今のナンバーズだと会話がはずまないです。
やっぱノーヴェとウェンディがいなきゃ
とうわけで、今回も楽しんでいただけたら幸いです。
「ほらほら!!ボディががら空きよ!!」
「グァッ!?て、テメェ……!!」
基地の訓練スペースでは顔立ちの似ている二人の女性が戦っていた。
ナンバーズの№Ⅸノーヴェと、そのオリジナルであるクイント・ナカジマである。
ノーヴェ-一ヶ月前に稼働したナンバーズの№Ⅸ。クイント・ナカジマの希少技能である【ウィングロード】を獲得するべく造り出された戦闘機人である。
実験、調整、実験、調整を繰り返した結果、フレームなどの身体面に問題なく、ISも狙い通りのものとなった。
ただ精神面では問題があり、常にイライラしておりほかの姉妹にも威圧的な態度をとっている。幸いチンクの熱心な教育により落ち着いてきたが、未だに短気は治っておらず注意が必要である。
そしてノーヴェは2週間前にようやく調整が終わり、自由に出歩くことが出来るようになったのだ。
そんなノーヴェが何故オリジナルであるクイント・ナカジマと戦っているのか?
それはノーヴェが自由に動き回れるようになった2週間前に遡る。
~~回想~~
「なぁ、私のオリジナルってここにいるんだよな?」
「うん、いるよ。クイント・ナカジマでしょ?」
ノーヴェはセインに自分のオリジナルであるクイント・ナカジマについて訪ねていた。
「強いのか?」
「強いよ~。陸戦AAランクは伊達じゃないってね。レディの弾幕の嵐をくぐり抜けて一発ぶち込んだらしいしねー」
「っ!」
ノーヴェはその言葉に驚いた。
ノーヴェも稼動テストの際にレディと模擬戦をしたのだが、あの弾幕の嵐を避けることは出来たが近づくことすらできなかったのだ。一発入れるなど夢のまた夢だ。
しかも殺し合いということはレディも希少技能を使用していただろう。
「それに彼女は精神がとても強い。あの絶望的な状況でも、必ず生きて帰るという意思が感じられた。だからこそ、レディに対抗できたのかもしれないが」
「チンク姉」
現れたチンクがさらにクイントを評価していく。しかし、ノーヴェが深い愛情と思い入れを抱くチンクのその言葉は、ノーヴェの嫉妬心を煽った。
「でも、戦闘機人でもないただの人間なんだろ!?レディだってそうだ!!」
「そのレディに近づくことさえできないのによく言うー」
「うるせぇ!!」
セインに当り散らすノーヴェ。それを見てチンクは口を開いた。
「なんなら模擬戦でもしてみてはどうだ?オリジナルと」
スカリエッティ陣営に裏方とはいえ、協力することを決めたクイントは既にシンカーコアの封印を解かれている。
リハビリも済んでおり模擬戦を行うくらいどうってことはないのだ。
「いいのか!?」
その言葉にノーヴェは即座に反応した。口には出さなかったが、前々から自分のオリジナルと戦いたいとは思っていたのだ。
「もちろん、向こうが了解したらだがな」
「分かった!!聞いてくる!!」
ノーヴェは戦闘スペースを走り去った。おそらくクイントの部屋に向かったのだろう。
「通信すればいいのに……」
セインはその様子を眺めながら呟いた。
こうしてノーヴェのオリジナルへの挑戦が始まった。
ちなみに今のところ勝敗は4戦全敗である―――もちろんノーヴェが。
~~それでは今までの戦闘をダイジェスト版でお送りいたします~~
第1戦目
「ハッ!戦闘機人とただの人間の違いを教えてやるぜ!!」
「口悪わねぇ……。ホントに私の遺伝子を使ってるのかしら?」
「んじゃ、行くぜぇ!!」
「動きが雑すぎよ!!もっと腕を磨いて出直してらっしゃい!」
「ガハァ!!」
評価「スペックだけでは勝てないということだね」By ジェイル・スカリエッティ
第2戦目
「見ろ!!これが私のIS【ブレイクライナー】だ!!」
「私のウィングロードにそっくりねぇ…」
「ウィングロードじゃねぇよ!!【エアライナー】、だ!!」
「使い方が甘ーい!砂糖に蜂蜜ぶっかけるぐらい甘いわ!!」
「な!?私のエアライナーを!?ぐわぁぁあああ!!」
評価「せっかくの能力も使いこなせなければ意味がない」By トーレ
第3戦目
「オラァ!!ジェットエッジ!!!」
「早けりゃいいってモンじゃないのよっ!!」
「何ィ!?受け流しただとォ!?」
「てい!!」
「グボッ!?」
評価「あはははは!!グボだってよグボ!?すげー飛んでったぞ!!マジ笑える」BY レディ
第4戦目
「なかなか良くなってきたじゃない」
「その上から目線すっげームカつく!!」
「だって、事実私が上じゃない」
「絶対ぶっ殺す!!」
「戦場では常に冷静を保つ!!」
「ガッ!?―――カ、カウンター…だと……」
評価「もっと冷静に戦況を見極め、戦わなければいけない」By チンク
こんな感じでフルボッコだった。
~~ダイジェスト終了~~
そして現在もリベンジするべく第5戦目を挑んでいるが、始終押されっぱなしである。
実験や模擬戦などで戦闘訓練を積んではいるが、まだまだ経験が足らないのだ。大してクイントは管理局員として現場を駆け回っており、経験は豊富なのだ。
そのせいでウィングロード、ノーヴェにとってはエアライナーだが、の使い方や体の動かし方など様々な所で差が出てしまっている。
「だから力任せは駄目!!」
「おわ……!?がはっ!!」
現在も組み合った瞬間に力任せで押し倒そうとするノーヴェに対して、クイントは冷静に重心を後ろに引きノーヴェの態勢を崩し、そのまま地面に投げつけた。
すかさずクイントはノーヴェに拳を振り下ろした。ノーヴェは叩きつけられた背中の痛みを無視して、必死にその一撃を躱し戦闘機人のスペックを活かし大きく距離をとった。
外したクイントの一撃は拳が地面に埋まっており、その威力は簡単に想像することができた。
「殺す気かよ」
「あら、戦闘機人なんでしょう?そんな簡単に壊れるものなのかしら?」
「確かに壊れねぇ……な!!」
ノーヴェは地面を叩き土煙をあげ、クイントの視界から逃れる。
そしてすかさずエアライナーを発動し、周りを見回しているクイントを頭上から強襲した。
しかしその一撃は簡単によけられてしまった。
「だから!ウィングロードはあまり長く出さない!!」
カウンターを出しながら口を開くクイント。ノーヴェはなんとか躱したものの態勢を崩してしまった。
「ウィングロードはここに行きますっていう目印にもなるんだからね!!」
「―――っ!……っ!?…クッ!!」
アドバイスをしながらクイントはノーヴェに拳で蹴りでと追撃を加えていく。クイントは防御だけで精一杯で喋ることすらできない。
いや防御すら間に合っていいない。だんだんクイントの拳がノーヴェを捉え始めている。
「スキ有りィ!!」
「ぐぇ!?」
そしてついにクイントの拳がノーヴェの鳩尾に直撃した。
戦闘機人とはいえ、人間がベースである以上、弱点も人間と同じである。
鳩尾を殴られたノーヴェはその場に崩れ落ちた。
「ここまでだな」
審判をしていたチンクが、それを見て試合の終了を告げた。
「まだ、だ。まだやれ…る……」
ノーヴェは鳩尾を抑えながら立ち上がったが、どう見ても戦える状態には見えなかった。
「ノーヴェ、無様を晒すな。敗者には敗者なりの矜持というものがあるのだ。素直に負けを認めろ」
「そういうことだ。大丈夫だ、ノーヴェはどんどん強くなっている。姉が保証しよう」
「チンク姉……」
自分が尊敬するチンクに言われたノーヴェは、構えを解いた。
その際、倒れそうになったがノーヴェなりの意地とでもいうべきか、その場に踏みとどまった。
「オリジナル、次は負けねぇからな」
そしてそう言い捨て、訓練スペースを去っていった。
■■■
「どうだったよ?」
「いや~。戦うたびに強くなってるんだもん、困っちゃうわ~」
場所は変わってクイントの部屋。そこには椅子に行儀悪く座っているレディと、ベッドの上でぐた~としているクイントがいた。
「というか、お前よく鍛える気になったな。気持ち悪くねぇの?自分の遺伝子が勝手に使われてんだぜ?」
「そんなの今更よ。すでにスバルとギンガがいるのよ?」
【タイプゼロ・ファースト】ギンガ・ナカジマ
【タイプゼロ・セカンド】スバル・ナカジマ
両名とも何者かがクイント・ナカジマの遺伝子を用いて造り上げた戦闘機人である。
そして両名とも偶然にもクイント・ナカジマに保護され、その後に家族として引き取られた。
「そういやそうだったな。じゃあ、あれか。ノーヴェも娘みたいなもんか」
「ちょっと反抗的だけどね。まぁ、スバルもギンガもいい子すぎるから、ちょうどいいのかもしれないけど」
「あー、駄目だ。あいつが家族してるところが想像できねぇ」
「そうかしら。あの子スバルと瓜二つだし案外仲良くするかもしれないわよ」
「『スバル、駄目でしょ。行儀よくしなさい』ってか?……ぶはははは!!駄目だ…笑いしか出てこねぇ!!」
レディのモノマネは微妙に似ており、その微妙さが笑いを誘っていた。
クイントも腹を抱えて震えている。ノーヴェが聞いていたら間違いなくエアライナー付きで突撃してきたであろう。
「ふぅ……。で、どの位でノーヴェはお前に追いつきそう?」
笑いが収まり、レディが珍しく真面目に質問した。
「それが分かんないのよねぇ……。かなり成長してる時もあれば、あまり成長してない時もあるし。成長自体はしてるから、そのうち追いつかれるとは思うけど」
クイントも笑いを収め真面目に答えた。
「どうしたの?急にこんなこと聞いてきて」
「いや、トーレがノーヴェを【モンスタークエスト】に連れてくとか言うから、大丈夫かなぁって」
「ああ。あそこに連れてくのね。ご愁傷様」
ノーヴェのハンター生活も近いようだ。
■■■
「ふむ……。経過は順調そうだね」
ノーヴェとクイントの模擬戦を見ていたスカリエッティは、模擬戦のデータをまとめているウーノに話しかけた。
「はい。基礎フレームも固有装備も正常に作動しています。あとは技術を磨いて経験を積むことによってオリジナルを超えることができると思われます」
ウーノは模擬戦中のノーヴェのデータをモニタに表示しながら、スカリエッティの問いに答えた。
「それとドクター、№Ⅺウェンディの調整が間もなく終了します」
ウーノはⅪと刻まれているポットをモニタに表示させた。そのポットの中には目を瞑っている赤い髪をした女性がいた。
「そうか。ほかのナンバーズはどうだい?」
「ほかのナンバーズはまだ調整が済んでおらず、数年は掛かりそうです」
ウーノが№Ⅶ、№Ⅷ、№Ⅻのデータを、調べながら答えていく。
「どんどん戦力は整いつつある。あぁ、楽しみだよ。待っているといい時空管理局」
スカリエッティは狂ったような笑みを浮かべていた。
ノーヴェ参上です。
そしてウェンディの登場フラグ。
たぶん近いうちに出します。ウェンディは書きやすい気がします。性格的に
ちなみクイントの強さがよく分からないので、結構強めにしています。