紅魔館勤務から翌日。雪羽は守矢神社での家事をこなしていた。さーて今日の夕飯何にするかな。そう考えながら廊下の雑巾がけを始める。正直冬場に冷水で雑巾がけをするのは手が痛いが仕事の内の一つだから仕方ない。
「寒っ。今子供達も冬休みだしエイトクラウドの方に仕事も来ないしこれしかやる事無いんだよな。」
渋っていても進まない為始める。雑巾がけ自体は10分で終わったがまだ夕飯の買い出しもあるためさっさと人間の里に行く。やっぱり幻想郷は外で遊んでる子が多いな。東京なんてほとんど子供は中でゲームしてたぞ。外の世界の事を思い出しながらちゃくちゃくと買い物を済ませる。そういやにとりにブルーローズの修理を頼んだが終わってんのかね?確認しに行こうとスキマを開く。すると視界がブラックアウトした。
「周りにいる『餌』を狩らなくていいの?」
「餌・・・?」
「分かっているでしょ?何が餌か。」
声の主が笑っているかのような声で喋る。『餌』か。声の主の言葉を無視しスキマの中に入る。すると視界は元に戻り目の前にはにとりがいた。
「どうしたんだい雪羽?顔面蒼白になって。」
「なんでもない。で、どうだ?直せたか?」
「当然直ったさ。でね突然だけど協力をやめたいんだ。」
「ん?なんでだ?」
「興味を持った物があってね。」
協力打ち切りか・・・。かなり損失が大きいけどにとりの自由だからな。少し考え頷く。そしてにとりの方を向き返事を返した。
「分かった。じゃブルーローズの代金は置いとくぞ。」
「毎度あり〜。」
お前は店でもやってんのか。苦笑いしながら手を振りスキマの中に入る。今日の夕飯は麻婆豆腐でも作るかね。当然辛くしてやるけど。少し企んだ顔をしながら靴を脱ぎ厨房まで歩く。さーて刀華と早苗が大変そうに食べているのを見るのが楽しみだ。
少年調理中・・・
「出来ましたよー。」
少し黒い麻婆豆腐を全員の前に置く。一応諏訪子と神奈子は食べられる程度の辛さだが早苗と刀華は辛いのが苦手な為可哀想だが食べるのは苦労するだろう。
「・・・雪羽さん辛くないですよねこれ。」
「当たり前だろ。刀華と早苗は辛いの無理じゃないか。」
本当は辛いんだけどね。刀華と早苗が同時に口に運ぶと同時に咳き込む。一通り咳き込んだ後涙目で雪羽を睨む。
「悪かった。悪かったからそんな目で睨むな。」
その言葉にコクっと頷き水を飲む二人。うん正直もうちょっといじめたかった。食事を済ませ食器を洗う雪羽。はあ・・・あの声を聞いてから気分が優れないな・・・。風呂入ってからすぐ寝るか。言葉の通り風呂に入ってから布団に入る雪羽。完全に意識を失ったタイミングで再びあの声が聞こえた。
「なんだ結局食べてないんだ。」
「お前は誰なんだ?」
「私はあなたの妖怪としての本能だよ。」
「お前が俺の本能ならなんでその見た目なんだ!」
声の主の見た目はどう見ても春香だった。その見た目だという事に怒りを覚える雪羽。その姿を消そうと首を絞める。だが苦しむ様子も無く春香はニヤッと笑うと雪羽にこう言い放った。
「結局お前は人間を食うんだ。お前の恋人さえもな。」
その言葉で目が覚める。隣を見ると刀華がすやすやと眠っている。雪羽はその頭を撫でると音がたたない様に着替えるとスキマを開き靴を取る。そして別の所にスキマを開く。雪羽の後ろ姿は森の中へと消えていった。
はいというわけで第78話どうでしたか?
「ええーと俺は何処かに行ったってことで間違いないんだな?」
そうだね。まあ森っていうのは確定してるけど。
「なんですかそれ。」
ちょっと早いけど今回はここまで。では次回も良ければ見ていってくださいね(見ていってくれ)
―次回最終章 雪羽失踪編