春風のアルティメットバトル前編
卒業パーティ、通称卒パ。卒業式の後に行われるパーティである。無論俺の所属する非公式新聞部も当日に向けて準備の真っ最中なのであるが誠に残念なことに俺、ルルーシュ・ランペルージは季節外れの風邪のせいで学園を休んでいるのだ。
熱も下がり始めているので明日、つまりは卒パ前日には復帰できそうだが1日での準備となると中々に厳しいものがある、まあ、出来ないことは無いだろうが。
熱を出してからというもの俺の1日は非公式新聞部が入手してきた生徒会の動きについての報告書や非公式新聞部の活動についてのこと、などなど書類ばかりを見ていただけであった。
茜や杏に小恋。そして渉や義之に杉並などが見舞いには来たりもして退屈はしなかったが、今も俺は先程見舞いやって来た杉並から書類を渡されそれを確認している最中である。
普段とほぼ変わらない書類に目を通してゆくとある一部分に俺の目が止まる。それは。
(生徒会の予算についての書類か、んっ?これは書類が改竄されている?何故だ?確か今の生徒会長は磯鷲涼芽『いそわしすずめ』だったか?)
磯鷲涼芽、俺たち同様お祭り騒ぎが好きな人物であり俺たちが騒ぎを起こそうとも我関せずの姿勢で俺たちを取り締まるどころか生徒会の仕事を放り出して騒ぎに便乗する人物である。
良くそんな人物が生徒会長になれたなと思う、イベント好きといゆう点ではミレイ会長に似ているかも知らないな。ミレイ会長程優秀とは言えないが。なんやかんや言っても生徒会長としての責務は果たしていたしな。
(ん、待てよ・・・もしやこの予算の改竄は・・・!!)
そこで俺は一気に思考を巡らせる、俺の予想が正しければ磯鷲涼芽は必ず当日にやらかす。ここまで書類を改竄するのだ他の生徒会役員もこの事には気付いていない。ならば当日の彼奴らが取る行動は・・・!!
(いける、いけるぞ!!フフフッ、感謝するぞ磯鷲涼芽卒パ当日は存分に稼がせて貰うぞ!!)
俺は細く笑みを浮かべると携帯を手に取り奴に連絡を入れる、数回の呼び出し音が鳴った後相手が出る。
『もしもし、杉並だが』
「杉並か、俺だルルー・・・」
『現在多忙のため、この回線に繋げるためには国防長長官の許可が必要だ。繰り返す。現在多忙のため・・・』
いつも通りの杉並の留守電に繋がると俺はそのまま携帯をきる、基本的に杉並は此方から連絡を入れても出ない。俺や義之に渉も杉並に連絡を入れても出ることは一度たりともなかった。
あったとしても杉並のほうから俺たちに連絡をしてくる時だけであった。まあ、しばらくしたら杉並のほうから連絡が来るだろうから気長に待つとしよう。
しばらくして杉並から折り返し連絡がかかってきた、俺は自分の考えた策を杉並に話す。そして予想通り杉並から良い返事をもらった。
『くっふふ、流石我が非公式新聞部が誇るハイパーブレインルルーシュ・ランペルージだ。フフフッ、明日は忙しくなりそうだな。』
杉並はそう言いながら電話をきった、これで後は当日のクラスの出店の調査だけで俺の策は完成する。今年の卒パは例年の様に派手なことはしないが盛り上がることは間違いないだろう。
そして翌日俺は普通に登校し他クラスの出店を調べあげ目星を付けておいた、今回は自身のクラスの出し物は渉に任してあるから不安ではあるがまあ、大丈夫だろう。渉の提案する物は殆どが女子からの反感を買ってき却下されてきていたからな。
まあ、やるべきことは全てやり終えた後は当日を待つだけだ。俺は当日に起こるであろう出来事を思い浮かべながら笑った。
そして、迎えた当日卒業パーティ。俺は普段通りの時間に家を出る。バス停に向かおうとすると。
「ルルーシュ君〜おっはよー」
「んっ、茜か珍しいな。お前がこの時間にいるとは」
「えへへ、卒パが楽しみで目が覚めちゃったんだぁ。」
彼女の名前は花咲 茜(はなさき あかね)子供の頃からの付き合いがある、俗に幼馴染といゆうやつだ。薄桃色の髪に中学生離れしたプロポーションを持っている。幼い頃からの付き合いがある俺でもその育ちようには驚かさせれた。折角なので一緒にバス停に向かいそのままバスに乗る。
バスがしばらく走るりある停留所に止まると数人の風見学園の生徒が乗ってくる、その中に。
「あっ、杏ちゃんだ。杏ちゃん〜こっちこっちー」
茜の声に反応した一人の女子生徒が此方にやって来る、白髪に茜とは正反対の身体で毒舌家の雪村 杏(ゆきむら あんず)である。
「茜、そんな大声出さなくでも聴こえてるわよ。」
「あはは、そっかそっかこの席は最早私たちの定位置になってるからねぇ。」
「それ以前にこの席は窓際だからな、バス停から窓越しの俺たちが見えていただろう」
「ふふっ、流石ルルーシュ大正解よ」
「なぁ〜んだ、そうだったんだ。」
杏も合流して、バスは風見学園のバス停に到着した。この時間ならばゆっくり歩いても間に合う。ゆったりとした足取りで俺たちは学園を目指した。
二人とはクラスが違うので途中で別れると俺は自分のクラスへと向かう、するとそこには珍しいやつがいた。
「おーっす!ルルーシュ!」
「渉か、珍しいなお前がこの時間にいるのは。普段ならもう少し遅い時間に来るのにな」
俺が、クラスに入ると真っ先に話しかけてきたのが板橋 渉(いたばし わたる)。俺、杉並、義之と同じく問題児とされている一人である。陽動に使えるやつなので俺も囮として重宝している。
生徒会では俺たち四人を総称して悪童四人組などと呼んでいる、渉自身も弄られキャラが板についてきているため良く茜や杏にオモチャにされている。中々に不憫な奴だ。
「今回はどんなことをしでかすつもりだよルルーシュ」
「ふっ、今回はまあ、楽しみにしておくがいい期待は裏切らん」
「そうか、なら楽しみにさせて貰うぜ。お前らが派手にやってくれるからな毎年毎年何やんのか楽しみにしてんだよな行事があるとさ」
そんな感じで渉と他愛ない話をしていると、突然の全校集会のアナウンスがスピーカーから流れ始める。周りの生徒たちは何だろうと、困惑気味であったが俺は理解した。
そして俺の読み通りに会長からサプサイズが発表された。
『卒パで売り上げトップのクラスには豪華商品が贈られます、皆さん張り切って稼いでくださいねぇ。』
その後磯鷲会長は朝倉姉と高坂まゆきによって壇上より退場させられた、が、俺はこれからのことを考えながらも笑みを浮かべていた。
「計画通りだな」
俺は一人小さくそう呟きながら計画の成功を確信するのであった。
豪華商品の発表のくだりは時期を少し変えさせて貰いました。そっちのほうがインパクトが強いと思ったから。