13番目のナンバーズ   作:御免寝

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学校が始まってしまう。あぁ行きたくない。ほんと行きたくない。




まぁ、それは置いといて今回も楽しんでいただければ幸いです。


11 ランスターの弾丸

「ギャハハははは!!!どうしたよ管理局員様よぉ!?」

「グァッ!!…ァ……ァァ……」

 

その場は笑い声と呻き声と泣き声で支配されていた。

 

「あー……」

 

 

レディは後悔していた。好奇心を抑えきれず行動したことを。

 

目の前には倒れ伏せた管理局員と、涙を流している少女と、その少女の首に腕を回している全身に傷を負っているゴツイ男。

倒れている管理局員はまだ意識があるらしく、必死に立ち上がろうとしていた。しかし見るからに満身創痍でデバイスも大破しているようだった。

ゴツイ男はそんな管理局員を見下ろして、笑いながら管理局員をいたぶっている。

 

普通このような場面に遭遇したら、ほとんどの人が時空管理局に通報するだろう。そして腕に自信がある人や正義感の強い人はその後に、管理局員を助けに行くだろう。

レディは間違いなく後者である。腕っ節があるという意味で。しかし、レディにはここで助けに入るわけにはいかなかった。

 

レディは管理局に些細なことでも自分の情報を知られたくないからだ。

なのはやフェイトのように普通に友達になるのは別に構わない。管理局も局員の友人一人ひとりになど注目しないだろう。

しかしここで、倒れている管理局員に顔を覚えられ、レディの情報が時空管理局に入ったら管理局はレディに接触してくるだろう。最悪、最高評議会まで情報が届いてしまうかもしれない。

最高評議会がスカリエッティを基本野放しにしているとはいえ、流石にスカリエッティを怪しむだろう。それによって計画がバレることはないだろうが、警戒をされてしまうと動きにくくなる。

 

しかし、ここで見捨てては流石のレディも良心が痛む。

おそらく倒れている管理局員は犯罪者であると思われるゴツイ男を追い詰めたのだろう。しかし、ゴツイ男が少女を人質に取ったことにより手が出せなくなった。

そしてデバイスを破壊され、大怪我を負い、今現在進行形で殺されそうになっている。

そんな人間を見捨てるのは流石に出来なかった。

 

しかし、ここで自分の情報を残したくないという問題が発生する。

レディは先ほどからマルチタスクを無駄に発揮し、問題解決に勤しんでいた。

 

変な好奇心を抑えきれていれば、こんなに悩まなくて済んだのに……。レディは再び後悔していた。

 

 

 

■■■

 

 

 

レディが何故このような場面に出くわしているのか。

一言で言うなら、レディの好奇心がそそられたからである。

 

レディはこの日、シャッハによりある意味修理されてしまったバイクを元に戻すためにパーツを探していた。

もちろんまともなパーツではないため、ミッドチルダの裏に存在する闇市である。

しかし、その闇市は少しざわめいていた。

店員に情報料を払い詳細を聞くと、デバイスの違法取引が行われており現場に時空管理局が踏み込んだらしい。

そして、犯人どもは全員捕まったが護衛をしていた違法魔導師が一人逃げ出し、それを管理局員が一人追跡していったらしい。

レディはつい好奇心がそそられてしまい、逃げていった方角を聞き、移動を始めた。

 

そして現在の悩みに繋がる。

 

(こうなったらあれか。管理局員を気絶させてから犯人をボコればいいのか?いやいや、それだと人質が危険か。希少技能を使えばなんとかなるけど、それだと大気中の魔力も消滅する。そうなると管理局も何かしら疑問に思うだろう。この案も却下か)

 

いろいろ考えていたレディはここで管理局員の変化に気づいた。

管理局員は先程まで立ち上がろうともがいていたのだが、今は全く動かなくなってしまった。

 

「んだぁ?死んじまったのかよ!?つまんねぇな、『殺してください』って泣き叫ぶまでいたぶってやろうと思ったのによォ!!」

 

そう言って、死亡を確認するためだろうか、管理局員に近づいていくゴツイ男。

 

しかし、レディは気付いていた。

管理局員は死んだのではない。そして動けないわけでもない。ただ体全体で隠しているのだ。

 

 

 

 

―――魔力を込めているデバイスを……

 

 

 

 

そしてついに男が至近距離まで近づいてきた。。

あそこまで近づいては、避けることは出来ないだろう。

 

何も気づいていない男は、人質を掴んでいる手とは逆の手で管理局員を掴みあげた。

 

「な!?テ、テメェ!?」

 

流石に男もデバイスに込められている魔力に気付いたのだろう。目を見開き、急いで距離を取ろうとしている。

しかし、管理局員は離れようとする男の肩を掴んで、口を開いた。

 

 

 

「覚えとけ、クソ野郎。ランスターの弾丸は、全てを守り、全てを撃ち貫く」

 

 

 

そしてデバイスから放たれた魔力弾は男の腕に直撃した。そう、男の人質を掴んでいる腕に直撃したのだ。

 

「ガァッ!?」

 

非殺傷設定であるため傷は無かったが、魔力による魔力ダメージを負った男は人質を離してしまった。そして離された瞬間に逃げていく少女。男が少女を再び捕まえようとしたが、管理局員がボロボロの体に鞭打ってそれを防ぐ。

 

「へ、へへ……」

 

そして少女が逃げ切ったのを見届けた管理局員はどこか誇らしげに笑い、その場に崩れ落ちた。胸が微妙に動いているので死んだわけではないだろうが、完全に気を失なっているようである。全く身動きをしない。先ほどの一撃は、まさしくすべてを込めた一撃だったのだ。

 

そして残るのは圧倒的な優位に立ち見下していた管理局員に噛み付かれ、人質に逃げられた無様な男。

 

「こ、殺してやる!!舐めた真似しやがって!!」

 

逆上した男は管理局員に止めを刺そうとデバイスを管理局員に向けた。

 

 

男は気付いていなかった。ここで致命的なミスを犯したことを。

 

 

おそらく男が管理局員に何もせずにそのまま立ち去ったなら、『彼女』は何もしなかっただろう。何故なら『彼女』は管理局に自分の情報をほんの少しでも渡したくないのだから。

しかし、男はその選択肢を選ばず、管理局員に止めを刺すという選択を選んでしまった。

 

 

 

―――その選択が自らの首を絞めるとも知らずに

 

 

 

男が管理局員に止めを刺すことはなかった。

 

「っ!!!?なんだ!?」

 

その前に男のデバイスに横から飛んできた魔力弾がぶつかったからだ。

 

 

 

 

「やっぱいいよな。こんなふうに一所懸命生きてるやつはよ。見てて、こう、眩しく感じるわ」

 

 

 

 

それと同時にそんな言葉が男の耳に届いた。

男は反射的に壊れたデバイスを声の聞こえた方に向けた。

 

 

そこには、二丁拳銃を構えたレディが立っていた。

 

 

 

■■■

 

 

 

「あんたも見ただろ?そいつわざとあんたの手を狙ったんだぜ。確実に人質を逃がすためにな。あんたを狙ってもし気絶させられなかったら人質諸共死ぬ。なら自分は死んでも人質だけでも確実に逃がそうってな」

 

レディの言葉を聞きながら、男は冷静に逃げる方法を探していた。

デバイスを破壊されたことで、頭が冷え男は自分の立場を理解していた。

 

「私はそういう奴に弱くってなぁ。微笑ましくて応援したくなる」

 

レディのセリフはなお続いているが男はそれを聞いている余裕は無かった。自分の立場を理解してしまったが故に男は自分が絶体絶命であることも理解してしまっていた。

デバイスを破壊された男は、もはや効率の悪い簡単な魔法しか使えないのだ。それに比べ、目の前の少女は怪我すらしていない。

 

しかし周囲を見渡した男は、この状況を打破するかもしれない可能性に気づいた。

 

 

―――管理局員を人質にすれば逃げることが出来るかもしれないという可能性に

 

 

あの少女は管理局員を助けた。ならば人質になり得るはずだと。

しかしいくら管理局員が自分の足元に転がっていようとも、目の前の少女は男が管理局員を人質にする前に男を蜂の巣にするだろう。デバイスを破壊した一撃を思い出して男はレディの実力を理解していた。

 

それを理解している男は神経を研ぎ澄ませ、レディが隙を見せる瞬間を伺っていた。

 

「……あぁ。さっきから逃げる方法をグルグル考えてるようだけど……」

 

そしてその瞬間がついに訪れた。

レディが喋りながら、周囲を見渡し始めたのだ。つまり男から視線を外したのだ。

 

男はその隙を見逃さずに、管理局員に手を伸ばした。

 

「お前が逃げられる可能性はもはや存在しない」

 

が、男の手が管理局員に触れることは無かった。

 

「グ……グアアアアッァァァァァアア!?!?!?!?」

 

デバイスと同じくレディの魔力弾が男の手を打ち砕いたのだ。

レディにとって視線を逸らす逸らさないなど気にするものでもない。何故なら視覚以上に気配に重きを置いているからだ。トーレは目に映らないほどの速さで動くし、チンクは爆発による煙を撒き散らす。つまり視界に頼っていては勝てないのだ。

 

そして、レディは非殺傷設定に出来ないので(レディはしようともしていないが)、魔力弾は男の手を吹き飛ばし、男の手からは鮮血が吹き出す。

 

「ヒッ!?ひいぃぃぃぃぃぃ!!」

 

男は情けない声を上げながら、レディに背を向け逃げ出したが、背を向けた瞬間に今度は両足を打ち抜かれた。

男はそれでも唯一無事な片腕で逃げようとしていたが、レディは情け容赦なく残った腕を打ち抜いた。

 

「た、助けてくれ!!な、なんでもする!!だから頼む!!!」

 

そして動くことすら出来なくなった男は、涙を流しながらレディに命乞いをし始めた。

それを見下ろしているレディは、優しく微笑み口を開いた。

 

 

「安心しろ。『殺してくれ』って泣き叫ぶまでいたぶって、それから殺してやるから」

 

 

男の表情が絶望に染まった。

 

 

 

■■■

 

 

 

ミッドチルダの自時空管理局が運営している病院。その病室に一人の青年がいた。

 

「……」

 

その病室は青年の呼吸音が聞こえるのではないかというぐらい静かだった。

先程までは、妹が目を覚ました自分を見るなり泣き出したり、それを宥めたら今度は怒り出したり、それを病室に訪れた医師が注意したりと賑やかだった。

しかし、今は医師も病室から出ていき、妹も青年の飲み物を買いに行き病室にはいなかった。

 

そんな沈黙で満ちている病室で、青年は先ほど病室から出て行った医師との会話を思い出していた。

 

 

~~~

 

 

「2週間ですか……」

 

青年は医師から聞いた言葉を思わず聞き返してしまった。

 

「はい。あなたが違法魔導師に撃墜されてから2週間の時間が過ぎています」

 

それもそうだろう。自分が撃墜されてから結構な時間が過ぎていたのだから。

それは妹が泣き出すはずだ、と青年は納得した。

 

「それで、ここからが本題なのですが……」

 

青年は医師のどこか辛そうな表情を見て、どのようなことを言われたも大丈夫なよう覚悟を決めた。

そしてついに医師が口を開いた。

 

「貴方はおそらく二度と魔導師として働くことは出来ません」

 

しかし、伝えられた言葉は青年の覚悟を簡単に崩れさせた。

 

「ど、どういう……ことですか…?」

 

青年は告げられた言葉に絶望しながら、なんとか口を開いた。しかし、その声は震えている。

 

「リンカーコアが破損しています。おそらく違法魔導師によって負わされた傷によってリンカーコアに罅が入っていたのだと思います。ここまでなら治療も可能だったのですが、その後の無茶な魔力行使。これにより完全にリンカーコアが破損したのだと思います」

「そう……ですか……」

 

青年はそう返すことしか出来なかった。

 

 

~~~

 

 

「……」

 

当然、青年は後悔など微塵もしていない。

あの時、人質を取られデバイスを破壊され、リンカーコアに罅が入っても。人質を逃がすために体ではなく腕を狙ったことも。その結果、違法魔導師に逃げられ、リンカーコアが完全に破損しても。そしてこれから魔導師として活動できなくなっても。

青年は全く自分の取った行動を悔いていない。

もちろん、自分にもっと力があったら、犯罪現場に踏み込んだ時点で捕獲できていれば、などの考えは出てくるが、そんなことを考えていても時間は戻らない。

 

 

では、何故青年はここまで落ち込んでいるのか……。

 

それは彼には妹がいるからである。

青年には、先ほど飲み物を買ってくると言って病室を出て行った妹の他に家族はいない。両親は事故で死んでしまった。

 

幸い魔法の才能があった青年は、生活費を稼ぐため、妹を守るために時空管理局で働くことを決めた。

そしていつの日か金を稼ぐためだけでなく、犯罪に苦しんでいる人、怯えてる人が安心していられる世界にしたいという想いが生まれた。

そして青年は管理局のエリートである執務官を目指し始めた。

当然努力した。練習のしすぎで気絶し、その気絶している時間が睡眠時間だ、というくらい努力したこともある。ルームメイトの密告により事情を知った妹に泣き付かれたのですぐにやめたが。

 

その夢も先ほど断たれた。

 

しかし、青年は執務官になれないから落ち込んでいるわけではない。無念という思いはあるが……。

完全に魔法が使えないわけではなく一般局員として働くことはできるだろう。しかし、それでは妹を守ることが出来ない。

その思いが青年を重く責め立てている。

 

 

「お兄ちゃん!ジュース買ってきたよ!!」

 

青年が落ち込んでいると、妹が病室に戻ってきた。その手には飲み物が握られている。

青年は沈んだ気持ちを胸の奥に押さえ込み、妹に笑顔を向けた。

 

「お兄ちゃん……」

 

しかし、長年一緒に暮らしてきた妹にはわかってしまうのだろう。妹は青年の作られたような笑顔から目を逸らし俯いてしまった。

青年はそれを見て妹に声を掛けようとするが、うまく言葉が出てこなく病室に再び静寂が戻った。

 

それから、どのくらい時間が経っただろうか。数分のような気がするし、数時間たったような気もする。突然妹は顔を上げ、青年に向かって口を開いた。

 

「私知ってるよ。お兄ちゃんが私を守るために働いていたこと。そしてもっと多くの人たちを守りたくなって執務官を目指したこと。私知ってる」

 

青年は驚いた。今まで自分が隠してきた想いを妹が知っていたことに。

 

「でも、でもね!私だってただ守られてるだけじゃ嫌なの!お兄ちゃん、今回の怪我でダメになっちゃったんでしょ?それで落ち込んでるんでしょ?もう守れないって。お兄ちゃんの顔を見れば私だって分かるもん!」

 

妹は自分の胸の内を青年に叩きつけていた。青年はただそれを受け止めていた。

 

「私はね、もう大丈夫だよ。料理だってできるようになったし、お留守番だってきちんと出来る。あとね私大きくなったら陸士訓練校に入ろうと思ってるの。今まで私はずっと守られてきた。今度は私が守ってあげる。これからは二人で助け合いながら生きてこ?」

 

そう告げる妹の瞳には強い意志を感じることができた。

青年はそれを見て驚きを顕にした。あのいつも自分の後ろを付いてきていた妹が、いつの間にこのような目を出来るようになったのだろうかと。

それと同時に青年は、もう妹はただ守られるだけの存在ではないということを理解した。

自分が執務官を目指したように、妹も知らぬうちに成長していたのだ。青年はそれを知り、嬉しいような、悲しいような、そんな不思議な気持ちを抱いた。

 

「そっか…そうだな……。うん!!これからは一緒に頑張っていこう。な!!」

「うん!!」

 

青年の言葉を聞き、妹-ティアナ・ランスターは満面の笑みを青年に向けた。

いつの間にか、青年の心を覆っていた重いものは無くなっていた。

 

 

 

そんな兄妹の和気あいあいとした空気は、ノックもせずに病室に入ってきたかなり太り気味のおっさんによって破壊された。

 

それは青年が所属している首都航空隊の上司だった。

 

 

 

■■■

 

 

 

「この役たたずが!」

「……」

 

病室に入ってきた上司は、口を開くや否や青年を罵倒した。

青年はティアナがなにも見えないようにティアナの頭を抱きしめ、何も聞こえないように耳を塞いだ。

しかし、最初の罵倒についてはどうしようもなかった。抱きしめるときに見えたティアナの顔には、涙が浮かんでいた。

 

「ティーダ・ランスター一等空尉。なぜ貴様は生きている?なぜ命を賭してでも犯人を逮捕しなかった?」

「……」

 

上司の罵倒は続く。青年-ティーダ・ランスターはそうなることを知っていたかのように、聞き流していた。

この上司は出世欲が強く、昔からちょっとしたミスにも五月蝿かった。そんな上司が今回の事件について何も言わないはずがないのだ。

 

「貴様は命を賭してでも犯人を捕まえるべきだったのだ!生き恥を晒しおって!!おかげで俺の評価もダダ下がりだ!首都航空隊のエリートはこんなものかってな!!どうしてくれる!?」

 

上司は言いたいことを言い終えたのか、息を整えているだけなのか、何も言わなくなった。

それを見計らってティーダは口をはさんだ。

 

「うるせぇな。んなこと俺が知るか。てめぇの仕事だろうが、てめぇで何とかしろよ」

「なっ!?」

 

ティーダはキレていた。敬語すら忘れてしまうほどキレていた。普段なら気にもせずに身になる話以外は聞き流していたが、今回はティアナの泣き顔を見てしまっているのだ。

その時点でティーダはこの上司を叩きだすかどうかを悩んでいた。その上にこの罵倒だ。キレて当然だろう。

 

「もちろん、俺も自分が悪くないとは全く思ってない。むしろ俺が悪い点が多いだろう。でも俺さ、あんたに言ったよな、作戦立てるときに。人数が足らなくて逃げ道を完全に封鎖できないから、他の部隊と協力しましょうってよ。そしたらあんた、なんて言った?『そんな他の部隊に手柄を分けるような真似が出来るか!!』だっけ?そんで失敗してりゃ評価も下がるわなぁ。俺のせいにしないでくれる?」

 

もはやティーダは止まらなかった。どうせリンカーコアを破損した自分は首都航空隊にはいられない。一般局員として管理局には残るつもりだが、この男の下につく気は全くない。

そんな感じにティーダ・ランスターは開き直っていた。

ちなみにティーダは最初に口を開いた時から、ナースコールを押していた。保身はバッチリである。

 

「ほかの上司とか隊員があんたのことなんて呼んでるか知ってるか。子豚ちゃんだよ、子豚ちゃん。ちなみに小心者の豚ちゃんで子豚ちゃんな。小さい豚じゃないから注意が必要です」

「キ、キサマァァァァァアア!!」

 

もはや上司の顔は真っ赤になっていた。まさに豚である。

上司はティーダに襲いかかろうとしたが、その前にナースコールにより訪れた看護師により捕縛された。ちなみに女性の看護師である。

 

「ナースに取り押さえられる首都航空隊とか。何ソレ、ギャグ?」

 

上司はまだ何か喚き散らしていたが、そのまま看護師に強制退室させられた。

いつの間にかティーダの胸から顔を離していたティアナはそれを眺め、「ワルモノは去った」とティーダとハイタッチをカマしていた。

 

 

 

後日、この上司が作戦前の判断ミスということで大幅に降格されたのを知ってティアナと爆笑したのは今ではいい思い出である。

 

 

 

■■■

 

 

 

「へ~。違法魔導師ね~」

 

ここはスカリエッティラボ・温水洗浄施設

ノーヴェとの殴り合いで再び勝利を収め、温水洗浄をしていたクイントは、後から入ってきたレディに今日ミッドチルダで起こったことについて聞いていた。

 

「で?その違法魔導師はどうしたの?」

「いたぶってたら『殺してくれ』って言い出したから、あえて殺さないで手足を縛って無人世界に放置してきた。今頃、野生動物の胃袋に収まってんだろ」

「出来れば殺さないで欲しいんだけど……。まぁ、良い事といえば良い事よね。犯罪者なんだし」

 

クイントは自分を強引に納得させた。

 

「ほかのナンバーズは?」

「ノーヴェは不貞寝。他は特訓」

「いつも通りか……。あの引きこもりどもめ」

「いつも通りね……。引きこもりなのは仕方ないと思うけど」

 

 

広域指名手配がかけられている犯罪者の基地であるということを抜かせば、いつも通り平和なスカリエッティ陣営だった。

 

 




初9000字オーバー。マジ疲れた。

ティーダを生かそうか、生かさないか悩んで、その結果このようになりました。

ちなみに学校が始まってしまうので、更新が遅くなります。
それでもお待ち頂けたら嬉しいです。
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