なんか本編でもたくさんリアルニンジャが登場してタノシイだからTRPGの導入風味短編書きました。文章カラテが落ちていたのでコミックで決断的に復習重点な。
「ボブ、本当に良いのかい?」
「もちろん!ニンジャマスターもやってみたかったところだし、実際無問題な」
ボブ、あなた、ロクチョにアヤセ。四人は友人同士でその上全員が重篤なニンジャヘッズ存在だ。世間はクリスマスイブで盛り上がり、恋人達がイルミネーションにうっとりするか激しく前後しているにも関わらず四人が集まったのには理由がある。
ニンジャコンセントレーションを終えた四人の前には待望のブツがあった。そう、ニンジャスレイヤーRPGである。
「製品版リリースまでイチジツ・センシュの思いだったよ!なぁ!」
「確かに」
「アーッ!早く邪悪なニンジャ存在になって何の罪もないモータルを虐殺したい!特にゲイシャとサイバーゴス野郎重点!髪は紫とかピンクとかのなよっとしたやつがいい!」
「オットット!今の発言はやや邪悪でしたね」
「オットット!ユウジョウ!」
「ユウジョウ!」
ロクチョの発言に対してあなたは忍殺語を引用する形で応える。これは実際あなたの高い知能指数を示していると言えよう。
「じゃあ早速キャラメイクからやっていこう」
ボブに促されあなたはたて続けに四回ダイスを振る。6.6.6.1つまりジツ持たないこと以外はかなり強力なニンジャを生み出したことになる。
「ワオー!なんてダイス運だ!」
「凄い!美的!」
「ゴウランガ!」
友人達に誉めそやされ満更でもないゆるんだ表情をさらした瞬間、ダイスが異常発熱し声すら上げる間もなくあなたは光の奔流に呑み込まれたのだった。
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次に目を覚ますと、そこはバイオ溶液に満たされたシリンダーの中だった。ぼんやりと発光するバイオ溶液は心地よくバイオニンジャの肉体を包み込んでくれる。バイオニンジャ!?ワッザ!?
一瞬、何の違和感もなくバイオニンジャという自己認識を受け入れていた自分に驚く。俺はニンジャなどではなくただの学生で・・・本当にそうか?ニンジャスレイヤーRPGや日頃のカラテ鍛練、ニンジャコンセントレーションが実を結び、何らかのシンピテキがはたらいたことで俺は半神的ニンジャ存在になったのでは?
俺の自我が音をたてて崩壊していくのが認識できる。そしてニンジャソウル移植バイオ生体胚から培養されたバイオニンジャの肉体にモータルの脆弱なソウルが宿ればこうなるのも納得できる。俺は重篤ニンジャヘッズだから詳しいんだ。
(・・・何で俺は消滅しないんだ)
薄れゆく自我の中、ぴたりと自身のソウルの消滅が止まったことを感じる。視界が暗転し、辛うじて残った自我がニューロンの中を駆け巡る。そしてローカルコトダマ空間へと流れ着いた。
(ここは・・・)
ジンジャ・カテドラルめいた空間にゼンめいたアトモスフィアが満ちている。遠目からでもその見事さがわかる彫像が幾つも幾つも立ち並んでいるのだ。その中でも一際巨大で目を引く、頑強そうな肉体に多腕を生やしそれぞれの手に異なる武器を持った異形のニンジャ神像の前、神像をそのままスケールダウンしたかのような異形のニンジャが仁王立ちしていた。もしも自分に肉体があれば確実に失禁は免れないであろう!
(アイエッ・・・)
「何故ここにモータルの魂が?まぁいい。お前、ニンジャになれるぞ!喜べ!」
(アイエェェェ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?)
「俺は実際ティターン・ニンジャクランのグレーターニンジャでな!俺のティターンカラテは無敵だからお前もなんかカラテとかイアイドとかしろ!」
(アイエッ・・・俺は実際ただの学生で・・・)
「クチゴタエスルナー!」
(アイエェェェ!?)
「リアルニンジャとて初めはモータルだ!とにかく今日からお前は俺だから!ティターンカラテの無敵感をアッピール重点!な?わかったか!」
(アッハイ)
「とにかくティターンカラテを活かしたダブルイアイドとかを鍛えてみろ!鍛えたカラテをどう振るうかはお前のエゴ次第ゆえ適当にしとけ!とにかく強そうなニンジャネームを名乗ってカラテ重点だからな!
(アッハイ。カラテします)
「よし!そろそろ俺はおられぬから!オタッシャデー!」
(アッハイ。オタッシャデー)
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シリンダーに新たなニンジャ戦士の姿が反射し、写る。その2mはあるかのごときニュービーニンジャはおもむろに4本腕の手のひらを合わせてアイサツを繰り出した。世界に、そして自分自身に対して!
「ドーモ、ノトーリアスです!俺のダブルイアイドは無敵だぜ!」
「お前はノトーリアスだ」
「そうだ。俺はダブルイアイドの使い手、ノトーリアスだ!」
「俺は!ノトーリアスだ!イヤーッ!」
CRAAAASSSSHHH!バイオ溶液で満たされたシリンダーが内側から砕かれ、破片と粘着質な水滴が飛び散る。
先程まで気付かなかったがプラント内には既に警報が流れている。そこら辺にあった戦闘試験用の数打ちのカタナを2本掴み取り、両腰にマウントすれば戦闘バイオニンジャ兵器として遺伝子レベルで刻まれた戦闘衝動増幅因子が活発に活動を始める。
「おっとこれも忘れずに持ってかなきゃな」
投げ出されるようにして研究机に置かれていたバイオインゴットを生成したニンジャ装束の胸元にしまう。
「無くなる前にカラテ、万札、バイオインゴット補給重点な。イヤーッ!」
指差し確認めいて呟き全力跳躍!プラントの天井を突き破り脱出!
外はちらほらと雪が降り、遠くにはさながら貪婪なブッダデーモンの宝石箱めいてネオサイタマの明かりが見える。
「まさかクリスマスか?クリスマス・・・マルノウチスゴイタカイビル・・・ウッ」
恐ろしい可能性に思い至ったノトーリアスはかぶりを振り考えるのをやめた。
「イヤーッ!」
そしてカラテシャウトとともに夜の闇に消えていったのだ。
こうしてまた一人の恐るべきニンジャ戦士がネオサイタマへと解き放たれたのだ。ネオサイタマのドクロめいた赤い月がカラダニキヲツケテネ!と言っていた。