リリカル・ストラトス 元織斑家の魔導師   作:妖精絶対許さんマン

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今回の話は賛否両論がある気がする作者です。

あ、あとFGOで赤セイバーが来てくれました。


そうすっね・・・・・会長は自分の初恋すよ。叶わない初恋でしたけど。 by 小鳥遊自由

「おい!今すぐAピットに担架と救護班を向かわせろ!」

 

管制室ではオータムとスコールは顔面蒼白になりながら指示を出す。

 

「山田先生。いつでも試合を中止できるようにしておきなさい」

 

「は、はい!」

 

スコールは冷や汗を流しながら、真耶に指示を出す。

 

「織斑先生・・・・・。貴女の弟さん・・・・・やってくれたわね」

 

スコールは千冬を睨む。スコール自身も千冬は悪くないと思いながらも、千冬を睨んでしまう。

 

「・・・・・どういう意味ですか?」

 

千冬も負けずとスコールを睨む。

 

「意味のまんまだよ。テメェの弟が秋の地雷を踏むどころか、その地雷源を踏み荒らしたんだよ」

 

「秋の・・・・・地雷?」

 

「ええ。あの子は家族のことになると沸点が低いのよ。それこそ、家族を馬鹿にされただけでもすぐに怒るのよ。それを、織斑君は知らずとは言え秋が一番気にしてることを言ったの」

 

スコールは画面に映っている一夏を、哀れむような目で見ていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あちゃ~、あの白い人終わったすわ~」

 

「どういう意味ですの?」

 

観客席のVIP席。そこには中学生程の少女3人が座っている。ネコミミをイメージしたカチューシャをした着けた少女がそう言うと、隣に座っていた金色の髪を縦ロールにした少女が聞き返す。

 

「自分、1年間だけとはいえ会長と生徒会で一緒でしたから分かるんすよ。今の会長もの凄く怒ってるすっわ。ああなったら会長を止められるのは遊佐先輩と会長の家族ぐらいじゃないっすか?」

 

「しかし、あの会長殿に何をしたらあんなにお怒りになるのでござるか?」

 

ネコミミカチューシャの少女とは反対側の席に座っている髪をポニーテールに括っている少女が問う。

 

「大方、会長の家族のことを馬鹿にしたんじゃないっすか?会長、ファミコンですし」

 

ネコミミカチューシャの少女は1人納得したように頷き、秋の猛攻にさらされている一夏を見る。

 

「あの世界初の男性操縦者さんは初戦で敗退確定すわ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ガギィィィィィ!!

 

 

一夏は自分の顔面に襲い掛かって来た白刃を寸でのところで雪片で防ぐことができた。

 

「おっらぁ!!」

 

秋はそんなことをお構い無しに、防御の上から力任せに押しきる。

 

「そんなこと・・・・・!」

 

秋は俯きながら呟く。

 

「そんなこと・・・・・お前に言われなくても分かってるんだよ!!!!!」

 

秋は雪片を跳ね上げて、一夏の横腹を蹴る。

 

「“偽物の家族”!?ああ、他人のお前にはそう見えるだろうな!!でもな、俺にとって家族は“高町”なんだよ!!平凡な家族で、小さな喫茶店を経営している!!それが俺の家族だ!!“世界最強(ブリュンヒルデ)”を姉に持つお前には分からないだろ!?平凡な家族の素晴らしさを!!」

 

秋の怒りの叫びがアリーナ全体に響く。

 

「お前に分かるか!?血が繋がっていない子供の為に頭を下げてくれる母親の素晴らしさが!!実の子供の様に接してくれる父親の素晴らしさが!!本当の弟の様に接してくれる兄姉の素晴らしさが!!お前に分かるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

そして、一夏を囲むようにシールドビットを配置する。それは正に鳥籠の様に。

 

「カートリッジ!!」

 

〈Ready〉

 

“紅蓮”の柄のシリンダーが回転、3発消費する。本来なら刀身に流れるはずのエネルギーが、コートの赤いラインを流れて脚部装甲に流れていく。そして、赤い軌跡を残しながら、秋は姿を消した。

 

「ど、どこに行った・・・・・ッ!?」

 

一夏は辺りを見回す。だが、何処にも秋の姿は見えない。すると、一夏の頭上に影が落ちてきた。

 

「上か!!」

 

一夏はすぐに雪片を振るう。しかし、秋の姿は又も消えていた。

 

「がッ!?」

 

すると、一夏の後頭部に衝撃が走った。

 

「お前の攻撃は見え見えなんだよ!!」

 

秋は雪片が振られた瞬間に加速し、一夏の背後に移動して後頭部を蹴った。後頭部を蹴られた一夏は、蹴られた衝撃で前に飛んでいく。一夏は必死に体勢を立て直そうとする。だが、そんなことは秋が許さない。再度加速した秋は、一夏の前まで移動した。

 

「まだ、終わらせない!俺の家族を馬鹿にしたんだ!!お前は、俺が叩き潰す!!」

 

秋は“紅蓮”を鞘に戻し、抜刀の構えをする。息を軽く吐き、冷静になる。一夏は目の前まで飛んできている。

 

「御神流奥義ーーーーー薙旋(なぎつむじ)!!」

 

鞘から“紅蓮”が抜き放たれる。放たれるは必殺。敵を襲うは4連撃。

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

秋が放った“薙旋”により、白式の右肩の装甲と腹部の装甲が破壊された。一夏は再び後方に弾き飛ばされる。秋は一夏の上まで移動すると、縦に回転しながら、剥き出しの一夏の腹部に踵落しを決めた。

 

「ぐふっ!?」

 

一夏は蹴られた衝撃で地面に落下していく。

 

「カートリッジ!!」

 

〈Exceed Charge〉

 

柄のシリンダーが回転、残っていたカートリッジから赤色のエネルギーが刀身に流れていく。

 

「ゼラァ!!」

 

一夏に向けて、赤色の斬撃を飛ばす。斬撃は一夏に命中、落下速度が上昇して、勢いよく地面に激突した。

 

「ぐっ・・・・・!!かはっ・・・・・!!」

 

一夏は呻き声を上げながら、立ち上がろうとする。白式の装甲は罅割れ、今にも崩れ落ちそうになっている。だが、その手には雪片が握られている。

 

「・・・・・・・・・・」

 

秋はそんな一夏を見下ろしながら、シリンダーから空薬莢を排出、“拡張領域”から新しいカートリッジ6発を装填する。すると、“ウィザード”のハイパーセンサーにウィンドウが現れた。

 

〈戦闘経験値が一定に達しました。システム制限を解除します〉

 

(システム制限?そんなのがあったのか・・・・・)

 

秋がウィンドウを見ていると、“紅蓮”のシリンダーが勝手に回転、カートリッジを3発使った。

 

〈COMPLETE〉

 

赤色のエネルギーがコートの赤いラインに流れ込んでいく。エネルギーは激しく流動し、赤色のラインが銀色に変化した。

 

〈この形態は10秒間の間、1000倍の速度で動くことができます。ただし、10秒以上は操縦者に負担を掛けるため、強制的に停止します。カートリッジを使用することで、各ソードピットにエネルギーを転送し、対象を拘束、ポイントします〉

 

(まんま、仮面ライダー555のアクセルフォームじゃないか)

 

秋はウィンドウを読み終わると、“紅蓮”を構えた。

 

〈START UP〉

 

電子音声が鳴る。すると、秋は銀色の軌跡を残して瞬時に移動、一夏を蹴り上げた。

 

「・・・・・・・・・・えっ」

 

一夏は何が起こったのか理解できなかった。秋のISの色が変わったと思ったら自分は空中に浮いていたのだ。理解しろというのは酷なのかも知れない。そして、秋は一夏に向かって“紅蓮”を投擲した。

 

〈Exceed charge〉

 

電子音声が一夏の耳に届いた。目の前には赤い円柱状の光を放つ“紅蓮”が。辺りには8つのソードピットから赤い円柱状の光が一夏を捕捉していた。

 

「終わりだ・・・・・!」

 

秋の言葉が聞こえたと思ったら、ほぼ同時に(・・・・・)衝撃が走った。白式の装甲は8割が砕け、左側のスラスターは完全に破壊された。

 

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

秋は一夏の前で浮いている“紅蓮”を蹴った。“紅蓮”は秋が蹴った勢いで一夏の元に飛んでいく。

 

「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

一夏は雪片で飛来する深紅の刃を防いだ。秋が蹴り押す紅蓮と、一夏の雪片がぶつかり合う。赤色のエネルギーが渦巻き、周囲を凪ぎ払う。

 

「届けえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

〈Exceed Charge〉

 

シリンダーが回転し、残りのカートリッジを使いきる。赤色の渦はより一層強くなる。そして、雪片の刀身に罅が入る。罅は次第に大きくなり、ついに、雪片は刀身の真ん中から折れた。紅蓮は一夏の腹部に食い込む。

 

「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

そのまま一夏を地面に叩きつける。一夏は気絶し、白式は大破していた。

 

『お、織斑一夏!白式!戦闘不能!高町秋、更識簪の勝利!!』

 

アナウンスが掛かる。そして、生徒達の歓声が響く。

 

「・・・・・・・・・・」

 

秋は紅蓮を拾うと、さっさと出てきたビットに戻っていった。

 

「秋・・・・・」

 

簪は秋の後ろ姿を見ていることしか出来なかった。簪には、秋の後ろ姿が今にも消えてしまいそうに見えた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なにしてんだろうな・・・・・俺」

 

アリーナ裏のベンチに俺は座っている。このベンチは偶然見つけた。ここには殆ど人が来ないから、ゆっくりできる。

 

「秋」

 

「・・・・・スコール」

 

入口にスコールが立っていた。その手にはファイルを持っている。

 

「隣、座るわね」

 

「ああ・・・・・」

 

そう言えば・・・・・スコールと2人だけになるのは初めてだな。

 

「俺さ・・・・・変わったと思ってたんだ。子供の頃から力の制御が出来なくて母さんと父さんに迷惑ばっかりかけて。その度に母さんと父さんが謝ってくれた。それが嫌で、父さんに力の制御の仕方を教えてもらったのに・・・・・家族を馬鹿にされただけでこれだ。父さんに会わせる顔が無いよ」

 

本当に嫌になる。こんな姿、なのは達には見せられないな。すると、スコールに引っ張られ、横にされた。しかも、膝枕でだ。

 

「私は秋の子供の頃を知らないわ。でもね、貴方の努力は知ってるつもりよ。勉強も翠屋の手伝いも、生徒会長としても。貴方、イベントの度に夜遅くまで考えてたでしょ?」

 

「どうしてそれを・・・・・?」

 

「貴方の部屋の扉が開いてるのが気になって、少し覗いちゃったのよ。気持ち良さそうに眠ってたわよ?」

 

もしかして、毛布をかけてくれたのって母さんじゃなくてスコールなのか?

 

「だから、自分をそんなに卑下する必要は無いわ。自分に自信を持ちなさい」

 

スコールに頭を撫でられる。普段から俺が撫でる側だから少し恥ずかしい。

 

「2回戦まで時間があるわ。少し寝てスッキリしなさい。時間が来たら起こしてあげるから」

 

「ありがとう・・・・・スコー・・・・・ル・・・・・」

 

頭を撫でられる気持ち良さと、日の光が暖かくて、すぐに眠ってしまった。

 

「ふふ・・・・・おやすみなさい、秋」

 

完全に眠る前にスコールの優しい声が聞こえた気がした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ふふ・・・・・可愛らしい寝顔ね」

 

普段からこんな顔をしたら良いのに。・・・・・食べちゃいたい。さてと・・・・・。

 

「いつまでそこに居るつもりなのかしら?」

 

「あちゃー、気づいてました?」

 

木の裏から1人の女生徒が出てきた。制服はIS学園の制服ではなく、秋が通っていた学校の制服だ。

 

「その制服・・・・・秋が通っていた学校の制服よね?」

 

「あ、会長から自分のこと聞いてません?自分、会長の後輩で生徒会の会計をしてた小鳥遊自由っす」

 

小鳥遊自由・・・・・寄せ書きに名前があったわね。

 

「いつから自分に気づいてました?」

 

「偶然よ。貴女、気配を消すのが上手ね」

 

「自分、こう見えてもメイドの端くれなんで。お嬢を守るために鍛えてるんすよ」

 

謙遜も良いところだわ。でも、まだ未熟ね。一瞬だけ気配が現れたわ。

 

「それで?貴女はどうしてここに居るのかしら?」

 

「傷心の先輩を慰めてあげようと思った後輩の優しさっすよ。ま、無駄足みたいでしたけど」

 

彼女はそう言うと、アリーナの入口歩いて行く。

 

「1つ聞いていいかしら?」

 

「なんですか?」

 

私の勘が正しければ彼女も・・・・・。

 

「貴女、秋のことが好きなの?」

 

「そうすっね・・・・・会長は自分の初恋すよ。叶わない初恋でしたけど」

 

彼女はそれだけ言うと、アリーナに戻っていった。

 

「まったく・・・・・。貴方はどれだけの女性を落としたら気がすむのかしら?」

 

私は、私の膝の上で寝ている秋の頬をつついた。




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