「いやーやっぱりこれぐらい賑やかの方がいいな早苗。」
「そんな物なんですかねー?」
今こうして他愛ない話をしているがその実雪羽の精神的なストレスはかなり貯まっており、それを危ないと見かねた神奈子が雪羽をこうして早苗付きで人間の里に連れていってくれたのだ。まあ買い物のついでになのだが。それでも外に出れただけいいんだよなあ・・・。このままだったら神社破壊してたぞ。破壊しないけど。
「でもこんなに人がいるってことは人を食う妖怪に襲われる可能性かなり高いんじゃないのか?」
「そこらへんなら大丈夫ですよ。」
「ん?何でだ?」
「何故なら慧音さん達がいるからです。」
「慧音?」
聞いたことの無い名前に雪羽はかなり戸惑う。慧音?なかなかいい名前をしているじゃないか。いやそんな事はどうでもいいんだよ。
「そういえば雪羽さんはまだ会った事ありませんでしたね。」
そりゃそうだろ。俺はここ一週間妖怪の山から外に出た事が無いんだからな。すると早苗が心配そうな顔で雪羽の顔を見た。
「どうしたんですか?少し怒ったような顔して?」
「えっ!?」
思わずキョドってしまう雪羽。なんでこういうのに弱いかね俺。いや女性に話しかけられるのに免疫が無いだけか。すると白髪の女性が雪羽達の方に歩いてきた。
「ん?早苗かこんにちは。」
「あっ!慧音さんこんにちは。」
ん?慧音さん?へーこの人が慧音さんか。いい人そうだな。すると慧音が雪羽の方を向き早苗に聞く。
「ところでその子は誰だ?」
「そういえば慧音さん初対面でしたね。この人は八雲 雪羽さんです。」
「はじめまして八雲 雪羽と言います。」
「はじめまして。八雲といえば紫さんの息子か?」
「あ。そうですね。」
「今まで見なかったという事は今まで外の世界にいたのか?」
「まあそうですね。」
「来たばかりでまだ右も左も分からないだろう?」
「そうですね。」
そういえば妖怪の山以外全く何があるか分からないな。まあでも教えてくれるとも限らないしなあ・・・。なんとも言えずそのまま立ち尽くす。すると慧音が雪羽に話しかけた。
「この辺りなら案内しようか?」
「え?良いんですか?」
「ああ。丁度寺子屋も休みだしな。」
「良いとは思いますけどええと・・・。」
「どうしたんだ早苗?」
あっ。そうだった買い物に来てたんだったな。うーむどうしたものか・・・。閃いた。何か案を思い付いた雪羽は早苗にその案を言ってみた。
「早苗だけ先に買い物しててくれよ。大丈夫夕飯までには帰ってくるから。」
「そうですか・・・。分かりましたちゃんと帰ってくるんですよ?」
「安心しろ。」
雪羽は笑顔でそう言いながら早苗と別れた。…早苗が少し悲しそうな顔をしてたのは気のせいか?
…なんでしょう雪羽さんと別れてから何か少し寂しい気分になってます。私、雪羽さんに少し甘えてるのでしょうか?そう思いながら早苗は頼まれた買い物をちゃくちゃくと済ませる。というより雪羽さん大丈夫でしょうか…慧音さんのお話はかなり長いのでストレスが貯まっている今の雪羽さんなら爆発しかねませんよね。そう考えていると突然早苗の目の前を暗闇が覆った。
「…!」
「おっと…暴れるなよお嬢ちゃんこれ以上暴れるとその綺麗な首にナイフが刺さるぜ?」
怖い。今まで会った事のない出来事に早苗は為す術なく気絶させられてしまう。
雪羽が慧音さんと話し初めてもう30分が過ぎようとしていた。ちゃんと早苗は帰ったのかね?すると慧音が雪羽にある提案を持ちかけた。
「そういえば君が良かったらでいいんだが寺子屋の手伝いを頼まれてくれないか?」
「寺子屋の手伝い?」
「ああ少し人数が足りなくなってしまってね。」
「俺は何を教えればいいんですか?」
「ええと…そうだ国語を教えてあげてくれないか。」
国語か…確か凉兄にさんざん教えられたなー。教えられなくても大体は分かったんだけど凉兄に教えてもらうと変な安心感まであったからなあ・・・。とりあえず受けとくか。ニートも嫌だし。
「俺がわかる範囲までならいいですよ。」
「そうかありがとう。」
「慧音さん大変だ!」
村人らしいお婆さんが慧音の所まで慌てて駆け寄ってくる。・・・何があったんだ?
「どうしたんだ?」
「さっきまであんた等と一緒にいた子がさらわれたんだよ!」
「何!?早苗が!?」
「そのさらった奴は何処に行ったんですか!?」
「確か…里の外れの方の廃墟の辺りに行ったと思うよ。」
「ありがとうございます!」
そう言うと雪羽は全速力で駆け出していった。頼む…無事でいてくれ早苗!今はその事しか頭に無かったが雪羽を動かすには十分すぎるほどだった。
はいと言う訳でいかがでしたか?ようやく外に出れた雪羽ですが早苗さんがさらわれるという事に!慧音さんのキャラも悩んだのですがこんな感じでしょうか?では次回も良ければ見ていってくださいね