収拾をどうつけるかは未確認です。
「それじゃ、今日はここまでー!」
公園のベンチで相も変わらず所在なさげに座っている俺の耳に、そんな威勢のいい声が高らかに響いた。
どうやら、今日の撮影も終わったらしい。
メイクの女性、カメラを抱えた男性が、噴水の方で行き交っている。
「……終わったか」
ベンチから腰を上げて、読んでいた本を閉じる。
立ち上がったまま噴水の方を見て、近くにいる人たちに頭を下げるアイツの姿を見た。
その表情がまた、ちょっと遠くのここからでも完璧で――
(……何だか、人形みたいだな)
どこか失礼じみたことを思うのも、いつものことだった。
ともあれ、撮影というのは思った以上に神経を使うのだろう。
モデルなんて職業は俺からは全く縁遠いものだけど、大変さだけは何となく分かるつもりだった。
「――あ。今日も来てたんだね」
「あ、どうも」
そんなことを考えていたら、近くから聞き覚えのある声がした。
聞いただけで爽やかということが分かる、男性にしてはちょっと高めの声音。
見れば、やはりそこにいたのは、茶髪のカメラマン(見習いさんらしい)だった。知り合ったのは、この前のアイツの撮影の時だったから、これで二度目の会話になる。
ペコリと頭を下げる俺に、ニコニコと微笑んでくれた。何とも爽やかなその顔つきは、いかにもモデルに関わってそうなタイプといえそうな感じだった。
「暑いのに、お疲れ様。大変だったんじゃない?」
「まぁ、そうですね……でも実際、アイツの方がキツかったでしょうし」
頭を上げ、チラッと俺は遠くを見る。
そこではマネージャーさんと打ち合わせらしきことをしているアイツ――大宮勇の姿があった。
そうしていたら、カメラマンさんは「へぇ……」と意味深な表情を向けてきた。
「どうかしました?」
「いや――なるほど、幼なじみってのは本当だったんだね」
合点がいった、という風に頷くカメラマンさんだった。
俺はそんな彼に「いや、腐れ縁ですよ」と、ごまかすことにした。
「ふーん……いつから?」
「それは、小一の頃から、ですね」
「――その付き合いで腐れ縁なのかい?」
「ま、まぁ……」
まずい。さっきから微笑ましそうに話しかける彼に、俺は間違いなくからかわれている。
「少なくとも、きみの言葉だけなら――それは最早」
「幼なじみ、ですよね? カメラマンさん?」
俺が焦って何を言おうか考えていたら、散々聞いてきた声がした。
彼女は髪を翻しながら、俺たちのすぐ近くに立っている。
俺と目が合うと、クスっと笑ってきた。俺はそれに不覚にもピクッとしてしまった。
アイツがニヤニヤし始める。今日の帰りでのアイツのからかいネタは決定だ……。
「まぁ――翔って、昔から素直じゃなくて、ですね」
「ふーん……まぁ、勇ちゃんが言うんなら、そうなんだろうね。ツンデレかぁ……」
「お、おい、勇! なに言ってんだ」
「へ? 翔、否定できるの?」
「そ、それは……」
うぅ……相変わらず、勇には敵わない。
俺が何を言おうとしても、そもそも言葉の正当性とか以前の問題として、あの立ち居振る舞いに散々やられてきた十年間だったんだから。
ほら、また口元に手を当ててクスクスと……見慣れたし、そのことが何だか悲しかった。
「――いやぁ、仲良しだねぇ。二人は」
「い、いや……まったく」
「え? 翔、何て言いたかったの?」
あくまでも微笑ましそうなままのカメラマンさんに対し、主張しようとした俺に被さる挑発的な声。
そうでありながら、何だか純粋に楽しそうだから、カチンとは来ないような絶妙なバランスの声。
――俺と大宮勇との関係は、大体こんな感じなのだった。
「3、2、1……」
「はい」
帰り道。
カウントを取る俺と勇との間で、光が煌めいた。
手持ちのカメラに、ちょっとした揺れのようなものを感じる。撮った後は、いつもこんな感じだった。
「どうだった?」
「こんな感じ」
ちょっとばかり駆け足の調子で俺の元へとやってくる勇に、ついとカメラを寄せる。
デジタル式のカメラのスクリーンには、さっき撮ったコイツの写真が写っていた。
「ふーん……前より身体の重心は良くなった、かな?」なんて、専門的(?)なことを呟く勇に、画面を見せ続ける。
河原をバックにして、ちょっとばかり写真を撮るということは、もはや慣例化していた。
最初に、これを始めたのは――何だか、覚えているようで覚えていない。
えっと、あれはたしか……。
「うん、ありがとね。翔」
「……参考には?」
「まぁまぁ、かな。前よりは上手くなってくれたね、写真撮影」
「――そりゃ、今日お前を撮ってくれたようなプロには敵わないけどさ」
「あれ? ヤキモチ?」
「うっさい」
カメラを返すまでに、俺たちはこうして軽口を叩き合う。
お互い、それなりに長い付き合いだからか、相手が何を言おうとしているのか何となく分かる。
そして、それに対してどんな反応を返せばいいのか、ある程度わかる所もあった。
ほら、相変わらず……俺が折れて、勇が笑う。この「上下関係」を初めて意識したのは、いつだったか――
(……いや。下手すると、小一の頃からという結論になりかねないし、考えるのはよそう)
何だか、こうして隣でニヤニヤと笑っているコイツと歩いていると、色々と悲しい気分になる。
だって――俺が、勇に強く出られたことなんて、ただの一度も……。
「ねぇ、付き人さん? 私、ちょっと……ポカリ飲みたいかなって」
ほら、調子に乗って、攻めこんできた。
俺の右下から、上目遣いでからかってくる勇。
……しかし、コイツの身長は高い。
さすがモデルと感心する前に、下手すると大学辺りで抜かされるかもしれない――いや、さすがに170台には、と思いたい。
「自分で買ってくれ。モデル代入るんだろ?」
「えー……後払いだしねー」
「まったく」
ゴソゴソとバッグを探り、「ほら」と俺は水筒を取り出した。
クーラーの包みを掛けているから、ひどく温まっていることはないだろう。
「――ケチだね、相生翔(あいおいかける)くんは」
「うっさい、大宮勇。お前は少し、遠慮を知ってくれ」
「ごめんごめん。感謝してるわよ、これでも」
そんなやり取りの後で、勇は水筒の蓋を開け、クイッと飲んだ。
太陽に照らされる河原の土手を歩きながら水筒を傾ける、悔しいけど認めざるをえないスタイル抜群の女子高生。
思わず、肩を竦めてしまう。コイツは意識もしてないのに、こんな振る舞いが出来てしまう――
(……ホント、『天は二物を与えず』なんて大嘘だ)
思わず天を仰ぎ、神様に恨み事でも言いたくなった。
持っている人間は、二物も三物も、はたまた……何物も持っている。
ほら、たとえば――
「……なに、翔? もしかして、口付けちゃってた、とか?」
水筒から口を離した後、異性を思う存分にからかってくる、隣の女子とか。
コイツの何が卑怯って、容姿は言うまでもないながら、声まで隙がないことだ。
その声でからかわれると、落ち着かない気分になってしょうがない。
しかも、そんな勇の「技」の磨きっぷりは、年々益々凄くなっていくんだから――十年以上、何だかんだで一緒にいても慣れないことこの上ない。
「――もし、そうだったら?」
「うわー、翔と間接キスだー、困ったわー」
棒読みまで堂に入っているという、ムカつかせっぷりだった。
「……俺、先に帰るわ」
「うそうそ。ふふっ、怒らないでってば、もう……」
テクテクと足を速めると、後ろでクスクスと笑う声がした。
そこには焦りとか何にもなく……「どうせ、折れるのは向こうね」という確信めいたものまで感じさせてくれた。
ああ、チクショウ――
――その付き合いで腐れ縁なのかい?――
(ああ、そうですよ。カメラマンさん……)
ズカズカと歩きながら、俺はさっきの爽やかな男性を思い浮かべた。
そうです。俺は、あなたみたいに余裕があるような振る舞いを見せられません。
だから、こうして――
「あ、翔ー? そこでアイス売ってるんだけど……ねー?」
――ずっと昔から、腐れ縁たる彼女に……こうしてからかわれ続けているんですから。
――翌日。
「起立、礼!」
委員長の号令に従い、俺たちは頭を下げる。
その後、一気に教室内が賑やかになった。
「今年、海どうする?」「ああ、でも……受験じゃん?」「えー、つまんなーい」といった言葉が、俺の耳から耳へとすり抜けていった。
――二つ目に通りすぎた言葉が、俺をちょっとばかり複雑な気分にしてくれる。
「……受験、ねぇ」
「相生くん、お疲れさま」
立ち上がったままふと呟くと、近くに小柄な女子がやって来ていた。
勇の友達――白川湊だった。
彼女はにこやかに俺を見つめている。
「あ、ああ。白川も、お疲れ」
「え? 何が?」
「い、いや……あれだろ? 校長の話、ダルかったもんな。だから――」
「もう、違うよ相生くんったら」
俺がわけがわからずにいると、目の前の女子は俺の混乱度を上げてくる。
いやいや――それじゃ、何が「お疲れ」なんだ?」
「ほら、アレだよ。また勇の付き添いしたんでしょ?」
「ま、まぁ――そうだけどさ」
「それがお疲れ様ってこと。まったく……相生くんは勇絡みだと、ぜんっぜん素直じゃないんだから」
「いや、白川……さすがにそれはおかしいだろ」
俺が返すと、白川は腕を組んで流し目で、俺を軽い調子で睨んできた。
俺はというと、そんな彼女を見ながら「何だかおかしくないか……」と困惑の度合いを高めていた。
白川湊。
勇の友達で、小柄な女子生徒だった。
隣が勇だと、彼女の身長が――いや、あまり身長のことを言うのは失礼過ぎるか。
勇の友達、という縁で、俺たちは時折話す機会はあった。
といっても、たしか……勇が高一の時、俺とは別クラスで出来た友達とかだったためか、俺と関わる機会はあまりなかったりする。
ほら。それは例えば俺が高校で出来た男子の友人と話していると、勇がソイツに対してどこか距離感をにおわさせるような――
有り体に言えば「友達の友達」という関係だから、何だか話しにくい、ということだった。
それは、男子から女子に対しても、女子から男子に対しても同じことで、俺と白川の関係も例に漏れない。
しかし、今の白川はどうだろう?
目の前で何だかテンション高めの彼女は、もしかしたら、あの長ったらしい炎天下の下での校長講話で、ちょっとばかりおかしくなったのだろうか。
いや、煽りでも何でもなく、だとしたら心配だと思った。
俺が「し、白川……大丈夫か?」と心配そうに声を掛けようとしていると、
「あら、湊。翔と話してたの?」
「あっ、勇! うんうん。何だか……相生くんって、意外と面白いんだね」
「み、湊……な、何だか、テンション高めね?」
「そうかなぁ?」
……やっぱり、何かおかしいのかもしれない。
何がといえば、勇が戻ってきてから白川のテンションがまた上がった。
普段、一緒にいることの多い勇ですら、どこか引き気味な辺りで何だか嫌な予感がした。
後で思うと、この時の予感は相応に正しかったことになる。
「ね、ね? 二人とも……このアプリ、知ってる?」
おもむろにスマホを取り出して、俺たちの近くでポチポチと操作し始める白川。
俺も勇も、その勢いに圧倒されて、見つめるしかない。
果たして彼女が画面を見せてきて、
「これ? 今、流行ってるらしいよ?」
なんて言ってきた。
「――『チェンジャー』?」
「チャレンジャー、じゃなくて?」
「チェンジャー、だよ」
スマホを片手で見せて、ニコニコと満面の笑顔を浮かべながら、白川は言う。
表示されているのは、アプリストアだった。
そこのアプリ――「チェンジャー」と書かれた、何をしたいのかよく分からない感に溢れた説明文が目を引いた。
『これが、そこの彼も、そこの彼女も求めた、次世代型アプリ。
すぐにDLして、効果を確かめてみて?』
評価欄を見れば、投票者数は五桁に迫る勢いで、平均評価を示す星は満点の五個だった。
「感動しました」「おかげさまで、私も……」などといったタイトル文が並んでいる。
「……へ、へぇ。湊、スマホのアプリに、はまってたのね?」
「うん。勇には言ってたなかったけど……あまりに楽しいから、教えたくって」
「そ、そうなのか……へぇ」
ちょっとばかり引き気味の俺と勇と対照的に、白川はどこまでも笑顔だ。
何の邪気もない、自然な笑い。
(ど、どうする?)
(い、いや……な、何というか、ここでDLしないとダメなのかしら?)
(目の前の白川の表情を見てみろって。……何だか、悪い気しかしないぞ?)
(――そ、それじゃ、翔も一緒にやってよ?)
(勇も、ちゃんとやれよ?)
白川から少し身を引いて、俺たちはヒソヒソ話を始めた。
その合間にチラチラと見ても、白川は笑顔のまま――っていうか、そんな表情をしている所みたことないんだよな。
勇もキョトンとしている所を見ると、どうやら友達にも見せたことのない顔、ってわけで……。
「もう、二人とも? 仲良しなのはいいけど……どうするの?」
「ご、ごめんね、湊。だ、ダウンロードするわ」
「お、俺も……悪い、白川」
「わぁ、嬉しいなぁ……」
そう言って手を合わせてパァァと笑う白川。
それを見ながら俺の隣で、「おかしいわね、湊……夏バテかしら?」と小さな声で呟く勇が印象的だった。
その後、俺と勇は一緒にアプリサイトへ行き、それぞれのスマホで「それ」をダウンロードするのだった――
繰り返そう。
俺(と、おそらく勇も)が覚えた予感は、相応に正しかったのだ、と。
それが……俺たちを大いに揺さぶり、色々なあれこれを壊して――俺たちの全てを変えてしまう、あの数日の皮切りだった。
――ピピピ
「……朝、か」
カチッと時計を止めて、俺は伸びをする。
そして、見慣れた部屋を見回した。
何というか、我ながら無骨な風景だと思う。
本棚に入っている漫画棚、最近使っていないオーディオ、参考書の並んだ棚――
カーペットは暗色系で、俺があまりオシャレに興味がないという事実を浮き彫りにしてくれていた。
「……って」
なんで俺は、こんなことを考えているんだろう。
起き抜けで寝ぼけがちとはいえ、こんな取り留めのないことを考えたのは初めて――
「……ん?」
何か掴めそうになった感覚が、霧消した。
頭を掻きながら、さっきの感覚を思い出そうとする。
――まるで、何かに操られているような、おかしなそれを。
「――トイレ、っと」
気のせいだろう、多分。
そう思っておくことにして、俺は部屋のドアを開ける。
というか、何か怖かった。嫌な予感が背中を走っているような気がした。
……きっと、受験の総本山、とも言われる夏休みを迎えてしまったからだろう。そう思いたかった。
目覚まし時計を掛けたのも、早起きして勉強するというスタイルを作るためということが理由の一つだった。
ちなみに――
「……ふぅ」
トイレから出て、廊下を歩き、俺は部屋のドアを開ける。
何の躊躇もなく。
当たり前だ、ここは俺の部屋の――
「……あれ?」
「……はい?」
誰か、いた。
さっきまで俺のベッドがあった場所は何故か何の家具も置かれておらず、そこでこっちを向きながら服をたくし上げている女子だった。
女子、といっても見知らぬ相手じゃない。というより、よく見知った相手だった。
彼女は薄着の寝間着のまま、幸い下は履いたまま、上半身に着ているシャツをたくし上げていた。
これまた幸いというべきことに、ギリギリのラインで何とか……その下にあるものは見えなかった。
精々、ほんのちょっぴり紫色が見えただけで……というか、下からもちょっぴりそれっぽい色が――
「――え、え?」
この間、数秒。
実際、五秒にも満ていないかもしれなかった。
それくらい、頭が酷く暑く、思考回路だけが異常速度で働いて、だから――
「……き」
「わ、わるいっ!」
想定される悲鳴が聞こえる前に、俺はバタリとドアを閉めた。
そしてドアを背にして、うずくまってしまう。
(……な、何で、ここに)
よりにもよって――
「勇が、いるんだ……?」
と、そんな疑問が口を突いて出てきた後、さらなる疑問が首をもたげた。
さっき、最後に聞こえた声の後、当然続くであろう――悲鳴が、何故か聞こえてこない。
シーンとした扉を背にしたまま、何も起こらないことに逆に慌ててしまう。
「……え、ええ?」
吸い寄せられるように、俺は部屋のドアを開けた。
疑問を早く解消したかった。
しかし――目の前に広がる光景は、さらに、
「――俺の、部屋?」
俺の思考を混乱させるばかりだった。
さっき、女子――いや、勇――が立っていた場所は、普通にベッドが置かれていた。
間違いなく、俺が寝起きしているベッド、だった。
……どういうこと、なんだ?
「……」
無言のまま扉を閉めて、数秒待つ。
そしてスゥっと息を吸って吐いて――
「……し、失礼、し」
開けた瞬間、度肝を抜かれた。
ドアの真ん前で、寝巻き姿の勇が枕を抱えて立っていた。
それを上から振り下ろさんとばかりの構えで。
「――な、なんで」
プルプルと身体を震わせ、顔を真っ赤に染めたまま――勇は声を裏返しながら言う。
「なんでも何も……」と俺が言い返そうとする間もなく、
「か、翔が……ここにいるのよっ!」
振りかぶろうとする枕を、俺は何とか腕でガードすることに成功した。
いくら勇といっても、さすがに寝起きで動揺していると、普段通りの力は出なかったらしいことが幸いだった。
……いや、きっと。それに関しては、「男」の俺が勝ってしまうのかもしれない。
「お、落ち着け、勇……」
「ど、どうして、翔が――って! さ、さっき、見た、でしょ?」
俺のガードした枕を今度は自分の胸に持って行き、恥ずかしそうな振る舞いを見せる勇。
……というか、さっきから見ていて、目に毒だった。
薄着のまま派手に動く勇もそうだったけど――何より、
「……か、翔の、バカ」
どうすりゃいいんだ。
目の前でこんな表情をするコイツを、俺は見たことがない。
枕を持ったままうずくまり、目頭に水滴すら浮かべながら目線を逸らす――大宮勇なんて。
――どうして、こうなった?
いや、そもそも、この現象は……どういうことなんだ?
頭の中がグルグルと回りながらも、俺はひとまず目の前で俺とは比較にならないくらい動揺している勇を何とかしないと、と考えるのだった――
思いつきで走りましたが、そんなに時間はかけない予定です。
といっても、次回が早目に書けるかは未定ですが……。
ところで、赤面した勇を想像しにくいのですが、大丈夫なんでしょうか。
それでは。