凛として咲かせ、大輪の花   作:ビス子

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ふう、遅くなってしまいました。
毎日、お前ほんとに学生かよって時間に投稿していますが、僕は元気です。
授業中に寝れば何の心配もないのです。


八曲目   CKPDM

「ねえねえっ!今度はさきちゃんのギター、聞いてみたいなっ!」

まり花は、先ほど新たにバンドに加わった新メンバー、咲子に言った。

考えてみれば、まり花もイブも、ちゃんと咲子のギターを聞いたことがなく、ぜひ、咲子がギターを弾いている姿を見てみたかったのだ。

 

「はい、わかりました!少し待っててくださいね!」

ギターを取りに、咲子が席を外す。

咲子を待つ間、紫吹は、二人による質問攻めにあった。

「「私たちの演奏、どうでしたかっ!?」」

が、紫吹は返答に困る。

二人の演奏からは、確かな努力が見て取れた。

しかし、演奏した曲は、ひなちくんのうた。日向美商店街にはあまり馴染みがなく、音楽にもそこまで詳しくない紫吹には、専門的なことも言えず、少し悩んだ後

「そうだな……よかったから、もっといろんな曲を聞いてみたい」

などと、月並みな答えを出すにいたった。

それでも、初演奏が「よかった」と、褒められたことに、二人は少なからず満足したようで、紫吹は胸をなでおろした。

 

「お待たせしましたっ!」

店の奥から、ギターを持った咲子が現れる。

「それでは……」

ギターを構え、演奏を始める。

 

 

「……どうでしたか?」

演奏が終わると同時に、賛辞の声が一斉に上がる。

それを聞いた咲子は、少し照れたような表情をした。

 

 

「……ねえ、さきこ」

話もひと段落したところで、イブが咲子に話しかける。

これからイブがするのは、確認だった。まり花と二人でバンドをしていた時に発見した、初歩的かつ、最大の弱点というべき問題を、咲子が解決できるか、という確認だ。

「……楽譜、読める?」

「あっ、私もそれ気になってた!実は私たち、楽譜が読めなくて……」

まり花が、いやー、こまった、というような手振りをつけてアピールする。

それを聞いた咲子と紫吹は心底驚き、目を丸くした。

「あの……楽譜を読めないのにどうやってひなちくんのうたを……?」

咲子が問う。

「がんばったんだよ!」

まり花が答えるが、答えになっていない。

イブも目をそらす、どうやら、聞くだけ無駄のようだ。

過程はともかく、楽譜が読める咲子が加入したのだからもう心配はないのだが、どうにも釈然としない。

 

「……でも、さきこが入ってくれたのはいいんだけど、このバンドまだ足りないものがあるんだよね……」

「?なに?イブ?」

「ドラム!イブのベースとベストマッチするドラムが欲しいし!」

「……いるぞ、腕のいいドラマー」

イブの呟きに、紫吹が反応する。

 

「……でもなー、あれをドラムと言っていいのかは謎だけど。……まぁドラムか」

ドラムだけど、ドラムじゃない?

はっきりしない言い方に三人は困惑した。

 

「えっと、つまりどういうこと?」

ドラムの件を言い出したイブが、三人の意見を代表していう。

「あー、ゲームなんだよ、ドラムの」

「ゲーム?」

「ああ、ゲーセンにおいてあるドラムのゲーム。やったことない?」

「そういえば、中学の時やったかも」

「そうそう、たぶんそれ。それが、めちゃくちゃうまい」

 

「うまい、って……でもそれ、結局ゲームだし、本物のドラムはできんの?」

「さあ、それはわからん、でも、多分アレなら即戦力だろうな」

そこまで話したところで、カランコロンという小気味よい音を響かせて、扉が開く。どうやら来客のようだ。

 

「さききっ!ちくパ一つお願いするめうっ!」

店内に入ってきたのは、ピンク色の髪に、『兎』のロゴが特徴的なヘッドホンをした少女だった、どうやらこの店の常連だったようで、慣れた様子でちくわパフェを注文する。

「……噂をしたら来るあたり、すごく間がよくて助かるな、芽兎」

「-んきゅ?あ!しぶぶ!」

 

「なになに、知り合い?」

イブが聞く。

「そ、さっき言ってたドラマー」

「……え?」

イブは思わず絶句する、こんな年端もいかない子が凄腕ドラマーだとは思えなかったからだ。そして同時に、この子をどこかで見たような?と、既視感を覚えた。

それは向こうも同じだったようで、あちらもイブの顔をまじまじと見る。

そして「……あっ!洋服屋のぎゃるのちゃんねーめう!」と言った。

向こうはわかったみたいだが、イブにはまだ相手が誰なのかわからない。

あんな奇抜な格好をしているのだから、一度見たら忘れようがないはずだ、と、イブは脳内の情報を洗い出す。

確か、さっき、紫吹が芽兎とか言っていたような……と、イブが思い出すと、一人、心当たりがあった。

「もしかしてあんた……はんこ屋のめう!?」

「せーかいめうっ!」

「ええええ!?あんた、見た目変わりすぎでしょ!?」

 

「?二人は知り合いさんなのかなっ?」

未だに状況をつかめていないまり花が質問する。

「うん、ってかまり花、知らないの?」

「うん」

「めうちゃんははんこ屋『兎月堂』の娘さんで、うちの常連さんなんです」

咲子が補足する。

あまり女子高生がはんこ屋に馴染みがあるはずもなく、同じ商店街に住むはずのまり花は、めうの存在を知らなかったようだ。

 

「ところでめう、あんた、ドラム叩けんの?」

「もっちろん!めう、ドラムは大の得意なのだーっ☆」

二人が話していると、咲子がちくパを完成させ、運んでくる。

ところが、一人分ではなく三人分だ。咲子は、三つのちくパをめう、まり花、紫吹のところにそれぞれ置き、イブの分のパフェ―今度は普通のパフェだ―を置く。

 

「まさか、新たな同士めうっ!?」

まり花のところにおかれたちくパを見てめうが言う。

「同士?」

「ちくパ同士めう!めう、しぶぶ以外にも同士ができてかんどーめうっ!」

「私も、私以外にちくパが好きな人がいてすっごくうれしいよっ!」

早くも、まり花とめうは意気投合したようで、会話が弾んでいる。

 

「……じゃあ、バンド入ってくれるの!?」

「むきゅん、同士が困っているのなら助けないわけにはいかないめう!」

「わーい!ありがとめうめうっ!」

とてつもない早さで話が進み、もう四人目のメンバーが決まってしまった。

それを見て、イブが呟く。

「まさか、ちくパがこんなところで役立つとは思わなかったし……」

「ちくパって凄い、改めてそう思った」

 

「じゃあ、これから一緒にゲーセンいくめう!」

めうがみんなを誘う、これは紫吹のいう、めうの実力を見るいい機会だと思ったイブたちは、めうの誘いに乗った。




咲子の引っ張りように対してめうあっさりしすぎじゃね?と思ったあなた、僕もそう思います。
昨日の投稿であんまり引っ張りすぎるといけないって思ったんです。
……昨日のヤツを見るのがつらい……修正しようかな……
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