トリニティセブンと幽波紋使い   作:無邪気な邪気

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今回ちょっと自分で想像したら怖くなったところがあるのでお気をつけあそばせ。
気まぐれ程度のシリアス回。


血筋の力と言葉の力

「大量殺人者!? 魔の血族ってどういう事だ!?」

アラタが混乱している。当たり前だね。でも、これで話さざるを得ない。やれやれ、ホント泣けるよ。少し吹っ切れた。

「…ふーん、ユズルはまだ話していないんだ。 ま、いろいろあるからね。 私が話してあげてもいいけど? ユズル…」

「“覚醒”」

言葉を遮る。こうなれば、すぐに終わらせられる。みせてあげようか。太古から続く魔の血族の能力。

「アラタ、『俺』を見せてやるよ。西城ユズルじゃあない。本当のチカラをさ。んで…」

リーゼに目を向ける。気を引き締めたって感じだけど、まだ勝てると思っている。

「実験台になってもらおうかな。」

「怒らせちゃった? 魔王候補クン、よく見ておいた方が良いわよ。他の皆も。ユズルの本気なんて滅多にみれないから。」

そうだね…レヴィには一回見せたっけ。ミラとねーちゃんにも。

「いくよ。 “目標設定” “束縛” “領域”-」

攻撃相手を定め、相手の動きを封じ、攻撃を封じる。リーゼの身体は白い光に束縛され、黒い立方体で囲まれた。一瞬だし、俺は口しか動かしていない。

「やっぱ…コレヤバッ… 成長しすぎ…」

「で、アラタ。分かった?」

「速すぎて何がなんだか…」

だろうね。ちょっとやり過ぎた感あるもん。

「まぁ、ばらしちゃうっスけど。ユズルは言霊の使い手なんっスよ。」

「そうそう。魔力を言葉に宿らせるんだよ。喋った事が現実になるんだ、簡単に言うと。」

「それはスゴいな…」

「ま…大量殺人とか、魔の血族とか…言霊とも関係してんだけどさ。学園長にでも聞いてよ。」

学園長なら知っているだろうし… 能力も近いからね。

『言霊のにーちゃん、あいつ、言霊で創った束縛やにーちゃんの領域の黒い箱を崩壊させてるぜ?』

あ、ホントだ。もう抜け出してる。リーゼすげぇ。

「ハァ… 魔王候補クンの魔力を貰わなかったらヤバかったーっ。成長したわね、ユズル?」

「まぁ。そっちも、崩壊現象で俺の領域を壊すなんて。俺の領域内が崩壊しただけでよかったよ。今は魔力が高いらしいから、倒すのは骨が折れるね。また襲って来られると嫌だしさー、“魔力崩壊” ちょっと不安定にしてみた。」

まだ言霊を使う魔力は残ってんだよ。これでしばらくは襲ってこないでしょう。

「ッ! やっぱりあなどれないわー… こうなったら退くしかないけど、仕返しくらいはしていくわよ!」

パチンと指を鳴らし、瞬間移動で帰っていった。仕返しって何なんだろう…

ビリィ…

背後で皆のメイガスモード強制解除…変態魔術の音を感じたとき、元の図書館に戻ってこれた。

「ユズルー!!」

「俺かよ!?」

リリスから理不尽な怒りを受けた今日この頃。

 

 

学園長室にて

「ユズル君が何者かを知りたい?」

学園長と、アラタ、リリス、ユイ、アリンが集まっていた。

「ユズルがリーゼと闘っているとき、言ってたからな。学園長なら知っているだろうって。」

「大量殺人者であり魔の血族とか言ってたわ。」

「お兄ちゃんからそんな話初めて聞いたよ?」

「私も、ユズルさんはあまり自分の話をしないので…」

アラタ達は知っていそうなミラやレヴィ、アキオに聞いたが、断られてしまったのだ。

「うん、軽々しく扱えない話題だからね。彼が僕に話せって言ってたし、教えてあげるよ。

彼はね、魔女の血族なんだ。とても力のある血筋。」

「だから…魔の血族?」

「恐らく。最近の血族は魔力が低下していって…自分が魔女の血族だと知らないんだ。そんな中産まれた彼は血族の中でも二番目の魔力量。彼が魔女としての力を使って調べた事だ。」

学園長は、とある場面を思い浮かべながら話した。

「…何年か前に、一つの小学校で自殺した生徒がいるんだ。公にはされていないけどね。」

「あー… いじめってやつか?」

「いや、違う。なぜなら、自殺した生徒は738人。たった一人を除いて全校生徒全員だ。生徒達は放課後の教室で、首を吊っていた。全員同じ時間に、同じ方向を向いての集団自殺。」

「その一人って…」

「ユズル君だよ。両親が居なかった彼は、言葉の暴力を受けていた。そして、血族でも魔力が高くないと使えない…言霊の力を無意識に使ったんだ。魔導書を持たずして使えるのは、彼が魔女の血族だからだろうね。魔女の呪い。それは言霊に酷似しているから。

僕が教えるのはここまでだ。早くユズル君に会っておいで。彼は言霊を知られた事にショックを受けているから。」

 

 

 

 

『こいつ、親に捨てられたんだ』

『こいつが親を殺したんじゃないのか?』

『お前も親のいるところに逝っちゃえよ』

起きた。悪夢。気分が最悪だ。はぁ…あいつらは、大量の言葉で俺を殴ってきたのにさ。俺がたった一言で殴ったら、すぐに壊れた。

…ん、ミラに呼ばれてたんだ、そういえば。起き上がって、パーカーを羽織る。

 

アラタ達は、俺の事を知っても、変わらずにいてくれるかな。




ユズル君にも嫌な過去というのがあるのです。言霊の設定考えてるときに学園長と被っててビビった。あと学園長とユズルの話し方が似てるような気がしなくもない。
シリアスなんて書いてて楽しくないのでこれからはほとんどないと思います。空想しているときは楽しいのにね。
ふと思い付いたんだけどユズルに媚薬飲ませてみたい。一回レヴィに飲まされてるらしいけど。
番外編とか書こうかな。
これからは投稿が2、3週間ないかもです。忙しくなりそうなので。
感想や評価等頂けるとこれからの物語制作に参考になるので宜しければお願いします。

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