ガンダムビルドファイターズ アナザートライ   作:慢性睡眠不足

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しばらく放置していましたが明日はトライの特別篇のため、とりあえず書きかけだったハイライトシーンを上げます。


第三回戦 ハイライトシーン

 宇宙に浮かぶ破壊された巨大構造物を目指し、三体のガンプラが編隊を組み進んでいく。Z(ゼータ)ガンダム及びその派生系を駆る彼らの名は<チーム”Z”>。本大会が二回目の出場ながらも変形機構を活用した高機動戦闘とやや拙いコンビネーションを補って余りある高い技量が持ち味のチームだ。

 

 まき散らされた大小の破片が無数に浮かぶ空間にもかかわらず、彼らは最小限の回避のみでほとんど隊列を乱さずに廃コロニーへと向かっている。

 衝突の危険など恐れずに高速の巡行形態のまま一直線に。機首にマーキングされた「Z」の紋章を押し立てるかのように己のガンプラ達を進めさせる彼らの顔は、しかし緊張に彩られていた。

 

「気を付けろ。もういつ遭遇してもおかしくないぞ。」

 

 先頭を行くZ・プルトニウス。それを操るチームリーダーが仲間たちに声をかける。

 

「ああ、分かってる。今までの相手とは違うんだ。油断なんてできるかよ。」

 

「前の試合を見た感じ、タイマンになると厳しいだろうからね。とりあえず先手だけはとっておきたいけど。」

 

 後方の二体、グレイ・ゼータとリゼル用のディフェンサーユニットを装備したZⅡ(DU)をそれぞれ操るチームメイトも答えを返す。しかしその目は前方の進路とあまり頼りにならないレーダー画面から片時も注意をそらすことはなかった。

 そんな二人に対し、リーダーは再度、念を押すように言った。

 

「いいか。もう一度作戦を確認するぞ。相手を見つけ次第、高機動戦闘を仕掛けてまずは一機を集中して落とす。その後は即座に反転してデブリを盾に逃げ続け、タイムアップを狙う。消極的だが、これ以外に勝ちはない。」

 

「分かっちゃいるが、どうもなあ。」

 

「仕方ないよ。正面からぶつかったら瞬殺されて終わりだろうし。」

 

 リーダーの作戦に多少の不満を混ぜつつもチームメイトたちは了承した。彼らも分かっているのだ。今回の相手が今まで戦った相手とは違うレベルの強敵だということを。

 

 その時、三人の眼前に投影されたレーダー画面が同時に反応を見せた。

 

「来たぞ。地区最強チームのお出ましだ。」

 

 そのリーダーの言葉に応えるかのように拡大投影されたモニターに映ったのは三体のガンプラ。「機動戦士UC」の主役機、ユニコーンガンダムとその同型機、バンシィとフェネクスだ。大幅に重装(フルアーマー)化されたそのガンプラを操るのはチーム<可能性の獣>、昨年の西東京地区代表にして今大会の最優勝候補である。

 

 その強敵の姿をにらみつけながら、リーダーは指示を出した。

 

「いいか。事前の打ち合わせ通り、フェネクスを狙う。相手チームの内で俺たちのガンプラに追いつけるのはそいつだけだ。そいつさえ墜とせれば、俺たちについてこられる奴はいない。行くぞ。」

 

「「おう!」」

 

 作戦開始を告げる力強い声に背を押され、三機のZは速度を大幅に上げた。必然、さらに急速に近づいてくるデブリの群れの合間を縫うようにして進みながらも互いの距離が開きすぎることはない。

 

 最大速度で接近してくる<チーム”Z”>に対し、<可能性の獣>も対応を見せた。

 

「!リーダー。ユニコーンが。」

 

 チームの右翼を担うグレイ・ゼータのファイターから突如、警告が発せられる。その言葉を受けて目標を拡大したリーダーは、その画面の中で件のガンプラが変化を開始するのを見た。

 

 純白の装甲が割れ、その隙間より内部フレームが放つ赤の光があふれ出てくる。同時に頭の一本角が中央から開き、マスクの下から現れたおなじみの二つ目がまだ距離があるはずの<チーム”Z”>をにらみつけるかのように光った。

 全身に纏った赤い光の粒子はやがて吸い込めれるかのようにその両腕の先の二丁の大型銃へと集まっていく。

 

「NT-Dだと。この距離でか。」

 

 もう一人のチームメイトの疑念を肯定するかのようにその大型銃、ビーム・マグナムを構えたユニコーンは、ブーストによって威力を底上げした光の砲撃を放った。二つの巨大な光はすぐに一つへと合わさり、デブリを飲み込こみながら、接近中の<チーム”Z”>に迫る。

 

「くそ、避けろ。まだ距離があるからかわせるはずだ。」

 

 リーダーの指示を聞くよりも先にチームメイトは既に動き出していた。花火が散るように三方に散った<チーム”Z”>は破壊の光をやり過ごすと即座に乱れた編隊を立て直そうとする。

 だがその前に彼らは一様に敵機の接近を知らせるアラートを聞いた。

 

「っつ、何!」

 

 隊の乱れたその僅かな隙をついて飛び込んできたのは、背と肩に接続したアームド・アーマーDE2より光を放つガンプラ、フルアーマーフェネクスである。

 

「馬鹿な、早すぎる。一体どうやって。」

 

 混乱する<チーム”Z”>のほころびを広げたフェネクスは青い粒子を微かに散らしながら右手のビーム・マグナムを放ち、獲物と定めたZⅡDUに集中的に攻撃を加えていく。

 

「くそ、やらせるかよ。」

 

「馬鹿め、のこのこ飛び込んできてくれるとは。引きずり出す手間が省けたぜ。」

 

 Z・プルトニウスとグレイ・ゼータはすぐさま狙われた仲間への援護に入ろうとした。しかし途中でその行動は阻まれる。

 原因は早々とNT-Dを収束させたユニコーンの背より放たれていた無数のミサイルだった。その大半が途中のデブリと衝突して爆発し、砕いたデブリを散弾のような雨として<チーム”Z”>へと降らせていく。

 

「不味い。機体にダメージはなくても、これでは態勢を崩されて陣形が。」

 

 MS形態へと変形し、機体表面のフィールドを全開にして襲い来るデブリの小雨を突破したZ・プルトニウスへと、黒い異形のガンプラ、フルアーマーバンシィが襲い掛かった。その向こうでは火力でもってユニコーンと相対するグレイ・ゼータの姿がある。

 

「ごめん、やられた。」

 

 逆に高機動戦闘を仕掛けられた支援機のZⅡDUがフェネクスに30秒も持たずに落とされた。最も狩りやすい獲物を片付けたフェネクスはすぐさま羽のように広げた四基のアームド・アーマーと脚部の小型偏向スラスターを細かく制御してグレイ・ゼータへ向かう。

 

 ユニコーンの援護砲撃を避けつつ、グレイ・ゼータはデブリを無視した急加速と減速を繰り返してでもフェネクスを振り切ろうと逃げ撃ちを試みた。しかし金色のガンプラはしだいに離れず、逆に距離を縮めていく。

 

「速度ではこっちが上のはず。なぜだ。」

 

「動きだ。お前の動きを先読みして最短距離で詰めてきている。一度離脱しろ。最大加速ならついてこれるはずがない。」

 

「無理だ。こうなったら迎撃するしかない。」

 

「まて、焦るな。一度引いて態勢を立て直すんだ。」

 

 狩猟者の圧力に追い詰められ、リーダーの言葉に逆らって迎撃を選択したグレイ・ゼータは、右手のビームキャノンと左シールドのビームマシンガンの火力でフェネクスを粉砕しようとする。だが横からユニコーンの放ったバスーカによって爆砕されたデブリの破片を受け、一瞬視界とコントロールを失った。そして次の瞬間フェネクスの左腕の連装ビーム砲が光を放つ。その次の瞬間、二条の光線に射抜かれて灰色の機体は爆炎へと姿を変えた。

 

「おのれ、ならばせめて貴様だけでも相打ちに。」

 

 仲間を失い、敗北が避けられないと知ったリーダーはプルトニウスを変形させると、機体に纏うフィールドを全開に突撃を敢行する。

 

 横から放たれたユニコーンとフェネクスによるビーム・マグナムの銃撃の嵐を乗り越えて向かう先にはフルアーマーバンシィの姿があった。

 二枚のアームド・アーマーXXを羽のように広げた黒き獅子はしかし逃げるそぶりを見せず、逆に両腕と両肩にそれぞれ接続された大型クローを展開して<チーム”Z”>の最後の突撃を受けて立つかのように逆に距離を詰める。

 

「至近から機首のビームキャノンでぶち抜く。これなら!」

 

 その言葉を残して突撃するZ・プルトニウスと迎え撃つバンシィ。数瞬の後に両者は真っ向から激突し、やがて一方は光となって爆発し、勝者となった黒い獅子は堂々と勝利の叫びを上げた。

 

【試合結果】

 

 ○<可能性の獣> - ×<チーム”Z”>

 

 

 

 

 

 その都市 は火の海に包まれていた。つい数分前にフィールドとして形成された時、その都市は丸く周辺を囲む高い外壁の内に歴史を感じさせる石造りの街並みを抱え込んでいた。しかし今その地はことごとく破壊され、地獄の釜のように幾多のガレキを火の渦で煮込んでいる。

 

 業火の海より絶え間なく立ち上る黒煙の空を、三体のガンプラが飛翔していた。「機動戦士ガンダムSEED Destiny」の主役機、デスティニーガンダム、(インフィニット)ジャスティス、そしてSフリーダムをベースに改造されたガンプラだ。しかしそれらは今激しく傷つき、炎と煙に追い立てられるように都市の外へと逃げ出そうとしている。

 

「くそぉ、何なんだあの化け物は。」

 

「知るか。こっちの攻撃は届かない上、向こうの攻撃は一撃必殺だと。一体どんな改造をすればあんなものができるのかこっちが聞きたいぐらいだ。」

 

 左足を失い、右の片翼を削られて崩れた機体バランスを立て直そうと奮闘していたデスティニーのファイターが叫ぶ。それを聞いて何とか冷静を保とうとするも失敗したジャスティスのパイロットが答えた。その彼の自慢のガンプラも今や強化シールドごと左腕を失い、その特徴的な頭部もまた半分がなくなっている。

 

「落ち着くんだ。二人とも。どっちにしろこのままじゃ、負ける。こうなったらさっき決めた作戦に賭けよう。」

 

 そう言ってチームメイトをたしなめたフリーダムのファイターが外壁を飛び越えると同時に自機を反転させた。次いで右手に握られた大口径ライフルの後部に左手の連装型ライフルを接続して一本の長銃へと転じさせる。すでに両翼を失い、最大の特徴であるドラグーンも全基を喪失している。追加した補助翼が無ければとうの昔に墜とされていたであろうフリーダムはしかし製作者であるファイターに応え、自分に残された最大火力の発射態勢へと入った。

 

 それを受け、デスティニーも残った腕の手のライフルを背面の武装ラックから引っ張り出した砲撃ユニットの先端へと接続して腰だめに構る。他方のジャスティスも背部のバックパックユニットを切り離して変形させると、巨大なランチャーと化したそれを残った右手で保持してその時に備える。

 

「いいかい。やつが姿を見せると同時に最大出力の一点集中であのバリアを破る。それでだめなら……。」

 

「俺とリーダーが相手の注意を引き付けている間に、ジャスティスが吶喊。懐に飛び込んで攻撃か。大丈夫なのかよ。」

 

 リーダーの言葉を継いだデスティニーのファイターが、最も危険な役目となるジャスティスを操る仲間に問いかける。だが問われたほうの言葉は簡単だった。

 

「任せろ。どの道、お前はすでに切り込みのための大剣を失っているんだ。この役目は俺しかできない。」

 

 不安を吹き飛ばすかのようなその力強い言葉によってメンバー全員の気持ちが一つに束ねられたその時、街の中で激しく噴出する黒煙が揺らいだ。

 やがてその中からゆらりと大きな影が姿を見せ始めたその瞬間、リーダーは一斉攻撃の号令をかけた。

 

「来るよ。二人とも僕に続いて。」

 

 叫びと共に黒煙より現れた影に向かってフリーダムは最大出力の砲撃を叩き込んだ。黒煙を穿ち、巻き上がる炎を散らしてすすむその光はしかし、陰に到達する直前に黒い光幕によって阻まれてしまう。だがそれにもかかわらずリーダーは声を重ねた。

 

「今だ!」

 

 その言葉と同時に両脇の二機からも最大の砲撃を放った。先行した一撃に重なるかのように放たれた二本の光は力を失いつつある先の光へ合力し、数瞬の拮抗を経て見事に光幕を突破した。そのまま影へと命中した砲撃は周囲を巻き込んで激しい爆発を起こす。

 

「よし、やった。」

 

「……ほぉ。ああ、これなら。」

 

 

 攻撃が障壁を抜いて相手に直撃する様を見たデスティニーのファイターが喜びの声を上げる。ジャスティスのファイターもホッと撫で下ろした。だがフリーダムのパイロットはまだ気を緩めず、仲間に回避行動をとらせつつ、警戒するように言葉を続けた。

 

「いや、まだそうと決まったわけじゃない。警戒は怠っちゃだめだ。」

 

 果たしてその予想は正しかった。爆炎の晴れたのちも影はほとんど損傷していなかったのだ。巨大なカニの甲羅のような装甲の表面に、激しくスパークが散っているのを見るかぎり、もう一枚の防御があったと考えるべきだろう。

 

 今や完全に煙の中から姿を現したその巨大なガンプラは、あの爆発の中にあっても歩みを止めることなくDestiny’s>へと向かいつつ、その左右に取り付けられた大型二連砲の先を返礼として三体に振り分け、攻撃を送り始めた。

 

「くそぉ、やっぱり駄目だったか。」

 

「こうなったら、もうさっきの作戦に賭けるしかないね。」

 

「ああ、任せておけ。確実に決めてやる。」

 

 先とは逆に黒煙を抜いて迫る砲撃をかわしつつ、<Destiny's>は散りながら最後の勝負に出る決意を固めた。

 

「リーダー、援護を頼みます。」

 

 その言葉と共にデスティニーを駆るファイターは黒いガンプラに向かって突撃をかけた。すぐに左右の大型砲と上面のガトリングユニットが弾幕を向けてくるが、それにも構わずデスティニーは傷ついた背の翼より粒子を大幅に放出して加速する。上下左右に飛び回り、限界を超えた機動で機体に悲鳴を上げさせながらもデスティニーのファイターは襲い来る砲撃に追い回されながらも、巨大なガンプラに圧力をかける。

 

 高速で飛び回るデスティニーの周囲には無数の自身の映像が投影され、その幻身が相手を惑わし、撃墜されるまでの時間を伸ばしていた。

 そしてそれを助けるフリーダムももはや後先を考えすに己の残された火力を叩きつけている。前に出たデスティニーが決死の目くらましを、そしてそのすぐ後ろで機動性を大幅に減じたフリーダムがなけなしの弾幕を展開する。

 

 その二体に業をいやしたのであろうか。不意にその黒いガンプラは別の動きを見せた。甲羅の後方より大漁のミサイルをばら撒いて相手の動きをけん制しつつ、その巨大な機体が変形を開始する。

 

 攻撃を放ち続ける左右の大型砲ユニットが接続された甲羅が背へと押し上げられる。同時に多数の砲撃を支えていた足が回転し、巨大な二本の腕が下より生えて伸びる。

 

「来た!。」

 

「砲撃戦から、広域殲滅に切り替えたようだね。狙い通りだ。」

 

 ミサイルの群れと大型砲から放たれる散弾への対応に追われていたデスティニーとフリーダムのファイターはしかしそれを見て共に笑みを浮かべた。変形によって生じるその僅かな隙を二人は待っていたのだ。

 

「今だ!」

 

 その言葉と共に側面より回り込んだジャスティスが突撃する。戦場の爆炎とガレキの山を隠れ蓑にして距離を詰めていたジャスティスは最大加速で速度を得ると、背よりバックパックを分離して自身を追い越させた。

 加速したまま本体を追い越したファトムーTは前翼のビーム刃と下部にしまわれていた突撃剣を展開、そのままの勢いで目前に迫っていた破壊神の黒い障壁へと激突する。

 

 数瞬の拮抗の後、後方から追いついたジャスティスが強引に押し込んでそのバリアを突破した。先の攻撃で出力を減じていたのかあっさりと黒い障壁を抜けたジャスティスは、力を失い失速しつつある己のバックパックを掴んばまま次の変形を要求する。展開された翼が前に上がり中央の突撃剣を挟み込むようにして固定される。

 やがて現れたのは光刃を発する大剣であった。引き出された柄を残った右手で掴み、大きく振りかぶって腰部の増設スラスターで最後に加速を足して逆転の一撃への準備を完了した。

 

「よし、いけぇー。」

 

 デスティニーのファイターの声に応えるかのように高速で近づくジャスティス。ようやく変形を終えた相手は為す術なく見えたが……。

 

「!、待て。引き返すんだ。」

 

 だがその対応に違和感を覚えたリーダーは直観のまま仲間を引き留めようと声を上げた。だがその判断は既に遅い。

 

 高速で向かう相手へ向かう進路上、その周囲のガレキや煙が散り、その中から5、6基の機動ユニットが現れた。突然現れたそれらは勢いよく飛び込んきた獲物を捕らえる網のように散開する。

 

「これは、さっき叩き壊した障壁発生装置の残り?……しまった!」

 

 その正体に気が付き、強引に自機の進路を変えようとするジャスティスのファイター。だがそれが為されるよりも先に小型機動ユニットは包囲を完成させていた。

 そして次の瞬間、5基のユニットを頂点とする四角錐系のフィールドが形成され、内部に捕らわれたジャスティスは激しい電撃にさらされる。

 

「うわあぁぁぁぁ!」

 

「不味い、バインディングフィールドか。早く脱出を。」

 

「すぐに助ける。」

 

 激しい衝撃と共に瞬く間にダメージが蓄積していくおのれのガンプラに悲鳴を上げるジャスティスのファイターに仲間たちはすぐの脱出を促した。

 

「このぉ。」

 

 その言葉に反応し、ジャスティスは鈍くなった右腕を動かして大剣でフィールドを切り裂き、脱出を図ろうとする。だがその振りかぶった刃を振り下ろす直前、炎と煙に汚された空より飛来した巨大な拳がバリアごと中のものを押しつぶした。

 

「なっ。」

 

「あれは……。」

 

 驚愕の言葉を上げるデスティニーのファイターとリーダーの見る先で、仲間の残した爆発の中より黒い光を纏った巨大な拳が現れ、元の位置、すなわちようやく変形の完了した破壊神の右腕へと接続された。

 

 その様を呆然と見ていた二人に僚機を落とされたことを嘆く暇さえ与えず、破壊神は今度は左腕を残る二体のガンプラに向かって発射する。

 

 すぐに我に返り、回避しようとするデスティニー。だが高速で接近したその左腕は開いた五指の先端よりビームを発して、相手を光の網の中へからめとろうとする。

 先の限界を超えた機動によって動きを鈍らせたデスティニーは無数のビームによって足を止められてしまう。そして捕らえた相手へ腕輪のように取り巻いていた無数の小型突撃剣が分離して襲い掛かった。

 

「ダメだ。逃げきれない。うあぁぁぁぁ……。」

 

 先端より発せられた光刃により、切り刻まれたデスティニーはその言葉を残して爆散する。

 

「くっ。このぉ!」

 

 爆散する仲間の横を抜けて飛来してくる左腕を避けたリーダーはそれでも諦めずに攻撃を続けた。傷ついた翼を酷使して火線を避けて踊りながらも乏しい武器で抵抗を示すSフリーダムに対し、破壊神は残った右腕を再度発射した。

 

「そんなもので!。」

 

 先の仲間のように五指から発するビームで自分をからめとろうとする破壊神に吐き捨てながら、その補足範囲から退避したリーダーはしかしその動きを途中で止められてしまう。

 スロットを押しても引いても動かないガンプラに対し、リーダーは一瞬戸惑いそしてすぐに絡繰りへとたどり着いた。

 

「えっ。これは。!……しまった。両手の腕で僕を捕らえる不可視のフィールドを。」

 

 ビームの砲撃に紛れて張られていた停止フィールドにかかったSフリーダムに手のひらより光りを放つ両腕が前後より迫る。

 巨大な手はそのまま打ち合わされ、その間に生じた爆発すらも逃さずに押しつぶした。

 

 

【試合結果】

 

 ○<破壊神> - ×<Destiny's>

 

 

 




【チーム・ガンプラ解説】

<可能性の獣>

【チーム紹介】

 ユニコーン系のモビルスーツをそれぞれのセンスで重武装化したガンプラを操る。特徴としては第七回世界大会でイオリ・セイが用いたRGシステムを解析、改良して作り上げたフルサイコフレームと個々の目的に合わせた装甲の展開パターンを合わせ、その上に各個人の好みを大いに反映した追加武装を多く装備していること。これにより高い機体性能の上にさらに個性を積み上げる事に成功している。

 チームのエンブレムは丸を三つで分けた中に一角獣、獅子、不死鳥の頭部を中心に向き合わせた形。

 ここ数年における西東京地区の優勝チームであり、全国の常連。余談だがこのチームの存在のために西東京地区は激戦区となっている。
 

【機体紹介】


◆フルアーマーユニコーン(Ver.KN)

 原作とは違う構成で重装甲化されたユニコーンガンダムの改造ガンプラ。原型に比べて装甲の稼働が多く取られており、さらにハードポイントの増設に伴ってより多くの火器を装備することに成功している。


◆フルアーマーバンシィ(Ver.MT)

 ユニコーンガンダム二号機のバンシィにさらなる強化改造を加えたガンプラ。近接戦闘に主眼が置かれているため、前面の装甲の稼働は抑えられ、また追加装甲やフィールドシステムによって何重にも防御力が強化されている。両肩に装備された大型のユニットはシールドや大型クローとして使用できる。



◆フルアーマーフェネクス(Ver.MH)

 ユニコーンガンダム三号機の改造ガンプラ。高軌道戦闘に主眼が置かれている。三体の中で最も装甲は薄く、少ないため防御力は低め。各部に配置されたフレーム内蔵型の小型スラスターにより、繊細かつ大胆な機動を実現している。
 武装はビームマグナム一丁、左腕の連装ビーム砲にサーベルに加え、両肩と背に計四枚のスラスター内蔵型専用武装ユニットを備える。三回戦では先端に大型ビーム砲、側面に多数の小口径ビーム砲を装備したアームド・アーマーDE2を使用していた。



<チーム・Z>

【チーム紹介】

 Z系列のガンプラを愛する者たちの集まり。連携は今一つだが、個々の高い技量に支えられる高機動戦闘を得意とする。
 チームエンブレムは三つ連ねたZ。


【機体紹介】

◆Z・プルトニウス

 非公式作品、「機動戦士ガンダム ムーンクライシス」に登場。MS、TM(巡行)両形態での死重量が少ないのが売りの機体。表面に粒子フィールドを展開することで複雑な変形機構のために構造的にもろいZ系列のMSの中では非常に高い防御力を誇る。

◆グレイ・ゼータ

 プロモーション作品「Gundam evolve../9」に登場。映像では黄色のカラーリングであったが、このガンプラは灰色に塗装されている。正式名称はZガンダム三号機B型。大型のビームライフルと盾にマウントされたビームマシンガンによる高い火力が持ち味のガンプラ。

◆ZⅡ(DU)

 Zガンダムの発展機。変形機構の簡略化しより生産性と操縦性を向上させた。加えてこの機体をリファインしたという設定である「機動戦士ガンダムUC」に搭乗する可変量産MSリゼルのオプション装備、ディフェンサーユニットを改造して装備した。これによっさらに機動力を向上させている。



<Destiniys>

【チーム紹介】

 「機動戦士ガンダムSEED Destiniy」の主役機を改造したガンプラを使用。作中の関係とは違ってその連携の練度は中々に高い。今大会が初出場だった。


【機体紹介】


◆オーバーストライクフリーダム

 「機動戦士ガンダムSEED Destiny」に登場するストライクフリーダムの改造ガンプラ。特徴として背面のウイングバインダーを見直し、スラスターに主眼を置かれた主翼と機動兵装群ドラグーンや大型プラズマ収束ビーム砲、パラエーナ改などを備えた副翼をそれぞれ一対ずつ装備している。

 腹部の大型砲を廃止した代わりにフィールド発生システムを装備。またメイン武装である二丁のライフルをそれぞれ威力と連射を重視して強化している。連結機構もそのままに前後を入れ替えることでそれぞれの特性をさらに向上させた攻撃が可能になる。

◆デスティニーMk.Ⅱ

 同じく「機動戦士ガンダムSEED Destiny」に登場のデスティニーガンダムの改造ガンプラ。原型からの変更点としては全面的な武装の変更が上げられる。腰部へのビームサーベルの追加し掌部のビーム砲を手稿部先端に移動。さらに背面の武装の大剣とビーム砲もMS戦闘に主眼が置かれたより取り回しがしやすく、強化されたものへと改良されている。
 可動部分を改良した翼状のスラスターユニットにより高機動戦闘を得意とする。

◆インフィニットジャスティスT

 同じく「機動戦士ガンダムSEED Destiny」に登場する∞ジャスティスの改造ガンプラ。特徴としては追加スラスターユニット、大剣、大型ビームランチャーに変形可能な多目的バックパック、ファトゥムT(タクティカル)。


<破壊神>

【チーム紹介】

 デストロイガンダムを大幅に改造したガンプラを操るチーム。防御力と火力を重視した改造を施されており、その戦うさまはまさに黒い要塞。反面機動力は最低レベルだが機体の各所に装備された機動兵装と両腕の多目的ユニットによって補っている。
 実は毎年使用するガンプラに合わせてチーム名とエンブレムを変更していたりする。


【機体紹介】 

◆破壊神

 「機動戦士ガンダムSEED Destiny」に登場する大型MSデストロイガンダムの改造ガンプラ。火力と防御力に主眼が置かれて改造されている。背面に背負う甲殻に似た装甲の内側に多数の機動兵装群を内蔵し、大型ガンプラの特徴である豊富な粒子量を利用した大量展開が可能で、多数の砲口による同時攻撃と強力な防御フィールドの発生を両立させている。また装甲表面にも必要に応じてフィールドを張ることが出来き、厚い積層型強度可変装甲と合わせ、圧倒的な防御力を与えられている。
 また他の武装も大幅に強化がなされ、特に切り離しが可能な両腕の武装ユニットには強力なフィールド発生システムと腕輪のように取り巻く六基の突撃型ビーム機動剣砲が追加され、より強力な本体の支援が可能になった。




本分よりも解説の方が時間がかかる。
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