人々は平和であった
争いは減り、新たなエネルギーが開発され、暮らしは豊かになった
ある日、世界は崩壊への一歩を踏み出すことになる…
深海から突如謎の生物が現れ、人々を襲い、建物を壊したのだ
人々は絶望したが、戦う意思は忘れず新たな兵器を開発した
深海生物に対抗すべく産み出された兵器を、日本の艦の記憶をも生まれた娘として「艦娘」と呼んだ
彼女らの物語が、今、始まる━━
「…というのはどうでしょうか提督」
桃色のポニーテールを揺らし、少女は聞いてくる
「不知火」、陽炎型二番艦、いまは俺の秘書艦をやっている
今はある舞台に関する物語を考えているのだが…
「それって今の状況そのまんまじゃないか…?面白い話にはならないと思うぞ?」
俺は口を出す。もちろん俺も考えてるし、彼女もそれはわかっているのだろう「じゃあお前が考えればいいだろ」的なことは言わない
「確かにそうですが、リアリティーがあった方が一般的に面白いかと思います」
「それもそうだが…その手のものはもう散々やっているらしいんだよなぁ…まったく…上はなぜ毎回こんなのをやらせんだか…」
そう、これは一回目ではない
毎年一回、艦娘の理解を深めるためということで、物語を作らされる
なので毎年その時の秘書艦とともに、物語を考えているのだ
「しかし、軍にとってみれば市民からの理解が早急に必要なのでは?」
不知火が言う
「それにしては多過ぎるって話なんだよ…はぁ…」
ついため息が漏れてしまう
「それではこういうのは…」
…
そして2時間が経過し、正午を過ぎたころに、やっと完成した
「ふぅ…不知火、お疲れさん」
一緒に頑張ってくれた秘書艦に声をかける
「ありがとうございます。しかし先ほど書類が届きました。こちらの仕事もありますが、休憩しますか?」
どうも結構な量がありそうだが…
「休憩したいのは山々だが、一旦休むと始めたくなくなるし、先に終わらせとくよ。お前まだ昼食食って無かったろ?そろっと遠征組も帰ってくるし、一緒に食べて来たらどうだ?」
と、言うと不知火は少し迷って
「わかりました、では帰ってきた人を迎えた後で食堂へ行きますが…」
と心配したような目でこっちを見た
「ん?あぁ昼飯はちゃんと食うよ。これ終わってからだがな」
おそらく、以前提出する書類が多過ぎて飯も食わずに徹夜してぶっ倒れたことを心配してくれたのだろう。
「わかりました、それでは行ってきます」
そういって彼女は執務室から出た
「…ふぅ…さて、結構な量があるな…」
今日は遅くなるかな…
ここまで見てくださり、ありがとうございました