東方境壊伝 【完結】   作:翠月茉弥

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エクストラその2 父の痕跡を追って

早苗と一緒に稗田家へと赴く雪羽。理由としては幻想郷縁起を見るためだが、雪羽が知りたい者が幻想郷縁起にしか載っていない程昔で記録か何かを遺していなかった者だったのか。稗田家の入り口に着いた為ノックする。・・・一応今日来るという事は母さんに言ってもらったが入れるか?すると戸が開いた。

 

「昨日来ると伝えてもらった八雲 雪羽ですが。」

「ああ、紫さんの息子さんですか。どうぞ幻想郷縁起のある部屋まで御案内します。」

「ありがとうございます。」

 

促されるがままに中へと入っていく。そのまま歩いていると着いたらしく大量の本が置いてある場所へと入っていく。これ全部幻想郷縁起か。どんだけ凄いんだよ稗田家は。少し驚きながらある年の幻想郷縁起を探し始める。

 

「えーと・・・600年前くらいのやつ探してくれないか?」

「わかりました。」

「それなら今私が持ってきた所ですが。」

「ありがとう。所で君は?」

 

突然現れた紫髪のおかっぱの少女は幻想郷縁起を雪羽に渡しながら自己紹介を始めた。

 

「私は九代目阿礼乙女で稗田家当主の稗田 阿求と申します。」

「阿求か。俺は八雲 雪羽だ。」

「あなたの事は紫さんから聞いております。何やら色々やっていたそうですね。」

 

・・・否定はできん。意外と痛い所を突いてくる阿求。少し黙っていると思い出したかのように雪羽は阿求に質問を投げかけた。

 

「そういえば母さんは調べ物の為に幻想郷縁起を見に来るという事しか伝えてない筈だけどなんで分かったんだ?」

「雪羽さんは父親である叢雲 冬哉の事を調べに来たんですよね?」

「そうだが。」

「見た事の無い親の事を知りたくなるのは子供なら当たり前の事です。だから私は冬哉さんが載っている幻想郷縁起を持ってきたんですよ。」

 

なるほど。納得した所で渡された目的の幻想郷縁起を読み始める。横で早苗が覗き込んでいるがあえて気にしないでおく。パラ読みで冬哉のページまで急いで読んでいく。そのまま何ページか進んだ所で手を止める。そしてそのページを睨んだ。その後早苗の方を向き、ありえないような事を言い始めた。

 

「父さんの痕跡が今の幻想郷に多く残ってる可能性が出てきた。」

「え?どういう事ですか?」

「色々やってたらしく色んな物が遺されてるんだ。多分・・・マジックアイテムも作ってたのかもしれない。」

「そのような物を作ってたりしてたのを見た記憶がありませんが・・・。」

 

阿求の口から出た見た記憶という言葉に疑問を抱きながらその幻想郷縁起が元あった場所を探し、そこへ入れる。その後二人の所へ戻ると阿求に質問を投げかけた。

 

「なあ阿求、君は作っているのを見た記憶が無いと言ったな。」

「ええ・・・言いましたが。」

「君は人間の筈だろう?少なくとも君が人間だという事は母さんから聞いた。」

「私の一族は見た物を全て記憶する能力を先祖代々受け継いでいます。そしてその記憶は鮮明では無いものの当代の私まで受け継がれています。」

「なるほど。」

 

納得したらしく頷くとお礼を言い、冬哉の痕跡を探しに行った。何分か飛ぶと最初の痕跡を見つける事が出来た。そこへと降り立つ二人。だがそこには変わった大きな石が置いてあるだけだった。

 

「本当にこれが冬哉さんの遺した痕跡なんですか?」

「流石に俺もこれは違う気がするが幻想郷縁起の父さんがやった事の例の一つに書いてあったんだ。」

 

そう言い石に手を伸ばす。すると石は紫色に光ると割れ、中から何かが出てきた。急いでそれを掴む。紫色の光が収まった後それを見ると雪羽は少し困惑した顔を浮かべた。出てきた物が何なのか気になり雪羽の隣へと駆け寄る。それを見ると早苗も困惑した顔を浮かべる。

 

「大剣というのは分かるんだが・・・なんだこのバイクのアクセルと剣を合体させた様なのは。」

「もしかしたら冬哉さんは外の世界についての知識があったのかも知れませんよ?そのスーツも冬哉さんのですし。」

「と言ってもスーツもそうだがバイクなんて400年前にあったと思うか?」

 

早苗が質問に答えようとしたその時。突如どこからか溶けたかのような顔をした化け物が現れた。こいつは多分やばい。そう確信した雪羽は持っている大剣を使い化け物を倒そうとする。大剣を化け物に振ろうとした瞬間、剣の後ろの方から紫色の炎が噴き出した。その勢いに振り回されてしまい転倒する。なんとか立ち上がりもう一度化け物に大剣を振り下ろす。今度は上手く行ったようで紫色の炎を噴き出しながら雪羽の剣速を加速させた。化け物の首がポロリと取れそこから血が吹き出す。雪羽は大剣を背中に背負うと早苗の方を向いた。

 

「これ・・・意外と強い。」

「剣を振る速度が速くなってましたよ。」

「名付けるなら・・・ウィオラーケウスかな?(ラテン語で紫色という意味)」

「意味は分かりませんが良いんじゃないでしょうか。」

「冷たくないか?」

 

笑いながら早苗に詰め寄る。早苗は誤魔化すかのように笑うと空へと飛んでいった。急いで追いかける雪羽。父親の痕跡を追った結果、思わぬ収穫があった雪羽。彼は父を超えるのかそれとも・・・その半ばで果てるのか。父さん。あんたが作ったこれ、ありがたく使わせてもらうぜ。背中に背負われたウィオラーケウスが夕焼けに照らされ雪羽の思いに応えるかのように鈍く輝いた。




ウィオラーケウスですが見た目はレッドクイーンの赤い部分が紫色になった物とお考え頂くと幸いです。分からない方はDMCレッドクイーンで調べてみると見た目が分かるかも知れません。
「デビルブリンガー以外ほぼネロじゃねえか俺。」
「私を使う機会は減りませんよね!?」
減らない減らない。状況に応じて使い分けるから。というよりもう本編終わったでしょうが。
「そうですけど・・・。」
「まあ硬そうな敵にはウィオラーケウスで戦って細かい動きが必要そうな敵は刀華でいいんじゃないか?」
戦うのお前だよ雪羽。
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