凛として咲かせ、大輪の花   作:ビス子

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祝、お気に入り2達成!……ということで、記念に二話構成でお送りします!
……嘘です、昨日の、もとい今日の更新ができなかったからです。
なお、二話目は話の本筋に全く関係なく、なんとなく授業中に徒然なるままに書いていたものです。……余裕があれば、三話構成でお送りします。


十二曲目   残り一日。

12月23日、クリスマスイブまであと一日―

「それでは、これで二学期は終了ですが、皆さん元気で新学期を迎えられるようにしてください」

ありきたりな教師の別れの挨拶が教室に響く、本日は終了式。多くの高校では、12月24日――つまり、クリスマスイブの前日で、二学期の過程を終了する。

クラスにクリスチャンはいないのだが、既に国民的行事であるクリスマスは、皆が楽しみにしており、それは教師も例外ではない、ということだろうか。

 

「はあ……」

だが、少数ではあるが、クリスマスを心待ちにしていない者もいるようだ。例えば彼―如月 紫吹のような―

「如月、元気ないな、どうした?」

彼の親友である、月浦駆が声をかける。

「……ギター、貸してもらっただろ?」

しばしの沈黙の後、紫吹は口を開く。

「あれが、まだ弾けない」

紫吹があまりに真面目に言うので、思わず駆は吹き出す。

「お前な、昨日借りて今日できるわけないだろ!?」

 

「そりゃあわかってる」

楽器はそんなに甘くない― 一昨日、凛に言われた言葉だ。

ゲームならできるんだから、実際のも少しかじればできるだろう―とまではいかないが、それでも紫吹には自信があった。―少なくとも昨日までは。

 

「……けどな、明日までに絶対に仕上げる。明日までに」

「そうか。……まあ、がんばれよ」

駆はそう言って紫吹の肩をポン、と叩くと、カバンを持ち、教室から出て行った。

邪魔をしないために早く帰ってくれたのか、全く、友達思いのヤツだ、と、紫吹は毒を吐く。

駆の行動を無駄にしないためにも、紫吹はすぐさま駅へと向かった。

「……さあ、練習練習!!」

 

同時刻、日向美高校―

 

「……ねえねえイブっ!明日のクリスマスパーティのことなんだけど」

先生の挨拶が終わった途端、まり花がイブに声をかける。

普段の授業では、舟をこいでいるまり花であるが、こういう時だけはしっかりと話を聞いていたようで、話が終わるや否や飛んできたのだ。

なに、とイブが聞くより先に、まり花がまくしたてる。

「紫吹さん呼べるかな?」

「いや、イブもさすがにほぼ初対面だった人のテル番はもってないし……」

「じゃあさきちゃんなら!」

「さきこも持ってないっしょー」

「じゃあめうめう?」

「うん、たぶんそれが一番確実だし」

めうは中学生なので、呼び出すのが少々手間であるが、今日は終業式、下校時間は大体同じはずである。まり花は、イブと咲子を連れて、めうの家―はんこ屋、兎月堂に行くことになった。

 

「すみませーん……」

まり花が兎月堂のドアをおっかなびっくり開ける。

さすがに江戸時代から続いているはんこ屋というだけあって、荘厳な雰囲気があるように感じられた。

「いらっしゃいませ……めう?まりりにいぶぶにさきき?どーしためう?」

しかし、迎えたのは、店の雰囲気とはかけ離れた少女―めうだった。

 

「えっとね、めうめうが、紫吹さんの連絡先持ってないかって思って」

「しぶぶの?持ってるなりよ?」

「やった!えっとね、明日のクリスマスパーティにぜひ来てくださいって送ってくれる?もしかしたら、フェイスブック見てくれてないかもしれないから」

「おっけーめう!」

めうがケータイをとりだして、さながらドラムの演奏のような早業でまり花の言った文面をすべて打ち切り、数秒考えた後、なにか書き加えた。

「……かんりょーめう!……そうだ、せっかくだからめうのドラムを見ていくといいめう!」

 

「それもいいけど」 

イブが遮る。

「ここ……とってもとっても気になりますっ!」

はんこ屋、兎月堂にはたくさんの骨董品が並んでおり、好奇心旺盛な高校生にとっては――文字通り魔境なのだった。

 




二時半ごろ更新の二話目に続き……ません。
そして、サブタイが思いつかなくて適当になりました。まあいいや。
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