仮想世界の刀剣戟《デュアルダンス》【凍結】   作:ドライグ

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悪夢の始まり

 

<シュウside>

 

俺が驚く(?)ような登場をしてからしばらくが経った。

例の二人が落ち着いた後、それぞれ自己紹介を済ませ今に至る。

 

そして、今は黒髪の青年もといキリトにスキルのほうを質問して答えて貰っている。

やはり『βテスター』だけあって情報量が半端なく、説明も実体験が入っていて分かりやすい。

それにソードスキルの発動の滑らかさといい回避の仕方といい舌を巻くほど上手い。

そこら辺のβテスターと比べたら、明らかに抜き出ているだろう。

 

ちなみに、バンダナ男もといクラインは今も尚ソードスキルの修行をしている。

 

 

「でも悪かったな、クラインの獲物を横取りして」

 

「いやいや、いいんだ。多分あのままだとジワジワあのモンスターに削られてたと思うしよ」

 

このクラインというプレイヤーは人間が出来ているようだ。

もうすでにリアルだと社会人かな?

そんなことを考えつつも、文句を言わなかったクラインに対して感謝を込めて返答する。

 

「そう言ってもらえるとこっちとしても助かる」

 

しかしここでキリトがクラインをいじりに入る。

 

「でもあのモンスターってスライム級だぞ、クライン」

 

「なっ!おいおいマジかよ〜てっきり俺はボスクラスだと.....」

 

「「んなわけあるか!」」

 

「で...デスヨネー」

 

ハモって言われたのがびっくりしたのか、返答が片言と化している。

 

ゴホン!、とこの気まずい空気を正すように咳払いをしたクラインは、今度は俺に対して質問を投げかけてきた。

 

「おいシュウさんよ、おめぇさっき初めてソードスキルを放ったんだよな?」

 

「ん、そうだけど」

 

「なのによぅ、なんで一発で成功させられるんだ?フツーは無理だろ」

 

「確かにそれは俺も思った。俺も始めの時は練習を何度も繰り返してやっとできるようになったし」

 

「そんなこと言われてもなぁー。出来ちゃたもんだから仕方ない」

 

ぶっちゃけなんであんなに上手く出来たか自分でも不思議なくらいだ。

だから、

 

「才能、じゃね?」

 

「.....あり得る話だな」

 

「羨ましい.....」

 

自分で言っておいてだが、無駄な才能のような気がするのは俺だけだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜10分後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラッッ!」

 

クラインの何度目かの声が響く。

それと共にクラインが持っている得物もとい曲刀から赤いライトエフェクトが迸る。

そして、それと同時にクラインの体がソードスキルスキル通りに自動的に動かされ、例のスライム級のモンスター『フレンジーボア』に向かっていく。

ザシュ!という音と共にモンスターに一閃が入り、敵のHPを0にする。

瞬間、フレンジーボアは水色の欠片となって爆散した。

 

「んんん〜〜〜〜〜ヨッッッシャァァァ!!!」

 

「.....うるさい」

 

「まあまあ、気持ちは分からなくもないからさ」

 

「.....別に俺も否定はしないけど、幾らなんでも過剰すぎないか?キリトも叫んだりはしてないだろ?」

 

「はは、確かに.....」

 

今だに興奮が冷めやらぬのか、クラインは跳ねたり変な舞を踊っていたりしている。

一度落ち着かせるために、そこら辺に落ちていた小石を拾い、クラインに向かってぶん投げた。

小石は見事頭にミートして、クラインから「いてっ!」という言葉が届いた。

当てられた本人は口を尖らせこちらを向いた。

 

「ったくなんだよ。喜びを噛み締めていたのによー」

 

「このまま行けば何十分もそうしてると思ったから」

 

「そんなに長くはしねーよ!」

 

「一応だ、一応。とまあ、お疲れ様」

 

「もう完璧だな」

 

「おう!ありがとな!くぅ〜、今だに決まった時の気持ちよさが抜けねぇ」

 

「踊ったらまた投げるぞ」

 

「もうしねぇよ」

 

くだらないやり取りながらも楽しさを感じ、笑いが出てくる。他の二人もそのようだ。

 

 

何気なく表示されている時計に視線を傾けると、もう17:25になっていた。

 

「で、どうする?このまま狩りを続けるか?」

 

「俺は.....まだ行けるぞ」

 

「おう!俺も!...って言いたいところだがよ、俺腹減っちまってよ」

 

そう言ってクラインは自分の腹を摩る。するとグゥ〜という音が聞こえたような気がした。

 

「そうだな。この世界の食べ物は空腹を紛らわすだけで、現実には全く反映されてないからな」

 

「俺はバッチリ五時半にピザを予約済みだぜ!」

 

「へぇ〜それはいいな。だったら急いだ方がいいぜ?」

 

「へ?何でだよ?」

 

「時計を見てみろ、時計を」

 

そう伝えてやると、クラインは視線をずらし時計のある場所を見た。

すると、

 

「ウゲェェェーーー!ヤベェェェーーー!後3分しかねぇ!」

 

と発狂した。

 

「ほら、俺らのことはいい。早くログアウトしろ」

 

「お、おう、サンキューな!んじゃまた!」

 

すぐさまクラインは右腕を振ってメインメニューを開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしいつまで経っても、クラインはメインメニューを開いたままログアウトしようとしない。

流石におかしいと思って声をかけようとした時、クラインがこう呟いた。

 

「ログアウトボタンが..........無い?」

 

その呟きは俺たちに衝撃を与えた。




はいどうも皆さん、こんにちは!ドライグです。

またまた二千字すら越えない文になってしまいました。
理由は、二話目の最後に入れる筈だったものを入れるのを忘れていました。
そのためもともと同じ話だったものがこうして分断されてしまいました。
申し訳ないですm(_ _)m

次回から頑張ります!

感想&評価お待ちしています!
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ではまた!
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