あんまり話は進みません。
「めうー!」
急に元気になっためうは、紫吹の部屋の中をわちゃわちゃと駆け回る。
特に貴重品はないが、それでもこれほどまでに動き回られると紫吹としてもすこし困るので、少しだけ注意を促す。
しかし、ふっきれためうは止まりそうにない。
「しぶぶの黒歴史ノートはっけーんめうーっ!」
「あっ、それはだめ」
「さらにお絵かきノートもでてきためうっ!」
「それもダメ!」
「さらにPCから……」
「スタァァーップ!!!」
「ないめう、それはESめう」
「(見られて困るものが)ありまぁす!ガード呼ぶぞお前!」
「ふふん、スタミナゼロのしぶぶにはめうはつかまえられないめうっ!」
めうが、紫吹から逃げるように走りだす。しかし、当然狭い部屋で走るのは危険であり、めうは、すってーんと、間抜けな音をたててすっ転んだ。
「……いたいめう」
「あんまり狭いとこで暴れるんじゃないぞ……」
打ち付けたところを痛そうにさするめうに、紫吹がたしなめるように言う。
めうは、こけた時に壁に掛けてあった上着をつかんでいたらしく、その際に上着が床に落ちたので、紫吹はそれを拾って掛ける。
すると、ポケットの中から、見慣れないものが転がり落ちてきた。
「……なんだ、これ」
それは、今の高校生にはあまりなじみのない、カセットテープであった。
「……カセットめう?」
「……だな」
しかし、今の人間になじみがなくても、あまりこの二人には関係ないようだ。
カセットをいろんな方向から見てみると、手書きの字で、何か書かれていることが分かった。
字が汚いので、何を書いているのかめうにはさっぱりだったが、紫吹にはなぜかそれを読むことができた。
「……えーっと、ひ、なたび……ブルームーン?日向美ブルームーン?」
「読めためう!?」
「驚くのそっちなのね……とにかく、よくわからないけど、これ、日向美ブルームーンって書いてあるぞ」
「日向美ブルームーン……むにに……どこかで聞いたような、きかなかったようなきがするめう……」
「知らないか……」
「というか、しぶぶはなんでこりをよめるめう?」
「……父さんの字だわ、これ」
「…………と、とにかくなんのカセットかきいてみるめうっ!」
「わかった」
そう言うと紫吹は、早速携帯で父に連絡を取る。
「遅い!」
父、明の第一声はそれだった。
紫吹が、カセットの事を聞いてくるのを心待ちにしていたに違いないが、聞くのが遅かったようで、若干不機嫌である。
「あ、なんかごめん、それで、カセットの事なんだけど」
「待ってました!……えー、コホン、息子よ、困ったら人に頼ればいいというものではないのだ、この謎、自らの力で解いて見せよ!」
高らかにそういうと、明は高笑いして電話を切る。
切られた紫吹はキレ気味であるが。
「……っあーもう、めんどくさいんだからあの人……!」
「しぶぶ、なんていってためう?」
「自分で調べろと」
「……仕方ないめう、そりなら、暇なときにでもしらべるめう」
「うん、ごめん……」
スマホの充電器の線がダメになりました。
二週間前に買ったのが二日で使えなくなって交換したんですが、それがダメになりました。ひっぱったり、乱暴なことはしていないので、粗悪品をつかまされた気がする……畜生!俺の1500円返せ!ドラマCDの資金にするから!