり、しかもほとんどがブラックボックスとなっており各国、各企業がその解析を行っているが状況は芳しくない。

したがって、篠ノ之束博士が生み出したISのコア467個を世界でまんべんなく行き渡らせやりくりしている。

 

さて、そのISのコアだが、ブラックボックスとはいっても多少は解析が済んでいる。

その一つが『ISには意思がある』ということだ。

操縦者とISコアの相性というのも存在するらしい。

なんとも不安定な物である。

 

以前、どこぞの国がISにAI(人工知能)を搭載してはどうか?

という研究をした。

何故感情があるとされるISコアに、人工知能であるAIをわざわざ搭載させようとしたのかは謎だが、まあ研究者というのはえてして『そういう人間』なのだ。

そして、ISという一つの『個』にISコアの意思とAIが混在すればどうなるか?

 

簡単な話、ケンカをするのだ。

ISと操縦者はパートナーという間柄が確立できるが、AIがそこから操縦者を横取りしにきた。

 

三角関係の完成である。

 

実験ではISは暴走、危うくISのコアを破損しかけ、操縦者を再起不能という最悪の事態を引き起こすところだった。

 

それから国際IS委員会はISにAI搭載について、補助目的以外をを禁止した。

 

 

次に、第二形態移行についてである。

 

世界で第二形態移行できた操縦者は少ない。

相性、素質、練度様々なことをクリアし、初めて第二形態移行できる。

まあ、国家代表は大体第二形態移行できているが。

 

そこで織斑先生が言っていた『第二形態移行の先、机上の空論とされた未知の領域』の話である。

 

まず、第二形態移行に際しソレを成功させた操縦者達に話を聞くと皆一様に同じ事を言う。

 

『ISの声を聞いた』と。

 

つまり第二形態移行より先はISとの意思疎通が絶対条件になる。

 

第二形態移行はISからの一方的なアプローチであり、『力を貸してやる』といった感じである。

 

さらに第三形態移行などは報告が少なく、その報告自体信憑性を欠くものがほとんどであるため第三形態移行も机上の空論と言われている。

 

とある研究者がこんな論文を発表した。

 

『ISと対話できれば、ブラックボックスとされた部分を全て解放、理解、使用出来るようになる。ISは個として魂獣(スピリット)となり存在できるようになる。ISと操者は展開装着ではなく融合する。その力は神の領域を侵す。つまり人類を超えた存在となる。その名こそ終極因使(ゼクスファクター)なり』

 

最初、世界の研究者、科学者はこの論文を笑い飛ばした。

 

証明できない、憶測ばかりの机上の空論だと一蹴した。

 

しかし、この論文が発表された二日後、この論文を発表した研究者は何者かに暗殺された。

 

愚かな論文を発表し醜態を曝したことによる母国又は所属企業からの粛正かと思われたが、たかがこんな馬鹿げた論文で恥をかいたからといって殺されるなどありえない。

つまり、何処か別の国、もしくは企業、秘密結社等にとって都合が良くない論文だったのだ。

 

 

 

この事件によって、世界はこの論文の価値を変えた。

 

一部の人間が認めたのだ。

 

あくまで一部ではあるが、記憶に留めておくくらいは、と認識を改めたのである。

 

しかしあまりにもお伽話、ファンタジーである為、皮肉として『机上の空論』と言われ、さらに混乱を避ける為に国家や企業に属する専用機持ち又は代表候補生以上にしか周知していない。

別にそれ以外が知ってはならないというわけではないが、まず知っていたとしても意味がないだろう。

 

……というのが先程までの世界の総意であり、常識だった。

 

 

 

そう、先程までは。

 

 

 

 

 

 

僕は山田先生の授業を聞いていてみるみる血の気が引いていくのがわかった。

 

顔が真っ青になっているのがわかったのだろう、山田先生は僕を見て焦りだした。

 

「百瀬君!?大丈夫ですか!?」

 

「…大丈夫じゃないです…」

 

そんな僕の反応に違和感を感じた織斑先生が僕に言う。

 

「百瀬、お前篠ノ之束博士から終極因使について何も聞いてないのか?」

 

…コクリ

 

僕は頷くだけで精一杯だった。

 

「だ、だって、イヅナちゃんは初めて会ったときからイヅナちゃんだったし…」

 

「そうだな、我は最初から魂獣として存在していたぞ」

 

「ISの待機状態の違いや装備した姿が全く異なる事に疑問はなかったのか?」

 

「…いや、ちょ~っと違うかな~?まあそんなものかな~、くらいで…束さんも特に何も言ってこなかったし……」

 

「我もソレが当たり前だと思ってたぞ」

 

「………」

 

後ろの席から突き刺さるようなすごい睨まれてる視線を感じる。

たぶんミスオルコットだ。

 

織斑先生が眉間を押さえため息をついた。

 

ちょっと、ため息つきたいのはコッチですよ!

 

 

 

これにクラスはざわつきだした。

 

つまり僕は、『何も知らず』に、『最初からISの究極に至って』しまっていたのだ。

 

そういう位置付けにされてしまっていたのである。

あの自称神様によって。

 

「先生、質問いいですか?」

 

はい、と挙手するショートカットの女生徒。

えーと、名前は忘れた。

山田先生がどうぞ、と言うと、女生徒は質問しだした。

 

「百瀬君のISイヅナちゃんって、専用機ですよね?専用機って国か企業に属さないと与えられないはずでは?百瀬君て国の代表候補生じゃないですよね?まさか企業に属してるんですか?」

 

そうなのか?

 

それは初めて知った。

 

この質問に織斑先生が答えた。

 

「そうだ、百瀬は企業に属している」

 

「え!?そうなんですか?」

 

「……百瀬、何故お前が驚く?」

 

「い、いや、僕そんな話聞いてないんで……ちなみに会社の名前はなんなんですか?」

 

また呆れる織斑先生。

 

なんか僕にはISの知識云々より、一般常識が欠如しているのがありありと出てしまい頭を痛めているようだ。

 

ご迷惑おかけしまして、すいません。

 

「まあいい、百瀬が所属している企業の名は『天才束株式会社』だ」

 

ガン!

 

何かがぶつかる音がした。

 

……篠ノ之箒さんが机に突っ伏していた。

 

「ふざけた名前の企業だが、日本は正式に承認しているし、百瀬の操者、イヅナのIS登録は正規で受理されてるからな、なんら問題ない」

 

 

 

…問題あるだろ…

 

 

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