凛として咲かせ、大輪の花   作:ビス子

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まーた深夜から書き始めちゃったよ。
ただ、登場人物を絞ると地の文がたくさん出てきて、なんか本格的に小説をかけてる
気分になるなあ。


六曲目   滅亡の予感

「ごめんなさい!」

天神学園、校舎裏―

デジャヴめいた言葉が響き渡る。

「そ、そんな!本気なんだ、考え直してくれ!」

「だ、だって私、あなたの名前も知らないし……」

「うっ……」

「そういうわけで……ごめんなさい!」

告白した男― 月浦駆のお相手の女子は、そういうと、一目散に逃げ出した。

 

「あああ……また駄目だった……いったい何がダメなんだ……」

駆は訳も分からずにうなだれる。

かなりの場数を踏みながら、彼は自分の問題点を未だに理解していない。

 

「なあ如月……」

「さあ、俺には皆目見当もつかないよ」

相談を持ちかけられそうになった紫吹は、面倒にならないうちに話を打ち切った。

 

「……そうだ、今日は自分の問題点をじっくり考えてみるといいんじゃないか?そうすれば、次はきっと成功するさ」

紫吹は、駆に反省を促した。

今日はこの後、二人でシャノワールに行く予定だったが、駆を連れていけない理由ができてしまったからだ。

理由は、今、駆を連れて行けば、十中八九、あの三人の中の誰かに惚れる。

それがもし、あの店員さんならば……彼のちくパライフに支障が出ないとも限らない。つまるところ、自分を面倒事に巻き込みたくないということだ。

「そうだな……そうするよ」

そして、見事作戦は成功した。

 

 

「……さーて、もう空いてるかな」

日向美商店街、純喫茶シャノワール。

倉野川市駅からのアクセスはよく、駅からほど近い場所にあり、恐らく、あの店員さんが通っているであろう日向美高校から帰るよりも、もしかしたら早いかもしれない。

シャノワールにつき、表の表札を見るが、CLOSED。つまりまだ開店していない証拠だ。これから、あの店員さんが帰るのを待ち、さらにそれから、楽器を持ってくる二人も来るとなると……少なく見積もっても40分ほどはかかることになる。

しかし、時間をつぶそうにも、チャスコまで行けば時間をオーバーするだろう。と、いうことは、この商店街で時間をつぶすのが得策ということだ。

 

「しかし……まあ、ひどいな、これは」

時間をつぶす、と言っても、それは何か目新しいものがあってこそだ。

ここ、シャノワールに来る以外、まともにこの商店街を歩いてこなかった紫吹だが、パッと見た感じで、よく言えばノスタルジック。悪く言えば前時代的。そんな印象を受けていた。一通り歩き回った結果、その認識はより強まった。

紫吹の住む西側が栄えていることも相まって、いかにも時代に取り残されている商店街である。

これでは、とても若者が来るとは思えない。いずれ衰退の一途を辿ることになるだろう。

もっとも、地方都市では割とよくあることであり、別段珍しいものではない。

 

「……ん?」

ふと、紫吹は見慣れた制服を目にした。自分の通う、天神学園の制服である。

艶やかな黒髪に、透き通るような肌。紫吹はその後ろ姿に見覚えがあった。

たしか、彼女の名前は、霜月 凛といったはずだ。

 

紫吹は凛に声をかけようと思ったが、声をかけるよりも先に、商店街の店の一軒に入って行った。

霜月書林、名前からして、彼女の実家であることは容易に想像がついた。

丁度、退屈だった紫吹は霜月書林に入ることにした。意外とこういう店には、お宝が眠っているはずだ。読書家である紫吹にとっては、この商店街の中では、シャノワールを除けば、最も興味があるスポットである。

 

「……これは、すごいな」

霜月書林の品ぞろえは、文字通り凄まじいものだった。

大手の本屋では扱わないであろう本も、大量に置いている。

なぜか、音楽の本が多い気もするが。

 

「……お客さんとは、珍しいこともあるものね」

紫吹が店の本に見とれていると、店の奥の方から声がした。凛だ。

「へえ、普段はあんまりお客さんが来ないのか?」

「ええ」

そこで会話が途切れる。

紫吹は、彼女が他人と話しているところを見たことがない。

きっと、必要以上に他人とかかわろうとしないのだろう。

紫吹は、そのあと何冊か本をめくり、やがて、すべて棚に戻した。

そろそろ、時間が来る。

 

「……お邪魔しました。……ああ、冷やかしに来たわけではないんだ。本来、本を見る予定ではなかったから、手持ちがなかっただけで。……また今度、買わせてもらうよ」

おそらく、凛は聞いていないだろうが弁明する。

それに、品ぞろえがよかったのは本当なのだから、いずれ本は買うことになる。

 

「……あっ!昨日のちくパの人!」

シャノワールに向かおうとしたまさにその時、横のレコード屋から、キーボードを担いだ少女が、紫吹に声をかける。

 

……ビンゴ、時間ぴったりだ。

紫吹はほくそ笑んだ。




ちくパでググると、9ページ目の最後の方に、シャノワール ちくパでググると1ページ目7、8番目にこの小説がヒットします(2015/5/7調べ)
……おかしい。明らかにおかしい。ウィキとかより上に来てる時点でなんかおかしい。
でもUAはあんまりないし、お気に入りは0。僕の実力によるものではなさそうです。
……もっと公式頑張って!
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