黒い太陽が出現し、物質が粒子となって消えていく。多分、保健室の外では物質だけじゃなく、魔力の弱い生徒すらも消滅してるんだろうな。今のところトリニティセブンや俺は大丈夫だけど。崩壊現象ってのは何が起きるかよく分かんないからねぇ。
「崩壊が…停止させられている…」
アリンの呟きに反応して、辺りを見回す。黒い粒子が空中で止まっている。…やっぱり強いなぁ。
「私の魔術で同等の崩壊の魔術をぶつけ、中和しています。」
ミラの魔術が強いのか…アラタが魔王候補としてはまだ弱いのか… 両方だろうけど、魔王候補の暴走にかなう魔力なんて普通じゃない。さすが
「私の
おぉ~ 格好イイね。拍手したらミラに睨まれた。何故だ。
「…アキオ。彼を殺してください。この男が崩壊現象の起点です。」
「あっさり言ってくれるぜ。」
アキオの右足に光る文字が現れる。んー…
「ッ! 体が動かないわ!」
「ミラの魔術の拘束を破るなんて無理だねー。…アリン、諦めた方が良いよ?」
実際、俺も動けないし。ただ…能力は使えるけどね。
「悪く思わないでくれよ…恨みはないが…
魔を打つのが私の役目なんでね!」
瞬間、保健室の壁が壊れる音と共に、アラタの魔力が消えた。
「さて、仕事は終わりました。帰りましょう、アキオ。」
「…いや、ちょっと待ってくれよ。大将。」
「何ですか?」
「ユズルが何もしないってのは、違和感があってな…あのにーちゃん、友人だったんだろ?」
あれ、バレたか。
「いや、ねーちゃんは鋭いね。…アラタがこの程度で死ぬような奴だったら、俺はこんなところに出てこないよ。居心地の良い俺だけの世界を抜け出してまで、アラタに会いに来たんだ。」
ま、今回のは完全に運が良いだけだけど…運も実力のうちってね。
「…つまり生きているの?」
「そのようですね。崩壊現象が終わっていませんし。」
ミラに再度睨まれる。またかよ。やっぱ俺嫌われてんのかなぁ。
「俺は何もしてないよ。ちょっと未来を読んで、アラタの生死を確認してただけ。俺も少し危ないし。」
崩壊現象で保健室の床が粒子になっていく。このままどこに落ちていくのか実験してみるのも良いけど、やることもあるからね。ストレイキャットの能力を使って、空気の塊で足場を作る。ミラ達は魔術の障壁でしのいでいるようだ。崩壊現象って…気体まで粒子にならないよね。そうなると冗談抜きヤバいんだけど。足場無くなるし。
「あー。…ミラ、ちょっと聞いて欲しいんだけど。」
「…なんでしょうか。」
「アラタがもうそろ帰ってくると思うんだけど。帰ってきたアラタを攻撃しないで欲しいんだよね。多分…アイツの力で崩壊現象を止められると思うんだ。それで駄目なら、俺が止めるし。」
魔力でちょっとアラタを抑え込めば、崩壊現象も消えるでしょ。
「…良いんじゃないか? 大将。ユズルの能力もあるし。…何よりも、ユズルから膨大な魔力が滲み出てる。ここであのにーちゃんを殺せば、ユズルが何するか分かったもんじゃないぜ。」
「…仕方ありません。」
おやおや。なんか脅してるみたいで嫌だなぁ。とりあえず分かってくれて良かった。
そんな事を考えていると、ミラ達の立っている床にヒビが入り、破壊される。床から出てきたのは、この崩壊現象を引き起こした張本人、アラタだった。ま、知ってたけど。
「アラタ遅いよ。…で、テーマは決まった? さっさと崩壊現象を止めてくんないと、死ぬんだけど。」
「なんでそんな事まで分かってんだよ… とりあえず、そこそこスタイルの良い女の子にヒントをもらったからな。おい、魔道書!」
スタイルの良い…ユイだろーな。多分。ま、ミラも分かっているし、そろそろエピタフも解除しようかな。
『あん? もう決まったのか?』
「あぁ。俺のテーマが気に入ったら力を貸してくれよな。」
『いいぜっ! 気に入ったらな! さぁ言えよアラタ!』
「おう。俺のテーマは― 支配だ。」
ガシャァンッ!!
魔道書の鎖が解かれ、バラララッとページがめくれる。
なかなかあってんじゃん。アラタが一番やらなそうで。魔王候補が支配ってのも格好イイしねぇ。
『はーハハハ! 確かにお前の心、存在、魂の意味、それは真に
「…アラタ、パパッと終わらせてよ。俺の出番なんていらないからさ。」
「おうよッ!
ドゴォッ!と激しい音と共に砂煙が舞う。
「おぉ。さすが… なかなかやるじゃん。」
「アラタのメイガスモード… すごい魔力…」
良いなぁ。欲しいなぁ! アスティルの写本!
「ここに溢れる全魔力を支配して打ち消すぜ! 崩壊現象だかなんだか知らねーが消え失せろ!」
瞬間。崩壊現象と共に俺とアラタとミラ以外の皆の衣服が弾け飛んだ。
「きゃぁぁぁ!」
「なんだこれ! すっぽんぽん魔術かよ!」
「これは…」
あーらら。らしいと言えばらしいが…
「魔術や魔力が消えるワザ… メイガスモードの強制解除か… やれやれ。スケベも魔術にまで及ぶと馬鹿にできないね。」
アラタが後々秘奥義とか開発したらそりゃーヤバそうだね…
「行きますよ、アキオ。」
「お、おい待てよ! 何でお前とユズルは大丈夫なんだよ!」
「だって俺…魔道士じゃないからメイガスモードじゃないし。服を魔術で作成してる訳でもないし。」
「私は嫌な予感がしたので…彼の魔術を水晶で反射させました。…今回は退きますが、次こんな事があったら許しませんから。」
保健室の扉がピシャリと閉じられる。アラタの魔術に気を悪くしたのかな?
バリィッ
あ… ミラが反射させた魔術がアラタに帰ってくるとは…
「ま、骨くらいは拾ってやるから、安心して殺られなよ。」
リリスにね。
「アラタァァァ!」
「ぎゃぁぁぁッ!」
なんだかんだで平和だなぁ。やれやれ。
今回のスタンド
エピタフ(墓碑銘)
額に付く顔のようなスタンド。未来を読むことができる。
今回は疲れました…
重要な場面では原作の台詞を多くパクる事になってしまい、好ましくないんですよね…
まぁそれをなんとかするのが作者の仕事なので、頑張ります
それと、傲慢や書庫の振り仮名、鬱陶しくないですかね?
意見くださるとうれしいです。
感想やアドバイス、評価等頂ければ書くのがより楽しくなりますので、どうぞよろしくお願いします。