凛として咲かせ、大輪の花   作:ビス子

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なんだか、凄まじい展開になった気がする。
でも、現時点じゃ使える曲がアレしかないからしかたない……のか?
こんだけひっぱってこれかい!って展開です。なんかすいません。


七曲目   三人目のメンバー

「……それで、私たちでバンドをやろうって思って」

「なるほどね、商店街のために……ああ、どうも」

日向美商店街の洋裁店『いずみ洋裁店』から出てきた少女に、紫吹は会釈した。

少女の手にはベースと、それに接続するであろう機械類が、ずしり、と重そうに乗っている。

恐らく、その機材を持ち運ぶ手間があるため、少し遅れて出てきたのだろう。

 

「あっ、イブ!紹介するね!こちら、りんちゃんの同級生の、如月 紫吹さん!」

先ほどまで、紫吹と談笑していたまり花が、イブに気付き、紹介する。

「どーも、ただいまご紹介にあずかりました、如月です」

追って、紫吹が自己紹介をする。

 

「……りんと同級生ってことは、一コ上?あ、あの、初めまして」

イブが急にかしこまって挨拶をする。

外見に見合わず、年上相手には丁寧な態度だ。

 

「イブっ!なんとなんと、紫吹さんは私たちの演奏を聞きに来てくれたんだって!」

「……マジでっ!?」

「マジよマジ、大マジ」

予想外の事態に、イブは驚く。

誰にも、明日シャノワールで演奏するとは言ってないはずなのに、なぜわかったのか?いや、そんなことはどうでもいい、仮に、本当に演奏を聞きに来てくれたのだとしたら?

 

「ってことは……もしかして、初ファン!?」

「……まあ、そう、なるのかな?」

初ファン、その言葉がイブを高揚させた。

以前から、自分のベースをインターネット上に投稿したりしていたが、コメントはまり花一人だけだった。しかし、今、自分の目の前に初めてファンがいる。

ならば―

 

「……よーしっ!今日は、イブたちの最高の演奏、聞いていくといいしっ!」

「うんうんっ、がんばるよっ!イブっ!」

「「おーっ!」」

―必ず、今できる最高の演奏をしてみせる。咲子のためだけでなく、この、初めてできたファンのためにも。

 

 

 

 

 

「……いよいよだね、まりか」

「……うん」

初めて、自分たちの演奏を人に聞かせる。

二人は緊張していたが、確信があった。

今日、この演奏は必ず、大成功する。という確信が。

顔を見合わせ、戸を開ける。

 

「いらっしゃいま……」

「……さきちゃん」

「さきこ……」

 

「…………」

「ねえ、さきちゃん」

咲子が、何か言いだそうとするが、まり花がそれを遮る。

 

「さきちゃん、きっと、悩んでるんだよ……ね?私たちと、バンドやるか、どうか。って」

「……はい」

咲子が頷く。

 

「……何も言わずに、聞いてくれる?」

「…………」

無言。

それを肯定と受け取り、まり花とイブは、演奏の準備をする。

 

―巨大SCやってきて、シャッター降ろして早幾年~

 

二人で沢山練習した『ひなちくんのうた』

きっと、二人の心に届くと信じて、二人で歌い上げる。

 

―ひなたび、ひなびた、いやまてまだまだネバールーズ!

ひなたび、ひなびた、いやまてまけるなひなちくん

 

「……どう、だったかな?」

まり花が問う。

 

 

「…………私は」

もう、言葉は必要なかった。

答えは、既にわかっていた。

私なんかでいいのなら、ぜひ、バンドに―

 

 

 

                            春日咲子、加入。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……えっ、なにこの状況」

眼前の美しい光景に、紫吹はひとりごちた。

 




バクマンでいうところの『シリアスな笑い』に相当する何かができたんじゃあないか。そんな気がする。
……俺、疲れてんのかな……
咲子離脱~再加入の時はさすがに真面目にやります(震え声)
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