ただ、登場人物を絞ると地の文がたくさん出てきて、なんか本格的に小説をかけてる
気分になるなあ。
「ごめんなさい!」
天神学園、校舎裏―
デジャヴめいた言葉が響き渡る。
「そ、そんな!本気なんだ、考え直してくれ!」
「だ、だって私、あなたの名前も知らないし……」
「うっ……」
「そういうわけで……ごめんなさい!」
告白した男― 月浦駆のお相手の女子は、そういうと、一目散に逃げ出した。
「あああ……また駄目だった……いったい何がダメなんだ……」
駆は訳も分からずにうなだれる。
かなりの場数を踏みながら、彼は自分の問題点を未だに理解していない。
「なあ如月……」
「さあ、俺には皆目見当もつかないよ」
相談を持ちかけられそうになった紫吹は、面倒にならないうちに話を打ち切った。
「……そうだ、今日は自分の問題点をじっくり考えてみるといいんじゃないか?そうすれば、次はきっと成功するさ」
紫吹は、駆に反省を促した。
今日はこの後、二人でシャノワールに行く予定だったが、駆を連れていけない理由ができてしまったからだ。
理由は、今、駆を連れて行けば、十中八九、あの三人の中の誰かに惚れる。
それがもし、あの店員さんならば……彼のちくパライフに支障が出ないとも限らない。つまるところ、自分を面倒事に巻き込みたくないということだ。
「そうだな……そうするよ」
そして、見事作戦は成功した。
「……さーて、もう空いてるかな」
日向美商店街、純喫茶シャノワール。
倉野川市駅からのアクセスはよく、駅からほど近い場所にあり、恐らく、あの店員さんが通っているであろう日向美高校から帰るよりも、もしかしたら早いかもしれない。
シャノワールにつき、表の表札を見るが、CLOSED。つまりまだ開店していない証拠だ。これから、あの店員さんが帰るのを待ち、さらにそれから、楽器を持ってくる二人も来るとなると……少なく見積もっても40分ほどはかかることになる。
しかし、時間をつぶそうにも、チャスコまで行けば時間をオーバーするだろう。と、いうことは、この商店街で時間をつぶすのが得策ということだ。
「しかし……まあ、ひどいな、これは」
時間をつぶす、と言っても、それは何か目新しいものがあってこそだ。
ここ、シャノワールに来る以外、まともにこの商店街を歩いてこなかった紫吹だが、パッと見た感じで、よく言えばノスタルジック。悪く言えば前時代的。そんな印象を受けていた。一通り歩き回った結果、その認識はより強まった。
紫吹の住む西側が栄えていることも相まって、いかにも時代に取り残されている商店街である。
これでは、とても若者が来るとは思えない。いずれ衰退の一途を辿ることになるだろう。
もっとも、地方都市では割とよくあることであり、別段珍しいものではない。
「……ん?」
ふと、紫吹は見慣れた制服を目にした。自分の通う、天神学園の制服である。
艶やかな黒髪に、透き通るような肌。紫吹はその後ろ姿に見覚えがあった。
たしか、彼女の名前は、霜月 凛といったはずだ。
紫吹は凛に声をかけようと思ったが、声をかけるよりも先に、商店街の店の一軒に入って行った。
霜月書林、名前からして、彼女の実家であることは容易に想像がついた。
丁度、退屈だった紫吹は霜月書林に入ることにした。意外とこういう店には、お宝が眠っているはずだ。読書家である紫吹にとっては、この商店街の中では、シャノワールを除けば、最も興味があるスポットである。
「……これは、すごいな」
霜月書林の品ぞろえは、文字通り凄まじいものだった。
大手の本屋では扱わないであろう本も、大量に置いている。
なぜか、音楽の本が多い気もするが。
「……お客さんとは、珍しいこともあるものね」
紫吹が店の本に見とれていると、店の奥の方から声がした。凛だ。
「へえ、普段はあんまりお客さんが来ないのか?」
「ええ」
そこで会話が途切れる。
紫吹は、彼女が他人と話しているところを見たことがない。
きっと、必要以上に他人とかかわろうとしないのだろう。
紫吹は、そのあと何冊か本をめくり、やがて、すべて棚に戻した。
そろそろ、時間が来る。
「……お邪魔しました。……ああ、冷やかしに来たわけではないんだ。本来、本を見る予定ではなかったから、手持ちがなかっただけで。……また今度、買わせてもらうよ」
おそらく、凛は聞いていないだろうが弁明する。
それに、品ぞろえがよかったのは本当なのだから、いずれ本は買うことになる。
「……あっ!昨日のちくパの人!」
シャノワールに向かおうとしたまさにその時、横のレコード屋から、キーボードを担いだ少女が、紫吹に声をかける。
……ビンゴ、時間ぴったりだ。
紫吹はほくそ笑んだ。
ちくパでググると、9ページ目の最後の方に、シャノワール ちくパでググると1ページ目7、8番目にこの小説がヒットします(2015/5/7調べ)
……おかしい。明らかにおかしい。ウィキとかより上に来てる時点でなんかおかしい。
でもUAはあんまりないし、お気に入りは0。僕の実力によるものではなさそうです。
……もっと公式頑張って!