ものすごーく遅くなってしまいました、申し訳ないです。
ところで、ふと見てみたらお気に入り件数が2,5倍になってました。やったね!
彼女――霜月凛のことは、紫吹は既にリサーチ済みであった。
聞き込みにはずいぶんな苦労があったが、ここでは語らない。
もちろん、なぜそんなことをしたかというと、親友――駆の彼女候補探しのためである。
結果、紫吹は駆に、凛を紹介することはなかった。
理由は、彼が手ひどくフラれることが分かり切っていたから。
それは、彼女を見ていると、そうなることが火を見るより明らかであったのだ。
そういうわけで、紫吹は、少しだけ凛が苦手であった。
学校では交友関係が広く、ほとんどの人と会話できる彼であったが、ここまで重度に人を拒む人間は凛が初めてだった。
そして、少しだけ、彼女が心配になったのだった。
「あー……霜月?」
「何?」
「この前は本、ありがとな、すごくわかりやすかった。おかげで何とかギター弾けそうだよ」
「……そう」
いかにも興味がないといった風に凛が答える。
そんな二人を見かねてか――恐らくそんなことはないが――まり花が割って入る。
「あのねあのねっ!りんちゃん!前に言った私たちのバンドにこの紫吹さんが入ってくれたんだよっ!」
「そうみたいね」
「あれっ?知ってたの?」
「レコード屋……貴女、家が隣だってこと忘れてないかしら、昨日遅くまで大騒ぎしてたじゃない……」
「あ……ご、ごめんね?りんちゃん」
「……それよりも、バンドにそこの男が入ったと言ったけれど」
突然、凛の口調が真面目になる。
「う、うん」
「そこのは三日前まで碌に楽器を弾けないはずよ、そんなのを入れて大丈夫なのかしら?……勘違いしないで、響くのよ、私の部屋まで」
「大丈夫だよ!絶対、大丈夫だよっ!」
まり花が定型句を口にする。
すると、少し凛が呆れたような表情になった。
「……随分言ってくれるな」
先の凛の言葉に反応して、紫吹が言う。
「事実を述べたまでよ」
凛が冷淡に言い返す。
「……そりゃあな、お前が弾いた方がギターも上手いだろうけどな、俺も足引っ張らないぐらいにはなってやるよ」
「そう、精々がんばりなさい」
「……ほー、やっぱり弾けるのか、ギター」
「……なっ……!」
しまった、失言だった。――そう、凛が思った時にはもう遅く――まり花が、目を輝かせて、こちらを向いていたのだった。
「ねえ、りんちゃん――」
そして、凛が拒むよりも早く――
「バンドやろうよっ!」
その言葉は飛び出したのだった。
「……馬鹿なことを言わないで頂戴、私がバンドをやるなんてありえないわ」
「なあ、霜月、お前さ、多分この書店に教本が置いてある楽器、ほぼ全部できるんだろ?」
「…………」
「うん、隠しても無駄だ。俺が馬鹿みたいにたくさん本を買ったとき、言ったよな?『楽器はそんなに甘くない』ってさ。……それも、えらく真剣に。あれは、やったことあるやつじゃないと言えない――出せない雰囲気だったぞ」
「……だから、それがどうしたのかしら」
「もしも、あー、もしも、気が向いたらでいいんだけど、バンド、やってみたらいいんじゃないか……?ほら、いろいろと、もったいないな、ってさ……」
「…………」
凛って同級生の男子とかにどういう対応を取るんだろうか、そんなことを考えてたらものすごく筆、もといキーボードが進まなかったです。
それこそ元作品を参考にすべきですが、いかんせん駆君は特殊だから……