雪羽が幻想郷に来て丁度一年となった。守矢神社の屋根の上に座っているのは早苗と雪羽と刀華。雲一つ無い晴天で空には雀が飛んでいた。たまに刀華の視線が目の前を飛ぶ蝶を追っているが多分本能的な物だろう。
「暖かいですね〜・・・。」
「寝るなよ?寝てここから落ちても俺は知らん。」
「奥さんに対して冷たいですよ。」
「いつも通り話してるだけだ。」
とか言いながらも早苗の横で寝転がる雪羽。膝枕まではされないもののなかなかいい雰囲気だ。そのままでいると段々下の方が騒がしくなってくる。空を再び見直すと船が飛んでいた。多分これで騒いでるんだろうな。起き上がると地面に飛び降りる。下には霊夢と魔理沙が待っていた。
「よう!突然で悪いが今飛んでいるあれ何だと思う?」
「あれは宝船だって何回言えば分かるの?」
「がめついな霊夢は。でも多分あれは宝船だろ?」
「やっぱりね。よし!中のお宝をじゃんじゃん持ち帰らないと!」
何言ってんのこいつ。平常運転の霊夢を見ながら微笑む。魔理沙も呆れながらも笑う。すると早苗が話しかけてきた。
「私も行こうと思うんですが雪羽さんは来ますか?」
「今回はパス。お前らだけで行ってこい。」
「お宝はいらないの?」
「霊夢じゃないんだからいらないんだろ?」
「あんたもっかい言ってみなさい!」
魔理沙の口を何回も引っ張る霊夢。それを見て笑う雪羽と刀華。それの仲裁に入ろうとする早苗。この
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何年後かの地底温泉。湯気で全く見えないこの空間で一人取材の為にカメラを回している者がいた。文だ。当たり前だがタオルを巻いているだけの格好で写真を撮っている。すると早苗によく似た緑髪の少女が入ってきた。どうやらカメラに気づいたらしくこちらに近づいてくる。それを見ながらシャッターを押した。
「ちょっ!?何撮ってるんですか!?」
取材に来たのですがそれだけじゃつまらないと思い――さんのサービスショットでもと。
「凉さんに言いますよ?」
あやや、それだけは勘弁してください。あの人怒ると怖いんですから。
「知っているから言うんじゃないですか。」
記事にしませんから許してくださいよ。
「記事にしないのなら良いですけど・・・。」
許してくれるんですね。流石――さん♪
「じゃあカメラをもうしまってきてください。」
分かりました。・・・説教だけは免れましたか。
これで東方境壊伝は最後に幻想五光輝とのコラボを残して完全完結となります!今まで見ていただいた皆様本当にありがとうございます!ではまた次回作かコラボ編で。