……しまった、もう前書きに書くことがない
時は放課後、場は天神学園校舎裏。
本日は絶好の告白日和だ―今日こそ、いける。
「俺と……付き合ってください!」
勇気を出し、男、月浦 駆は一世一代の告白をした。
「……ごめんなさい」
返答はノー。
こうして、彼の青春は終わった。
しかし、彼は諦めず食らいつく。
「そこをなんとか!お願いします!」
「ごめんなさい!」
今度は即答、必死の告白も実を結ばず、今、駆の恋は完全に終わった。
―恋のガトリング砲、それが彼、月浦 駆の異名だ。その由来は、彼がとにかく惚れっぽいところにある。それだけならまだしも、好きな女子ができたら即告白、振られても凄まじい早さで立ち直り、次の恋をするのだ。
しかし、振られるまでは決して他の女子に目移りしない、妙なところで一途なのも、彼の悪名高さに拍車をかける要因となっている。
よって、すべての女の敵として見られており、彼の告白が成功したためしはない。
「……終わった…」
「だろうなあ……おお月浦よ、振られてしまうとはなさけない」
打ちひしがれる駆に、隠れて見ていた1人の青年が声をかける。
「だろうな……ってなんだよ、こっちは真剣なんだぞ」
「真剣……ねえ?マジか?」
「そりゃマジに決まってるだろ!?そうじゃなきゃ告白なんてな……はぁ……」
「ま、残念だったな……しゃーねー、おぬしにもう一度機会をくれてやろうぞ」
そう言って青年は自分の携帯画面を駆に見せた。
「何言ってんだ、俺は今振られて傷心ちゅ……う…」
画面に映っているのは写真、それも女の子の、さらに、実に駆好みの美少女の、だ。
「……天使、だ」
ガトリング砲は、次なる標的を見つけたようだ。
「名前、知りたい?」
青年の質問に駆はコクリと頷く。さっきまでの様子はどこへやら、もう完全に新たな恋しか見えていないようだ。
駆は、青年から、あるだけの情報を貰うと、足早に去って行った。大方、告白の準備でもするのだろう。青年は苦笑した。
青年の名前は 如月 紫吹《きさらぎ しぶき》 駆と共に天神学園に通う高校生だ。
先のように、駆に、女の子の情報をどこからか仕入れてきては伝えることから、彼は『恋愛プロデューサー』と(あるいは『弾薬』『射手』)いう不名誉なあだ名で駆ともども呼ばれている。もっとも、本人としては割と気に入ってるようではあるが。
「……やっぱり、今回もダメだったか。あいつは話を聞かないからなあ……ま、いいや。さて、チャスコチャスコっと」
紫吹は今日もチャスコに向かった、目的は、音楽ゲーム、そして、ヤツに勝つことだ。
「……うん、大分形になってきたね!」
ところ変わって、日向美商店街、レコード屋『サウダージ』二階―
バンドをやるといって早二週間、まり花は一緒に練習を重ねていたイブに向かってそう言った。
「ま、このイブ様がいるからトーゼンだしっ!」
とは言っても、今演奏したのは日向美商店街のマスコットキャラクターひなちくんのテーマソング、今現在二人の目標である『凛として咲く花の如く』には程遠い。
「イブ!注意が一瞬、後遺症が死ぬまで、だよっ?油断せずにね?」
「それイロイロ間違ってるし……でも、そろそろ本気でバンドメンバー増やした方がいいよまりか?私たち二人じゃできることに限りもあるし……」
実際にイブの言うことは正しく、まり花自身も現在の状況に限界を感じていた。これから先、何としてでも新たなメンバーを加えなければならない。
そこでまり花は情報収集を行っていた。
「それなんだけどね……?シャノワールのさきちゃんが、ギター弾けるんだって!と、いうわけで……シャノワールに通ってみようよ!」
「え?あの咲子が?」
「うん、意外だよね!ぜひ、私たちのバンドに誘ってみようよ!」
「あ、それ名案だし!」
「よーし、メンバーゲットだよっ!」
「「おーっ!」」
こうして、三人目のメンバー候補は、日向美商店街にある純喫茶『シャノワール』の看板娘、春日 咲子に決定した。
「よーし、明日からちくパいっぱい食べちゃうぞー!」
「……」
イブは、少しだけ後悔した。
さて、第二話まで終わったわけなんですが……
ぶっちゃけまり花とイブだけじゃ動かしにくいなあ、って。
というより、バンド結成しないとロクに話進まないなぁ……
……富士見版はパラレル的な扱いだから少しばかりオリ展開とかでもいいかもしれない。
オリキャラの名前については、まあ、由来については、諸兄にはわかるでしょうので、書かなくても……いいですよね。
口調については、けっこうリアルな高校生じみたものになるかと思います。
筆者が高校生なので、ハイ。(唐突な自分語り)
……しかし、変りもの扱いされているのでそこが懸念ですかねえ?
以上、後書きは妙に饒舌なビス子でした。