IS - M・od   作:阪本葵

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第19話 モモンガ―、心のむこうに

 

 

「一夏のIS遅いねー」

 

僕達は今アリーナの待機スペースで一夏のISが届くのを待っていた。

おもわずぼやいてしまうのも仕方ないと思う。

 

試合当日にISが届くなんて、非常識だなあ。

それなら日程ずらせばいいのに。

まあ、篠ノ之さんが一夏にISについてをイロイロ教えているはずだから、心配ないだろう。

とか考えてたら、イヅナちゃんが篠ノ之さんの方を見てため息をついていた。

 

どうしたの?

 

「箒め…この一週間剣道しか教えず、あいえすについては全く教えてないようだ」

 

「………ええ~」

 

それはまずいんじゃないでしょうか?

 

打鉄にしろ、ラファール・リヴァイヴにしろ、ISに馴れるのは必要だと思うんですけど…

 

まあ、一夏の専用ISがどんな仕様なのかはわからないから、変なクセをつけさせないためにも乗せないというのは一つの手段ではあるけど……

 

 

 

 

僕はモニタに映し出されたミスオルコットを見る。

 

ミスオルコットの専用IS『蒼い雫(ブルーティアーズ)』第三世代ISか。

 

うん、蒼はミスオルコットによく似合うね。

 

しかし……なんなんだろうか、あのけしからんスーツは?

 

水着のようにピッチリと体にフィットし、しかもニーソックス……

 

けしからん!

 

けしからんですな!

 

そしてミスオルコットのモデルのようなスタイルと、あのISによって押し上げられた凶器(胸)!!

 

あれ絶対誘ってるよね!?

 

あれはもう「揉んでください」と自己主張してるよね!?

 

よし、絶対揉んでやるからな!!

 

けど、モニタに映るミスオルコットはだんだん険しい表情になっていく。

それは、一夏のISが到着していないせいでずっと待たされているからだ。

ミスオルコットは僕と一夏の二人を相手すると自分で言った。

野球でいうダブルヘッダーである。

二人の男を倒して、自分が優位なのだと、優れているのだと証明したいのだろう。

 

順番は織斑先生が決め、一番手は一夏となった。

しかし、その一夏はまだ準備が整っていないのだ。

 

 

…レディを待たせるのはよろしくありませんな。

 

 

仕方ない。

 

「あのー、織斑先生ー」

 

僕は管制室にいる織斑先生を見て挙手した。

 

「一夏のISがまだ届かないようなら、先に僕がミスオルコットと戦いましょうかー?」

 

この際順番は無視しよう。

ミスオルコットを待たせるわけにはいかない。

 

そしてあのけしからんおっぱいを揉みまくろう。

 

横ではイヅナちゃんが「よくいった!」と褒めてくれた。

 

はっはっは、僕はおっぱいのためなら何でもしますよ!

 

「うむ…だがな……」

 

おや、渋る織斑先生とはめずらしい。

 

「安心しろ千冬。ちゃんと手を抜くし、『土公拳』と刀しか使わせんよ。まあ力も二割くらいかのう?」

 

ちょっ!?

 

なにハードル上げてるんですかイヅナちゃん!?

それは僕に負けろと言ってるんですか!?

 

「……よし、いいだろう。ただし、くれぐれも『土公拳』以外は使うな。リミットも10パーセントだ」

 

織斑先生ー!?

 

あなたも何言ってるんですかー!?

 

僕のおっぱいライフの邪魔をするんですか!?

 

抗議をしようとしたら、織斑先生はミスオルコットに順序変更を言っている最中だった。

 

…仕方ない。

土公拳と刀でなんとかするしかないか…

それにリミッターも10パーセントとか、どんだけ過剰評価してくれてるんだろうか。

 

 

「では行くか、ガイ!」

 

イヅナちゃんすげーいい笑顔ですね!

 

うん、なんかやる気でてきたよ!

 

「うん、行こうか」

 

 

僕とイヅナちゃんは手を取り合い

 

融合した。

 

 

 

融合するとき、僕とイヅナちゃんは一つになる。

僕の心に、イヅナちゃんの暖かい気持ちが流れ込んでくる。

安心する。

穏やかになる。

 

 

 

僕とイヅナちゃんは、二人で一人なんだと心から思える。

 

 

 

頭に生えた耳をピクピクと動かし、九本の尻尾を確認する。

 

うん、感覚はあるな。

 

腰に差した一振りの刀を確認し、身なりを見る。

……なんで陰陽師みたいな服になるのかな…?

まあかっこいいからいいけど。

 

「モ、モモンガー?それが……モモンガーがISを展開した姿……なのか?」

 

一夏が口をあんぐりと開けて驚いていた。

ああ、そういえば一夏にもこの姿は見せたことなかったっけ?

 

「うん、そうだよー」

 

僕はクルリとその場を回ってみせる。

 

おおぅ、すごいビックリしてるよ。

篠ノ之さんも驚いているな。

 

そうだ、普通のISとどれだけ違いがあるか知ってもらおう。

僕はクリッとお尻を一夏に向け、九本の尻尾をゆらゆら揺らす。

 

「触ってみるー?」

 

一夏はうっと声を詰まらせ、怖ず怖ずと尻尾を触る。

 

「うお!モフモフだ!」

 

尻尾をわしわしと触りだす一夏。

気のせいか、篠ノ之さんの目がキュピーンと光った気がした。

 

ああ、くすぐったい!

 

「……あっ」

 

おもわず声が出ちゃった。

 

「へ、変な声出さないでくれ!」

 

一夏が顔を真っ赤にして注意してきた。

 

だってくすぐったかったんだもん!

 

「………百瀬、早く行け」

 

織斑先生に怒られちゃった。

 

そうだよね、ミスオルコットを待たせてるんだから、早く行かないと!

 

「あ、はいー、すいませーん」

 

僕はクルリと回り、一夏と篠ノ之さんを見る。

 

「じゃあ、行ってきまーす」

 

「お、おう!」

 

「う、うむ、頑張ってこい!」

 

一夏と篠ノ之さんから有り難く勇気の出る言葉をもらい、僕は手を振り、ミスオルコットの待つアリーナへと歩いていった。

 

さあ、初めての真剣勝負だ。

 

僕がミスオルコットにどれだけ通じるかわからないけど、頑張ろう。

 

うん、大丈夫。

 

だって、僕にはイヅナちゃんが付いてるんだから。

 

 

 

 

 

そして勝ってあのけしからんおっぱいを揉みしだいてやる!!

 

 

 

 

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