親が決めたiPadを使うルールもあり、更新は早くて2週間くらいです…m(_ _)m
基本的に暇な授業の時に書いてるのでテスト期間中はアイデアが皆無になる可能性 大 です。
窓の外ではもう陽は沈みかけていた。電気をつけていない部屋は少しずつ暗くなり、まるで海の底へ落ちて行くかのようだった。隣同士、ベッドに腰掛けていた晴樹と結衣菜の間には、重い空気が漂っていた。
「あの判断は間違っていたのかな」
晴樹のこの質問がしばらくの沈黙を終わらせた。結衣菜にとっては何の新鮮味もない質問だ。そして結衣菜はいつも通り複雑な感情を抱きながら、
「どうなんだろうね」
と柔らかく返した。すると晴樹は太ももにひっついた右脚を引きずりながら事件Xについての全ての情報をかき集めたファイルのある棚までまで行った。そして何十回、何百回見たかわからないそのファイルを1ページずつ丁寧に見ていった。そして
「明日で6年になる」
と呟いた。そこにどんな回想がありどんな感情がおこているのか結衣菜には痛いほどわかる。しかし
「そうだね」
と答えることしか出来ず、気の利いた言葉は全く出てこなかった。そんな自分が情けなくて仕方ない。自分の言葉にすら責任を持つ覚悟がない自分に毎度毎度、落胆する。だがその程度の悩みを軽々しく口に出すわけにはいかない。とりあえず頭を冷やさなければ…...
「いつものとこ、いつもの時間ね」
自然と少し早口になってしまった。しかし晴樹は気づいていない
「了解」
といつも通りの答えだった。
翌日、いつもの場所で7時に合流するとまっすぐ十三墓地に向かい、事件Xで死んだ3人の墓の手を合わせ、花を飾り、綺麗に掃除してまわった。右脚が重りと化している晴樹にとって、これだけでとんだ重労働だった。全ての墓をまわり終える頃には3月中旬だというのに大量の汗をかいていた。休みがてら昼食を済ませることになり近くのファミリーレストランへ入った。
「いらしゃいませ。2名様ですね。御席、ご案内いたします」
2人の心情にはそぐはない、とても陽気な声だった。案内されたのは、はめ殺しにされた大きな窓のそばにある四人席だった。まだ10時でお昼時ではないので人はまばらだった。とりあえず2人ともドリンクバーを頼み墓を掃除するために使った足腰を休ませることにした。
「明日はガッコーか?」
学校に行っていない晴樹にとって学校は未知の領域である。
「そうだよ。明日は体力測定のために握力をはかるんだ」
「本気は出すなよ」
晴樹は微笑した。なんだか結衣菜は身体の芯が暖まる気がした。
「ださないよ」
結衣菜も微笑で返した
会話が途切れ、何気なく見た窓の外には無数の墓が整然と並んでいた。