俺とユキもとい雪美は幼なじみだ。
母親いわく「生まれた時からの知り合い」らしく、どうやら母親同士が病院で同室だったらしい。俺が雪美より二日遅く生まれ、自宅も近かったので随分幼い頃から一緒に遊んでいた気がする。雪美は生れつき病弱な体質で、幼稚園の頃までは多少なら一緒に外で遊べたが小学校に入ると外で遊ぶ事は無くなった。とは言えまだ学校に来れるくらいの元気はあり、よく教室で遊んだりした。小学校を卒業し、中学に入ると遂に雪美は外に出られなくなった。この頃に初めて聞いたのだが雪美は生れつき体に色素が欠乏している、いわゆるアルビノだったらしい。紫外線を浴びると悪影響が出るので彼女は段々室内にいる時間が増えてきた。そんな時に出会ったのがVR(バーチャルリアリティ)を使ったゲームであった。現実では太陽の下で遊びたくても遊べなかった彼女にすればその世界はまさしくもう一つの現実のように思われた。そしてVRにはまっていった雪美は後に呪われたゲームと呼ばれる事となる「ソードアートオンライン」と出会う。βテストの話が上がった時は俺と一緒に珍しく外出し申し込
んだ。
。結果は驚くべき倍率の競争から見事当選し、晴れてβテスターとなったのだ。因みにこの時一緒に申し込んだ俺はハズレ、そう上手くは行かないものだ。しばらくしてβテスト期間が始まった。雪美はβテスト期間を一日の半分以上はアインクラッドで過ごしたらしい。俺は夕方に学校から自宅に帰ってきてから雪美の家へ行きアインクラッドの土産話を聞くのが日課となっていた。この時から俺は正式にリリースされたら一緒に始める約束をしていたのでそれまで長年やっていたWBO(ワールドベースボールオンライン)という野球ゲームを辞める事にした。かなり上位チームまで行けたゲームを辞めるのは何とも言えない喪失感を味わえた。
閑話休題、そんな楽しい時間は早く過ぎるもので、βテスト期間はあっという間に終わった。そして待ちに待った製品版を一緒に始める事が出来た。しかし俺達の運命は茅場晶彦によって大きく狂わされる事になる。