ガンダムビルドファイターズ アナザートライ   作:慢性睡眠不足

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連続投稿3話目。


ベスト8決定

 巨大な円筒状の構造物、コロニーを近くに望む宙域。そこが第六回戦、チーム<ビクトリーファイターズ>とチーム<シャドウナイトダンス>のバトルの舞台である

 

 試合が始まってしばらくのこと、そこを動く光点の一つよりピンク色の巨大な翼が展開する。僅か数秒で光翼の生成と消滅を行ったのはチーム<ビクトリーファイターズ>に属する一体のガンプラ。光の翼を発するミノフスキードライブ搭載型のVガンダムに火力と防御力、耐久性を向上させる強襲用装甲を追加したものだ。

 

 ファイターからセカンドVアサルトと名付けられたそのガンプラは光の翼をふるって一気に周囲の空間をなぎ払った。

 二つの光翼によって何度か空間を刻んだセカンドVは、さらに右肩上にまわしたウェポンホームより大型ビームライフルを手に取ると、彼方へ向かって数射した。

 

 一見無造作に、しかしその実確かな意図をもって放たれた光の内の一本が何も無い空間より爆発を引き出す。

 当たりを引いたことを知り、セカンドVはすぐさま左手の大型シールドを突き出した。シールドの上にさらに粒子フィールドを重ねたセカンドVが攻撃に備えるのと時同じくして、その爆発の生じた空間より黒いガンプラが出現する。

 影のように姿が揺らめくそのガンプラは左肩に構えたバズーカを先の返礼とするかの如く、セカンドVに向かって容赦なく撃ち込んでいく。

 

 その攻撃をセカンドVが盾を掲げて防ぐ隙に黒いガンプラ、ブリッツ改は再び姿を隠そうとした。

 しかしその思惑は六本の腕を持つ異形のガンプラによって阻まれる。

 

 Vガンダムのバックパックから左右に伸びるフレキシブルアームの先にコアファイタを改造したサブスラスターユニットを接続し、さらに追加で腕部と成るハンガーパーツを装着した改造ガンプラ、通称アシュラV(ビクトリー)は全ての腕にビームサーベルを握らせ、消えようとするブリッツに襲い掛かった。

 

 バズーカを犠牲に一本をかわし、両手のシールドによって三本をしのぎいだブリッツはさらに左肩部に移設されたグレイプニールを発射して一本のビームサーベルを弾き飛ばすことに成功した。

 しかし単純な腕の差はいかんともしがたく、残った一本の光刃によってブリッツは胴体部を穿たれてしまう。

 

 ブリッツが残した最後の爆発に照らされるアシュラV。しかしその後ろで爆発が作り出した光より大鎌を振りかぶった影の姿が照らし出される。

 

 マントに似た隠密シールドを背に回し、光を返さない漆黒の鎌を振り下ろす死神の名を与えられたそのガンプラによる背後からの奇襲攻撃。それを寸前で察知したアシュラVは左右のサブアームの腕をハンガーに戻しつつ、後ろに倒す。同時に四つの先端より発生させたシールドは多重の防御層によって鎌の一撃をかろうじて跳ね返すことに成功した。

 

 叩きつけられた勢いを利用し、アシュラVはその場より離脱をかけようとする。だが対する死神も見逃すつもりは無かった。

 相手の離脱よりも先に死神の両腰に装備されたシールドが前に向かって起き上がり、直後に勢いよく発射される。

 

 左右の鋭い刃と中央のビーム刃を展開したバスターシールドの片割れは多重シールドの下を潜りぬけると増設されたサイドバインダーを切り裂き、その後ろの足をも挟み込んで切断した。

 もう一つのバスターシールドはビームシールドの端の薄い部分を破って腰部に打ち込まれ、爆発する。

 

 とっさに下半身を切り離し、トップ・コアファイタとなって逃れたアシュラVに再度鎌を構えた死神が襲い掛かった。

 展開されたままの多重ビームシールドを避けるために死角の下から上を向いた鎌の刃が起き上がってくる。

 

 だがその時、横から差し込まれた四本の光の束が死神を襲う。とっさにアクティブシールドで本体を覆ってその攻撃をしのぐが、しかしその隙を突いたアシュラVは離脱を完了した。

 

 仲間を窮地から救ったのはアシュラVと同じように増設したサブスラスター部にオーバーハングパックを装備したVガンダムの改造機体、V‘‘‘(トリプルダッシュ)ヘキサと名づけられたガンプラだ。

 

 四本の大型砲にさらにブースターとしていた背のキャノンを加えた六本の砲を次々と放ち、鎌を構える死神を追い詰めていくV‘‘‘だが、突然目標の周囲に黒い霧が発生した。

 ビームを散らすその霧に隠れるように、死神は姿を消していく。

 

 それを見たV’’’ヘキサはすぐにセカンドVと合わせて脚部に増設したミサイルランチャーでその霧を払うが、しかしその頃にはすでに相手の姿は消えていた。

 それから数度、セカンドVが光の翼で予想される退避ルートをなぎ払うも、いずれも空振りに終わる。

 

 双翼を消失させたセカンドVはブーツパーツを失ったアシュラV、V‘‘‘ヘキサと合流した。

 V```ヘキサが自身のブーツを分離してアシュラVに譲っている間にセカンドVアサルトはシールドより分離したバリアビットを三機を中心にした同心円上に展開し、周囲の警戒を始める。

 

 数の上では3対2と<ビクトリーファイターズ>が有利だが、隠密性に優れる<シャドウナイトダンス>は先手を取りやすく、場合によっては不意をついた奇襲によって一気に形勢を逆転されかねない。不用意に動くのは危険と判断し、<ビクトリーファイターズ>は待ちの姿勢を取って、相手の攻撃を誘う。

 

 このまま時間切れになれば、一体を落とされている<シャドウナイトダンス>は敗北する。相手が勝利を得るためには仕掛けてこざるを得ず、<ビクトリーファイターズ>は自らを囮に彼らを引きずり出して一気に勝負を決めるつもりだった。

 

 それからしばらくは静かな時間が過ぎた。ゆっくりと彼方のコロニーが回転し、星が瞬いている。しかし残り時間が三分を切ったとき、突如その静寂は破られた。

 

 突然セカンドVが右肩上のメガビームライフルをある一点に向かって撃ちかける。何事も無く虚空に消えるはずだったその光はしかし、射線上に浮かび上がった影によって阻まれた。

 

 チームの周囲から離して展開したシールドとビットの間に微弱なフィールドを発生させることで、ステルス感知システムを構築していたセカンドVはその領域に反応した存在を探知したのだ。

 

 再び姿を現した死神を見逃さないようにV‘‘‘ヘキサと連携して続けざまに攻撃を仕掛け、リベンジに燃えるアシュラVの接近を援護する。しかし突然、何もない場所からビームが撃ち出され、セカンドVの左肩を吹き飛ばした。

 

 とっさに身をひねって撃墜を避けたセカンドVであるが、今の攻撃により、左腕の機能を喪失した。代わりにV‘‘‘ヘキサの右肩の二門が返礼の攻撃を放ち、ビームが生じた空間を飲み込み、その原因を爆散させる。

 

 それが長大な砲だけだったとV‘‘‘ヘキサが知ったとき、後方より飛来した十字の大手裏剣が右のサブスラスターに突き刺さった。直後、オーバーハングキャノンをも巻き込んで大爆発が起こる。

 その爆発にまぎれ、天頂方向より急降下した影が手に持つ直刀をセカンドVの頭より突き刺して着地した。

 

 細身のシルエットを持つチーム<シャドウナイトダンス>の最後の一体、ガンダムシノビがいくつかの装備を囮に敵のエースを討ち取ったのだ。

 

 だが対するセカンドVもただでは落とされなかった。攻撃の瞬間にブーツを放出すると残った右腕を動かしてその足を絡め取ったのだ。

 離脱寸前に引止められ、セカンドVの最後の攻撃である爆発に巻き込まれたガンダムシノビ。撃墜は免れたものの、炎の中より脱出するまでに少なくないダメージを負う。

 

 さらにその直後、脱出したガンダムシノビの背に大破しながらもギリギリで生き延びていたV‘‘‘ヘキサが射出したオーバーハングキャノンが激突した。さらに続いて放出されたブーツと合体したV‘‘‘ヘキサがサーベルを構えて突貫を行う。

 

 ガンダムシノビもまた腰の小刀を引き抜き、迎え撃つ構えを見せる。傷ついたもの同士が行う真っ向勝負。しかし両者とも素直に相手にぶつかるつもりは無かった。

 

 激突の寸前で最後に残っていた背の半壊したブースターを分離して前に射出するV```ヘキサと腰の後ろより取り出した爆薬内蔵式の武器、クナイを前に投げつけるガンダムシノビ。共に相手の一撃を交わして、自らの一撃を叩き込むための布石だった。

 

 勝利を目指して打たれた布石はしかしほぼ同時になされたために対処する間も無く衝突する。想定とは違い、互いのこの一手は近づく本体の間で爆発を起こしてその視界を一瞬奪うだけに留まった。

 

 布石同士が相殺された後、先手を打って次の手段を実行したのはV```ヘキサだった。損傷の度合いから即座に相打ちを選択したV```ヘキサはガンダムシノビに激突寸前、手にしたサーベルを譲り受けたブーツ残るミサイルランチャーへと突き刺す。

 

 それに生じる爆発に相手を巻き込むと寸前にV’’’ヘキサは分離を実行、コアファイタのみで脱出しようとした。だがそれよるも前に急加速で距離を詰めたガンダムシノビが小刀を振り下ろし、分離直後の本体に刃を叩き込む。

 次の瞬間、破壊されたブーツとミサイルランチャーが爆発し、二体を巻き込んで盛大な花火を上げた。

 

 連続した爆発の内からはじかれるように現れたのは激しく損傷したV```ヘキサのコアファイタであった。しかしその左翼は半ばよりもぎ取られ、スラスターのほとんども光を失っている。かろうじて撃墜は免れているものの、誰の目にも戦闘は不可能な状態であった。

 

 図らずとも一対一になったアシュラVと死神。しかし接近戦では先の仲間の二の舞になると考えたのか、死神は背に負っていた棺桶状のコンテナを変形させて大型の長銃へと転じさせると、射撃で牽制をかけながら、後方に下がろうとした。

 

 ひとまず距離をとった後、再び姿を隠して奇襲をかけようというのだろう。そのことを察したアシュラVはこの場で勝負を決めるべく、短期決戦を選択した。

 

 左右のサブと本体の腕をハンガーへと変形させたアシュラVは前面にシールドを多重展開したのちに最大加速で姿を隠そうとする死神へと突撃する。

 

 襲い来る弾丸をはじき返しながら突撃してくる相手に対し、姿を消す時間は無いと見たのだろう。残存粒子も時間も残り少ない状況に押されたのか、死神もまた銃を捨ててビームと実体刃のをそれぞれ備えた二つの大鎌を取り出すと、最後の勝負に乗った。

 

 高速で接近する二体のガンプラはすれ違う直前で互いに必殺の攻撃を叩きこむ。死神の黒い光刃がアシュラVの右半身を断ち、ビームシールドを利用した六連打の最後の一撃がアクティブシールドを破って黒い死神の胴体へと突き刺さった。

 

 ギリギリでコックピットを外したアシュラVの後方で致命傷を負ったデスサイズヘルが爆発する。

 

 地区大会第五回戦、<ビクトリーファイターズ>対<シャドウナイトダンス>のバトルは接戦の末前者の勝利で終了した。

 

 

 

「これでベスト8の内、6チームが選出か。そして次の俺達の相手はやっぱり<ビクトリーファイターズ>に決まったな。」

 

 本日最後のバトルが終了したバトル台より視線を離した拓也は撤収の入りながら傍らの賢士郎へと話しかけた。

 

「対戦相手だった<シャドウナイトダンス>の隠密奇襲戦法も強かったけど、ダメージコントロールに優れた<ビクトリーファイターズ>のほうが競り勝ったね。」

 

 答えた賢士郎は慣れた手つきで荷物をまとめると本拠に向かって歩き出す。入れ替わる観客の波を抜けながらも拓也と賢士郎は会話を続けた。

 

「残りの枠は後二つだけど、その内の一つはチーム<エデン>だろうね。」

 

「多分そうだろな。次俺達が勝って、あいつらも勝つとすると準決勝は去年と同じ対戦カードになるのか。」

 

「今までの勝敗は一勝一敗。負ける気は無いけど、去年と同じ手は通用しないだろうね。」

 

「となると切り札を出さなきゃいけないかもな。」

 

「出来れば去年の反省を生かして決勝まで温存しておきたかったけど。」

 

「まあ、負けたら意味ないしな。決勝は決勝でがんばるしかないだろ。」

 

 そんな風に翌週の大海最終日の決戦のことを話しながら本拠に戻ると別の試合を見に行っていた綾が彼女の姉の結と一緒に手元の端末を覗き込んでいる。

 

「ああ、二人とも先に戻っていたんですか。結さん、お手伝いありがとうございます。」

 

 年長者に礼儀正しい賢士郎が結に声をかけた。チームの引率役を引き受けてくれている彼女は端末に向けていた目を賢士郎へ移すと、快活に笑う。

 

「あら、二人ともお帰り。いつも思うんだけど賢士郎君は中身も落ち着いていて真面目よね。外見だけは猫を被っているウチの妹も見習ってほしいわ。」

 

「姉さま。騙されてはいけません。賢士郎さんも拓也さんも本当の中身は私と同じですよ。ただ姉さまの前では上手く隠しているだけです。」

 

 姉の遠慮のない言葉に綾もまた端末から目を離して抗議の声を上げた。しかし妹の反論にも動じず、首をかしげてみせながら結は答えた。

 

「ええっ。でも、例えそうだとしてもすぐに本性を出す綾ちゃんよりはよっぽどしっかりしていると思うけど。」

 

「そ、そんなことはありません。私だって時と場合ぐらいは選んでいるつもりです。」

 

「いや、時と場合に関係なく隠せなきゃだめだろ。」

 

 姉妹の言い合いについ口を挟んでしまった拓也だが、綾に一睨みされて即座にその口をつぐんだ。ガンプラバトル以上に舌戦でも拓也の勝率は低い。

 

「ほら、またきつい目をしてる。それにこの間友達が言っていたんだけど、綾ちゃんガンプラ部の部長さんと揉めたんだって。その上、ケンカを売って完膚なきまでに叩きのめしたって聞いたわよ。」

 

「あ、あれは。ほら、先輩も困っていたので。それにあの部長さんのやり方が悪どすぎただけです。」

 

「うーん。でもお母さんは女の子らしい部活に入りなさいって言ってたのに、結局ガンプラバトル部にもちゃっかり入っているし。」

 

「バトル部は週に一度だけですし。美術部のほうが出ている回数は多いですから。」

 

「ええっ。でも賢士郎君たちとの付き合いもあるし、結局ガンプラバトル関係のほうが多いじゃない。」

 

 だんだんとヒートアップしていく姉妹ケンカに取り残された賢士郎と拓也はまた始まったと顔を見合わせる。

 こういった姉妹のやり取りは過去に何度か経験している二人だが、同時に始まったらなかなか終わらないのも知っていた。そして下手に介入すると巻き込まれて事態が悪化することも。

 

 しかし拓也は早々に手を上げて賢士郎にこの場の仲裁を頼んだ。ため息を一つついてそれを受けた賢士郎は苦笑いを浮かべると二人の間に割って入る。

 

「まあまあ二人ともその辺で。ところで綾。そっちの試合はどうだった。」

 

「綾ちゃん、ほら賢士郎君が聞いてきてるわよ。お姉ちゃんにかまっていないで答えて上げなさい。」

 

「姉さま。今は引き下がりますけど、後でこの決着はつけさせてもらいますからね。」

 

 自身への飛び火を避けるためにターゲットを綾に絞った賢士郎の狙い通りにひとまず緋川姉妹のじゃれあいは終わった。よくやったという気持ちを込めて拓也が賢士郎の肩を叩いたが、帰ってきたのは恨みがましい視線だった。

 

「今回は僕がやったから、次は拓也に頼むよ。」

 

「分かった。覚えておくよ。」

 

「お二人とも。私の話を聞くのではなかったのですか。」

 

 次回の仲裁役について拓也と賢士郎の様子に綾が不機嫌な声を出した。問われて答えようとしたのに、自分から意識を外しているのを知ってその可愛らしい顔をしかめる。

 そんな彼女にまた結が何事かを言いかけたため、慌てて二人はチームメイトへと向き直った。

 

「まあいいでしょう。では報告から。こちらは<エデン>と<ブレイドマスターズ>が勝ち残りました。前者はともかく後者は正直予想外でしたね。事前の予想では<サイレントスナイプズ>のほうが有利だと思われてましたから。」

 

 彼女の報告に拓也と賢士郎は揃って疑問を浮かべる。それを読み取った綾は微笑と共に言葉を続けた。

 

「まあ詳細は録画を見ていただくとして。私見で言わせてもらえば、上手くダメージを抑えつつ、一気に決戦に持ち込んだのが勝因でした。思ったより射撃戦への備えもしっかりしていましたし。そちらはどうでしたか。」

 

 自身の見解を加えた報告を終えた綾は今度は拓也たちに問いかけてきた。先ほど賢士郎に仲裁を押し付けたというわけではないが、拓也が答えを返す。

 

「こっちの勝ち抜けは大方の予想通りに<ユニバース>と<ビクトリーファイターズ>だった。後者は接線だったが、まあ予想通りと言えば予想通りだな。一方の<ユニバース>のほうは全く危なげがない試合だったけどな。」

 

「なるほど。やはり上がってきましたか。手強い相手ですね。まあ望むところですが。」

 

「綾ちゃん、綾ちゃん。その顔は止めなさい。女の子がしていい顔じゃないから。」

 

 拓也の報告を聞き、強敵への闘志を見せる綾へ、結が忠告をした。ほっといてくださいとその言葉を蹴った綾は今度はベスト8に残ったチームについてまとめに入る。

 

「これで準々決勝の組み合わせは、<可能性の獣>対<破壊神>。<ドムドムドム>対<ユニバース>。<アナザートライ>対<ビクトリーファイターズ>。そして<ブレイドマスターズ>対<エデン>ですか。去年以上に強豪チームばかりですね。」

 

「うん、中々闘いがいがありそうだね。」

 

「全くだ。来週が楽しみだな。」

 

 ベスト8の顔ぶれを思い浮かべたのか賢士郎は穏やかな顔の下から一瞬だけ試合中のような闘争心を覗かせ、拓也もまたそれに同意して笑いで唇を歪ませた。

 

 決して強がりではない。勝つことは大事だが、それ以上に強い相手と戦いたいと思うのはファイターとしては当然だ。容易に得られる勝ちをいくつ積み上げたところで、激闘の末の敗北に届くことはない。それが勝利ならば言うに及ばずである。

 

 強い相手と戦い、勝利する。それがファイターにとって何よりの喜びであり、上を目指す原動力だ。

 

 ここまでのバトルを見れば、どのチームも侮れないことなど十分すぎるほどに分かっている。簡単に勝てるチームなど一つたりとも存在せず、そしてその手の内もまたお互い完全にはさらしていないのだから。

 

 しかし同時に勝てないと思うチームも無かった。それは<可能性の獣>も<ユニバース>も含めてだ。

 

 今までのバトルと特訓の結果、アナザートライは今ここに立っている。そしてその道はまだまだ先先に続いている事を三人は信じていた。

 

「さあ。最後の仕上げだ。一週間後、僕達が最後の勝利者だということを証明しようか。」




とりあえずここまで。


[チーム&ガンプラ解説]


<ビクトリーファイターズ>

【チーム紹介】
 Vガンダム系列のガンプラを使う強豪チーム。今大会ではダメージコントロールと長期戦での戦力低下防止を重視して開発されたガンプラを操る。その特徴はハンガー、ブーツの共有化と個々の機体の個性の両立。結果として誕生したのが異形のガンプラ達であった。

【機体紹介】


◆セカンドV・アサルト

 小説版「機動戦士Vガンダム」に登場するミノフスキードライブ搭載型Vガンダムの改造ガンプラ。強度不足から全力機動を行うと空中分解するという設定を補うべく、各所に強化アーマーを追加して防御力と耐久性の向上を目指した。

 この強化アーマーは後継機に位置するV2ガンダムの中距離強化装備であるアサルトパーツを参考に製作されたため、アサルトを名前に冠することになった。
 追加部分は主に本体の剛性と強度を引き上げ、さらに防護力を持たせる胴体部などの装甲。フィールド発生システムを内蔵した肩と足。そして取り外し可能な可変速ビームガン、ヴェスバーガンを装備した腰部である。さらにフロントアーマーや膝の部分にバスター装備から流用したマイクロミサイル内臓ポッドを装備することもある。

 またミノフスキードライブ左右から肩の後ろに伸びるウェポンプラットホームも元から引き継いでおり、メガビームライフルとメガビームシールドをそれぞれ懸架可能。

◆アシュラV

 バックパックの左右より張り出した強靭なアームとその先に取り付けたれた二つのサブスラスターユニットにハンガーパーツを装備したガンプラ。正式名称はトライハンガーV。合計六つの腕部による連続攻撃と六基のビームシールドの同時展開による強力なバリアが特徴。

 追加されたサブスラスターには本体と同じコアファイタが流用されている。具体的には前から三分の二をカットしたコアファイタの首の部分に突き刺さる形で太いアームが接合。そのためにハンガー、ブーツ、ブースターパーツの装備が可能である。
 また切り離された前部分にはハードポイントが設定され、この戦闘においては追加センサーと追加粒子貯蔵タンクが装備されていた。

 なおバランスはお世辞にもよいとは言えず、ブーツの後部に追加したロングテール状のプロペラント兼補助スラスターをスタンド代わりにしていたりする。装備共有のために他のガンプラも同様の仕様。

◆V’’’ヘキサ

 トライハンガーと同じく仕様のサブスラスターユニットと本体背部に三つのオーバーハングパックを装備したガンプラ。センサー系強化のため頭部をヘキサパーツに換装している。
 三つのパックに備わった計六門のオーバーハングキャノンによる一斉射撃は圧倒的な破壊力を示す。

<シャドウナイトダンス>

【チーム紹介】

 隠密性に特化したチーム。姿を隠して相手を翻弄し、死角からの奇襲を得意とする。派手なところは無いが、対策を怠れば何が起きたのかも分からずに敗北することになるだろう。

【機体紹介】

◆ブリッツ改

 「機動戦士ガンダムSEED」に登場する特殊戦仕様のガンプラ。全身に纏ったミラージュコロイド粒子によって高いステルス性のを発揮する。
 ステルス可能時間の延長のために補助粒子タンクを背面に装備。武装も燃費がよく、位置が気取られにくい実弾系を主にする。
 また本来右手だけに装備されていた複合防盾システム「トリケロス」が左手にも追加され、本来の武装であったグレイプニールは両肩に追加移植された。

◆死神

 「新機動戦記ガンダムW」に登場するガンダムデスサイズヘルの改造ガンプラ。「敗者たちの栄光」に登場するデスサイズヘル(EW)を意識し、アクティブクロークの可動方式の変更と大型化に加え、武装の見直しが図られている。
 また本来のツインビームサイズの他、実体場を備えた大鎌「ナイトリーパー」を装備し、棺桶に似た消音ライフルを装備するなど、ステルス戦闘を重視したん武装構成で固められている。
 強化されたハイパージャマーは相手のガンプラの索敵機能をジャミングするだけではなく、フィールドを構成する粒子にも効果を発揮して高いステルス性能を獲得している。

◆ガンダムシノビ

 「機動戦士ガンダムAGE」に登場するAGE-1スパローをさらに隠密奇襲戦法に特化させたガンプラ。全体のカラーリングが黒系統に変更された他、爆裂クナイや大型手裏剣、変わり身用のダミーバルーンといったトリッキーな武装を多く装備している。今回のバトルでは組み立て式のライフルを囮に相手チームのエースを落とす活躍をした。


余談ですが、ビクトリーファイターズは主人公候補チームの一つでした。説明が詳細なのはそのためです。
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