凛として咲かせ、大輪の花   作:ビス子

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徹夜で書いてはいけない(戒め
月浦君久々の出番です。かのこ?誰ですかね……


十一曲目   古びたギターと商店街

バンドの一件があった翌日、紫吹は親友である駆に、頼みごとをした。

駆の実家は楽器屋であり、当然、楽器など持っているはずもなかった紫吹は、彼に楽器を借りようと思ったのだ。

結果はOK、「日頃から如月には世話になってるからな」と、こころよく楽器を貸してくれることになった。

 

「……ほら、これでいいか?」

駆が、紫吹にエレキギターを手渡す。年代品のようだったが、弦も張りなおして、それなりに使える状態にしてくれたらしい。

「おう、初心者にはこれで十分じゃないかな?」

「わかるのか?」

「いや、全然、でもなんか古そうだったから」

「お前な……」

「すまんな、弾いてみていいか?」

「おう」

 

ギュイイイイィィィイン!と、気持ちのいい音が店内に響き渡る。

「……おおお」

「どうだ?」

「すごいな、これ」

「そうか!」

「……さて、そろそろ帰るよ、ありがとな、貸してくれて」

「おう、またな!」

 

 

「……さて、早速練習を始めてみるかな」

家に帰った紫吹は、練習を始めるべく、教本を開いた。

「……コード、はわかるな。五度コード……なんのこっちゃ……ロック、ブルース……ああ、青いのと赤いのね……だあああ!わからん!」

が、しかし、ずぶの素人には到底理解できるものではなかった。焦りから、妙なところから読んでいたためだ。一応、一通り教本に目は通しではいたが、さらさらと読んで理解することはできなかった。

しかし、ここで諦めることはできない。紫吹は気合で読み進めた。

 

「……ふむ、なるほど、理屈はわかった。……しかし、これができるか、だよな」

そういって、紫吹はギターを構える。

練習用の譜面を演奏しようと、最初の音を出すが、次の音につながらない。

「……これは、難しいな」

まだまだ、先は長い。

―そう思った矢先であるが、先は短かった。

 

「……そういや、もうすぐクリスマスか……」

 

少なくとも、あと二日くらいで返答をするべきである、紫吹はそう考えていた。

二日後はクリスマスイブ、どうやら、クリスマスにバンド名を決めるらしく、最低でも、それまでに答えを考えねばならなかった。

無論、咲子のことも含め、全てわかったうえで返事をする―もちろん、自分のギターの腕が第一なのだが。

 

咲子のことは、昨日の凛の反応で、紫吹は何かがわかったような気がしていた。

あの表情の理由が、自分のことを嫌いだから―とか、そういうことじゃなければ、商店街の方に問題がある。そして、咲子に嫌われているとは思えない、というか思いたくない。

 

町おこしをすれば、何かまずいことでもあるのか。

最初はそう思っていた。

しかし、それならバンドに参加しないはず。ということは、自分が町おこしに参加することで、何か弊害がある―そう踏んだのだ。

 

そして、調べた結果わかったのが、西と東の対立関係だった。

答えは、すぐ近くに転がっていた。この家の主―叔父さんも、そのことはわかっていたらしく、紫吹がバンドのことを話すと、それを自ら語った。

 

それを知っても、バンドをやるのか。

紫吹は一晩中考えたが、ついに答えは出なかった。しかし、今は―たとえ、バンドをやらないという選択をしたとしても、練習をやめるわけにはいかなかった。

 

たとえ、どちらの選択をしても演奏しなければならない。紫吹はそんな気がした。




これを書くにあたって、エレキの弾き方を検索して調べたりしてたんですが、割とマジでわかりません。深夜に見たからなのか、素なのか。
……多分、次の話は長くなるかなって。 
あと、今回で何気に日にちが判明しました。
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