ノーカラテ・ノーニンジャ   作:酢豆腐

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ヤクザが出て殺す!


コード・オブ・コンダクト#1

BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!

 

フマトニのオートマチックヤクザガン、AY55から49口径重金属弾頭がフルオートで射出される。

 

「ダッテメッコラー!」「アババーッ!?」「スッゾスッゾスッゾコラー!」「アバーッ!?」「テメッヤバレカバレクランコラ...アバーッ!?」

 

指向性爆薬で敵対クラン事務所のドアを破壊し、グレネードを放り込み、先陣を切って突っ込む。

 

いつものフマトニのやり方だった。こうやってソンケイを積み重ね、来るべきイクサへの経験値をも高める。フマトニはテッカバ・レイドこそ見せ場だと考えていた。

 

(何事も暴力で解決するのが一番だ!)

 

「ドグサレガッコラー!」

 

敵対クランの構成員10名以上を皆殺しだった。壁には血飛沫がべっとりと付き、敵対クラン事務所は血の海だ。ナムアミダブツ!

 

当然、フマトニも無傷では済まない。鉄砲玉に任せるべき先陣を一緒になって突っ込んでいくのだから。

 

「フマトニ=サン、ドシタンス!?」「ドシタンス!?」「アイエッ...傷が!?」

 

軽めのZBRタバコをくわえ、タフさを演出する。フマトニ率いるヤクザ分隊5名の内、クリアリング略奪と後方警戒を任せた2名以外が焦った表情で近付いてくる。

 

「ンー?...脇腹に一発もらっただけじゃねぇか。騒ぐんじゃねぇ。」

 

無造作に医療用ピンセットを銃創に突っ込み銃弾を摘出!凄まじい苦痛がフマトニを襲う。じっとりとした汗が、横顔を伝い、落ちる。勿論、表情は変えない。

 

「火ぃ出せや。」「ヨロコンデー!」

 

ヤクザ分隊員がヤバレカバレクランのエンブレイムが刻まれたライターを手渡す。

 

タバコに着火し、くわえ直すとそのまま腰のドスダガーを抜き放ち、高火力ライターで熱する。

 

ゴウランガ!ベトコンじみて熱したドスダガーを傷口に押し当て、焼きふさいだのだ!恐るべきヤクザサバイヴ能力!

 

3名のレッサーヤクザ分隊員はその光景から目が離せない!フマトニの全身からソンケイが滲み出ていた。

 

(...ザッケンナ、ザッケンナ、ザッケンナ!クソ痛ぇぞ!ブッダファック!)(だが、防弾チョッキなんか着ようもんならビビってると思われる。それは実際マズイ。取り敢えずは、硬硬度軍用サイバーゴーグルでも買って急所守るか... 命が幾つ有っても足りやしねぇぜ。)

 

そう、実際ソウカイヤだけがニンジャ組織な訳ではない。まだまだニンジャが徐々に増え始めた時期、ネオサイタマの裏社会は混沌の戦国時代と言える。

 

(今が〈いつ〉なのか知りてぇ。ニンジャスレイヤー=サン出現の契機となる、マルノウチ抗争。あれがいつ起こるかで状況が変わってくる。あの集合知もカラテあるのみしか言わねぇ以上はカラテしかない、か?)

 

「よし!ズラカッゾー!」

 

「「「「「ハイヨロコンデー!」」」」」

 

フマトニの号令に合わせ、強化防弾シールドとチャカガンを保持したヤクザ分隊員が前進する。続いてフマトニ、ショットガンで武装した熟練テッポウダマヤクザ、チャカガンだけを構えたレッサーヤクザが2人、後詰めのショットガンヤクザが油断なく隊列を整える。

 

レッサーヤクザ達は揃いの黒ヤクザシャツにじっとりとした汗を滲ませ、フマトニに続く。

 

「お前ら、もう少しで装甲バンで抹茶が飲めるからな!シマッテコーゼ!」

 

レッサーヤクザ分隊員達の極度の緊張、そして疲労を見てとったフマトニが発破をかける。奥ゆかしい心づかいだ。

 

「「ハイ!」」

 

装甲ヤクザバンの後部ハッチが開き、フマトニ達を招き入れる。

 

「よし、出せや!」

 

「ハイヨロコンデー!」

 

装甲ヤクザバンで待機していた運転席のヤクザが、威勢の良い声を上げる。ソウカイヤやヨロシサンとの繋がりもあるヤバレカバレクランではあるが、江戸時代からの伝統的クランであるヤバレカバレクランはフェイス・トゥ・フェイスを重んじる。

 

故に当然、運転ヤクザもリアルヤクザだった。

 

「お疲れ様でした。抹茶です。」

 

極めてスムーズなドライビングで揺れも少ない車内では、抹茶がヤクザアサルト分隊全員に供される。

 

熟練テッポウダマヤクザは奥ゆかしく、フマトニが抹茶に口をつけるのを待っている。

 

「お前ら気にすんな。リラックスしろや。」

 

「ハイ!」「ハイ!」

 

フマトニ自身もヤクザガンの残弾確認や、レッサーヤクザに負傷した箇所の包帯を巻かせたりする作業をさせている。

 

「戦況はどうだ?」

 

指令部からの無線IRCを確認していた運転手ヤクザが、一瞬だけオート運転に切り替え報告する。

 

「極めて順調です。一部、ショックブラスターを装備した兵隊が詰めていた事務所が有ったらしく激しい抵抗が見られたそうですが。殆どの敵拠点は制圧済みだそうです。」

 

「そうか、でないと困るがな。わざわざソウカイヤのネットワーク担当ニンジャに敵拠点の炙り出しまでしてもらったんだ、失敗は許されねぇ。面子の問題だ。」

 

ヤバレカバレクランはその武力と昔気質のフェイス・トゥ・フェイス、そしてその狂暴さをもって畏れられている。

 

この大規模攻勢で、ネオサイタマのヤクザ勢力図を塗り替える。ソウカイヤ、ニンジャ、そしてヤバレカバレクランが暗黒街の天下を取るのだ。

 

幸いなことに、今はブッダもネオサイタマの死神も眠っている。フマトニも貪欲にカラテ、そしてソンケイを積む機会が多く有り、実際その成長は著しい。

 

この前など、テクノギャング15名を素手のカラテで制圧しソンケイを示した。実際それ以降、そのストリートでのミカジメ徴収などのビズはスムーズになった。

 

「最後は敵のホンマルを落とす。だったよな確か?」

 

「デスネー」

 

指令部からの指示では、キング・オブ・ゴリラクランの本拠地事務所の包囲制圧に合流しろとのことだった。当然のように、敵対クラン構成員はジェノサイドめいて虐殺する指示も出されている。

 

「イサオシだ!イサオシを挙げてインセンティブ取得スッゾ!シマッテコーゼ!」

 

「「「「「「ハイヨロコンデー!」」」」」」

 

若く、無鉄砲なヤクザ達の眼はギラギラとケモノめいて光り、差は在れど皆全身に危険なカラテがみなぎっている。

 

その中でも一際強く鋭い眼光をみせるのがフマトニだ。

 

(さて、どうなることやら... 相手もさるもの、対ニンジャ戦闘なんかも在るかも...なぁんてな)




アニメイション最新話やコミカライズ新刊など、ニンジャアトモスフィアが豊富だ。備えよう。

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