誰もいなくなった紫の家で桜花は一人笑っていた。彼女が何を考えているかは覚り妖怪にでも頼まないと分からないだろう。すると口元が笑っているだけだったのが大声で笑い始めた。
「アーッハッハッハ!あー・・・面白い。まさかここまで上手くいくなんてねえ。お母さんも気づいてないし大成功ね。」
ずっと高笑いをしていると突如桜花の首筋に刃物が突き付けられた。高笑いを止め冷たい目をする。
「あら何のつもり?その刃物を仕舞いなさい妖夢ちゃん?」
「妖夢ちゃんって・・・。紫さんに頼まれたから幽々子様とここに来たもののこうなるんですね。」
少し目を伏せながら桜花の首筋に楼観剣を当て続ける。だが桜花は慌てたり焦る様子も無くただ母親譲りの妖艶な笑みを浮かべているだけだった。その様子を不審に思った幽々子は桜花に質問をした。
「上手くいったとは雪羽関係の事かしら?」
「さあどうでしょうね。幾ら幽々子さんでも答える気はありませんよ。」
まあ大正解なのよね。流石幽々子さん。いつもとは少し違った余裕を見せる桜花に幽々子は違和感を感じていた。
「妖夢、桜花が少しでも怪しい動きを見せたら迷わず首を撥ねなさい。」
「えっ!?は・・・はい。」
予想外の発言に驚く妖夢。しかし命の危険に晒されている側は全く変わらない余裕を漂わせていた。流れる様に懐から扇子を出し扇ぐ。この行為に意味自体は全く無い。だがそれでも妖夢と幽々子の警戒を誘うには充分過ぎるほどだった。扇子でもう片方の手を隠す。すると突然桜花が指を鳴らした。それと同時に倒れる二人。
「残念だけどお二人の今日の記憶を消させて貰ったわ。目覚めるのはどれくらい後になるかしらね。」
そのまま屋敷のドアを開く。そして呟くようにこう言った。
「あの子は・・・妖怪として残念すぎるのよ。」
所変わって魔法の森ではなく無縁塚。そこに雪羽と絆達が立っていた。出来るならここで連れて帰りたい所だが確実に雪羽は拒否するだろう。雪羽が抱いているシンデレラが絆の方へ歩いていく。それを見て雪羽が安心した表情をすると体を力無く前に倒すと笑みを浮かべた。
「ニンゲンガヒトリ・・・。ホカハイラナイナ。」
「っ!?絆!多分ターゲットはお前だ!」
「え!?」
一瞬で絆までの距離を詰めると思い切り肋骨辺りを蹴った。ミシミシと骨の折れる音が絆から鳴る。突然の出来事に対処しきれずそのまま吹き飛ぶ絆。
「アハァ、コワレチャッタジャナイカ。ドウシタ?コナイノカ?」
「ひっ・・・!」
「葉。怖いなら絆の所に行って治してやってくれ。」
そう言いながら刀に手を伸ばす。本当にバカな弟子だ。だが俺がやらねえと早苗達が巻き込まれる・・・。やるしかないんだ。最悪殺してでも。
はいというわけで第89話どうでしたか?
「あらあら何事かしら?」
あっ桜花。さっさと雪羽を正気に戻してくれよ。
「それは無理なお願いね。さっさと失せなさい。」
なんでだよ!?では次回も良ければ見ていってくださいね(見ていってね)