ハイスクールD×Dー黄金の魂ー   作:星の翼

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タイトルで何が使われるかは多分分かってしまう。


7話:薔薇

アーシアを連れ去られてからすぐに俺はイッセーを連れて自宅へと退避した。

あれから再びイッセーは気を失ってしまう…無理もないアーシアちゃんが傷を癒してくれたとは言え、腹を貫かれたんだ。あの時意識を保っていただけでも根性が居るってのに…………。

 

「…………。」

 

イッセー…お前、殺されてたのか。あの女に―天野夕麻、いや、レイナーレと呼ばれていたあの女に――

 

「………嬉しそうだったよな―あの時お前、すげぇ嬉しそうに喋って来てくれたよな。」

 

一瞬本気で冗談かと思えば―あの後、デートが上手くいくかって不安がってたっけな。

ったく、スケベなくせにそういうところは本当に初心なんだよなって―苦笑いしたな………そんなイッセーを……俺の弟を、あの女はッ……

 

「……お前は此処で休んでいろイッセー、俺が、アーシアちゃんを助けるから。そしたら、お前の事を改めて聞かせてもらうからな。だから――待ってろ。」

 

布団の上にイッセーを寝かせて部屋を出る。

目指す場所は決まっている―倒すべき相手も決まっている。

レイナーレ……お前が俺に触れたものは大きいぞッ!!

 

 

 

「はぁ~あ、暇っすねぇ~」

 

―廃れた教会の森にて見張りを行う金髪の少女が居た。

彼女の名はミッテルト―人間ではなく堕天使である。

彼女は上司であるレイナーレから【儀式の邪魔をしに来る存在が現れるかもしれないから見張りをしろ】と命じられているが―本人自身はあまり乗り気ではない。

自身も儀式に立ち会い(それなりに)尊敬している上司が新たな力を手にするところを見て行ったかったのに―

 

「なぁ~んでうちが見張り何か」

「さぼるなミッテルト」

「ゲッ、ドーナシーク、カラワーナ」

 

同僚の二人に注意されて慌てて木の上から飛び降りる。

 

「もうすぐ儀式の下準備も終わる」

「そうすればレイナーレ様は誰の手にもかなう存在ではなくなる。」

「わお、そりゃあ楽しみっすね!でも、何でうちらは見張りなんかしなくちゃいけないんっすか?今更うちらの邪魔をしに来る奴ら何か居る訳ないんだし」

「フリードの奴が言っていたが、如何やらアーシアを連れ戻す際にレイナーレ様に手傷を負わせた奴がいるらしい。恐らく、レイナーレ様はそれを懸念しているのだろう。」

「最も、そいつが如何に強かろうが、堕天使を三人相手にしては無事ではすむまい」

「責任重大っすねぇ~~で、どんな奴なんっすか?」

「それは」

 

「教えてやろうか?カラス共―」

 

「「「!?」」」

 

第三者―いや、第四者の声に臨戦態勢でそちらを振り返る。

男が居た―ツンツンの頭に鋭い目つきで此方を睨む青年が一人。

 

「俺は兵藤一星―お前らの上司が連れて行ってくれた友人を連れ戻しに来た、ついでにお前らの小さな野望も潰しにな。」

 

「へぇ、こいつがレイナーレ様が言っていた―」

「……無駄だと分かっているが一応言ってやろうカラス共、俺の邪魔をするな。無駄に死ぬことになるぞ?」

「調子に乗るなよ―神器を持っただけのガキが!!」

 

仲間の一人、ドーナシークが光の槍をすかさず形成し投げつける。

光の槍はまっすぐに兵藤一星と名乗った男の心臓に飛んでいくが――

 

 

「………噛み砕け」

 

黒く咲き誇る一輪の薔薇(バラ)がその槍を受け止め粉々に打ち砕いた。

 

「な、何だと?!」

「…………………やはり無駄か………此処に来る間に―俺は考えていたんだ。お前らの上司を如何ぶちのめそうかとな……【光によって跡形もなく消し飛ばすか】【猛牛の角を持って吹き飛ばすか】【異次元の彼方に永遠に葬り去るか】【直接死後の世界に送り込んでやるか】【1億の拳で殴り飛ばすか】【六感全てをはく奪してやるか】【百龍の牙で捻じ伏せるか】【15発の激痛を味あわせるか】【矢を持ってその心臓を貫くか】【聖剣を持って首を切り落としてやるか】【絶対零度を持って永遠に氷壁に閉じ込めるか】――とな。」

 

男はぶつぶつと呟きながら首飾りに触れている。

あれが奴の持っている神器なのだろうか?などと考えていると奴の首飾りの玉の一つが輝き始める

 

「そして決めた―テメェらには毒を持って醜く無様に死を与えるとな。咲き誇れ薔薇の陣、【双魚(ピスケス)】!!」

 

双男が叫んだ瞬間、彼の周囲の地面から突如無数の深紅の薔薇が現れ咲き誇る。

薔薇の園は範囲を広げ此方にまで迫ってくる!

 

「ちょ!?此処に薔薇なんて植えた覚え無いんっすけど!」

「面妖な技を使う!!」

「たかがバラなんぞで我らを倒せるとでも思ったか!!」

 

空かさず上空へと飛びあがるが―

 

「………やはり人外か――」

 

薔薇の園の上に立ち此方を睨み見据える兵藤一星。

人間のくせに並木なめしてむかつく奴ッス!!

 

「得体の知れない薔薇だ迂闊に触れるなよミッテルト、ドーナシーク」

「当然っすよ、レイナーレ様の邪魔はさせないッス」

「我らに敵対するは明白、この場で葬ってくれる」

 

陣形を組み光の槍を形成し、投げつける。

 

「………無駄だ。」

 

そう言った瞬間、薔薇の花びらが舞い壁となって光の槍を阻む。

 

「今だドーナシーク!」

「おう!」

 

だが―それは計算済みだ、向こうもすでに陣形を張っているのなら此方は連携で倒すのみ!

 

「カラワーナと私の光の槍でお前の注意を引き、ドーナシークが背後より回り込んでお前を刺す!!これで終わりッスよ!!」

「死ぬがいい人間ッ!」

 

背中ががら空きの男に槍を突き刺さんと振り上げるドーナシーク。

 

「…………お前がな、ドーナシークとやら」

 

だが―男は振り返りもせず一言冷たい言葉を浴びせた。

次の瞬間、ドーナシークの手から光の槍が消えて薔薇の園へと倒れこむ。

 

「ッ!?ドーナシーク、如何した!!」

「………………ガハッ、ば、馬鹿、……な………」

「「!?」」

 

口から血を吐き出し、それだけ言い残しドーナシークは言葉を発さなくなった。

死んだ―ドーナシークが呆気なく……ッ!

 

「お、お前!ドーナシークに何をしたッスか?!」

 

混乱した頭で奴に叫ぶ。

 

「言った筈だ―【毒を持ってお前らを殺す】と…」

「ど、毒ですってー!?」

 

でも、毒なんてどこにも……!まさか!!

 

「そうだ――このバラはただのバラじゃない【魔宮薔薇(デモンローズ)】と言う全身全てに死を齎す毒を含むバラだ。」

「魔宮…薔薇…だと?!な、なら何故貴様は平気でいる!?」

「愚問だな―俺が自分の技で死ぬ間抜けと思っているのか?こいつも迂闊に薔薇の中に入り込んでこなければ香気を浴びて死ぬこともなかっただろうに……さぁ、問答は終わりだ。お前らにもこの紅薔薇の恐怖を味合わせてやる」

 

ッ―まずい!

 

「ミッテルト!!」

「分かってるッスよ!!」

 

自分達が持てるすべての力を光の槍に込めて投げ放つ!!

 

「今度こそ死ねぇ!!」

「―――死ぬのはお前らだ――【ロイヤル・デモンローズ】!!」

 

男が紅のバラの嵐を巻き起こす!

 

「ぐわああああああああああ!!!」

「カラワーナッ?!」

 

間一髪その技をかわすが、カラワーナがもろにバラの中に消えて地面へと落ちる。

 

「カ、カラワーナ…嘘ッスよね?」

 

呆気ない―呆気なくうちら堕天使が殺されていく。

この男は何なんだ――こんな神器、全然知らないッ!

 

「……………」

 

恐怖に染まりかけた自分を無視して―男は教会へと行く

 

「ま、待つッス!…ま、まだ、私が居るッスよ!」

「………既に死んで行くやつに用は無い。」

「何………を………?」

 

あれ?何で視界が?……

 

「―自分の胸を見て見ろ?」

「は?……え?………何すか…これ?」

 

胸を見てみると白いバラが胸に突き刺さっていた。

 

「白薔薇【ブラッディローズ】…さっきの技に紛れ込ませてもらった。 お前はよけることも考えていたからな―そいつは投げれば必ず標的の心臓を貫く。その白い花弁が深紅に染まった時、お前の命は完全潰える。

 

 

 

――――最も、もう聞こえていないだろうがな」

 

白い花弁を深紅に変えた薔薇を胸に刺したミッテルトは何も答えずに薔薇園へと落ちる。

堕天使三人は呆気なく―美しさに魅入られ―――そして惨めににその命を散らした。

 

「さぁ―――――次は誰だ。」

 

 

 

 

 

「お願いです部長!!アーシアを助けに行かせてください!!」

「駄目よ。貴方は何度言えばわかるの?行けば確実に殺されるわ、それにこれは貴方個人の問題じゃないの。眷属を危険に晒すことなんて出来ないわ」

「じゃあ、俺を眷属から外してください!そうすれば皆に迷惑は掛からない。俺個人であの教会へ乗り込みます!!」

「そんなことできるわけいないでしょう!如何して分かってくれないの!!」

 

兵藤一星が堕天使3人を倒した丁度その頃―弟の一誠は目を覚ました後直ぐにオカルト研究部の部室へと向かい部長であり自身の主人【リアス・グレモリー】に事の仔細を説明しアーシアの救出を頼み込んだ。

当然―そんな簡単な事情でない事と勝手に教会のシスターと接触した事で一誠はリアスからきつい平手打ちと辛い現実を突きつけられる。

それでもイッセーは引かない―もしかしたら兄貴が一人で助けに行ったかもしれないんだ。 例え恩を仇で返すことになってもこれだけは引き返せない。そして何より―

 

「俺、アーシアと友達になったんです。それに―兄貴が…一人で助けに居たのかもしれないんです。俺ばっかり何もできなくて――放っておく事は出来ません!!!」

「……………。」

 

リアス・グレモリーの心情は複雑なものだった。

新たな自身の眷属―一誠は真っすぐな少年だ。 それは彼のこの短い期間ながらの行動に現れている。 そして―リアス個人も一誠自身から兄である一星の事は聞いている。 自身にも兄が居るから、彼が一人で彼女を助けに行ったと聞けば弟として心配になるのは痛いほどわかる。 だが、だからと言って――――それにいくら何でも一人で助けに行ったのには無謀が過ぎる。

 

 

そんな時だった―自身の懐刀である姫島朱乃が静かに此方に耳打ちで情報を伝える。

 

「朱乃、如何したの?」

「部長―先ほど教会付近に張らせていた使い魔から知らせが―所属不明の男が現れて、堕天使三名を瞬殺したと―」

「何ですって?……」

 

いったい誰が―と考えたとき、真っ先に思い浮かんだのは――一誠の兄。

微かに神器らしきものを使って戦っていたと聞いていたが―堕天使を3人まとめて瞬殺する程の実力者がこんな近くに?

 

そして、ふいに思い出す―以前親友である支取蒼那から聞いた謎の男の話。

曰く冷気を操りはぐれ悪魔を瞬く間に葬り去った男…だが、一誠の話では光の弾を放ったと言っていた……神器を複数持っている?

 

そんな人間にリアスは興味を持つには十分だった。

そして――元々、自身の縄張りで好き勝手を許すほど寛容な性格ではない。

 

王として―攻め込む時が今だとリアスは決断した。

その為にも―今は一誠に神器の使い方を身に着けてもらわなければ―

 





補足説明
【双魚】の能力使用中は地形に関係なく【魔宮薔薇】を周囲に展開が出来ます。 あとこの状態だと耐毒スキルが格段に向上します。

美しい、嗚呼美しい、美しい
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