「寝とれや!」
現れる妖怪達を己の身一つで叩き潰す閻哉。妖怪から見れば格好の餌である人間が来たのは良いがまさかここまで強いとは誰も予測していなかっただろう。また閻哉の危険性に気がつかない妖怪一匹が地面に倒れた。冬なのに額にかいた汗を拭いボソッと呟く。
「ホンマにキリが無いのお・・・。」
休憩に煙草を吸おうとポケットを漁るが見つからない。ちっ・・・事務所に置いてきたんか。ライターだけあっても意味無いからのお・・・。舌打ちしながらまだ完全に把握していない幻想郷を歩く。森か。行方不明になるならこういう探しにくい所に隠れる筈やんな・・・?薄暗い森の中に足を踏み入れようとしたその時後ろから声が聞こえた。
「待ちなさい。」
「なんや。俺は今人探しをしとるんや。」
「人間がわざわざ死にに行く必要は無いですよ。第一貴方は格好から見て幻想入りしたばかりの人間でしょう?ならわざわざこんな危ない森に足を踏み入れるのは自殺行為ですよ?貴方がここでどう生きるかは知りませんが・・・。」
「分かった分かった。お嬢ちゃん説教が好きなんか?」
「私はお嬢ちゃんじゃなくて四季映姫・ヤマザナドゥです。」
え?なんやて?四季映姫・・・ヤマダナドゥ?日本語と外国語っぽいもんが混ざっとって訳分からんわ。全く訳の分からない名前に混乱する閻哉。その一方で映姫は厳格な表情のまま閻哉を見ていた。
「それでもこの中に入るというなら強い方を連れていきなさい。これがあなたの積める善行です。」
「その強い方って言うのは映姫の嬢ちゃんでもええんか?」
「はい?」
「やから強い方は映姫ちゃんでも良いんやな?」
「は・・・はあ。」
全く何を言っているか分からないという風に頷く映姫。まあそうなるわな。そういうのは返答が難しいもんやしな。すると草むらから妖怪が飛び出してきた。それを冷静に地面に伏せさせる。
「俺の背中にある閻魔様の目は誤魔化せへんで。」
「ふ・・・ふふっ。あーっはっはっは!」
「ど・・・どないしたんや?」
「いや・・・閻魔の目の前で閻魔様の目という人を初めて見たもので・・・ふふっ。」
「え?嬢ちゃんが閻魔様やと?・・・今までのご無礼失礼致しました。」
深々と頭を下げる閻哉。落ち着いた映姫はキョトンとした顔をすると優しく微笑み閻哉にこう言った。
「畏まらなくてもよろしいです。貴方がお望みならばついていきましょう。」
「ありがとうございます・・・。こんな事もあるもんなんやな・・・。親父、俺今訳分からん事になってきたわ。」
考えるのをやめ映姫と共に森へと足を踏み入れる。二人の閻魔はこの森で何を成すのか。
はいというわけで第83話どうでしたか?
「面白いお方ですね。あの男性は。」
閻哉は面白い人間ですからね。強さは人外ですが。
「恐ろしいものです。」
人間ながら八雲の血を引く雪羽と格闘戦で対等に渡り合えますからね。
「あの方本当に人間なんですか?」
人間です。では次回も良ければ見ていってくださいね