ハイスクールD×Dー黄金の魂ー   作:星の翼

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Q.ところで皆さんは何座ですかー?便座とか餃子とかはなしですよー?
因みに私は必殺技しようと相手に放てば100%突き指する奴です


5話:遭遇

「ギィ、ギギィ」

 

異形は混乱していた、混乱と言う状態の中でも最高潮の状態に奴は居た。

それも当然だ―こんな筈ではなかった。 ただただ異形の頭にはそれだけが過っている。

 

馬鹿な獲物がまた一匹現れたと思った、エサが自らのこのことやってきたと思った、弄んでから美味しく食べてやろうと決めていた。

だが、如何だ?今の自分の身は?

腕を切り落とされ、足を切り落とされ――今体の半身を氷で覆われているこの様は何だ?

この男は―何者なんだ?

 

余裕などもはやない―得体のしれないものへの【恐怖】と【畏怖】。

恐れだけが今の化け物の頭を覆いつくす―そんな化物の考えなど知らず彼女から見える【化物】はゆっくりと此方に歩を進める。

 

「案外としぶといな―見た目より?いや、見た目通りか。」

 

冷静に―冷淡に―冷酷に―冷血に男は口を開く。

特に感情などない―自身の目の前に居る存在を【殺す】と言う明確な殺意を目に宿し、此方を睨み付ける男。

ありったけ逃げた―だが、奴を引きはがす事は出来なかった。

抵抗した。 酸を吐き糸を繰り出した―それらは全て奴の操る冷気によって悉く凍結させられた。

 

そして―今に至る、右下半身が氷に覆われ地面に縫い付けられている―真面なのは自身の上半身の半分のみ、既に体の内の4分の3が不満足だ。

 

「観念しろ、もう逃げられない―お前の負けだ。」

「ギィィ……クソガアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

異形は自棄になって唯一動かすことのできる腕を前に突き出し怪しい光の玉をありったけ打ち出す。

せめて一矢報いる―異形にもプライドはある。 たかが一人の人間に何もできずに倒されるなど仮にも悪魔の一員であるプライドが許されない。

 

「………【ダイヤモンドダスト】」

 

人間の拳から放たれた冷気の奔流―自身の放った魔力弾が凍てつき砕け散り、そして自身のもう片方の下半身を地面諸共氷漬けにする

 

「アアアアアアア!!!ア、アシガァッ!?」

「もうお前には成す術もあるまい。この一撃を持って完全に終わらせる。」

 

最早自分の自由には動かせない下半身―そして凍り付いた凍傷の激痛が異形を襲う。

男はゆっくりと頭上で自らの両腕を組み合む―すると、周囲の空気がさらに冷え込みあちこちで霜が立ち始める。

異形は恐れおののいた―次に来るのは今までの中で最も強力な一撃だと分かったからだ。

逃げる事もあらがう事も出来ない。 自身の終わりが決定的な事を理解した異形。

 

 

「マ、マッテクレッ!降参スッ」

「凍土に眠れ化け物、【オーロラエクスキューション】!!」

 

掲げた腕を前に突き出す次の瞬間―圧倒的な凍気の塊が異形に向けて放たれる。

凍気に当てられる異形には言葉を語る余裕などなかった―全身が凍り付いていく中、恐怖だけを持ってその意識を終えた。

 

 

 

 

「…………」

 

目の前の異形の氷像を前にして構えを解く―【オーロラエクスキューション】…絶対零度に近い凍気を放つ宝瓶の最大の技。

この異形は―骨の髄まで凍気に覆われてその生涯を終えたはずだ。

 

「少し―熱くなりすぎたな。」

 

確実に倒すとはいえ―時間をかけてしまった気がする。

他に誰かが来る前に此処を去らないとな

 

母さんも心配するだろうし―

 

 

「待ってください。」

「!………」

 

気配が感じられなかった―この夜更けに人はいないだろうと思っていたが迂闊だったと後悔しながら振り返る。

眼鏡を掛けた女性とそれを囲む女性達―だが、そこは如何でも良い。

目が行ったのは彼女達の服だ―統一された彼女の衣服…見間違えるはずがない。

 

「――駒王学園の生徒達か?如何してこんな所に」

「私たちを知っている?―何者ですか。」

「おと――【知り合い】が君たちの学校に居るんだ。」

 

首飾りが彼女たちの放つ僅かな敵意・警戒心に反応している。

それに―こんな時間に何故彼女たちが此処に居るのか?そして、丁度、彼女達と俺を挟んで存在する氷塊に対する動揺なども感じられない。

ただ者じゃない―自身の警戒レベル最大限まで引き上げるには十分すぎる情報だ。

 

「俺は――5年ぶりに故郷に帰って来ただけの人間さ、ただ【異物】が隠れていたのに気付いたから処分しただけだ。」

 

下手な隠し事は出来ない―が、自身の素性を知られる事は出来ない。

向こうも俺の事を警戒して手を出しては来ない―先ほど戦っていた異形とはそれだけで核の差が感じられる。

別段―数で来られたからと言って此方が負けるとは限らない。

だが―向こうは駒王学園の生徒だ。 出来るのなら【弟が暮らす学園の生徒】には手を出すことは避けたい。

 

「……あのはぐれ悪魔は貴方が倒したのですか?」

「はぐれ悪魔?――あの異形の事か?」

「はい。近頃魔界を追われ大公より討伐を依頼されていたのですが―よもや一人の人間に倒されていたとは思いもしませんでした。」

「…………悪魔、か。成程―確かに史実に出て来るものとは違うが当てはまらないわけでもないな。―――が、少し気がかりだな。誰からとは分からんが―そんな事をこんな女の子に依頼する輩とは何者だろうな?」

「……………それに関しては、今の此処ではお答えしかねます。」

「…………。」

 

成程―憶測ではあるが、彼女の腹は見えた。

彼女は俺を別の―話せる機会の場を作りたい―と考えている。

どんな形であれ―彼女達もまたこの異形―はぐれ悪魔を倒すために此処に現れた。

 

だが―そこには珍妙な先客―つまり俺が居て、先にはぐれ悪魔を倒してしまった。この時点で俺は敵か味方かが分からない状況、警戒心を持つのは必然。

だからこそ―彼女は敵か味方かの区別だけをはっきりしようとしている。

 

その為には情報が必要になる―それも、これは探り合い。

武器として使っていい情報と―秘密として扱わなければいけない情報がある。

そして―おそらく彼女は―その駆け引きが上手い。 つまり―頭が良い。

 

だから―彼女は先ほどの先ほどの俺の問いに対して【この場所では答えられない】っと返した。 普通ならただ【答えられない】と答えるだろうが―俺の目の前に対して餌を出した。しかも―釣り糸付きだと分かる餌だ。

 

「「……………。」」

 

俺と―中央の少女との腹の探り合い。

彼女を守るように取り囲む少女達は恐らく中央の少女の部下―主の号令無くして攻撃には転じない忠実な配下か。良く統率の取れている。

 

「………ふぅ」

 

若干ではあるが―構えを解いた。

本来なら警戒して近づかないものだ―だが、生まれ故郷にこんな化け物が隠れ潜んでいたなどと今の俺には看過は出来ない。 何より―直感ではあるが、俺が欲しがっている情報を彼女達なら知っていると判断できたからだ。 そうでなければこんな夜更けとは言え冬でもないのに氷塊があるのに微動だにしないとなれば―余程胆の据わった奇人怪人だろう。

 

仮にこれが俺をとらえる罠だとしても―その時は【獅子】でも何でも使って存分に抵抗するだけだ。

そう決めて―口を開こうとした時だった―――

 

 

~~~~♪~~~~♪

 

緊迫した空気を見事にぶち破ってくれる軽快なメロディーが俺のズボンのポケットから流れた。

マナーモードにするのを忘れていた。 因みに―この音楽はドラグ・ソボールと言うアニメの主題歌だ。 よく弟のイッセーとバトルごっこしてたなぁ。ドラゴン波ァアアアアア!!!

って――――関係ないな、すまん

 

「………………すまない、出ても良いだろうか?」

「え?え、ええ、はい、どうぞ―」

 

あまりのエアブレイカーに向こうも毒気を抜かれてしまったのか生返事が返って来た―ごめん、本当ごめん、空気ぶっ壊して本当ごめん

こんな夜更けに空気読まずに電話してきた馬鹿はどいつだと着信の相手を確認する―――――――――【母】だった。

 

「………………………。」

 

ああ、すぐ帰るって言ったのに―全然帰ってこないから電話してきたんだ。

色々観念して―電話に出る。

 

『一星!!こんな夜更けに一体何処ほっつき歩いてるの!!!』

「か、母さん―いや、あまりのも星が綺麗だからついつい夜歩きを―」

『良いから早く帰って来なさい!戸締りして野宿することになっても知らないからね!!!』

「はい、わかりました。ごめんなさいすぐ帰ります。」

 

短い会話―だが―我が子を心配する母の言葉には涙と申し訳なさが込みあがって来た。

ごめん母さん―すぐ帰る!!

 

「……………………えっと、母からすぐに帰って来いと電話が」

「あ、そうでしたか。」

 

ああ―完全に先ほどまでの空気は霧散してしまった様だ。向こうも呆気に取られてるよ―そりゃそうだよな。電話出ながら大の男がすいませんごめんなさい連呼してへこへこしてるんだからな。

 

「――君達は駒王の生徒のようだな。 だとするなら―また次の機会でもいいだろうか。」

「! 待ってください―それなら貴方は何者ですか?それだけは答えてください!」

「名乗る事は出来ないが―ただ先ほども言った通り、5年ぶりに故郷に帰って来ただけの男さ。これ以上は―家族を巻き込むことになりかねないから答える事は出来ない。少なくとも―今は君たちの敵ではない事は確かだ。 だがもし―不用意な詮索から俺の縁者を巻き込むことがあれば―――その時は容赦はしないッ。【双児】」

 

まだ何かを話そうとしている彼女の言葉の先は無視し―俺は【次元移動】を使いその場を離れた。

 

 

 

 

「消えた……。」

「いえ―今のは次元を歪めた瞬間移動です。」

「痕跡は残っているようです―追う事も可能ですが、会長。」

「止めておきましょう。それより―討伐されたはぐれ悪魔の回収を」

 

生徒会のメンバー達が氷塊とかしたはぐれ悪魔に集まり魔界への転移の準備を進める

 

「すごいカッチコチ」

「あの人がやったのかしら……」

「砕けそうにもないからこのまま転移で良いわよね」

「でもあの人結構かっこよかったよね」

「あ、分かる―でも、何処かで見た事あるのよねぇ」

 

とはいえ―此処はやはり花の女子高生…やはり話しは性と言えるのだろう。

 

「……凍結の技に、次元移動」

 

そして―氷塊の中に閉じ込められたはぐれ悪魔の無くなった手足の部分―鋭利な刃物で切り落とされたかのような攻撃。

 

「あの人間―一体何者でしょうか」

「分からないわ…ただ、堕天使の陣営でも教会の陣営の存在でもない。 無所属の人間と考えているわ……だからと言って、彼を放っては置けない。この事は私からリアスにも伝えるわ。」

「分かりました。」

 

相当の手練れ―堕天使の陣営には命を狙われかねないし、教会からはエクソシストとしてスカウトされる人材であることには違いない。あわよくば―彼を自身の眷属の一人として迎える事を視野に入れながら転移魔方陣に消えていくはぐれ悪魔の氷塊を黙って見送った。

 




星座違うけど……一番好きな技です。
【オーロラエクスキューション】
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