「母さん・・・」
そんな言葉が聞こえた気がする。
目を覚ますと隣に発声主がいた。
その発声主は耳が隠れる程度に短い茶色がかった髪に、形が整った綺麗な顔つきは近くで見なくてもとても美人でさりげなく人の気を引く魅力があるかもしれない。
そんな顔付きの少女は佐々木 葉子という。葉子は自分と知り合って既に10年目となる。
しかしそんな葉子の顔は幾筋もの涙で濡れている。もうこんな寝顔を見たのも何回目か・・・。
「母さん・・・・・・どこ・・・」
葉子は自分と一緒にかつては施設で暮らしていた。
なぜ施設に入っていたのかというと、親がいないからで、施設とは国が設置している保育施設だ。そんな施設で葉子と一緒に過ごしていたとき、一度だけどうして施設に来たのかを聞いたことがある。
それは葉子が5歳の時の話だ。葉子はいつものように家族と一緒に過ごしていたと言っていた。急に外からサイレンの音が近づいてきたかと思うと、見知らぬ男が家の玄関を破って侵入してきたらしい。最初に葉子の父が身を張り、刺されたそうだ。そんな中葉子の母も葉子のために身を張って、少しつかみ合いに持っていったそうだが刺され、その瞬間に警察が部屋に流れ込んできたと聞いた。しかし葉子の両親は病院で出血死し、祖父母も早々と亡くしてしまっていた葉子は仕方なく施設に来たと言っていた。
とても悲しくて怖くてひどい話だ。
いきなり入ってきた男に刺されて両親を殺されたうえに、その男は今も死刑が施行されるのを待って牢獄の中で生きているらしい。灼にとっても絶対に許せない話だ。
そんな葉子は施設や養子に取られてからも、たびたびベッドや灼と行動をしている隣で思い出して涙を流していた。最近では少なくなって少し安心していたが、まだまだ油断できない。
葉子は寝言は無くなったものの、涙がさっきよりも増えて伝う量が増えていた。
「葉子・・・」
灼は小さく呟いて葉子の頬の涙を自分の袖で構わず拭ってあげ、そのまま葉子の頭を軽く右手で寄せ、両手で抱きしめてあげた。
「ん・・・む・・・ん?」
葉子は異変に気がついたらしい。半分だけ目を開けて灼を上目遣いに見てきた。
「灼?・・・私・・・また?」
どうやら夢ですらうまく覚えてないらしい。少し困惑の色が顔にかかっている。
そんな葉子の言葉に灼は軽く首を上下に動かして返事をした。
葉子はその反応を見てすぐ離れようと身を動かしたが、灼は逆に葉子を抱きしめる力を強めて離さなかった。
「や、灼?ダメだよ。服濡れちゃうから・・・」
「葉子が安心するまでダメ」
灼の性格を知っている葉子だ。
灼の言葉を聞くと諦めて抵抗をやめた。すると逆に灼の胸に顔をうずめてきた。
それに答えるように灼ももう少し力を入れてギューとしてあげた。
「灼?ちょっと苦しいな」
葉子が文句を言ってくるが、そんなこと聞いてやらない。葉子が泣いてる時は私がしっかり支えてあげると決めているんだ。
数分経ったか・・・葉子はまたすぅすぅと小さな寝息をたて始めた。
「落ち着いたかな?」
灼は小さく呟いてその茶色がかった髪を優しく撫でつけ目を閉じたのだった。
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日が茜色の光を照らし始めた頃・・・既に閉店準備をしているカフェに一人の来客が来た。
茜色の日差しを背に受けて佇んでいるのは、灼よりも短めの長髪をピンク色のヘアピンで止めた水菜だ。
こんな夕方に水菜が葉子らを訪ねたのは灼の約束のせいだ。
午前中、体験入部のために部活動に行った帰り、灼と水菜は葉子に無断で夕方から出かける約束を結んだらしい。
「葉子さん、灼さん、お出かけしましょう」
そんな水菜の私服は可愛らしいフリルがついた。どちらかというとドレスっぽい服で、灼のように服+スカートの形ではなく、完全にそれ一着だ。
「わぁ!水菜ちゃん可愛い!その服とっても似合ってるよ!」
さっきまで常連のサラリーマンに閉店を知らせていた灼は水菜の姿を見るやいなや仕事をほっぽり出して、そんなことを言いに行ってしまった。
葉子はそんな灼に構わず一郎に出発していいかを訪ねた。
「おじい様、お先に上がってよろしいですか?」
一郎は笑って頷くと「行ってきなさい」と言った。
その言葉を聞いて葉子は「では」と告げて、カウンターの上に置いておいた葉子と灼の小さなカバンを持って、二人の下に歩いた。
「じゃ、二人とも行こうか」
水菜は笑顔で葉子に視線を送り「ええ」と言ったのだった。
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夕方の夕紅島市の町並みはとても綺麗で、三人いてもどこに行こうかと迷うくらいだった。そんな中三人は大きなデパートの衣服店にいた。
「葉子!葉子!これなんて似合うんじゃない?」
そう言って灼は真っ黒な会社のロゴが入ったシャツと、ポケットが2重になったデニムのショートパンツと、なぜかそんなに濃くないサングラスを持って角から現れた。
とてもスリムな肌の焼けたアメリカ人が来てそうな服だ。
灼よりも太めの自分が来ている姿なんて想像できないし、逆に灼が着たほうが絶対似合ってそうだ。
「私より灼の方が似合いそうだよ」
灼は「そんなことないよ!」っと言って、服を私に重ねてきた。
「うん、似合ってる!ほらほら試着してみて!」
灼は久しぶりの買い物でテンションが上がっているらしい。私の言い分など無視して、試着室に引っ張っていこうとする。
「葉子さん・・・これも着てみてくれませんか?」
どうやら私が試着することは確定しているらしい。
そんな水菜は正面から来た。その手には白い大きめのシャツと大人っぽいレースの茶色っぽいスカート、さらにシャツに少し隠れて見えなかったが、羽織用に見える茶色の薄着も持っている。
もはや中学生よりも大人っぽさを強調しているとしか見えない。
そんな二人に捕まり仕方なく葉子は着せ替え人形にさせられてしまったのだった。
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「あー楽しかった!葉子は似合う服が多いからどれにするか迷ってしまうよ!」
結局葉子は二人に2時間も着せ替えをさせられた上に結局買ったのは葉子の服2着だけだ。
灼は感嘆の声を上げながら「また行こうね」と付け加えて、水菜の顔を見た。
水菜も満足そうな笑顔を浮かべて「はい!」と言った。
そんな二人を横目に葉子は左手の腕時計を見ると、既に8時を回っている。
「もう8時だよー。これからどうする?」
「ご飯食べに行こう?あと銭湯にお風呂入りに行こ?」
食事については賛成だったが、銭湯については全く謎だ。
「でも、私着替えとかタオル持ってませんよ?」
灼はニィーと歯を見せて笑うと「心配しなくていいよ」と言って、自分の背負っている平たいバッグを開いてみせた。
中には葉子の衣類と灼の衣類2着分が入っていて、どうやったらそんなに圧縮出来たんだと思うような状態になっていた。
「着替えはちゃんとあるし、タオルは銭湯のおっちゃんが貸してくれるから心配はないよ!じゃ、食事のあとは銭湯に行くことに決定だね。ね?」
葉子と水菜は灼の提案におそるおそる頷き食事処を探すことになった。
夕紅島市第1通りにはたくさんの店が並んでいて、寿司屋や焼肉屋、和食屋に洋食屋、バイキングもあれば、ファミリーレストランまでもある。
そんな中で三人はラーメン屋に入る事にした。
葉子らが入ったラーメン屋は、チャーシューが半端じゃないくらい大きい、こってりしたラーメンが売りの店で、灼の行きつけの店でもあった。
「おっちゃん!今日は友達連れてきたよ!」
灼は奥にいる麺打ちをしている男性に手を挙げて声をかけた。
すると麺打ちをしていた男性は麺を打ちながら灼の言葉に返事をした。
「よぉ!灼ちゃん!また来たのかい!」
大きな声は店の奥から奥まで響かすのには十分すぎる。
三人はテーブル席に空きがないため、カウンター席に腰掛けた。
「どうぞ」
店の店員はとても応対が早く、席について間もないのに水を三杯置いて言ってくれた。
「ご注文お決まりになられましたら、呼んでください。すぐ応対させていただきます」
そう言って去ろうとする店員は、葉子達より身長が少し高めの高校生風の男性だった。
葉子達はさっそく手に手にメニューをとってどれにするか悩み始めた。
「灼、どれがおすすめ?」
葉子は行きつけの灼に聞いてみた。
「私はチャーハン定食をオススメするよ。あーでも、チャーシューラーメンにオリジナルメニューで角煮と背脂の追加したものも好きだなー」
葉子はそれを少し想像して腹の下が少しムズムズするのを感じた。そんなものを食べたらどれだけ体重が増えるかわからない。
「何よー葉子、どうせ体重がどうたらと考えてるんでしょ。運動するために食べたらそんなもの気にしなくてもいいんだよ?」
見破られていた。顔に出てしまったかと思い少し自分の顔を撫でると、灼は「くふふ」と笑った。どうやらカマかけだったようだ。
「私の勝ちだね。で、どれにするの?」
灼は勝ち誇った顔を浮かべながらそう言った。
「では私はこのラーメン定食をラーメン大とネギ多めの変更で注文しようかと」
灼は水菜を見て「お?水菜ちゃんも結構いけるほう?」とか言ってる。
それを横目に葉子も注文を決めて、店員を呼んだのだった。
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食事を終えるとお腹は満腹で、しばらく休憩しないと動けそうにない状態になってしまった。
灼は自分の膨れた腹を優しく柔らかい服の上から撫でながら横目で葉子と水菜を見た。
水菜は既に食べ終えて「ふぅー」と一息ついている。
その中葉子は、灼と水菜に意地を張って頼んだラーメン特大をチビチビと食べていた。
「もぉー、強がるからそうなるんだよ」
「べ、別に強がってなんかない・・・もん」
そう言いながら葉子は語尾を濁した。
葉子のラーメンの器にはまだ麺が4分の1程度残っていて、分厚いチャーシューもおまけ程度に半分半残っている。おそらく葉子が頑張って食べたのだろう。
灼がそんな葉子を見ていると、ラーメンの器を覗いて箸を進めないまま、葉子が今にも泣きそうな顔でこっちを見てきた。
「もう、わかったよ。食べてあげるからそんな顔しないで?」
灼はお腹が膨れているけど意外とまだその胃袋には空きがある。
灼が水菜と席を変わって葉子の隣に来ると、葉子は自分の器を灼の前に滑らせた。
葉子の使っていた箸を使って灼は葉子の残したラーメンを食べ始めた。
少し冷めて伸びていたが、味は濃いままで対して違和感なく食べれた。
灼はラーメンを秒速で片付けて「ごちそうさま」と手を合わせた。すると麺打ちのおじさんが気を利かせてか温かいお茶を用意してくれた。
「灼ちゃんやっぱりよく食べるねー。チャーハン定食のラーメン大、背脂多めチャーシュー追加を食べたあとに、残り物とはいえラーメン大をさらに食べるとは・・・今までで見た君の中で一番の食いっぷりだったよ」
「ふふ、ここのラーメンは好きだから何杯でもいける気がするわ」
灼が言うと麺打ちのおじさんは大笑いして「ありがとな」と言った。
「じゃ、二人とも少し休憩したらお風呂行こう!」
灼がそう言うと葉子と水菜は頷いて机に軽く突っ伏したのだった。
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ラーメン屋を出ると既に人通りが少なくなった道を進んで、隅っこにポツンとたつ銭湯に入った。
その銭湯は名前を夕紅島銭湯と言い、90年以上も営業されている立派な銭湯だ。
銭湯に入ると男と女の簾がかかった場所に出る。真ん中の小さい円形のステージには白髪が目立ち始めたおばあちゃんが座っている。
葉子達はそのおばあちゃんに300円ずつ渡して中に入った。
着替え場は結構広く着替えをいれる棚は60以上も並んでいる。
しかしそんな着替え場も9時半にはもうすっからかんで、今日は葉子達の貸切のようになっていた。
灼は自分のお腹周りを締めていた紐を解き、スルスルと服を脱いでいった。
自分の裸体はもう見慣れた。自分でも自負できるくらい運動できる体だが、服の下にあった白い体は日の下で走り回るよりも、家のなかで本を読んでいるっというほうがイメージが強い。
そう思いながら、灼は葉子と水菜をチラ見してみた。
葉子はまだ脱いでいる途中だが、既に露出した肌は灼よりもほのかに焼けている。灼よりも未発達な胸は、もしかしたら葉子の一番の特徴かもしれない。
水菜は既に服を脱ぎ肩にさっき渡してもらったばかりのタオルを体に巻きつけようとしていた。見えた体つきは、灼と葉子よりも豊かで健康そうだ。しかも水菜の胸はほのかにふっくらとした感じが見て取れて、灼は小さな劣等感を水菜に持ったのだった。
その気持ちを心の奥にしまって、灼は手拭いタオルを持って風呂のドアを引いた。
浴場は意外と広く、電気風呂や水風呂もあって昔らしさが損なわれておらず、とても不思議な気持ちで一杯になった。
そんな気持ちを持ちながら、桶に一杯湯を汲んで体に浴びせて、大きめの四角いお風呂に浸かった。灼が肩まで湯に浸かると、隣に水菜と葉子が入ってきて一緒に浸かることになった。
「気持ちいいねー」
灼は二人に対して感嘆の言葉を漏らした。
「うん、お腹もいっぱいだし。今日はとても幸せだね」
葉子も感嘆の声をあげた。
「はい、お二人のおかげで久しぶりに充実した日になりました」
水菜は二人に感謝の言葉を述べてきた。
そんな水菜に灼は少し歯を見せて意地悪な顔を作って言った。
「どういたしまして、ところで水菜ちゃん、私呼び捨てしていいかな?なんか水菜ちゃんって少し私の性格だと違和感を思っちゃってね。いい?」
水菜は笑って言った。
「どうぞ、いいですよ」
灼は「ありがと」と言って、言葉を続けた。
「水菜は・・・その私達よりもいい体付きをしてるけど、普段どんな生活をしているの?」
水菜は一瞬「へ?」と声を漏らして、灼の視線に気がついたらしい。少しずつ赤くなって返答した。
「や、灼さん・・・そんな、あんまり見ないでください・・・別に特別な物を食べてるとか、そんなわけじゃないですよ?至って普通の食事をしていますし、ちゃんと8時間以上ぐっすり睡眠もとっているだけの健康的なって母が言う生活ですよ?」
灼は「そう」と言って、わざとらしく葉子の胸と交互に見合わせて言った。
「葉子も話聞いてみたら?」
葉子は一瞬のうちに赤くなって「余計なお世話です!」と言って、プイッとそっぽを向いてしまった。
灼は望み通りの反応をしてくれた葉子に満足して、葉子の横顔に「ごめんごめん」と笑いながら誤った。
そんな灼達はもう一度深く湯に浸かり直したのだった。
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浴場から上がり、灼の服に身を包んで、暑くなった体を冷ますように水菜は椅子に腰掛けていた。
あれから灼に少し胸をつつかれたりしたが、彼女的な甘え方なんだろうと水菜は思い気にしないことにしていた。
扇風機がたびたびこちら側に向くたびに、暑くなった体に心地いい風が来る。
そんな心地よさに身を任せて軽く目を閉じていると、頬に急に冷たい物を感じ「ヒュッ」と自分でもよくわからない声が出た。
そちらを向くと、入口付近にあった自販機で売っていたコーヒー牛乳を灼が持って、「ニヒヒー」と笑いかけていた。どうやらそれを押し当てていたらしい。
「水菜やっぱり不意にやられるのは弱いんだね」
そう灼は言って「はい」っと私に右手に持っていたフルーツ牛乳を渡してきた。コーヒー牛乳を目の前に晒しておきながら、フルーツ牛乳を渡すという何とも言えない小さないじめに思えて仕方ない。
「灼さんありがとうございます」
灼は「えへ」という笑顔に作り替えて言ってきた。
「堅苦しいねぇ。友達なんだからもっと親しみを持ってくれていいんだよ?そうだ!これからは私のことは呼び捨てで呼ぼうか?」
灼さんの提案はいつも変わっていて急だ。おそらくそんなことできないとわかっていて私に言ってるのだろう。
「む、無理です・・・私はもう誰かをさん付けで呼ぶのがクセなんで・・・」
そう、私の性格と教育上誰かを呼び捨てなどで呼ぶことなんてできやしないのだ。
「よし、じゃあこれから私の事を「灼さん」って呼んだら、私に一回その豊かな胸に触らせる権利をよこしなさい。これくらいの条件なら守れるでしょー?」
そんな約束をしたら私は絶対破れなくなってしまう。
「そ、そんな!そんな約束ダメですよ!」
「ふふ、ダーメ、私の言うこと聞かないと無断で触っちゃうよ?学校生活3年間を背後に気をつけながら過ごすなんていやでしょ?」
それもそれで嫌だ。
水菜は仕方なく灼の意見を飲むことにした。
「わかりました。」
「じゃあ、呼んでみようか。私の事「灼」って」
灼は水菜の真似をするような口ぶりで言ってみせる。
「や、灼・・・やっぱり違和感しかないですよ・・・」
灼は満足そうに笑顔を浮かべたあと、「よくできました」と言って私を意地悪そうな目で見てきた。
「ところで・・・私の服はどう?」
灼が貸してくれた服は黒い大きめのシャツに、灰色のショートスカートだ。そんな灼の服だが、水菜の肩には少し大きすぎたようで、右肩と左肩の露出が少し広い。ちょっと色っぽい女性ってこんな感じなのかと思わせる格好になってしまっていた。
「ちょっと大きいかな」
「ふふ、でも似合っているよ。水菜も十分着せ替え人形には向いてそうだし、今度からショッピングで私が服を選んであげるよ」
もう葉子さんは完全に着せ替え人形だったらしい。水菜も楽しんで着せ替えていたが、そんな思いは微塵もなかったつもりだ。
「あ、ありがと・・・灼」
そんな中葉子の長風呂タイムも終わり、浴場の扉が開かれて、葉子が上がってきた。
「二人ともおまたせー」
そんな葉子の返事に灼が反応する。
「葉子、今日は1分長いよ」
どうやらいつもより長風呂をしていたらしい。
「ごめんごめん」
そういう葉子の顔は笑っていた。
そんな葉子の着替えと休憩が終わるまで、水菜は灼の買ってくれたフルーツ牛乳をちびちびと飲むのだった。
4月8日 end